81. ナインスゲート
主人公があまりに受身で、いいところなし。女二人、いや、三人か、に押されるばかりなのである。しかし、ジョニー・デップは、いかがわしい役もよく似合うなぁ。 中世の砦が、夕闇迫る空をバックにまがまがしくそびえたっている絵などは、実に美しかった。 エンディングの曲はチョ・スミが歌っている。 [DVD(字幕)] 5点(2007-07-25 15:19:44) |
82. ノイズ(1999)
《ネタバレ》 シャーリーズ・セロンのブロンドのショートカットは、やっぱりミア・ファーローを意識してるんだろうか、と思ったら、Amazon のエディターレビューに同じことが書いてあった。ということからも明らかなように、『ローズマリーの赤ちゃん』の宇宙人版、というだけの映画である。 しかし、宇宙人の侵略方法というのがあまりに気が長く、この地球上でたった一組の双子を使ってなにをしようというのかはっきり描かれないため、あまり怖くない。いや、愛する夫がいつの間にか他者と入れ替わり、喜ばしいはずの妊娠も怪物を生む恐怖に取って代わるのは、十分怖いじゃないか、という見方もあろうが、別に宇宙人を持ち出さなくても、結婚とか出産にはその手の恐怖はつきものなので、それを増幅して見せる仕掛けが弱いということなのである。 シャーリーズ・セロンが苦悩の表情まで実に美しく、珍しくクルーカットで neat なファッションのジョニー・デップも魅力的である。彼らふたりの美貌のおかげで、しょうもないストーリーだが、飽きずに最後まで見られた。しかし、つい感情移入してしまうのは、美しいヒロインの不細工な妹だったりする。クレア・デュバルが、姉への複雑な感情を嫌味なく見せていて、うまい。 [DVD(字幕)] 5点(2007-07-25 15:17:43) |
83. ドンファン(1995)
《ネタバレ》 美しい妄想だとばっかり思っていたら、話が現実離れすればするほど、それが現実だという傍証が出てきて、物語自体がファンタジックになってくる、という、凝った仕掛けの話である。 ファンタジックなのはいいけど、マーロン・ブランドの巨体は、往年の彼を知っている人間にとっては、ほとんど悪夢の域だな。最初は、これって特殊メイク?と目をこらして見たが、どうも本物だったらしい。着ぐるみのような体つきに、若い頃と変わらぬ青灰色の瞳が、なんともミスマッチで、なかなか不気味だった。 フェイ・ダナウェイが、けっこう愛嬌のあるもうけ役。 デップ様は、彼独特のうさんくささとロマンチックさが、見事にはまっていた。最後に、正気に戻ったと判事を納得させるシーンでは、いままでのスペインなまりがウソのようにふつうの英語になっていて、笑えた。 身近にいた青い鳥をつかまえるには、ここまでややこしい妄想が必要なのだと思うと、そんなに気楽には笑えないのだが。 [DVD(字幕)] 8点(2007-07-25 15:15:04) |
84. パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト
お目当てのジョニー・デップはよかったのだが、なにせ長すぎる。幽霊船の中で、不気味な乗組員たちばかりが映るシーンが延々と続き、いっしょに見に行った子供共々、すっかりたいくつしてしまった。 実は、前作は DVD を借りたのだが、途中で飽きちゃって、全部見てないのである。というわけで、人間関係などもほとんどわからなかったので、よけいに物語の世界に入って行きにくかったのかもしれないが。 しかし、『キング・コング』といい、南海の孤島で、人食い人種の原住民に追っかけられるのって、流行ってるのか? [映画館(吹替)] 4点(2007-07-25 15:12:17) |
85. フライ・ダディ
《ネタバレ》 韓国サイトの VOD で鑑賞。字幕無し。 ポスターにはイ・ジュンギのほうが大きく写っているが、主演はイ・ムンシク。 単純なストーリーで、あらすじを知っていればラストまで簡単に割れてしまう。2時間近くあるわりには、脇筋がほとんどなく、話が直線的すぎるかも。これは、日本版と違って、高校での友人関係があまり語られないこと、在日云々のエピソードがないからだろう。 娘が暴行されたと知らされ、主人公が病院にかけつけるまでは、実にテンポよくスピード感がある。このあたり、日本版のほうはかなりもたついているが、これは後発の強みだといえる。 なにより、背が高く、2枚目の堤真一と違って、見るからにさえないおじさんのイ・ムンシクが、ほんとに肉体改造してしまうのが、韓国版の最大の強みだろう。 バスとの競争は疾走感のある音楽が気持ちいいし、ここでかなりのカタルシスがあるのだが、その後のほんとうのクライマックスともいうべきシーンが、長すぎ、くどい。格闘シーンが好きな人はそうでもないのかもしれないが。 バスの運転手アジョシがいい味出してました。 [インターネット(字幕)] 7点(2007-07-25 14:45:12) |
86. ガン&トークス
英語タイトルが "Guns and Talks" なのに、なんでわざわざ片方だけ、複数形の S を落とす? しかも元のほうがぜんぜん語呂がいいじゃん。「ザ エージェント」ってタイトルも気持ち悪いが、これも相当だよ。もっとも、原題は「킬러들의 수다(殺し屋たちのおしゃべり)」で、だいぶ印象が違う。 しかし、チョン・ジニョンいいねぇ。『グリーン・フィッシュ』『約束』『達磨よ遊ぼう』と、この人の出てるのはけっこう見ているのだが、どれを見てもほんとうに味のあるいい役者である。シン・ヒョンジュンと追いかけっこをするシーンがあるのだが、走る姿もたいへんさまになっている。正しい刑事の走り方、というか。 ウォンビンの演技を見るのは、実はこれが初めてなのだが、こうかわいい顔だと、演技がうまいとかヘタとか、評価の対象外って感じ。美男子は得なんだか損なんだかよくわからない。 [DVD(字幕)] 7点(2007-07-25 00:02:13)(良:1票) |
87. とかげの可愛い嘘
《ネタバレ》 自分の靴紐で彼女の足をイスにしばりつけちゃうシーンが、印象的。チョ・スンウもカン・ヘジョンもよかったんだけどね。宇宙人宇宙人とやたらに出てくるから、イヤな予感はしていたのだが、やっぱりそこに落とすか。いつも悪役のイ・ジェヨンがいい味出してました。チョン・ジニョンもちょこっと出演。 [DVD(字幕)] 6点(2007-07-24 23:40:53) |
88. X-MEN:ファイナル ディシジョン
この手のどっかんどっかん派手な映画は、劇場で見るに限る。というか、DVD だとアホらしくて、途中で寝ちゃう。出てくる女優がみな美しくセクシーで、楽しかった。 [映画館(字幕)] 6点(2007-07-24 17:29:49) |
89. 奇跡の夏
MOVIX のポイントがたまって、無料チケットを2枚ゲットしたので、息子達を連れて見に行った。映画や本に「兄弟仲良く」なんて教訓を期待するのは間違っているが、正直、その手の下心がなかったとは言わない。 というわけで、子供達に見せるのが主眼で、映画としてはそれほど期待してなかったんだが、けっこうやられました。数日経っても、映画のシーンをあれこれ思い出すような映画なんだな、これが。 子供が病気で死んじゃう、なんてストーリーは反則もいいところで、そんなの「泣ける」に決まっているし、涙腺刺激の技術は、韓国映画のお家芸みたいなもんである。そのへんの期待にはしっかり答える作りになっていて、涙もろい人は、ハンカチどころかタオルが必要かもしれない。子供達も、画面に食い入るように、鼻をすすりつつ見ていた。 まずは子役の演技がすばらしい。彼らの繊細な表現力には驚くばかりである。脇を固める大人達も、実力派ぞろいで、まったく浮いたところのない説得力のある演技だった。とくに、オ・ジヘがよかったなぁ。史劇でいつもかっこいいアクションを見せているソ・ボムシクも、子供二人をかついで、山道を走るのはさすが。って、へんなところで感心していたが。 役者にセリフで説明させるのではなく、映像に語らせるという、映画の基本的な文法をきちんとふまえていた点も、好感度大。 ちなみに原題は「アンニョン、ヒョンア(にいちゃん)」というのだが、「アンニョン」という言葉は、「こんにちは」と「さようなら」、両方の意味があり、文脈を見なければどちらかわからない。そこがストーリーのひとつのミソになっている。英語タイトルも日本語タイトルも、そのへんをうまくぼかしているのはよい。しかし「奇跡の夏」というのは、とうていセンスがいいとは言えないが。 [映画館(字幕)] 8点(2007-07-24 17:27:04)(良:1票) |
90. ナチョ・リブレ/覆面の神様
わたしはジャック・ブラックの百面相が楽しみだったので、その点は十分堪能したが、全編に流れる、すきま風が吹き込むようなうすら寒さはなんだろう。砂埃でざらついてる、というか。もちろん、狙っているんだろうが、荒れ地にサボテンがにょきにょき、というメキシコの風景も、やすっぽい書き割り風に見える。ラストシーンも、いまいちカタルシスを感じないしなー。 しかし、後ろに座っていた若い女性の二人連れは、エンドクレジットが終わって場内が明るくなっても、まだ笑ってました。これがツボに来る人は来るんだろうなぁ。 敵役ラムセスの、これぞプロレスラーというべき鍛え上げた肉体に比べて、ジャックの太鼓腹にブルーのタイツ姿だけでも、確かに十分おかしい。『オレンジ・カウンティ』のブリーフ姿もいろんな意味ですごかったが、肉体で笑いをとるという点では、今回も負けてない。信仰心篤く、「孤児達のために戦う」といい、それも決してうそではないのだが、一方で、自分の欲も見え隠れするという主人公のキャラクターもよかった。 美しいヒロイン、しょぼくれた相棒、不気味な修道士、などなど、共演陣もいい味出してました。 [映画館(字幕)] 7点(2007-07-24 17:24:38) |
91. 私の頭の中の消しゴム
《ネタバレ》 「泣けるメロドラマ」としては、そこそこのでき。なにより、主役のふたりが実に美しい。チョン・ウソンという人は、とても繊細な顔立ちなのだが、妙にマッチョな役が多いな。ソン・イェジンのファンにとっては、この映画は必見だろう。様々な表情を見せ、かなりがんばったなぁ、という印象。 しかしながら、その「美しい」という部分で、リアリティはかなり犠牲にされている。主人公は意識が混濁してきても、ヘアスタイルや服装になんの乱れもないし、自分自身をコントロールできない病人を付き添いもなしに、ひとりで家に取り残してみたり、と、そりゃないだろ、というシーンも多い。 記憶が失われ、痴呆がすすむと、顔立ちだって変わってしまうし、元がいくら美人であろうと、そのままではいられない。真実の愛情を描くのなら、童女のようになってしまった妻ではなく、髪を振り乱し、別人のような形相になってしまった妻を、大切に面倒を見る、っていうのじゃないと、弱いよね。夫は、気高い決意をのべるが、実際には介護の苦労はしないままだし。もっとも、そこまでできる女優は、そんなにたくさんいないだろうし、気持ちよく泣けるどころじゃなくなって、別の映画になってしまうが。 冒頭、浮浪者役でオ・グァンノクが出てくるので、なにかやってくれるかと思ったら、ほんとにチョイ役だった。なんかもったいない。 [映画館(字幕)] 6点(2007-07-24 17:22:19) |
92. きみに読む物語
《ネタバレ》 を見た、同じ500円企画の2本目。この映画は、まったく事前知識なしで見たのだが、こないだ見た『わたしの頭の中の消しゴム』はアルツハイマーで、今度は老人性痴呆かぁ。ラブロマンスとしては、ありきたりな展開ながら、ひきこまれるものがあるし、美しい画面は見ていてあきないが、ここでも「記憶の欠損」が「永遠の愛」のダシにつかわれていて、ちょっとうんざり。 配偶者の顔もわからなくなった人が、あんなに身だしなみよく装っているなんてあり得るのかね。記憶はたいてい最近のものから失われるから、長年連れ添った配偶者を忘れちゃうのは最後の最後、そこまで行くと、人格自体もかなり荒廃した状態になっているように思うが。 それにしても、この映画の舞台になっている老人ホームは住みやすそうである。個室が、ほんとに個人の部屋という感じ。 後ろの席に、年配のご婦人のグループがいて、ぺちゃくちゃうるさく、かなり興をそがれた。激しく求め合うラブシーンで笑ってるし。まあ、はあはあしてる男女というのは、確かにこっけいなものではあるが。 [映画館(字幕)] 5点(2007-07-24 17:18:58) |
93. Interview インタビュー(2000)
《ネタバレ》 イ・ジョンジェは、この映画でもしっかりと脱いでいるし、シム・ウナのダンスシーンも美しかったので、このふたりのファンであれば、悪くない映画だろう。 こういう時系列を入れ替えたり、同じシーンを視点を変えて何度か見せたり、という映画だと、見ている方は、だんだん薄紙がはがれていくように真実に近づき、最後に「ああ、そういうことだったのね」というカタルシスがあるものだが、肝心のその効果が弱く、くどく感じる。イ・ジョンジェがどこでシム・ウナのウソに気づいたか、はっきり描かれていないからかなぁ。 「愛について」という、見ようによっては青臭くこっぱずかしいインタビューが延々と続くのだが、そんな中で、チョ・ジェヒョンの俗物ぶりがアクセントになっている。 こわれかけていたカップルが、この映画のインタビュイーになることによって結婚に至る、というシーンから、主役ふたりのデートのシーンに続くラストは、自然な明るさが感じられてよかった。 [DVD(字幕)] 4点(2007-07-24 17:14:24) |
94. オーバー・ザ・レインボー
《ネタバレ》 交通事故から始まり、部分的だが記憶喪失ときて、あまりにも手垢のついたストーリー展開で、結末もばればれである。大学のサークルの描写などは『菊花の香り』を連想させるし(もっとも、こっちが先だが)、探していたものが実は、という落とし方は『×××・××××ト』と同じパターン。 見ていて、おいおいという感じだが、決してつまらない映画ではないし、とくに学生時代のチャン・ジニョンのさわやかさは印象的だ。イ・ジョンジェも、細やかな演技で存在感を感じさせる。いままで見たイ・ジョンジェの映画の中では、この役がいちばん好きかなぁ。キャラクター的には、いちばん特徴がなくて地味なんだが。 役者の演技もよかったのだが、サークルでの同期の親密感、バカ騒ぎをしてみたり、くっついたり離れたりの恋愛模様などの描かれ方が楽しかった。 しかし、コン・ヒョンジンの大学生はちょっと苦しかったかも。 [DVD(字幕)] 7点(2007-07-24 17:10:02) |
95. 情事 an affair(1998)
イ・ミスク演じる主人公が、鏡に向かって「ミッチョッソ…」とつぶやくシーンがある。字幕は「どうかしてる」と出ていた。直訳すると「狂ってる」ということなのだが、この言葉は、精神的にちょっと普通じゃない状態を表すものとして、日常的によく使われる。 恋というのは狂うものだし、いかにふたりの男女が狂っていくかを見せるストーリーだから、これでもかとセックスシーンがあるのはいいのだが、小学生の息子のバスケットの試合を応援しに来ていて、その場に不倫相手の男を呼び寄せ、だれもいない理科室でことに及ぶ、というところまでいっては、見ているほうが「ミッチョッソ?」とつぶやくしかない。 デキてしまうまでは、男もよくしゃべるし、なかなかかわいいところもあるなぁ、と思えるのだが、いったん体の関係ができると、抱き合うばかりでセリフはぐっと減り、たいくつになってくる。気持ちを確かめ合うまでのたゆたいが恋愛の醍醐味だとしたら、それはこの映画だけの咎ではないが。 主人公の衣装は紺かグレーで、ごくかっちりしたデザイン。地味な化粧に落ち着いた話し方。これでもセックスアピールを感じさせ、若いイ・ジョンジェが夢中になるという設定に無理がないのだから、イ・ミスクの演技と美貌はすばらしい。イ・ジョンジェは、年上の女をまっすぐに見つめるまなざし、引き締まった体はいいのだが、どうも中身が空虚に見える。というか、ふたりとも中身など空っぽなほうが、役柄にあっているのかも。 主人公の夫は建築家という設定で、住んでいる家はモノトーンに統一され、まるで生活感がない。都会と湖の対比など、風景の内面への誘導の仕方がきれい。また、ドアにあいた穴や、水槽にまつわるシーンなど、伏線がいくつも気持ちよく回収されていって、きちんとまとまった脚本ではある。 [DVD(字幕)] 6点(2007-07-24 17:04:57) |
96. スパイダーフォレスト 懺悔
この邦題、なんでわざわざカタカナにしたのかなぁ。そのまんま『蜘蛛の森』のほうが、おどろおどろしいような気がするが。それに「懺悔」なんてつけちゃったら、ネタバレじゃん! 韓国サイト の VODで見たので字幕ナシ。それほど長セリフも早口のセリフもなかったので、韓国語にはついていけたのだが、時系列がごちゃごちゃに出てくる話なので、見ているとかなり混乱する。カム・ウソンは熱演だが、彼の心の痛みより、怪我してるのが痛そう、気の毒、というほうが先にたつ。 [インターネット(字幕)] 5点(2007-07-24 16:49:12) |
97. ダンサーの純情
ムン・グニョンによるムン・グニョンのための映画で、ストーリーなどあってないようなもの。じゃあ、つまらないかというと、そんなことはなく、ダンスがぐんぐんうまくなっていく様子、そして最初はいなかくさかったのだ、どんどんきれいになる様子などに目を細めて喜べる人なら、十分楽しめるでしょう。 彼女は中国の朝鮮族出身、という設定なのだが、最初のころのひどい訛りや、韓国の入管の取締りの様子などが興味深かった。出稼ぎ目的の朝鮮族の不法滞在が問題になってひさしいもんな。 「アズバーイ」っていうのは「アジョシ」ってことなのね。 蛇足。鑑賞環境が「パソコンテレビ」となっているが、実際は、韓国のサイトの VOD サービスを利用したので、字幕無しである。当方の韓国語力は中級程度なので、セリフすべてが理解できたわけではない。 [インターネット(字幕)] 5点(2007-07-24 16:17:20) |
98. リメンバー・ミー(2000)
《ネタバレ》 類似のアイデアの作品がいくつかあるが、そんなにおもしろいアイデアなのかなぁ? 中学生の女の子の妄想みたいだと思うけど。 ともあれ、淡々としたタッチで話は進み、格別大きな破綻はない。韓国でもかなりヒットしたようだけども、果たして1979年を知っている世代の人はたくさん見たのだろうか。というのは、79年の情景が、ぜんぜんそうは見えなかったから。学生デモの光景なども出てくるが、エキストラも少なくて、ごっこ遊びみたいだった。当時の実際のニュース映像なんかと合成しちゃうわけにはいかなかったんだろうか。 それから、キム・ハヌルは確かに純情そうには見えるが、あかぬけすぎてる。ハ・ジウォン演じる、現代の女子大生の行動様式が、「好きなんだけど、ついつっかかってしまう」という、あまりに古典的なものなので、よけい20年の時をへだてたふたりの女の子の差がはっきり出なかったのかも。 もっとも、うんと昔ならともかく、少し昔の感じを出すのはかなりむずかしいから、これは無理な注文なのかもしれないが。日本ならば、ハマトラだのニュートラだの、サーファーだのって、当時の特徴的なファッションなどもあったけど、韓国ではどうだったんだろう。主人公があこがれる大学の先輩が、いつも白いワイシャツを着てるのが、そういう雰囲気なんだろうか。 [DVD(字幕)] 5点(2007-07-24 16:12:07) |
99. ジャイアント・ピーチ
両親を失った主人公の少年は、ふたりのおばさんの住む丘の上の家にひきとられる。カメラがその家を外側から写すと、ティム・バートン印がぺったり押してあるのがわかる。 このおばさんふたりの悪趣味さ、悪辣さが実によい。孤児が無慈悲な親戚にひきとられる、というとハリー・ポッターだが、そもそも定番のお話でもある。『エレンディラ』のイレーネ・パパスの怪演には及ばないものの、このふたりの存在がなかったら、ただの子供向けの人形アニメになってしまうところだった。わたしには、虫たちより、実はこちらのほうが重要な登場人物に思える。 クモのビジュアルが『バグズライフ』に出てくるクモに似ているのだが、こういうエキゾチックでセクシーな美女、というイメージが一般的なのだろうか。 うちのふたりの息子たちにも、たいへん受けていた。『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』が大好きな子達だから、十分予想されたことではあるが。毒が薄い分、『ナイトメア~』より、幼い子に見せても、夜中にうなされる危険は少ないかもしれない。 [DVD(吹替)] 7点(2007-07-23 15:49:29) |
100. オアシス
分析したりすると野暮になってしまう話。まるごと飲み込んで楽しむのが吉。そう、確かに苦い味はあるが、とても楽しい話なのである。 「グリーンフィッシュ」でも主人公の兄弟たちが生き生きと描かれているが、この小説でも兄弟の関わりが重要なポイントになっている。それにしても、ジョンイル、ジョンドゥ、ジョンセって、なんつーいいかげんなネーミングだ。(正一、正二、正三みたいな感じ。) [DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2007-07-22 20:33:05) |