Menu
 > レビュワー
 > 青観 さん
青観さんのレビューページ[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1963
性別 男性

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(評価分)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
【製作年 : 1980年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
評価順1234567891011
投稿日付順1234567891011
変更日付順1234567891011
>> カレンダー表示
>> 通常表示
81.  座頭市(1989)
勝新と言えば真っ先に「座頭市」が思い出されるぐらいやはり私には「座頭市」と言えば北野武ではなく、誰が何と言おうと勝新太郎である。そんな勝新こと勝新太郎がこれは長年の「座頭市」ファン、勝新ファンの為に勝新自らがメガフォンを撮り、恩返し的な感じで撮られた映画であるように思われるのであって、これの他の「座頭市」シリーズをほとんど見てない人と私のようにほとんど見ている人とでは大きく意見が分かれることであろう!確かに勝新の殺陣の凄さも役者としての力量もオーラもそこらのテレビ俳優とは異なるこれぞ映画スターというものは感じられる。しかし、それでも作品全体に何か違和感、例えばかつての「座頭市」シリーズで感じられた単なるチャンバラものと違うヒーロー像の中に感じられた温かさと人間的弱さとユーモア、そういうものが今作ではいま一つ感じられない。それにやたらとしつこい濡れ場もこれも正直、どうなの?と感じてしまいます。またやはりどうしても今までの作品と比べてしまうと悪人の貫禄、迫力、座頭市を付けねらう男達の悪としての魅力、凄みも弱い。そんな中にあって、大好きな大好きな三木のり平との共演は嬉しく思う。正直、出来ることなら「座頭市」はこのシリーズのファンとしては前作で終わりにして欲しかった気もしなくもないし、ちょっと複雑な気持ちである。
[DVD(邦画)] 6点(2010-11-09 22:47:10)(良:1票)
82.  東京画
小津映画にとって絶対に欠かすことの出来ない俳優である笠智衆が小津映画の思いを語るシーンは何とも興味深くて感動的であるが故にそれ以外の場面で何となくふっきれないもどかしさ、空しさ、哀しさとでも言うべきか?小津監督のドキュメンタリー、あの名作「東京物語」が語られるものの、何だか小津映画的な静かさ、その中にこそ感じられるしみじみした味わい深さがここでは感じられない。タイトルこそ「東京画」なのに東京の街の雰囲気が伝わってこない。東京に住んでいる人でない私のような人間にも「東京画」というものの素晴らしいものを見せて欲しいし、解るように撮って欲しくもある。そんな不満を感じつつも小津監督と小津映画に対するヴィム・ヴェンダース監督の尊敬、思いは伝わってた。その意味では評価しても良い作品ではあるし、色んな意味で興味深く観ることが出来ただけに違和感の残る作品でもあり、そう考えての点数てことで大目に見ての6点て7点より高い点数は付けられない。
[ビデオ(字幕)] 6点(2010-11-06 15:58:49)
83.  釣りバカ日誌2
ちょっと谷啓さんの死去から随分と日が経つ中で、また観たくなってきたから借りてきた。一度は映画館で1作目から最後の作品まで全部観てます。久しぶりに観るけど、やはりこのシリーズは初期の頃の方が面白い。西田敏行と三國連太郎のコンビはやはり良い。このシリーズに対してはあれ?何で前作で高松に戻ったはずの浜ちゃんとみちこさんがまた東京にいるの?なんて突っ込みは無しにして、もう余計なことは一切抜きに楽しみたい。ここからの「釣りバカ」シリーズはいわば寅さんと一緒です。必ずマドンナ的存在の女性が出てくるというのは明らかに寅さんファンを意識しているように思う。浜ちゃんとすーさんがそんな美しいマドンナとどう話の中で絡んでいくか?を楽しむ。マドンナには原田三枝子、自分としては渥美清こと寅さんが元気なうちに原田三枝子のマドンナの寅さんも見たかったという不満をこの寅さんシリーズ同様にマンネリ化していようが、中にはつまらないものが幾つかあろうがそれでもシリーズ全体を通して見てしまうほどのファンとしては見せてくれていて嬉しかったりもする訳で、他にも谷啓演じる佐々木課長もまだこの時は元気だし、勿論、石田えりのみちこさんも素敵です。とにかくシリーズの第2作目こそがこの後のこのシリーズの原点みたいな感じが致します。 (訂正:2010年10月24日)
[DVD(邦画)] 7点(2010-10-24 19:44:17)
84.  セーラー服と機関銃
確かに出来としてはそんなに大した映画じゃないような気がするけど、好きか嫌いかて言われると嫌いではない。では、好きなのか?と言うと、これまたそれほど好きなわけでもない。相米慎二監督の映画って、昔は苦手だったけど、今、見直すと所々で不思議な魅力が隠されているような感じが漂うのである。この映画における薬師丸ひろ子の存在、これは薬師丸ひろ子だからの映画って気がする。最後にやはりこの映画のタイトル、これが私は一番良い気がしてならない。だって、セーラー服だよ。すいません。セーラー服が嫌いな男なんてまずいないでしょ!学生服と機関銃だったら絶対に見てないよ。まあ、なにわともあれ、薬師丸ひろ子のファンの為の映画であることは間違いないわけでして、個人的には「Wの悲劇」は別格として、その次に薬師丸ひろ子で直ぐに思い出す映画となるとこの映画です。
[DVD(邦画)] 6点(2010-10-22 21:47:38)(笑:1票)
85.  快盗ルビイ 《ネタバレ》 
小泉今日子の大ファンである友達と観に行きました。小泉今日子の可愛さは永遠のものです。今でもあの時の可愛さ、忘れません。勿論、今でもとても41才(バカボンのパパと同じ歳とはとても思えない。)には見えない可愛さを意地しているところが凄い。そんな小泉今日子の前にただただ言いなりになって泥棒を手伝う三枚目を演じている真田広之だが、見た目は二枚目だが、三枚目を演じる時の方が魅力的であり、そういう役を演じる方が断然、良く見える俳優である。少なくとも「たそがれ清兵衛」のようや役よりも三枚目のどこにでもいそうなサラリーマン風な男を演じる方が私は良いと思う。この作品ははっきり言えば一昔前のアイドル映画であり、けして、傑作とは言えないが、作品全体のいかにも昭和60年代風な感じが同じ時代を生きてきた者としては見ていても楽しい気持ちにさられるのと明から雰囲気を楽しむそんな映画である。この映画を観て映画にも雰囲気というものはとても大切であるということを教えてもらった気がします。
[映画館(邦画)] 8点(2010-10-22 21:37:46)(良:2票)
86.  フルメタル・ジャケット
言葉による暴力が引き起こす人間性、それによる崩壊が何とも凄まじいほどの狂気を見せ付けられることになる。「博士の異常な愛情」が核戦争による狂気とすれば「2001年宇宙の旅」が機械による文明、コンピューター社会によって生まれる狂気とすれば「時計じかけのオレンジ」が暴力というものの持つ恐さだとすると、この映画もまた同じように言葉による暴力映画として捉えることが出来る。戦争そのものの狂気よりも人間が同じ人間なのに人を人とも思わないような差別的な言葉や態度で死に追いやる。それこそが一番の恐さ、やるせなさであるようなとにかくこの映画もまた色んな意味で狂気に満ちている。私にとっての監督、スタンリー・キューブリックはこの映画が本当の意味での最後の映画である。
[映画館(字幕)] 8点(2010-10-22 20:46:44)
87.  月の輝く夜に 《ネタバレ》 
なるほどね。それは確かに弟の方に惹かれる気持ちが何となくだけど解る気がしてしまうほど兄貴のアホ、マヌケぶりがある意味微笑ましくもあり、情けなくもありと色んな意味でこの映画に出てくる人達はどこか憎めない。結婚したい相手にプロポーズする場面で大事な指輪さえ忘れるわ、挙句の果てには弟に女を持っていかれるわでどうしようもないバカ兄貴!話としては都合の良すぎる展開も全て許せてしまうのは雰囲気が良いのと、絵が美しいのと音楽も美しく、都会の町並みの風景やら空に浮かぶ大きな月、それを見て吠える犬、一度に五匹もの犬を連れて歩くおじいちゃんも微笑ましかったりとそういうものもこの映画を単なるラブコメディではない、大人のドラマとして見せるだけのものを感じさせる上手さを感じることが出来た。
[DVD(字幕)] 7点(2010-09-23 21:18:51)
88.  恋人たちの予感 《ネタバレ》 
好きだ!この映画のどこが良いのか?て聞かれると答えるのに苦労するけど、好きなものは好きだからどうしようもない。そう答えるしかない。とにかくメグ・ライアンが良い。もう完全にこの映画はメグ・ライアンだから良いのである。ビリー・クリスタルとの二人の食事のシーンでのメグ・ライアンの喘ぎ声、あの時の演技、声、顔付き、どれもが良い。下手なアダルトビデオよりも興奮できる。←下手なアダルトビデオてどんなんだよ?という質問、突っ込みはしないで頂きたい。メグ・ライアン演じるサリーがサンドイッチを1時間半かけて注文しようが、夏に風邪をひこうが、眼を細めて話そうが、全てを受け入れるビリー・クリスタルのかっこ良さ、見た目はどう考えても二枚目なんかではない。三枚目なハリー(ビリー・クリスタル)が良い。全くもって嫌味の無い。本音と本音のぶつかり合いをテンポ良く見せてくれているこの映画が私は好きです。 二人で別々の部屋で同じ時間に同じ映画を見ている。あの映画が私の好きな映画でもある「カサブランカ」てのも良い。メグ・ライアンの下手くそな絵だって愛しく思えてしまう。とにかくメグ・ライアン、メグ・ライアン、メグ・ライアンの魅力でいっぱいの映画である。
[DVD(字幕)] 9点(2010-09-12 21:36:11)
89.  会社物語 MEMORIES OF YOU
谷啓さん死去という悲しいニュースを聞いて借りてきた。もう二度とあのジャズ、かっこ良いトロンボーンが聞けないと思うと本当に残念でならない。会社物語という何ともしみじみした内容に私の知っている。今まで見たクレージーキャッツの映画にはない空しさ、笑えるシーンもほとんどなく、何だか寂しい感じが漂う。正直言って楽しい映画ではない。でもこれはこれで有りだと思えるのは、クレージーキャッツのメンバー全員が勢揃いしているということが大きく、メンバー全員の最後の共演作品であるというだけでもファンにとってはありがたい映画である。谷啓さんが亡くなる前に既にハナ肇も植木等ももうこの世にはいない。この世にはいないと言う意味では監督の市川準監督ももう亡くなってしまっている。谷啓さん、天国でハナ肇や植木等といった仲間とこれからも楽しくやってください。ご冥福をお祈りすると共にあなたの存在、一生、忘れることはありません。「釣りバカ」シリーズでの佐々木課長、大好きでした。
[DVD(邦画)] 7点(2010-09-12 12:19:42)(良:1票)
90.  瀬戸内少年野球団
夏目雅子の遺作!野球映画として見るとかなり物足りないことは否定しませんが久しぶりに拝見してみて、やはり夏目雅子の美しさが輝る。篠田正浩監督という人の作品はハズレばかりの中で、この作品が一番好きです。瀬戸内海の美しい街並み、インザムードのあのグレンミラーの音楽、そして、やはり夏目雅子!それにしても監督に恵まれないまま僅か二十七歳という若さで亡くなってしまったこの夏目雅子という女優の輝きと美しさは永遠のものであるし、監督にさえ恵まれれば映画史に残るだけの素晴らしい映画を沢山残すことが出来たと思うととてもやりきれない。昨今の日本の女優にはない本物の女優としてのオーラ、美しさが画面を通して見る者に迫ってくる。本来なら6点ぐらいの作品であるも、夏目雅子の魅力で1点追加ということでの7点!
[CS・衛星(邦画)] 7点(2010-09-11 13:07:09)(良:1票)
91.  時代屋の女房
これはもう、イニシャルKさんのおっしゃる通りの映画で、個人的にはこの作品の夏目雅子が一番好きですし、これこそ彼女の残した作品の中でもナンバーワンだと思います。話そのものよりも、とにかく夏目雅子という女優を語る上でこの作品を語らずして他のものを先に語るなんてことは私には出来ません。ラストの傘を差してる時のあの笑顔は絶対に忘れることなど出来ない。もっと長く生きていたらと思うと本当に残念です。あんな女優さんは二度と出てこないだろう!
[ビデオ(邦画)] 8点(2010-09-11 13:04:55)(良:1票)
92.  魚影の群れ 《ネタバレ》 
この映画を一言で表すなら「壮絶」て言葉で表したい。緒形拳と佐藤浩市の二人の男のもたらす一騎打ち、漁師としてのプライドをかけた男とそんな男を慕う男の闘い、愛する女の為になら頭を下げ、どんなことにも耐え、少しぐらいのピンタも耐えて見せる男、そして、二人の男に関係する女、父親への愛と愛する青年への愛、待つ女を見事に演じて見せてる夏目雅子の存在があればこその作品になっていると言っても過言ではないぐらい夏目雅子という一人の本物の映画女優の存在が大きい。緒形拳と佐藤浩市が船に乗ってマグロを釣りに行く。あの釣り糸が間違って佐藤浩市の顔へと行く場面の凄まじいことといったらないぐらい漁師という職業の厳しさ、辛さが物凄くリアリティーを持って伝わってくる。半端じゃないぐらいの映像的な力強さ、それはオープニングのあの長回しからしてこの監督らしい力強いショットとして現れている。夏目雅子が自転車に乗って坂道を下ってくるシーンにおいても映画的な力を感じることが出来る。夏目雅子というこの女優の持っている魅力、男に対する態度、待つ姿、そして、やはりあの日傘、夏目雅子に日傘、森崎東監督の「時代屋の女房」の中でも日傘姿の彼女が映し出されるが日傘がこれほど似合う女優は果たして他にいるだろうか?ただ見た目が可愛いだけでない、きちんとした演技力を持っているこの女優の若くしての死は本当に不幸である。映画史において各年代事に必ずその時代を映し出す本物の女優がかつての日本映画にはいた。少なくともこの映画が撮られた1980年代において最も女優らしい、それでいて、誰でも親しみの沸くことの出来る女優は夏目雅子で決まりである。この映画は男と男の格闘であると共に女も女で男達と共に何かに向って戦いを求めているような感じがしてならない。いずれにせよ、夏目雅子がいる。彼女がいるといないではここまでの作品になったであろうか?僅か27年という短い人生においてまた短かった映画人生において夏目雅子の代表作であると共にこれもまた若くして亡くなった相米慎二監督の代表作の一つであると思います。
[DVD(邦画)] 8点(2010-09-11 13:01:58)(良:2票)
93.  スーパーガール
何となく昔、テレビで放送していたのを覚えてはいるし、観たような気もする。でも、全くもって内容覚えてない。どんな映画だっけ?何だか久しぶりに見たくなって借りてきた。スーパーマンに対抗してのスーパーガールなんだろうなあ?てのはよく解るし、男ならやはり可愛い女の子が短いスカートで空を飛ぶのを観るのは良いものである。あくまでもこの映画はスーパーガールであることが大きい。もしも、あれと全く同じかっこをむさ苦しい野郎ども、男がしたらとてもじゃないけど見ちゃおれん。スーパーマンはクリストファー・リーブだからかっこ良いようにスーパーガールも女の子だから良いのであって、女の子であるということが重要なのである。別にスーパーウーマンでも良いんだけど、でもやっぱりガールであることの方が良いし、嬉しいものだ!内容なんて大してないし、中身のある映画でもない。それでも良いのだ。全てを許せてしまうのは私が男であるからである。それにてもう~ん?やはり短い。短すぎるぞ!
[DVD(字幕)] 6点(2010-08-26 22:32:14)(笑:2票)
94.  国士無双(1986)
伊丹万作監督によるオリジナル作品は未見の上で言わせてもらうと、話そのものは面白いが映画としての面白さはさほど伝わってこないのは、これは脚本に問題があるようにも感じられるし、あの音楽も何だか時代劇とは全く合ってない。浮いている。原田三枝子とフランキー堺の演技に関しては素晴らしい。それなのに作品そのものはしっくりこない。テンポが悪い。本当なら5点が良い所かもしれないが、6点にしたのはフランキー堺と笠智衆というまるで昔の邦画ファンにとっては夢のような共演を観れたからである。それも時代劇で観れたというのは後にも先にもこれが最初で最後である。確かこの二人が共演している映画となると「世界大戦争」という邦画史に残る大傑作があるが、とてもじゃないけど遠く及ばない出来栄え!まあ、はっきり言って私のような余程のフランキー堺ファンであり、笠智衆ファンでもない限りは人にはお薦めしようて気持ちにはなれない。しつこいようだけどフランキー堺と笠智衆の共演あればこその点数である。最後にあの大傑作「無法松の一生」の脚本家でもある伊丹万作自身が監督したオリジナルの方を見たいし、見たくなる。
[DVD(邦画)] 6点(2010-08-19 22:22:06)
95.  ビートルジュース
ティム・バトーン監督らしい雰囲気、ホラーなんだけど、怖さよりもやはりこれはコメディの要素の方が強い。ウィノナ・ライダーが可愛い。正直、初めて観た時は面白かったけど、今、観ると初めて観る時のようには楽しめない。それでも最近のティム・バートン作品よりは楽しめるし、好きです。この映画はウィノナ・ライダーあればこその映画であって、私にとっての初めて観たティム・バトーン監督作品でもある。まあ、色んな意味で如何にもティム・バトーン的な要素が満載の映画!初めて観た時は8点!でも久しぶりに観たら6点が精一杯!
[DVD(字幕)] 6点(2010-07-23 23:42:18)
96.  ジンジャーとフレッド 《ネタバレ》 
「ジンジャーとフレッド」このタイトルだけで観たい。そう思わずにはいられなくなり、借りてきた。ここ数年、以前は苦手だった。いや、苦手というよりは単なる喰わず嫌いであったミュージカル映画というものが今ではすっかり好きになった原因を私に作ってくれた二人、ジンジャー・ロジャースとフレッド・アステアへのフェリーニ監督からのオマージュ、そして、長年、私の作品を見つづけてくれているフェリーニ映画ファンへのご褒美と言える作品って感じの映画である。フェリーニ映画の中で数々の名演と印象的な姿を見せてくれているジュリエッタ・マシーナとマルチェロ・マストロヤンニの二人が憧れのミュージカルスター、ジンジャー・ロジャースとフレッド・アステアになりきって、踊る。勇気を振り絞り、踊る。よくぞ踊ってくれた。例え、ポロボロでも構わない。年老いてしまった二人だが、年齢なんて関係ない。どんなに年老いても好きなものに対する愛情、情熱は変わらずに生き続けているというものが二人の姿から見えてきて、それだけでも観て良かった。心からそう思う。フェリーニ監督らしくテレビの裏側をサーカスの如く、見せながら皮肉たっぷりに描いている。人生の厳しさと儚さ、年老いていく者の寂しさ、色んな意味でフェリーにという人は人間の持っている一面を包み隠さずに描く監督であることがこの映画を見れば解る。とにかくこれまたフェリーに監督によるフェリーに監督らしいそんな映画になっている。最後にもう一度だけ言わせて下さい。ジュリエッタ・マシーナとマルチェロ・マストロヤンニの二人に「よくぞ踊ってくれた」ジンジャー・ロジャースもフレッド・アステアも天国で二人の踊る姿を観て喜んでくれていたと思います。
[ビデオ(字幕)] 8点(2010-07-09 20:37:50)(良:1票)
97.  BARに灯ともる頃
父親にとってはいつまで経っても子供は子供のままであり、それが息子となれば、尚更のこと、永遠に可愛いものであったりする。また息子にとっての父親の存在の大きさというものを離れて暮らすことで今まで気が付かなかったものが見えてくるとしいうような何かこれは男と男、つまり男同士の関係は母親と娘に置き換えてみても同じようなものであったり、離れていてもどこかで繋がっているんだというのがこの映画を観ると感じずにはいられない。あれほど息子を子供のように可愛がり、だからこそ信じあうものが生まれてくる中で息子には息子としての事情があって、父親の存在が時に邪魔くさく思えてならなかったりと人間はそういう生きものであるとばかりに色々と考えさせられる映画でもある。こういう映画を観るとイタリア映画はアメリカ映画にはない上手さ、家族を描くことに力を注ぐことに関してはどこか日本映画的な香りを感じる国、それがイタリアという気がします。
[DVD(字幕)] 7点(2010-07-02 22:44:38)
98.  センチメンタル・アドベンチャー
クリント・イーストウッド=西部劇というようなイメージがある中でのこれは西部劇とロードムービーと音楽とクリント・イーストウッド自身が1番、やりたかった映画はこういう映画であるような感じがする作品ではないだろうか?淡々とした流れで派手さはない。どちらかというと内容的にも暗い。この監督、俳優としての作品に常に付きまとう「死」というものの人間にとって、それは人間だけでなく、生きもの全て、命のあるもの全てに必ずいつかは起こるもの、そういうものが描かれている。音楽を誰よりも愛している者の音楽への気持ち、病気で声が出なくなりそうになる中での音楽に対する情熱、色んなものが描かれている。タイトルこそセンチメンタルなんてあるけれど、全くセンチメンタルではない。人間としての誇り、刹那さ、改めてクリント・イーストウッドという人は人間とは何か?的な問いを画面を通して訴えかけてくる。あまり見ている人の数が少ないのか?この映画の中にその後のイーストウッド作品を語るものが見られるような気がして、色んな意味で監督としてのクリント・イーストウッド、俳優としてのクリント・イーストウッドを思わせる映画でもあるような気がする。
[DVD(字幕)] 7点(2010-07-01 22:25:19)
99.  終電車
なるほどね。そういう終わり方か!洒落た終わり方を見せてくれる。そういう意味では良いのたがフランス映画なのに、フランス映画ぽさが全然感じられない。カトリーヌ・ドヌーブの相変わらずの美しさとトリュフォーの足フェチぶりには毎度ながら感心させられる。後半は楽しめたけれど、前半がかなり退屈です。トータルで考えると6点てことで、けしてつまらなくはなかったけどちょっと物足りない感じがしました。
[DVD(字幕)] 6点(2010-06-12 10:48:38)
100.  恋恋風塵 《ネタバレ》 
冒頭のトンネルを映し出すシーンからして、既にこの映画における監督の狙いのようなものが感じられる。トンネルを抜ける列車の中での少年と少女の何気ない会話、幼馴染みである二人の何てことのない会話、気取った会話があるわけでもなければ、お互いが相手のことを好きでありながら叫ぼうとするようなそういう行動などこの二人は絶対にしない。愛なんて、大げさに口にして叫ぶものではない。言葉に出さなくても表情一つで相手に伝わるし、見ている私たちにも伝わってくるのである。そういうことをこの監督さんであるホウ・シャエシェン監督という人は解っている。二人がほとんどしゃべらない。おそらくこのテンポに対しても最近の映画、特にテレビ的邦画きりに慣れてしまっている人には物凄く退屈かもしれないが、映画とは如何にして映像で思いを伝えることが出来るのか?という映画的表現方法の上手さ、巧みさ、この映画を観ると、どれだけ今の映画が駄目かということが解る。懐かしい映像、昭和のどこにでも存在していた日本的な景色も同じアジア、国こそ違ってもそこな流れる空気、美しさは台湾も日本も同じである。懐かしさを感じさせるのに無理に大げさなセットなど要らない。まして、CGなんか不要である。元々そこに存在する景色をただ映すだけでこれだけのものが撮れるんだということをこの映画は教えてくれている。ストーリー的には特に凄いドラマがあるわけでもない。少年と少女の恋愛、別れ、駅での別れの場面での少女の去っていく後姿、後を追いかけない少年、これ以上、余計に追うことなく描き切ることでその後の兵隊へと出向くことになる少年の辛さ、何とも切ない少年と少女のラブストーリーである。
[ビデオ(字幕)] 8点(2010-06-06 12:05:51)
全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS