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81.  悪夢のエレベーター 《ネタバレ》 
なかなかトリッキーで、面白い映画でした。中盤までは「ああ、そういうストーリーね」と、あえて観客にタカをくくらせておいて、後半で怒涛の展開。ちょっとオープンっぽいエンディングも余韻があってよかったです。序盤のエレベーターシーンのやりとりは、もうちょっと自然に抑え気味にしたほうが、もっと面白くなった気がします。
[DVD(邦画)] 8点(2011-02-09 09:58:43)
82.  崖の上のポニョ
ストーリーは、まったく練られてなくてメチャクチャですね。「千と千尋」や「ハウル」 同様、「世界のルール」が唐突でご都合主義で必然性がありません。しかし特に前半、登場人物たちのふれあいにはリアリティと感動があり、人間が生きていました。「ハウル」に比べればはるかにいい映画です。
[地上波(邦画)] 6点(2010-02-11 23:02:19)
83.  落語娘
ミムラがとてもとても魅力的。津川雅彦も「こんなにいい役者だったのか」とビックリ。益岡徹も深みのある芝居をしていて、とてもよかった。ストーリーもトリッキーで、よい。登場人物たちのやりとりに心を奪われ、落語家たちの世界に入り込んで見ているうちに、いつのまにか、思いもしなかった場所に連れて行かれる。そんな感じ。「緋扇長屋」の内容にも厚みがあって、劇中劇の部分だけでも感動できた。映画の結びもきれいだったと思う。気に入った!
[地上波(邦画)] 7点(2010-02-06 00:35:35)
84.  愛のむきだし 《ネタバレ》 
またまた園監督が、すごい映画を作っちゃいましたね。実に密度の高い4時間です。深遠なテーマ、B級コメディ、純愛と、とにかくいろんなものをごっちゃごちゃに混ぜちゃった映画ですが、それが全体としてこれだけのパワーを持っている所がすごい! 役者陣がみんなうまいですねえ。特にヒロイン役の満島ひかりには、心を持ってかれます。一番最後のハッピーエンドがおざなりなのがちょっと残念ですが、これほどのカオスの収束にはこの方法しかなかったのか?とも思えますね。いやー、これは見て損はない映画でしょう。
[DVD(邦画)] 8点(2009-11-23 00:53:44)
85.  罪とか罰とか
同監督の「おいしい殺し方」に比べると、笑えるところが少ないし、悪趣味で下品なネタが多いのが、ちょっと気になりましたが、それでもケラリーノ独特のセンスが光るところも多く、全体的には楽しめました。成海璃子演じる主人公「円城寺アヤメ」のキャラに深みがあり、荒唐無稽なストーリーにリアリティを与えています。また、奥菜恵とケラリーノ演出の相性の良さは、「おいしい殺し方」同様、ここでも存分に楽しめます。一方、犬山イヌコの持ち味は、ちょっと死んでいた感じですね。ところで、麻生久美子のくだりは必要だったのでしょうか??
[DVD(邦画)] 7点(2009-10-11 07:30:07)
86.  容疑者Xの献身 《ネタバレ》 
面白かったです。オチもよかったし、堤や松雪など、配役もよかった。ただ、本当に「献身」を実現するのなら、靖子に送る封筒は脅迫状のみにするべきでしたね。「僕のことは忘れて幸せになってください」なんて書かれて、忘れられるわけないんですから。まあ、なんだかんだ言っても内心では感謝されたかった石神の「本音」を表現したんでしょうけど、「徹底した献身」という展開もアリだと思うんだけどなー。石神が逮捕されて、靖子がホッとするというラストだったら、8点か9点あげられたかも。
[DVD(邦画)] 7点(2009-10-06 22:16:48)
87.  おくりびと
思っていたのと、全然違いました。もっとかったるい、説教臭い映画か、お芸術映画を想像していました。でもこれは、テンポの良い、ある種テレビドラマ的なわかりやすさを持った、人間ドラマ。配役も良かったと思います。普通に面白いです。映画のイメージから敬遠している人にも、オススメです。
[地上波(邦画)] 7点(2009-10-06 18:38:30)
88.  ノロイ 《ネタバレ》 
映画の作りはなかなかよかったです、ストーリーはつまらなかったけど。ひとつひとつの場面は印象に残るものが多かったので、話にもう一ひねりあると、いい映画になっていたでしょう。最後のほうで少年の顔が一瞬だけかぐたばの顔になるところとかはとても気に入りました。センスがいい。あと、潤子さんの「言い方! なんでそんな言い方が出来るのかって聞いてるんだよ!」という台詞は、良い! こういう理不尽さって、呪い以上に怖いです。
[DVD(邦画)] 6点(2009-10-06 18:32:37)(笑:1票)
89.  歩いても 歩いても 《ネタバレ》 
前半1時間は、正直言って退屈でしたが、よしお君が来るあたりから、ぐっと面白くなります。ひとつひとつの台詞に繊細に込められた各人の「思い」が物語をつむいでいく様は、胸に響きますね。ただ、どの登場人物も「見られていない時に本音を言う」という同じパターンを繰り返し、ちょっと一辺倒な感じはぬぐえません。また、同監督の「誰も知らない」のようなリアルさは、この作品には感じられませんでした。構造は良く出来ているのですが、人間そのものが生きているように思えません。監督も役者も「リアルに、リアルに」と意識して作っているのが見て取れるのですが、むしろそれが裏目に出ていたような。まあ、象徴的な台詞が多いので、仕方ないのかもしれません。見終わった時、途中で見るのをやめなくてよかった、と思えたので、まあまあいい作品だったと思います。
[DVD(邦画)] 6点(2009-09-16 08:32:56)(良:1票)
90.  誰も知らない(2004) 《ネタバレ》 
面白かったです。長い間、なんとなく敬遠していた作品だったのですが、今回思い切って見て、本当によかった!と思えました。「実話をもとにしている」とか、「母親がひどい!」とか、そういうことよりも、とにかく子供たちのリアルな描かれ方に心を奪われます。YOUの演じた母親もよかったです。絵の撮り方も、とても丁寧でした。
[DVD(邦画)] 8点(2009-09-14 16:53:59)
91.  不思議惑星キン・ザ・ザ 《ネタバレ》 
ソビエト版「猿の惑星」と言った感じですが、もっと突き抜けています。一見単なる資本主義批判のようにも、あるいは社会主義批判のようにも見えますが、実は人間存在そのもの、いや、世界そのものを風刺している作品です。この映画を見ていると、「世界」ってのがどんなところなのか、あらためてよくわかります。傑作!
[DVD(字幕)] 9点(2009-09-11 23:24:37)
92.  おろち 《ネタバレ》 
ストーリー、オチは、なかなかよかった。しかし映画の出来はイマイチ。テンポは悪いし、絵の撮り方もありきたり。セリフも雑。きっと原作はおもしろいんだろうな。
[DVD(邦画)] 4点(2009-09-04 18:47:15)
93.  クライマーズ・ハイ(2008)
これだけ数多い登場人物を、すべて活きた人間として描ききる手腕は、まったくもって見事というほかありません。また、映像のテンポ、台詞、絵の色合いなど、細部にまで神経が行き届いていて、一切穴のない、とてもよくできた映画です。最初から最後まで息もつかせぬ展開。一瞬たりとも飽きさせません。ずっと前のめりになって見てしまいました。おもしろかったー!!!
[地上波(邦画)] 8点(2009-08-16 23:35:31)
94.  アキレスと亀 《ネタバレ》 
なるほど。最近のたけし映画の中ではなかなか面白い作品だった。「芸術」「芸術家」を皮肉ったコンセプトは、非常にすばらしい。ただ、ラストで奥さんが帰ってきちゃうのは気に入らない。旧態依然とした男尊女卑の感じが丸出しで。あんなものを「愛」だとしてきた古い日本映画の気持ち悪いパターンから、結局抜け出せなかったのが、非常に残念。せっかくなら、そこも皮肉って欲しかった。
[DVD(邦画)] 6点(2009-07-22 22:49:20)
95.  夕凪の街 桜の国 《ネタバレ》 
ていねいに作られていて、絵の撮りかた、役者の芝居など、全体的にいい感じでした。ドラマのつむぎ方もよかったと思います。ただ、物語の結びに、もうひとつ何かが欲しかった感じがしました。映画が終わったとき「え? これで終わり?」とつぶやいてしましました。大仰なラストシーンが欲しいわけではありません。が、どうしても「何か」が足りない気がします。
[DVD(邦画)] 6点(2009-07-20 00:44:52)
96.  蛇イチゴ 《ネタバレ》 
「ゆれる」のほうを先に見ていました。今作は「ゆれる」より、だいぶ軽いテイスト。平泉成や宮迫の芝居がなかなかすばらしく、また、親戚との会話のディテールなども実に丁寧に、リアリティを持って描かれています。大谷直子が芝居しすぎているのが残念ですが、それ以外は質が高いです。ただ、そのわりに映画全体の満足度はもう一つ。好評らしいラストシーンも、僕は好きじゃありません。
[DVD(邦画)] 6点(2009-07-20 00:38:17)
97.  闇の子供たち 《ネタバレ》 
原作の小説ほうが、詳しく、より伝わってくるものがありました。映画はちょっと中途半端な出来かな。やりたいことの焦点が定まっていない感じ。でも、世界にはこういう現実があるということを、多くの人に知らせることは重要なことだと思います。そういう機能は果たしている映画でしょう。ラストのサザンの歌は、まったく持って失敗。
[DVD(邦画)] 6点(2009-07-20 00:30:29)
98.  アフタースクール 《ネタバレ》 
うまく仕掛けられた脚本は、いかにも内田監督らしい。のっけのシーンから、いきなりミスディレクションしてるんだけど、巧妙でまったく気づきません。前2作よりもこなれてきた印象で、映画としてよくできています。が、それゆえに軽い印象もありますね。「運命じゃない人」が持っていた「味」のようなものは影を潜めた感があり、コアなファンの反応はいまひとつかも。でも、楽しく見れる秀作です。
[DVD(邦画)] 7点(2009-07-09 00:43:31)(良:2票)
99.  グロテスク(2008) 《ネタバレ》 
予想外に、いい映画でした。途中までは単なるグロものとして見ていましたが、しだいにいろいろなことを考えさせられるようになります。エロシーンが冗長でイライラしましたが、その部分を除けば、展開もテンポもよかったです。知らず知らずのうちに、3人の登場人物に次々と感情移入している自分に気づきます。もしあなたが男で、女性に「君のためなら、どんなことでもできる」などと言った経験があるなら、ぜひこの映画を見るべきです。心の底から反省することになるでしょう。…僕自身も、反省しきりです。
[DVD(邦画)] 8点(2009-07-09 00:33:00)
100.  全然大丈夫
いい映画ですね。ひとりひとりの人物の描き方が実に丁寧です。かなり地味で不器用で、普通なら決して脚光を浴びることのないような人々を、とても魅力的に描き出しています。人物も地味ならストーリーも地味。それでも、何度も繰り返し見たくなるような魅力が、この映画にはつまっています。荒川、木村、岡田の3人に加え、ココリコ田中もすごくよい。脇を固めるきたろうや根岸も完璧。ただ、映画を通して見ると、照男の「おばけやしき」関係のくだりが、実はこの映画には必要ないものであることがわかり、そこがマイナス点。劇中で自主映画を撮っているくだりも、いらなかった気がします。でも、地味でも不器用でも、全然大丈夫! という監督のあたたかいメッセージが心に響いてきて、感動しました。
[DVD(邦画)] 7点(2008-11-11 11:04:59)(良:1票)
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