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81.  第3逃亡者 《ネタバレ》 
もう完璧に古い。旧き良き時代と言えばそれまでだけど、んなアホなの連発は僕が観ても失笑モン。 だけど何でしょ、これ案外面白い。例えば精神的に追い込まれた人間の挙動が、手の震えやヘンテコなリズムを叩くエンターティメントとして表現され、そんな人間をいたぶる事にたっぷり時間を取ってるとことか、憎いです。ハラハラもドキドキも無いですが、それでも充分楽しめてしまいました。 映画って何なんだろ。 
[DVD(字幕)] 6点(2007-04-08 21:28:42)
82.  何がジェーンに起ったか? 《ネタバレ》 
強烈。あの歩き方、笑い方、巨漢レスラーのようなド迫力の蹴りの入れ方、そしておぞましいダンス、戦慄の乙女チックなりアクション・・・、ベティ・デイビスがとにかくいろんな意味でグロテスク。ラスト、海辺のシーンを観終えた後に人生とか隣人とか色んなコトを考えさせる。グロさ以上に心理的に恐いところが巧い。でも面白いけど一度観たら充分です。 
[DVD(字幕)] 7点(2007-04-08 09:02:58)
83.  マルタの鷹(1941)
これはもうハンフリー・ボガートの独壇場ですね。頭が切れてキザで渋くて、そして品格ただよう魅力、これが決まりに決まってますね。あの早口の英語の発声さえも、自分には楽器で奏でた魅力的なリズムのように心地よいです。 
[DVD(字幕)] 7点(2007-04-07 23:28:31)
84.  ザッツ・エンタテインメント 《ネタバレ》 
自分が『雨に唄えば』でミュージカル映画好きになってからすぐに観た作品。あらためて観ても自分のような後から好きになったファンには未見の映画・映像がてんこ盛りでまさに夢の世界へ逃避行。 ジューン・アリソンがピーター・ロウフォードらと楽しく唄い踊るシーンや、『艦隊は踊る』の "ハレルヤ!" そしてアン・ミラー! それにしても、あのエスター・ウイリアムズ?の扱い、いやそれ以上に『2001年宇宙の旅』と双璧をなすブッ飛んだ映像は何だ!?いや確かにエンターティメントだ。 でも、もしも老いたアステアやミッキー・ルーニー(そして勿論ライザ・ミネリ)と一緒にジュディ・ガーランドがここに居てくれたなら・・・。どう見てもMGMの最大・最高の看板ではないですか? "恋のとりこに" など初期の楽曲・映像がふんだんに盛り込まれ、"トロリー・ソング" そして "アチソン・トペカ・サンタフェ" なんて最高です。未見の『ブロードウェイ』は観たくて観たくてたまらなくなってしまいます。ちなみに、この映画のサウンドトラックも最高です。 
[DVD(字幕)] 9点(2007-04-01 23:45:27)
85.  知りすぎていた男 《ネタバレ》 
実際観るまで "ケ・セラ・セラ" は単なる挿入曲だと勝手に思っていたので、この曲の扱い方、使われ方にヤラレてしまいました。ドリス・デイいいですよね。それにしても、この時代のヒッチコック監督のカラー作品のテンポと言おうか、ヌケと言おうか、じらし様と言おうか、おそらく全部なんでしょうけど、好きなんで。もうこればっかりは、どうしようもないんです。ただこの作品は邦題が損してる(原題からして仕方ないけど)でもなんかこの邦題じゃ物足りない。 
[DVD(字幕)] 8点(2007-04-01 21:51:34)
86.  アメリカン・グラフィティ
めっちゃ好きです。仲間との最後の一夜を過ごす主役4人の悶々とした感情、そしてローリー、デビー、キャロルといった女性陣のそれぞれの個性、すべて巧く詰め込んでウルフマンが繋いだオールディーズ。 
[DVD(字幕)] 8点(2007-04-01 11:32:49)
87.  チャップリンの黄金狂時代 《ネタバレ》 
約束をとりつけた歓喜の部屋ん中大暴れ、羽毛?舞い散る中、手袋を取りに戻ったジョージアと対面するシーンが最高ですね。すべてのギャグも笑えると言うよりも感動に近い。ずり落ちるズボンを必死に色んな方法で食い止めながらのダンスシーンなども、正直爆笑かと言えばそうではないのですが、とにか芸術性を感じまくると言うか、シーンの放つ光が全編・全然ハンパじゃない。  
[DVD(字幕)] 8点(2007-04-01 00:00:54)
88.  ローマの休日 《ネタバレ》 
僕が僕であるために、やはりこの映画には最高得点以外つけられない。ただただ呆然と見つめるしか手立てがない、このオードリー。この時代においてさえ恐らくは過去の美人女優の系譜から外れた独特の顔だち、それでいて(くどいけど恐らくこの時代において)他の多くの美人女優を完璧に色褪せさせる殺傷力さえ持つこの輝きは、ある意味えげつない。こんな異次元の輝きだからこその刹那を、この映画を繰り返し観てかみしめることの出切る喜び、難解なピースが一瞬にして埋まったような興奮さえある。 そして思い出は売れない。惚れてしまったペックはまだしも、突き飛ばされ水かけられまくったエディ・アルバートの友情の証、写真を王女に渡すシーンはグッとくる。とは言えペックもいい、男はもっと女々しいものだが、よくぞ耐えた我慢した。ただ目と目だけで語り合った無数の会話、一番の思い出の首都を聞かれたアン王女のおきて破りの回答 "ローマ" が胸に突き刺さった瞬間を思えば!今、今すぐに奪い去りたい。 それでも本当に強い男だからこそヒロインを抱えて連れ去ったりしないのだ。しかし実際それもこれもオードリーの輝きがあればこそ、ここまで映えるシーンとなる。たぶん・・・いや絶対そうだ。この作品を世に送り出したワイラー監督の功績は大きい。しかしそれ以上にあまりにもオードリーが眩しすぎる。全てのシーンがその輝きによって監督の意図以上にきらめいているのではないだろうか。 
[DVD(字幕)] 10点(2007-03-27 21:20:02)(良:1票)
89.  王様と私(1956) 《ネタバレ》 
夢の世界へいざなう宮殿のセット、素晴らしい音楽、劇中劇アンクルトムは超ポップ、 極めつけの"Shall We Dance" 正に最高のキャスト、ユル・ブリンナー演じる子供みたいな性格したシャム王の努力の姿を尊重するアンナがいい。素晴らしいミュージカル・シーンには余計な編集など不要、本作のようにじっくりたっぷり魅せて欲しい。ましてこの映画が作り出す独創的な空間と音楽性はたまりません。 
[DVD(字幕)] 8点(2007-03-25 13:19:47)
90.  赤ちゃん教育
ホークス監督やし、キャサリン・ヘプバーンは魅了的やし、留置場入ってからググッと面白くなるんやけど時すでに遅し、なぜか乗り切れない。擬音で例えるならカリカリカリって感じで、もうちょっとムズムズムズって感じが自分好みかな?(何のこっちゃ) それでもケイリー・グラントのタジタジ演技は全編通しての笑いのツボやったけど。 
[DVD(字幕)] 6点(2007-03-25 13:14:12)
91.  ナイト ミュージアム 《ネタバレ》 
館内が暗くなって案内や予告編に退屈している間に爆睡。目を覚ましたときは既に始まっていた。おそらく最初の15分くらいは観逃したでしょう。猛省いたします!肝心の映画ですが、こういうコメディならではの夢の描き方、チープさ加減や機関車衝突のしょぼい現実感までも楽しいですねー。またミュージアムの中の机の木の質感とか色とかも含めて妙にノスタルジックな味わいさえ感じましたが流石に最初の15分を取り戻すべく再観しようとまでは残念ながら思えませんでした。それにしてもやはり衝撃的なのはミッキー・ルーニーの不変ぶり。この人こそ実際に夜だけ動き出してるんじゃないでしょうか? 
[映画館(字幕)] 6点(2007-03-23 22:38:30)(笑:1票)
92.  マルクス一番乗り
いろんな事情があったんでしょうけど、これはダンスや歌のシーンを全部カットして1時間強にまとめたら、もう少し面白い映画になったと思う。 
[DVD(字幕)] 5点(2007-03-11 23:29:59)
93.  キス・ミー・ケイト
全編を通してキャスリン・グレイソンとハワード・キールのハーモニーが最高に気持ちいい。そして主演の二人だけでなく、まるでオムニバスのように出演者ほぼ均等にレビューシーンが振り当てられているという意味では、かなり異色の作品。そして歌も踊りも多種多様のてんこ盛りなのに、そのいずれもの楽曲とパフォーマンスの質がめちゃ高いというのが、本当に凄い。 ギャング二人のタップや、際だつアン・ミラーなど、その異色の構成が多くの名シーンを生んでいるが、やはり極めつけは、終盤の"From This Moment On" この楽曲のクオリティ、孤高の躍動感、アン・ミラー、ボブ・フォッシー・・・、音楽とダンスと映像の魔術。狙ったのではなく、産み落とされた奇跡のように感じる至高のシーンに乾杯!という訳で今回全面改訂です。   
[DVD(字幕)] 8点(2007-03-11 23:28:50)
94.  犯人は誰だ 《ネタバレ》 
有名絵画や宝石が素人泥棒によって次々と盗まれていくその手口、笑いものになるロンドン警視庁。そりゃそうでしょう何というのどかな犯罪劇。しかしですね、しかしですよ、これ結構面白くワクワク観せてしまうんです。屋敷での心理戦、ドアのノブが動く場面とか、ラッフルズが戻った家でのパイプと葉巻の攻防とか、やっぱり巧いんでしょうね!デヴィッド・ニーヴンのすっとぼけたキャラと美しき!オリビア・デ・ハベラントのキャストもよく、ラストではいい味出しまくりの警部が"人を信用しない人生は味気ない"なんてええとこどりの台詞で締めくくるんです。 
[ビデオ(字幕)] 5点(2007-03-11 16:16:15)
95.  毒薬と老嬢 《ネタバレ》 
既に究極系の域に達してしまっているブラック・コメディの佳作。多彩な登場人物も それぞれ魅力的だけど、とにかく本作はケイリー・グラントに尽きる!最初に死体発見したシーンなんて目ん玉飛び出てるし首はグニュ~って伸びてるし爬虫類的な凄まじいリアクション。そして終盤まで続く、必死のとにかく必死の地下室の死体隠蔽との攻防、悪気無くあっさり認める老嬢とのコントラストを含め、この必死さが生み出す数々の至芸。その凄さは途中、ケイリー・グラントが出ていない数10分のシーンが明らかに映画のテンションが下がっているということでも分かる。 
[DVD(字幕)] 6点(2007-03-11 16:14:43)
96.  シナラ 《ネタバレ》 
この映像と音楽と役者の格調高いハーモニー、たまりませんわ。ロナルド・コールマンの苦悩、不倫相手を諭すシーンの余計な優しさ、そんなもんいらんねん、次会う約束なんかせんでええねん、でも相手が思い詰めてると思うほどに出来なくなるねん。凍えた心にかけたつもりの毛布がその心を切り刻んでいくねん。イマジネーションの助言するならここやろ。そして最悪の展開へ。もう二度と会えないと思うイマジネーション、抱き合う二人のラストはマジでシビレる。もう、絶対にお互いを離したらあかんねんで、しょうちせえへんで! 
[ビデオ(字幕)] 6点(2007-03-11 00:46:07)
97.  日本人の勲章 《ネタバレ》 
不穏な空気が小さな町の出来事、徹底した悪人と群れをなす普通の人間は悪人になびく。この映画の醍醐味、臭いものにした蓋をこじ開けようとしたスペンサー・トレイシーが、その蓋に近づくだけで群れをなす悪人の群れが怯え、ヒステリックに威嚇する数々のシーン。胸のすく逆転劇には常に何者にも屈しない不屈の魂を持つ者の存在があり、そこに映画の持つダイナミズムがある。 
[ビデオ(字幕)] 7点(2007-03-11 00:44:47)
98.  大いなる西部 《ネタバレ》 
そう、これぞ、これこそワイラー監督の西部劇。ロングショット、昼・夜・夜明け・夕暮れの色彩と光のトーン、素晴らしいテーマ曲。公開当時のワイドスクリーンで観た観客の溜息さえも聞こえてきそう。西部劇の無骨なガンマンのイメージからかけ離れたグレゴリー・ペック演じるジム・マッケイ。この男の役どころ、他人にどう思われようが自分の問題を他人に証明する必要なんてない。僕らが生きてる世界で、時に人は他人が自分をどう見ているかばかり気になって、必要以上の自己弁護とアピールを滑稽に繰り返し、それが自分のポジションを確立するための手段として問われ続けているのてはいないか?そんなことを考えながら僕はこのジム・マッケイという男の生き方にまた何かを学んだような気がして本来自分はこうあるべきだった筈、とあらためて思いなおした次第です。 
[DVD(字幕)] 9点(2007-03-10 18:23:41)
99.  女だけの都 《ネタバレ》 
近頃は男が弱くって情けねー、でも遥かこんな時代から、こんなにも男はだらしなかったんですねーって作品なんでしょうか。そもそもこの映画の市長はまさに典型的駄目男、笑えるしそれでいて憎めない、この憎めないキャラは秀逸。だって市長のいいシーンなんて一つも無いのにラストの苦い笑顔で許されてしまうのだから。そして何といってもフランソワーズ・ロゼーの肝っ玉母さんぶり、強く優しく愛情溢れる女性像は当時としても女性からの支持は圧倒的だったでしょうね。僕自身もまぁここは女に任せとこってとこがあるので、極端に描きすぎの感はあっても案外楽しめてしまいました。 
[ビデオ(字幕)] 6点(2007-03-04 11:45:42)(良:1票)
100.  艦隊を追って 《ネタバレ》 
アステアが嫉妬してスネて煙草に火をつけたマッチを投げ捨てる、このシーンだけでカッコイイと思ってしまう自分がおかしいのか?演技巧いのか?むしろ大袈裟でしょ。ダンス巧いのか?専門家じゃないから分からないし。歌はジンジャー・ロジャースほど酷く無いけど上手いとは言えないでしょ?まぁ歌は声量がすべてじゃ無いしね。なんかええがげんな映画やなー、でも好きなんですよ。ダンスコンテストで実はあっけなく背中叩かれてるし、でも気にも止めない。すべてにおいて圧倒的な自信。演技にも歌にも、そしてもちろんダンスにもある意味自己陶酔がめちゃ自然で、そのあたりが僕のツボかも。映画として観るなら老いてからのカラー作品もいいけど、アステアを観るならやはりモノクロ時代の作品が魅力的だと思います。 
[DVD(字幕)] 6点(2007-03-04 11:44:02)
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