81. マイ・プライベート・アイダホ
《ネタバレ》 いや、シェイクスピア原作だってことは知っていた。見始めて、最初、そう言われればそうだなあ、という感じだった。しかし、30分ほど経って…「あっ」と。これは、シェイクスピアの『ヘンリー四世』じゃなくて、それをもとにして作られた『オーソン・ウェルズのフォルスタッフ』をベースにしてる! シェイクスピアから選ばれたシーンやせりふが、全部このウェルズの映画に準じてるんだもの。全編ウェルズへのオマージュだ、これは! 何しろウェルズの方の原題に使われた「真夜中の鐘をよく聞いたものだった」ってせりふがしっかり使われてるのだもの。他にも、ロックスターを襲撃する場面のリバーやキアヌやボブの衣装とか、彼らのたむろしている宿(?)のおかみがウェルズのイーディス・エヴァンズにそっくりなしゃべり方をしたりとか、ネタには事欠かない。 若いころウェルズにはまっていた身としては、ホントは、それだけで嬉しくなってしまうところなんだけど、この映画は、それをベースにしっかりと、青春の痛みが描かれている。もちろん、そのことの方がこの作品で最大に評価されるべき点だ。これは強調しておこう。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2007-05-16 21:40:47) |
82. タンポポ
好評レビュー群に水を差すようで申し訳ないけど、イマイチ乗り切れなかったなあ。 面白いんだけど、ゆるさについていけなかった。エピソードの一つ一つはとっても面白い。でも、うーん。全体として迫ってこなかった。いや、思い出すとくすくすと笑ってしまうようなエピソードはいっぱいあるんだけどさ。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2007-05-15 23:08:56) |
83. テス
《ネタバレ》 まったく退屈することなく3時間。さすがポランスキー。冒頭に「シャロン・テートに捧ぐ」ってあるから、余計に凍ってしまう。ああ、ポランスキーはこの美貌の少女の不幸な生涯を、チャールズ・マンソン一味に殺害された自分の妻に重ね合わせていたのだね。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2007-05-15 23:04:35) |
84. 愛と哀しみのボレロ
《ネタバレ》 公開当時、まだまだハナタレ小僧だった自分が、何となくテレビで宣伝していたボレロのシーンが見たくて、かなり背伸びして見に行った記憶があります。当時はただただ圧倒されました。物語の筋とか、たぶん、あまりわかってなかったんじゃないかと思う。特にユダヤ人問題とか、よくわかってなかったろうな。ただ、当時は、物語が戦前・戦中から突然20年ワープしてしまう展開にいささか違和感を感じたものでした。 今見直してみると、時間の経過がそれなりに意味を持っていて、その展開にもそんなに不自然な感じはしなかった。ただ、ジョルジュ・ドンの物語は、他のエピソードともあまりかかわってこないし、ラストでボレロを踊らせるためだけに作ったような感じがしてしまった。 あと、指揮者の人、優雅に指揮棒振ってるけど、何となく音楽とあってないような気がして… [CS・衛星(字幕)] 6点(2007-05-12 06:54:16) |
85. 舞台よりすてきな生活
《ネタバレ》 点数、低いなあ、みなさん。私はそんなに悪いとは思わなかったのです。 ありきたりと言えばありきたりな展開。主役がジャック・ニコルソンあたりでこの展開、ありそうですな。あ、いや、ヒュー・グラントであったかも、似たような筋が。 (←タイトルが思い出せん!) でも、ありきたりなようで、ひねりはあるかなと。決してハッピーエンドでないのも○。 ただし、ラストはお約束すぎるかな。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2007-05-12 06:48:56) |
86. 東京マリーゴールド
《ネタバレ》 平均点数、低いなあ。市川準監督って、好き嫌い分かれるんだねえ。 わしは、ハマりました。よかったです。田中麗奈がどの場面をとってもしっかりと絵の中にはまっていて、つくづくいい表情をする女優さんだなあと感心しました。 しかし、あのCM、笑いました。あったなあ、あんなCM。しかも結構好きだった。野球小町って(笑)。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2007-05-09 23:08:33) |
87. スパイダーマン2
《ネタバレ》 スパイダーマンが、自分のやってることが誰にも認められないし、私生活でも好きな人からも「あなたのことがよくわからない」なんて感じのことを言われてしまってスパイダーマンになるのが嫌になってしまうという展開。どこかで聞いたような……あ、バーマンだ! マスクを放置してしまって世の中の犯罪から目をそらそうとするところまで似てる。これは、剽窃か???? いやあ、ジャングル大帝とライオンキングのケースはかなり怪しかったと思うけど、これは……偶然なんだろうなあ。 [地上波(吹替)] 7点(2007-05-09 07:25:53) |
88. 次郎長三国志 第九部 荒神山
《ネタバレ》 第九部まで来たら、レビュワーが一人になってしまった…さびしい… それはさておき、それはナイだろうっていう映画だね、これは。いや、つまらないからってことじゃなくて。シリーズ物を第九作まで作っておいて、それで未完に終わるって、いったい…考えられないよ。 他の複数の映画検索サイトでは、脚本は橋本忍になっていて、出演に岡田茉莉子もクレジットされているのだけれど、実際本編のクレジットでは脚本はマキノ自身で、岡田も登場していない。どうも、それは、制作が途中で断念された完結編のことのようだ。 それにしても不可解なのは、他のサイトでは、その作られることなく終わった完結編のストーリーがこと細かに書かれている点。いや、原作があるわけだからそれは不思議でもなんでもないのだけれど、どうもこの第九部と第十部が混同されている節もある。何でそんな現象が起きたのだろう。 で、映画本編の話ですが、石松死後の次郎長一家の面々の、ひたすら耐える姿を描いていて、それがちょっと痛々しいです。その忍耐が報われることなく終わってしまったのは、やっぱり何とも惜しいなあ。 【気づかないうちにお仲間が上に増えていて嬉しい! 点数は違えど基本的にこの作品に対するスタンスが皆さん私と同じで、なお嬉しいです。ぐるぐるさん。フォローありがとうございました。青観さん、第八部まで、実はずいぶん先導してもらいました。感謝。2007.9.追記】 [CS・衛星(邦画)] 7点(2007-05-01 00:23:27) |
89. 次郎長三国志 第八部 海道一の暴れん坊
《ネタバレ》 いきなりネタバレ的にはじめますが、石松が死ぬのは、わかってるんです。有名な話ですから。でも、わかっていても、やっぱり石松、死なないでくれって思ってしまう。森繁バンザイ。私が見た限りでは、この石松の演技が一番好きだな。欲を言うと、最後に三五郎とまた絡んでほしかった。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2007-04-19 11:51:22)(良:1票) |
90. 次郎長三国志 第七部 初祝い清水港
《ネタバレ》 そんなに悪くないとは思いますよ。下のお二方ほど違和感は感じませんでしたよ。喜代三は、確かにちょっとうざかったけど(笑)。でも、あれが長門裕之だった、ってのは、ちょっとおどろき。大石蔵之助をぱくった展開も○。 コメディータッチが少し戻ってきたのも、好印象。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2007-04-17 23:40:55) |
91. 次郎長三国志 第六部 旅がらす次郎長一家
《ネタバレ》 これは、ある意味、次郎長シリーズの最大の問題作だなあ。いや、もちろん、いい意味で。これまで、シリアスな筋とコメディータッチが同居している展開で、それが作品のリズムになっていたのだけど、この作品、ほとんど笑えないものなあ。兇状持ちとなった次郎長一家、病に倒れるお蝶姐さん、好きな酒も断ち、いつか清水に帰ることを夢見てひたすら耐える子分たち。暗い、暗すぎる! でも、いい! しかも、泣ける! [CS・衛星(邦画)] 8点(2007-04-17 23:38:10) |
92. 次郎長三国志 第五部 殴込み甲州路
本当は盛り上がる展開なんだけど、自分的にはイマイチ。次の第六部のインパクトに負けてしまったのかも。いや、もちろん、それなりに面白いよ。それに問題作(?)の第六部のためには、これは欠かせないと思うし。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2007-04-17 23:34:22) |
93. あしたのジョー2
NHK衛星であしたのジョー特集。ここでも大活躍しょこたん…あんたいったい… ってなことは置いといて。久しぶりに見た。やはりテレビシリーズのディテールのこだわりが端折られていたのが残念。これじゃあ「燃えつきねえよ」…でも見所たっぷり。ダイジェスト過ぎて、映画的には???だけど、ファンにはたまらん場面ってのは、やっぱりあるねえ。なんだかんだ言って飽きなかったし。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2007-04-13 23:36:33) |
94. ゴースト・ドッグ
《ネタバレ》 下の方のレビューの方々の間でも問題視されていたけれど、主人公が正確に武士道を理解していたかどうか、って問題。いや、これは、ズレてますよ。誤解してます。でも狙ってるズレだと思う。いちいち挿入される「葉隠」の引用、これが、どうも物語ともずれてるし。で、このズレが、違和感となってしまったらこの映画は楽しめないんだろうな。私にはツボにハマってしまった。ばかばかしくて面白かった。ディテールのこだわりもたまらんです。イヌの表情、アニメばかり見ている敵役たち、いいところで飛んでくる鳥。思い出すとくくっと笑ってしまう。主人公と少女が語る、『羅生門』というアンソロジーの中では「藪の中」が一番よかったわ、という会話。さりげなく黒澤へのオマージュ、入ってません? 武士道ときたら黒澤ってことかしら。それもまた誤解のような気もするんだけど。そこまで狙ってる? [CS・衛星(字幕)] 7点(2007-04-13 23:18:02)(笑:1票) |
95. 次郎長富士
そんなに悪くない、と思うんだ。エピソード的になってしまっていて、全体的な統一がなくて、散漫な印象ってのはぬぐえないのだけど、でもそれなりに押さえるところは押さえている気がする。勝新の森の石松も、それなりにはまっている気がする。 とりあえずレビューページがアップされていないので暫定的にここに書くけど、続編の方は石松に主に焦点が当たっていて、全体にコメディータッチで、ずっとまとまりがある。続編の方が面白いんだ。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2007-04-11 23:24:21) |
96. 次郎長三国志 第四部 勢揃い清水港
下の方々の気持ちもわかる。連続ドラマでもシリーズモノでもつなぎに徹している回というのはあるもんだ。でも…それにしちゃあ、おもしろいじゃあないの。タイトル通り、集まってきたねえ。 加東大介はどんな映画に出てきても加東大介だなあ、と実感。好きだなあ、この人。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2007-04-11 23:20:01) |
97. 次郎長三国志 第三部 次郎長と石松
下の方のレビューでも話題になっている浪曲は、やっぱり張子の虎三を演じている名人二代目広沢虎造の声なんだろうか。浪曲の世界を知らないので、何とも言えないのだけど…待ってましたの石松の大活躍。森繁、最高。すばらしい。石松と三五郎、そしてお仲姐さんの珍道中。この軽さ。この明るさ。すばらしい! [CS・衛星(邦画)] 9点(2007-04-11 23:16:10) |
98. 次郎長三国志 第二部 次郎長初旅
全体的にコメディータッチ。ミュージカルっぽいところすらある。踊る次郎長一家。こう書くとインド映画みたい。でも最高。やっと石松登場だい! こいつは次が楽しみだ。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2007-04-11 23:08:44) |
99. 次郎長三国志 第一部 次郎長売出す
念願の九部作にいよいよ挑戦! いや、これはいいや。等身大のヤクザ映画。そういうヤクザ映画ってあるもんだねえ。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2007-04-11 22:49:46) |
100. DEATH NOTE デスノート the Last name
前編とばして後編のみ鑑賞。すでに前編を見た家族と見たから。まあ、いいか。家族の解説つきだったので、前編のないようもほぼフォローできました。 突っ込みどころ満載だったけど、なんとか最後まで引きつけたのは、演出力かなあ。いや、まあ、面白かったですよ。でも、脚本的には粗がありすぎる気もする。近頃の日本映画のヒット作は、そこそこ面白いけど、こういう(細かなことをないがしろにする)力業的な展開に頼りきるのはどうかなと思う。長い目で見れば、自分の首を締めてることになりはしないかなって。杞憂かな。だといいけど。 [DVD(字幕)] 6点(2007-03-20 22:48:12) |