81. フォー・ブラザーズ/狼たちの誓い
《ネタバレ》 あんないいおばあちゃんを殺すなんて許せん。 ヽ(`Д´)ノ 人望のあるママと人望のないビクターがとても印象的でした。この4人、やってることはとってもムチャクチャです(笑)。だがママをとても敬愛している。犯罪や復讐を肯定してしまっては、社会は成り立たないんだけど、恩義に対する侮辱は、やはり人間として許せないものがあり、この4人を応援してしまう。お笑いもところどころにあり、飽きるところが全然ない。意外なところで意外な人物が死んでいくのもびっくりしました。B級的なタイトルなのが非常にもったいない。序盤でウルウルしてしまい、中盤でクスクス笑い、終盤でハラハラする。上手いなぁ。 [DVD(吹替)] 9点(2006-11-04 16:51:28) |
82. 死刑台のエレベーター(1958)
《ネタバレ》 どんなに知性がある者でも、第3者の勝手な行動は防ぎようがなく、バカに道具を持たせると非常に危険だ、ということがよーく分かりました。つむいだ、1本の強力なワイヤーが、いろんな事象で徐々に、しかし確実にほつれていく。『完璧が崩れていく』というプロットが完璧すぎる。 [DVD(字幕)] 9点(2006-11-02 17:08:12) |
83. サウスパーク/無修正映画版
とても下品だけど爽快感があります。こういう悪ノリって大好き。子供たちは身近なテレビにモロに影響を受ける。汚い言葉を吐くことに不快を感じつつ、しかしこれも表現の自由か、と納得してしまいます。一方で親たちは『子供のために』危険な思想を正当化する。だから敵を作り、それを駆逐することを正当化させる。とても分かりやすくっていい。へんに表現をねじ曲げて、「戦争はダメだよ」とか言うよりもよっぽど効果的でした。ケニーの地獄絵図がとってもおかしかった(笑)。 [DVD(吹替)] 7点(2006-10-31 21:51:01) |
84. DEATH NOTE デスノート(2006)
字がきたないなぁ(´・ω・`) [地上波(邦画)] 6点(2006-10-28 16:20:52)(笑:1票) |
85. 逃亡者(1993)
この13年後に、あるある探検隊に駐車違反のキップを切られるわけですね、ジェラード捜査官。 [DVD(吹替)] 9点(2006-10-25 23:07:21)(笑:1票) |
86. 明日の記憶
《ネタバレ》 『痴呆症』が『認知症』という名称に変わりました。蔑視的表現だったからだそうです。これまで、『ボケる』と周りの人間が苦労する、というのがテーマのドラマなり小説が多かったと思います。この映画は、発症した本人の苦悩が主で、違う角度から鑑賞できました。最初、CGによる大都会の映像があり、またデジタルか、とガックリしていたのですが、話が進むにあたり、部下が集まるシーン、陶器を作り上げるシーン、その後のアナログの映像にとても映えていきます。その中でも、香川照之さんの『ポジティブ・シンキング』というセリフがとても胸に響きました。どんどん忘れていくのは恐怖です。だからこそ日記をつけよう、できる何かをしようとするんだと思います。それは決して悪あがきではないんだと思う。渡辺謙さんの落差の激しい喜怒哀楽と、樋口可南子さんの抑えた、しかし芯の強い演技も震えがきました。残念ながらこの病気は治らない。しかし病気を受け容れる勇気、そこから始まる闘い、夫婦愛の素晴らしさみたいなのを感じました。 [DVD(邦画)] 9点(2006-10-22 22:00:32) |
87. 鉄道員(1956)
ずーっと子供目線で描かれているので、非常に分かりやすいです。アンドレア父さんの頑固さ、ジュリア姉さんの弱さ、大人の事情をサンドロが子供なりに気遣う姿がいじらしい。特にあの、人や車に石をぶつけるシーンが印象的でした。たとえ家族がバラバラになっても、絆がつながっていれば、いつかきっと元に戻る。鉄道しかないアンドレア父さんの生き様をみて、マルチェロ兄さんのように、サンドロもきっと大きくなっていくんでしょう。どこにでもある、ありふれた家庭の話なんだけど、胸を動かされずにはいられませんでした。作中でも、ストライキの話が出ていましたけど、そういうときだからこそ、家族が支え合うんだ、ということを言いたかったんだと思いました。 [DVD(字幕)] 9点(2006-10-16 20:54:29)(良:1票) |
88. ポセイドン(2006)
《ネタバレ》 だめだ~。芥川龍之介の『蜘蛛の糸』のごとくクリスマスツリーに群がる人々。阿鼻叫喚の中、扉を閉める神父。オリジナルにあった人間のエゴが全く感じられない。初対面の人間の命令に断固たる異議を唱えるシーンがゼロに等しく、オリジナルに目がクギづけとなった僕から観れば、非常に物足りない。脱出経路が一方通行で、「こっちだ」「いやあっちだ」といった、一瞬の判断に対する意見の衝突がないので、映像だけで緊迫感を演出しても伝わってこない。自分の考えに絶対の自信がある者、足手まといだけど意外な局面で特技を発揮する者、そういう人物設定があったオリジナルの素晴らしさを皮肉にも改めて思い知らされました。映像はたしかに素晴らしい。爆炎と水流に吹っ飛ばされるシーンも圧巻ではある。しかし、役者たちの演技が淡々としていて、せっかくの舞台セットを素通りしている印象しか残りませんでした。水圧で飛ぶネジとか、「カン・カン・カン」の使いどころは唸らされただけに少し残念です。 [DVD(吹替)] 5点(2006-10-13 21:35:06)(良:1票) |
89. 運命を分けたザイル
この映画、暗黒のクレバスの上で、氷がピキッと割れてドキドキする映画なんですが、僕はこの映画のDVDのケースを棚にしまうとき、うっかり床に落としてしまい、プラスティックでできたケースがピキッと割れてしまいました。(´;ω;`)ブワッ [DVD(吹替)] 8点(2006-10-08 19:27:23) |
90. 知りすぎていた男
《ネタバレ》 あの場所で、後ろから頭をたたかれたジェームズ・スチュワートの顔を見て、おなかが痛くなるくらい笑った。 [DVD(字幕)] 8点(2006-10-01 00:22:02)(笑:1票) |
91. ディック&ジェーン 復讐は最高!
悪人になりきれないディックがとっても微笑ましい。犯罪は抵抗がありますけど、生きていくために、家族のために頑張ってるのがとても面白い。不況のせいでツケを負わされるのはいつも従業員で、経営トップに対する皮肉がこの映画のテーマなわけだけど、ジム・キャリー独特のオーバーアクションに抱腹絶倒です。ティア・レオーニもよくこんな女を捨てた役を受けてくれたと思います。どんなに落ちぶれても、決して離婚せず、夫を支えているジェーンがとても可愛らしかったです。仕事の取り合いっことか、移民とか、企業年金とか、アメリカ社会について知っていればもっと面白かったと思います。平均点6点だったので観るとき躊躇しましたが、僕にはツボにはまりました。下品な映画ではないし、テンポも非常にサクサクしているので気持ち良かったです。 [DVD(吹替)] 8点(2006-09-30 16:22:10) |
92. サイコ(1960)
こわっ! 若人あきらみたいなまゆ毛のジャネット・リーの絶叫と瞳孔が開いた演技は絶品です。マリオンはもとより、その消息を辿る者たちを襲う恐怖、という筋書きもゾクゾクします。剥製にしても覗き穴にしても、冷静に考えるとただの物体にすぎないんですが、そこはさすがヒッチコック、白と黒の陰鬱が非常に不気味です。あの黒板をツメでひっかいたような音響も突然鳴るもんだから、「こ、こえーよ!」と、テレビに向かって怒ってしまいました。皆さんがおっしゃる通り、その後のサスペンス映画に多大なる影響を与えたというのがよーく分かりました。サスペンスとミステリーとホラーを3ついっぺんに撮っちゃうなんてスゴイ。古典だろ?なんてバカにしちゃあ、いけません。 [DVD(字幕)] 8点(2006-09-28 23:15:27) |
93. Vフォー・ヴェンデッタ
"V"が、どう見ても『こち亀』のホンダラ親父に見えまつ。 [DVD(吹替)] 7点(2006-09-26 23:29:39) |
94. 東京原発
いま、電気を使用して書き込んでいます。この電気はどこからやってくるのか?考えたことなどない。トイレから流したオシッコは?考えたことなどない。しかし、どこかで循環されてまた社会に入り込んでくる。電気はたしかに必要です。でも発電所のメルトダウンは恐い。電気は必要だけど原子力発電所はいりません。あ、矛盾してる。ここがこの映画のポイントなんだ。反対するのは簡単です。大事なのは非難の矛先をどこに向けるのか、そこにあるということをこの映画は教えてくれました。あの謎の博士といい、塩見さん演ずるドライバーといい、笑かしてくれましたが、久々に、まさに映画、を観た気持ちでいっぱいです。会社の命令でしぶしぶ観に行った映画ですが、上映終了後、速攻で廊下の原発建設反対運動の名簿に署名しました。 [試写会(邦画)] 8点(2006-09-23 22:27:49) |
95. ベートーベン2
ベートーベンと3兄弟が最高です! やんちゃな2世たちをパパやママに隠れて世話するところ、心が洗われます。グローディンパパの相変わらずの災難ぶりも安心して(災難なんだけどなぁ)観ていられます。お姉ちゃんの恋愛もピュアな感じで良かったです。今回は家族愛がテーマなんだけど、へんに狙ったところがあるわけでもなく、しかし要所を上手く突いています。ついついセントバーナード犬を飼いたくなってしま、いや、世話が大変だ(笑)。ウチはネコを飼ってますが、ペットって、やっぱり家族なんだよなぁ。こういう映画を観たら、いたわりの大切さを学び、どんな子供たちもまっすぐ素直に成長すると思います。 ほめすぎと言われようが何しようが、この映画ベートーベンシリーズを断固支持します! [DVD(吹替)] 8点(2006-08-26 21:30:50) |
96. ホテル・ルワンダ
『内政不干渉』という言葉の意味が重くのしかかる映画でした。そこの国で起こっている事態は、他国の軍人が解決してはならないという風潮。条約に基づき国連軍がいようがいまいが、民兵の暴走には太刀打ちできない。誰も助けてくれない。四面楚歌でもがくドン・チードルの胸中がつぶさに伝わります。ホテルの支配人としての職責と、一家の主としての苦悩と、公私混同することなく、敵である政府軍司令官へのワイロを、絶やすことなく、自分を捨てていく姿が、”男らしい”みたいな単純なありきたりの言葉では到底片付けらない。「この大量虐殺の映像を見ても、『まぁ、怖い』の一言で終わり、みんなまた食事に戻る」というホアキンの一言一言が非常に印象に残りました。いつもテレビでどこかの国の紛争の、空爆やらテロやらを耳にしますが、対岸の火事で終わってしまう。特に日本人は募金箱に10円玉を入れて、国際平和に貢献した気でいます。悲惨だと分かっていても何もできない無力感で、自分自身に腹立たしさを感じてしまいます。しかし、紛争の原因が、民族間の下らない偏見によるものだというのが、解決を目論むにはあまりにも根深く立ちはだかっています。おそらくナタでTutsi族の者を殺すHutu族の青年も、なぜ殺さなければならないのか分かっていないと思う。ただ周りのみんながTutsi族をゴキブリ呼ばわりしているから同調しているだけ。しかしそれが戦禍の火種となっている現実がやるせない。 最近ですと、アメリカ軍がイラクを制圧しましたが、国際平和は基より、人道的見地からも経済的見地からも果たしてそれが誰にとって良かったことなのか、ふっと考えさせられました。 [DVD(吹替)] 9点(2006-08-24 17:41:43) |
97. ナチュラル
《ネタバレ》 能力の充実した時期に、災難のような事件で野球人生を棒にふったハブスが、自分の力で再びチャンスを取り戻していく姿が感動的で、本当に野球が好きなんだなぁという印象を持ちました。普通、成功におごりを見せて自堕落な生活をする主人公が定番なんだけど、ハブスには一種の正義感があり、たとえ買収を持ちかけられても決して屈しないところに男らしさを感じました。ロバート・レッドフォードは、古き良きアメリカ人というイメージが強いので、安心して観ることができました。商用映画というイメージが沸かないので好印象です。 [地上波(吹替)] 8点(2006-08-21 19:36:01)(良:1票) |
98. ベートーベン
声に出して笑える映画って、なかなか見つかりません。そういう意味でもこの映画、とても貴重です。とにかく笑えます。微笑んでしまいます。ほんわかしてしまいます。前半、ベートーベンがどうしようもないくらい手を焼くイヌで大笑いしてしまいます。しかし、陰でパパたちを守ってくれてる姿にホッペから微笑んでしまいます。あんなにイヌが嫌いだったパパも変わっていく姿、ベートーベンを助けに行く家族の姿を見て、ほんわかしてしまいます。他のレビュワーの方がイヌを飼いたくなってしまうと書いていらっしゃいましたが、ホントにそうですね。こういう手の込んでいない、しかし見ごたえのある動物映画、やっぱり大好きです。 [DVD(吹替)] 8点(2006-08-21 19:23:24) |
99. SWEET SIXTEEN
《ネタバレ》 小銭を稼いできた子供が、夢のために大金を稼ごうとする。単純なことなのに、観ていてとても哀しかったです。手に入れようとすればするほど、色んなものをどんどん失ってしまう過程が、まさに抜け出せないの一言に尽きます。やってることは全て犯罪でどうしようもないんだけど、目的が…。16歳から一人前の大人ということがテーマなんだけど、15歳のうちの、どうしたらいいのか分からないもどかしさみたいなのが脚本に上手く表れていたと思います。『大人は判ってくれない』とか、『リリィ・シュシュのすべて』を観たときのような少年期の脆さがあって、後味が悪いのにとても良い映画でした。 [地上波(字幕)] 8点(2006-08-17 23:26:50) |
100. キートンのセブン・チャンス
自分は、ネクタイにぶら下がったカメで爆笑しました。笑いというのは、漫才でもコントでも芸人が笑ってるのを見ると、つられて笑ってしまう手法があります。芸人の笑い顔を、(ここは笑いどころだからここで笑えばいいんだなと)一種のサインと判断するからです。いま、エンタの神様に小梅太夫という、キートンさんと同じく”笑わない”お笑い芸人がいます。小梅太夫はキレたキャラで笑いを取ります。一方、キートンさんは、体を張ったギャグで笑いを取ります。ラスト10分のキートンさんの卓越した動きは、スタント顔負けです。笑いは、口先だけでウケを狙おうとするとスベる可能性が高いです。キートンさんのすごいところは、ここで3メートルのガケ越えをすればウケるとか、クレーンにぶら下がればウケるとか、考えることは誰でもできますが、誰がそれを実行するのかという問題に直面したとき、それを自分がやってるところです。転がってくる岩、どう見てもハリボテなんです。しかし、キートンさんが体を張って逃げるからこそ、ハリボテが本物に見えてしまうのです。胸の中にあるハラハラが、クスクス笑うことで重圧から解放される。腹の底から笑える。80年も前にこんなに偉大な喜劇王がいたことに感嘆します。 [DVD(字幕)] 9点(2006-08-07 22:34:30)(良:1票) |