81. ジョゼと虎と魚たち(2003)
イザリウオの呼名が変わる昨今、中々きついテーマやな。どぎつい描写やセリフの割りに掘り下げもせんとちょっとどうかなて思ったけど、まあ池脇千鶴には完敗や。ええ女優さんやな。5点やけど映画としてはおもろかったで。コメンタリーなんか最高や。でもな「こわれもん」はあかんで。 [DVD(字幕)] 5点(2007-04-22 23:36:40) |
82. 雨月物語
怖いな。朽木邸での映像は若狭はもとより、枯れ木越しの邸の映像といい、鎧兜といい、おどろおどろしくも美しく、その後の廃墟(というより跡)はまた、見るからに恐ろしい廃墟を残すのではなく、呆気ないほど潔い美しさがあった。その対比が余計に怖かった。また笙や笛の音がこれ程までに映像を盛り上げるとは。すんごい。撮影場所が琵琶湖?というのも驚き。邦画でありながら何か遠い印象だった本作も親近感が湧いてきました。話も判り易いしね。なんか日本昔話をとてもリアルにしたような作品。ここでも女の強さ、執念に圧倒されました。 [DVD(邦画)] 9点(2007-04-22 13:33:27) |
83. ファウスト(1994)
たしかにあの操り人形は恐ろしい。滑稽さが余計に怖い。でもそれ以上に、人間の描写が怖い。特に顔のパーツや手足のアップはおぞましい。そう、食事中もおぞましい。この作品、もし子供の頃に見ていたら絶対、トラウマになってそうな気がする。でも表現力は凄いんだなぁ。 [DVD(字幕)] 8点(2007-04-21 18:21:24) |
84. 野菊の如き君なりき(1955)
《ネタバレ》 まだまだ幼ない表情の民子が何もかも覚悟して、階段を降りてくる絶望の表情から嫁入りに出る日の真っ直ぐ前を見つめる、大人の表情にさせた古い慣習の理不尽さに無性に腹がたった。死の床になってはじめて、穏やかな幼い表情に戻った民子が可哀そすぎて・・。あまりにも若く、儚すぎた。本当に野菊のような民子だった。 [DVD(邦画)] 7点(2007-04-19 21:40:05) |
85. 喜びも悲しみも幾歳月
燈台守の生活はよく判った。どちらかと言うと記録映画的な側面が強いのかな。悪くはないのだが、どうも子供への高峰秀子の喋り口調が飲み屋の女将のようで。うん。 [映画館(邦画)] 6点(2007-04-19 01:49:12) |
86. 二十四の瞳(1954)
《ネタバレ》 空にゆったりと浮かぶ雲。陽光を反射してきらめく凪の海。遠くまで霞むように連なる瀬戸内の島々。桜の森の中を連なって遊ぶ楽しい日々。みんなで撮った思い出の写真。修学旅行の船上での楽しいひと時。そしてその船をそっと見送るまっちゃん。悲しい時も嬉しい時も大きな声で唄を歌い、励ましあって成長する。忘れてはいけない大切なものがいっぱいに詰まった心温まる珠玉の名作です。 [DVD(邦画)] 10点(2007-04-14 00:18:57)(良:1票) |
87. 近松物語
はぁ~美しい画の数々に惚れ惚れした。峠の茶屋でおさんを置いて行こうとする茂兵衛に気付き、振り返るおさんの表情には最高に鬼気迫る美しさがあった。だが、その美しい画とは反面、おさんと茂兵衛が互いに想いを寄せる出発点が不透明で、死を覚悟してでも添い遂げようとする激情に達するまでの説得力が弱いような気がした。そう、お玉の存在も理解に苦しむし。美しさには酔いしれたが・・少し残念。 [DVD(邦画)] 8点(2007-04-11 01:36:45) |
88. 愛と青春の旅だち
僕にとっては、大都会へ初めて一人で見に行った記念すべき作品であり、それはちょっとした小旅行で、陽の光が差し込む列車の中で切符を握り締め、感動に打ち震えるであろうと勝手に妄想し、梅地下でグルグル迷い、スクリーンに映し出されるコマーシャルにクスクス笑い、マーヨネイズという言葉だけが頭に残った、本当は今一つだったけど無理やり感動に持っていった想い出深い作品なのです。当時はレコードでしたがサントラも買いましたよ。嬉しくて何度も何度も聞いたっけ。とまあ、僕にとっては、ほろ苦い作品となりましたが一つだけ大事なものを残してくれました。それはダイアーストレイツを知ることができたこと。もうそれだけで十分。 [映画館(字幕)] 6点(2007-04-10 14:21:11) |
89. 原爆の子
あの原爆投下後の惨状は人類のDNAに刻まれている最大の恐怖が具現化されたように思う。本作での、このシーンでは正にそうとしか思えないほどの恐れと憤りを感じた。たぶん、このシーンでは年端もいかない娘までもが体を張って演技をしたのだと実感できる。先日、あるサイトで被爆者(女学生)の描いた絵を見る機会があり、それはその女学生が被爆してから遠くの防空壕へ避難するまでを13枚の絵(原爆の絵)で表現したものだが、その絵から受けた印象は地獄としか言い表せないものだった。アメリカがどうこうではなく、本作同様、この地獄を絶対に忘れてはならないし、また後世に残していかなければならないと思う。その役目は被爆国日本しかいないはずだ。僕には何もできないがここにレビューだけでも記しておきたい。 [DVD(邦画)] 9点(2007-04-06 22:15:51) |
90. 残菊物語(1939)
これほど話と画が一つにまとまった映画を初めて見たように思う。鑑賞後に溜息と涙と感嘆を同時に感じた。画面の中にぼうと浮かぶ画に溜息を漏らし、女の慈愛に涙し、判り易く、無駄のない脚本と演出に感嘆した。なんだろう、この余韻は・・。舳先に立つ菊之助がお徳に御辞儀をしている様で・・ああ、涙が止まらない。映画に於ける全ての要素が素晴らしすぎる。ここのレビューサイトに登録してまだ日は浅いがこの様な作品を知り、そして見ることができて本当によかった。まさにみんなのレビューのおかげである。この作品を置いてくれたTSUTAYAにも“ありがとう”と言いたい。 [DVD(邦画)] 10点(2007-04-01 16:32:37)(良:2票) |
91. 山椒大夫
《ネタバレ》 映像もそうだが安寿の器量の良さに痺れた。何処かで見たなあと思い、ああ“芋たこなんきん”だと思い出した。とても気品のある人だ。物語はと言うと、敷居が高いと思いきや、とても判り易かったと思う。だが人物の描写に少々、違和感を感じた。成人した厨子王や無法地帯での安寿の美しさ、あれでは獣たちの餌食になることは容易に想像できる。一工夫ほしかった。そして山椒大夫に圧倒的な悪を感じないのも、いま一つ入り込めなかった原因かも。でもこう感じたのは、僕の未熟さが最大の要因かも知れない。安寿の死に憤りを覚え、海岸線の美しい映像に溜息を漏らし、暖かな日差しを浴びた浜辺での再会のシーンでは涙も流したのだから。初溝口作品だったので、もう少しエージングを重ねなければ。次は残菊物語だ。 [DVD(邦画)] 7点(2007-03-30 21:04:28) |
92. 世界の果てへの旅
NHKか何処かで何度か目にしたことのある映像ではあるが緊迫感が全然違うんだなぁ。パイオニアであるが故に危険が一杯。南極の氷に閉ざされた海をカリプソ号がグングン進む。砕氷船でもないのに・・。流石。だが、そうして辿りついた世界は生物も豊かでペンギン達にいたってはリアルハッピーフィート状態だ。もの凄い数である。そんな生物と戯れながらまた、危険な探検に出る。クレパスだらけの氷河を足元を確かめながら進んだりする。ハラハラドキドキものだ。「沈黙の世界」でもそうだったが彼らのチャレンジャーっぷりは尊敬に値する。でも、常に無茶が通る訳でもなく、前回の子クジラ同様、痛ましい事件も起こる。これだからNHKのように気楽に見ることが出来ないんだ。だが仕方がない本物の冒険だから。この作品を見終わってふと思う。白瀬隊長は何十年も前に極点近くまで到達したのかと。やはりここは世界の果てだ。 [DVD(字幕)] 8点(2007-03-28 01:57:19) |
93. 少林サッカー
子供が最高の脚本を書いて、それを大人たちが大真面目で作ったような作品。ここまでやってくれたら逆に感動すら覚える。でもね、ただのバカ映画とは違い、少林寺と太極拳が主題になっているおかげでメリハリが利いているんだなぁ。陰と陽、攻と守でありサッカーにぴったり。そのテーマが作品に奥行きを持たせ、ある意味、上質の恋愛映画にもなっている。ラスト、ムイがシュートを止めた?シーンでは鳥肌がたつほど痺れた。あ~ムイの饅頭が食べたい。 [DVD(字幕)] 8点(2007-03-24 17:50:01) |
94. 不思議惑星キン・ザ・ザ
見渡す限りの砂漠の空から向かってくるペペラッツ(宇宙船)が妙にリアルでそれからの展開を期待してしまう。着陸して扉が開き(ソ連らしい安直な動きがいいんだな)、さあ何が出てくるのかとワクワクしていると、いかにもロシア人らしいおっさんが変なカッコで出てきてクークー言うのである。旧作を半額クーポンで借りたのでガマンしたが劇場だったらキューいや、どやしつけてやるところだ。まあ、この世界観は嫌いではないですけどね。でもおじさん達はあれだけ騙されたのに何故、彼らに肩入れするのかわからん。そこまでするんならマッチやれよ!と思いません?大量のマッチを目の前に彼らがどんな表情をするのかが見たかった。 [DVD(字幕)] 6点(2007-03-11 20:41:09) |
95. ディボース・ショウ
冒頭のジェフリー・ラッシュがボクサーの歌い出しをミスって唸る様は一昔前の自分とラップしてしまった。あの頃サイモン&ガーファンクル良く聞いてたんだよな~。でも相変わらずカーター・バーウェルの選曲はいいね~。さすが。肝心の作品の方はコーエン兄弟の作品としてはパワー不足な感もあるがそれなりに彼らのテイストは味わえた。文無しになりゴミの上に横たわるジェフリーや裁判所で証人を呼ぶときの伝言ゲームチックな呼び方、島木譲二のような殺し屋、薬漬けの裏所長ともうそれだけで満足、満足。でもクルーニーの演技はOブラザーの時との違いがわからん・・。ヘアーの次は歯ですか。 [DVD(字幕)] 7点(2007-03-10 16:53:19) |
96. 氷海の伝説
天と地が判らないような壮大な氷の世界。登場人物はイヌイット(おそらく本物)のみでやたらと演技がうまい。どうやって撮ったのだろう。まるでドキュメンタリーのような映像にびっくりした。こういう作品がもっと、表にでてくればと思う。秀作。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2007-03-05 17:18:24) |
97. 銀河ヒッチハイク・ガイド(2005)
《ネタバレ》 いや~楽しかった。もうネーミングからしていい雰囲気を醸し出してますよ。こっちはSFと思って見ているのにいきなりイルカが出てきて変な歌(♪さかなをありがとう~♪) が始まるし、やっと始まったと思ったら、みんなバカだし、ヴォゴン人は気持ち悪いし、大統領は新庄のマスクみたいだし、マイナス思考のロボット(マーヴィン)が役立たずで、いやこれは、妙にかわいいけどね。とまあ、随所で楽しませてくれる。でも冷静に見たらアイデアや独創的な造型が素晴らしいんだなあ。ビームサーベルと思いきや、パンを切りながら焼く装置とか気持ちが伝染する銃とか・・結構、洒落が利いてて感心する。肩の力を抜いて見れば最高ですよ。原作も見よっと。DVDのメニュー画面に熱核爆弾がクジラと鉢植に変わったボタンがあるから勇気を出して押してみて。あわてずに・・。 [DVD(字幕)] 8点(2007-03-02 03:01:04) |
98. シンバッド七回目の航海
こんなにワクワクドキドキできる作品はそうはない。サイクロプスやドラゴン、ガイコツ兵士といった怪物たちの造形も素晴らしいが、その動きにいたってはまるで生きているかのようなのだ。なんかすんごい魔術師(結構マヌケ)もでてくるし。その魔術師が瓶に入った待女を変身させたシーンは後のメデューサの造形にも繋がるできでしたしね。姫が小さくなったりと、ダイナメーションだけじゃないのも凄いですね~。セットや衣装も作風にきっちりと馴染んでいて、素晴らしくまとまっていました。兎に角、子供も大人(?)もたっぷりどっぷり楽しめる冒険活劇でした。 [ビデオ(吹替)] 9点(2007-02-27 22:57:30)(良:1票) |
99. どですかでん
いつものように勤務を終え、ガラス戸越しに帽子を置く六ちゃんが一番まともに思えた。 [DVD(邦画)] 9点(2007-02-27 02:13:53) |
100. 黄金の七人
金塊盗んだまでは良かったがそれからは敵、味方がころころひっくり返り、どんでん返しすぎて元に戻ったりして、ほんとに最後まで気が抜けない。取り仕切るはずの教授がもてあそび過ぎ。それに振り回される仲間たちも実に滑稽。お洒落でかっこいいのにおもしろい。思わずニンマリさせられましたよ。コーエン兄弟あたりがリメイクすればおもしろいかもねえ。いや、もうレディ・キラーズ でこけてたか。 [DVD(字幕)] 8点(2007-02-22 20:12:42) |