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81.  ザ・マジックアワー 《ネタバレ》 
【コメディパート】町の名が守加護(シカゴ?)。町の入口の塑像がドナルドダックもどき。わざと映画のセットっぽい建物で、それを映画内でフォローしている。ビンゴ(妻夫木)がダサイ下着。ヤクザなのに妙に昔のマフィア風。リーゼント、鳥打帽、セメント詰め、大げさな機関銃など。キャバレーの名が「赤い靴」。映画中映画が「黒い101人の女」(本当は「黒い10人の女」)で、本物の市川崑が登場。人気俳優の名前が「ゆべし」「亀」。ホテルの女主人が変すぎ。化粧が濃く、妙に姉御肌で、髪型と服装がすぐに変わる。サービスは最低で、役者にサインを大量にねだる。小さな醤油瓶が倒れ、その容積の何倍もの醤油が流れる。マリが弾き語りの札をせこく盗む。村田(佐藤浩市)が休憩中にたばこではなく飴をなめる。ボスと中ボスが最後まで芝居に気づかない。【感動パート】売れない役者が一連の騒動を通じて、映画を愛する役者としての自分の原点を再確認し、再出発を決意。自己中心的でころころ心変わりする女マリが、本気で人を愛することを覚える。「死ぬのは怖くない。怖いのは誇りを失ったまま生き続けることだ」「マジックアワーを逃したときの対処法は明日を待つこと」「スクリーンの中の私が堂々と見えるのはスタッフのおかげ」「次のマジックアワーを待っている。この歳になってもいまだに」「俺に会いたかったら映画館に来な」など名言あり。【感想】良く練られた脚本。笑える。小ネタが多いので得した気分になる。メインの役者の演技はうまい。二段落ちのラストはお見事。意外な人物が本物ベラ。「ありえない」ところはあるが、コメディなのでスルー。監督もきっと計算済み。マジックアワーは人生の黄金期の象徴でもある。それをまだ見つけられない無名の役者。無名故に嘘映画の主役に抜擢される悲哀。生き生きと演じる様子は笑えるが、後で思うとせつない。ラッシュを見て引退を決意。尊敬する先輩役者との邂逅で自分を再発見。芝居が不完全燃焼だったので引退を撤回。この感動パートがやや弱い。ここで泣けるのなら名作となった。マリのキャラは最後まで薄っぺら。「ベラ富樫」の由来はドラキュラ俳優「ベラ・ルゴシ」と「LAコンフィデンシャル」の謎の殺し屋「ロロ・トマシ」から。銃をドンパチ撃ちながら誰も死なない。どこまでも人を食ってる。こんな監督他に見当たらない。著名俳優が大勢友情出演するのは人柄なのでしょうね。
[DVD(邦画)] 7点(2010-06-19 20:29:21)(良:1票)
82.  天然コケッコー 《ネタバレ》 
【そよさん】心やさしい少女。下級生の母親的存在。思い出をとても大切にする。それは大沢が捨てた校舎の石を捨てれなくて持ち帰る挿話に集約されている。「もうすぐ消えてなくなると思えば、些細なことが急に輝いてみえてきてしまう。一緒に登校したことを奇跡みたいに思い出すことがあるのだろうか」大沢に愛のある接吻はできなかったが、黒板にはできた。ジャケットにこだわるところはリアリティがあります。 【大沢くん】いつも無愛想でつまらなそうな顔。両親が離婚し田舎へ引っ越すという悲運を負う。都会ずれし、プロレスとゲームが趣味。自殺者に花を供え、拝んでいるさやに無理やりキスしようとするほど無神経。「おまえの手、おしっこくさい」「(膀胱炎の子を心配するそよに)よかったじゃん、ガキの子守りしなくてすむし」などと心無い発言が多い。「この高校パス、だって坊主じゃん」「都会の高校行くかもしれん」でもそよの温かさにほだされ、田舎の学校に残ることに。悪い人じゃないんだけどね。 【感想】修学旅行で都会の喧騒に馴染めないそよだったが、ふと町騒が山の音と同じだと気づく。幻想的な映像と音楽が流れる。新しい世界との折り合いがついた瞬間だ。「あんたらとはいつか仲良くできる日がくるかもしらん」元気になって大沢の手をとって歩きだす。少女の心の成長の一頁を鮮やかに切り取った場面です。そよとって大沢は外部世界の象徴。彼から刺激を受けつつ、ささやかな冒険を通して、時には傷つきながらも成長してゆく姿が瑞々しく描かれています。大沢の魅力が少ないのが残念。さやを救った場面くらい。あとは接吻のおねだりばかり。田舎の人の心に触れ心が癒され、やさしい少年に成長してゆくのが理想なのですが。ロングショットによる長回しや合間に挿入される季節の映像が印象的。ラストショットは少し作り過ぎでしょうか。「扉から教室を見るさや」から「窓から教室を見るさや」への転換は見事ですが、陽光浴びるカーテンのゆらぎ、満開の桜の位置、舞う花びらなどコテコテです。きっと私の心が汚れてるからそう見えるのでしょうね。反省。不倫、ロリコン男など田舎を描くのにリアリティありましたが、映画の主題からして不要でしょう。短縮して短編映画の如き雰囲気にすれば傑作になれたかも。題名は「天然の鶏=地鶏」で田舎に自然に暮らす人のこと。ボロイラーにはなりたくなりですね。心は地鶏で居たいです。
[DVD(邦画)] 7点(2010-06-09 17:34:27)(良:2票)
83.  2012(2009) 《ネタバレ》 
ディザスター映画としては最高の出来。都市や大地の破壊を描くCGパートは迫力満点で、見る価値あり。だが人間ドラマは厚みがない。 ■そもそも余計なものが多い。マヤの予言とか、マヤの集団自殺とか、ダイアナ妃のトンネルとか、子供の名前がノアとか。どんどんB級になってゆく。都市が破壊されているのに電話がつながりすぎ。 ■人類愛パートは大統領とエイドリアン。ぱっとしないですね。大統領は残っても何の役にも立たないし、津波が来る15分前に乗客を乗せる決断にも疑問あり。■民衆の反乱もしょぼい。軍人などに反乱させれば盛り上がったのに。そうすれば正義の味方が登場する余地があった。 ■家族愛パートは作家とロシア富豪家族。離婚家族が再結束するワンパターン。作家と富豪、ゴードン医師と富豪の妻が知り合いなど、ご都合主義が目立つ。飛行場で飛行機に乗れないときに、大型ジェット機が見つかって、使用人がたまたま運転できたりとかはその最たるもの。 ■クライマックスは作家が命をはって障害物を除去する場面ですが、これは自分の播いたタネなので感情移入できず。ドアが閉まらないとエンジンがかからないってどういうシステム?無理やり感が強い。 ■ノアの箱船を最初は宇宙船にみせかけていたが、実際には津波に耐える船でしかなく、落胆でした。あんなのなら空母や豪華客船を改造すればできますし、潜水艦を使えばもっと安心です。それに中国奥地の高山の洞窟で船を使って、どうやって出港するのか?津波を待つ?ばかばかしい。港で作って早めに出港させとけばいいんです。人や物資はあとで運べばいいでしょう。遊覧していて、いざとなったら水中に潜るというシステムでもいいでしょう。あんなものなら各国で沢山作れますよ。 ■乗車券を売って富豪からお金を集めてましたが、これはおかしい。47国の国際協力事業なのでお金は潤沢にあるはず。刷ればいんですから。それに募集なんかしてたら秘密がすぐバレます。秘密を知った博士を暗殺していることと矛盾します。一方で遺伝子で選ばれた人の様子が描かれていないのはどうしたことか? ■冒頭の雨の中、少年が船で遊んでいる場面、あれは映画の後半を示唆するものとして印象的でした。 ■ぶっとんだDJオヤジ最高!個性があり、映画に活力を与えている。 
[映画館(字幕)] 7点(2010-02-26 11:32:01)(良:1票)
84.  ブレードランナー/ファイナル・カット 《ネタバレ》 
科学が発達して、人間と人造人間(レプリ)との区別がつかなくなった世界。レプリは感情と移植記憶を持ち、人間との間に愛も生まれる。人間であることとは何か、生命とは何かを問う作品。だがいくら科学が発達しても、人間と見まがう人造人間を造るのは土台無理と思うので感情移入できない。寿命が少ないことに不満なレプリが反乱するが、そもそもロボット三原則を埋め込むとか、人間とすぐ区別がつくデザインにするとか、長年生きて満ち足りた人生の記憶を移植しておけば済む話。レプリを見分けるのに感情テストは笑える。ピッとスキャンすれば判別できそうなものだが。ボスのロイは、処理屋デッカを助けてやり、静かに死ぬ。仲間はみな殺され、自分の死も近いと悟ったロイ。彼の感情は、他人の生命を慈しむまでに発達し、自分の死を受け容れる。「恐怖の連続だろう、それが奴隷の一生だ」「思い出もやがて消える、時が来れば、涙のように、雨のように」感動的な場面だ。雨の未来都市はリプリの心象風景。光の点滅や影、雨、ビル群などで感情を表現する演出手法は芸術的。よくぞここまでと感心する。が、レプリが強制労働に従事してきた辛い過去、美しい宇宙の光景などが言葉でしか紹介されないので、人生ドラマとしての深みに欠ける。創造主の社長に復讐するのはいいが、逃亡の為に人を殺したり、親切なセバスチャンを殺すのはダメ。単なる悪党に堕している。レプリの一人が蛇ダンサーというのも必然性なく、悪趣味。デッカは、レプリを処理するのに何のためらいも無かったが、自分の正体を知ったレイチェルが涙するのを見て、心が動き、彼女に恋する。ロイの死でレプリへの同情は決定的となり、レプリを人間の仲間として受け容れる。ここでもデッカの過去が紹介されていれば、ラストはもっと感動的だったろう。レイチェルがデッカに「テスト受けたことある?」と聞き、夢のユニコーンの折紙が置いてあることから、デッカがレプリであると示唆されるが、これは不要。人間とレプリの心の交わりを描いているのだから、全否定となる。もし記憶を埋め込むとして、ユニコーンは使わないでしょう。ユニコーンの夢は人間の証明とも思えます。ブレードランナーを観た日本人は、「強力わかもと」の夢を見るか? 
[DVD(字幕)] 7点(2009-10-11 06:34:15)
85.  エイリアン/ディレクターズ・カット 《ネタバレ》 
SF、ホラー部門で革新的な進歩を遂げた記念碑的作品。その影響力は計り知れない。しかし、今観直してみると、いくつか疑問が湧きます。星間旅行ができ、人間と見分けがつかない人造人間が作れる科学力があるのに、惑星への着陸に失敗して故障するなんてしょぼいです。故障させる必要もないですね。また地球外生物の宇宙船や化石を見つけたのに、そのことは一切言及されないのはどうしたことか。写真撮ったり、採集したりして記録に残すでしょう。世紀の発見ですよ。見せ方がうまいです。ゴシック・ホラーの見本のようなもの。なかなか姿を現さないエイリアン。光の点滅、影、水蒸気、サイレン、コンピュータ音、火などの演出で恐怖を盛り上げます。舞台が宇宙船で、他に逃げ場がないのが怖いです。閉塞感をつくるのが本当にうまい。エイリアンのデザインはまさに芸術。三つの変態と繭があり、飽きさせません。血液が強い酸なので、ヘタに殺せない。実に厄介です。クルーは軍人ではなく一般人なのでみな怖がり。そこが少し不満です。脳みそが筋肉でできているような軍事おたくや仲間を犠牲にする卑怯者、知恵と勇気のある者など、バラエティに富んだ人物が欲しかった。ボーナスの苦情をいう輩は不要でしょう。リプリーは船を爆破させますが、その必要はないでしょう。脱出すればいいのだから。ブレットが猫を探す場面で、水が雨のように降ってますが、何故ですかね。水道管が故障しているんでしょうか?コンピュータの反乱は「2001年宇宙の旅」、腹から怪物出てくるのは「遊星からの物体Ⅹ」という先駆者があります。途中、地球まで10ヶ月かかると言っていたのに、最後リプリーは地球まで6週間と言っている。
[DVD(字幕)] 7点(2009-10-09 15:47:48)
86.  容疑者Xの献身 《ネタバレ》 
天才が二人も出来てくるので、さぞやもの凄い不可能犯罪との対決かと思いきや、DVの元夫を衝動的に殺した母子を助けるという小さな話。むしろ序のクルーザー爆破事件の方がインパクトが強い。ミステリーとして読み解くと、アラが目立ちます。天才のはずなのに、死体を切り刻んで捨てたり、浮浪者を殺して顔をつぶしたり、脅迫状送ったり、身代わりに出頭したり、まさに凡人のやることです。警察が浮浪者の死体を元夫と間違うわけがありません。家族が確認しますし、DNA判定も行います。宿にあった髪の毛となんかと比較しません。浮浪者仲間の目撃者もいるでしょう。彼らは助け合って生きてます。美しくない回答です。正々堂々、出頭して正当防衛を主張すればよかったのです。ラブストーリーとして読み解くとどうでしょうか。石神は人生に絶望していた。が、隣の母子の会話やお弁当で生きる希望を見出した。母の靖子に恋したのです。結果愛という不合理さを取り入れた回答は非論理的になってしまった。ただ天才なのに何故絶望したのか不明。論文をどんどん発表すればいいのに。石神の愛は無条件の愛ではなく、利己的な愛。献身ではなく、押し付け。天才+絶望+愛=押し付け+殺人。靖子の立場に立つと、殺人の身代わりまでしてくれた石神の愛に報いたい、一緒に贖罪したい気持ちは十分理解できます。いい人ですね。靖子の告白を聞いたとき、石神は初めて真実の愛を知り、号泣したのです。それで何もかも正直にしゃべり、川で凶器が見つかります。靖子の愛の方が献身的といえるでしょう。ミステリーと思わせて、実はラブストーリー。「簡単な引っかけ問題」ですが見事です。ダンカンへの脅迫状でのミスリード。というか、いかにも怪しげなダンカンそのものがミスリード。雪山で湯川が殺されるかもしれないというサスペンス。山からの景色を心から美しいと言える石神は、利己的とは言え、初めて愛に生きる喜びを味いました。悲劇を盛り上げます。このへんは成功しています。でもオバカすぎる警察は失敗。両者が知力を尽さないと面白くありません。
[DVD(字幕)] 7点(2009-10-09 05:08:40)
87.  魔法にかけられて 《ネタバレ》 
夢と魔法のおとぎの国から追放されて現代のニューヨークにやってきたプリンス。善意のたかまりでしかないプリンスと、ニューユークっ子の対比がコミカルに展開される。このあたりのずっこけぶり、ぶっとび具合は本当に楽しい。口から金魚吐き出すプリンスは衝撃的ですらあります。ただ現実の世界では魔法が使えない約束のはずなのに、部屋の掃除の場面だけ使えるってのはどうだろうか?統一を欠いていないだろうか。リスのジェスチャーゲームは最高ですね。さてロバートと付き合うようになって、プリンスが成長してゆきます。真善美だけだったプリンスが、哀しみ、怒りの感情を獲得し、真の愛とは何かを自らに問うようになります。一目逢っただけの王子と結婚してそれで幸せだろうか?そんな疑問を抱くようでは、もうおとぎの国には帰れません。ロバートと結ばれてハッピーエンド。これはよし。王子はどうでしょうか?ずっこけ具合が中途半端。成長もしないです。ロバートの婚約者ナンシーは、ロバートが真実のキスをするのを許します。現代的で、あきらめがはやい女性です。そしてロマンティックなことが好きなこともあって、王子と共におとぎの国へ。そこでは葛藤はないので、二人は当然結ばれます。いいんでしょうか?いいとしましょう。ドラゴンのCGは他の動物に比べてしょぼかったですし、決闘もしょぼかった。曲はいいけど、歌はうまくない。あっと、舞踏会のドレスをカードで買うのは夢がないですね。彼女は洋服作りの才能があるのだから、自作にすべきでしょう。
[DVD(字幕)] 7点(2009-10-08 14:55:59)
88.  サマーウォーズ 《ネタバレ》 
エンターテインメントとして優れているアニメです。ネットのヴァーチャル世界と現実の対比、都会と田舎、陣内家の歴史(徳川家との対決)、甲子園、男衆と女衆の対比、曽祖母と妾の子、夏希と健二の恋などの多要素を上手く取り込んで、盛り上がる作品になっています。最後の危機又危機の展開はうまいと思いました。子供たなら感動できたと思います。大人目線でつっこみを:①IDを奪われたら世界中のコンピュータシステムが暴走するという設定が幼稚。②混乱しても、電話、ネット、電力、ガス、水道などは正常なのはどうして。電話なんか真っ先につながらなくなると思う。③セキュリティが甘すぎる。一晩で50人も解ける。④健二は暗号を解いてないのに、翌日テレビで犯人扱いされたのは何故?⑤あの数字の暗号って何なの?最初解くのに何時間もかかったのに、最後は暗算で数分で解いた。⑥曾祖母を死なせちゃだめ。AIハッカーとの花札対決は曾祖母にさせるべきだった。花札好きという伏線は描かれていた。逆に夏樹は侘助に負けている。曾祖母の死で一族の結束を高めるのは安っぽい。曽祖母の知恵と経験を生かして、コンピュータと戦う展開なら痛快だったはず。⑦格闘技ゲーム名人のキングカズが一族にいたのは許す。が、AIハッカーの開発者も同時にいるのは許せない。又開発者では何でもできてしまう。単にコンピューター好きにすればよかったのだ。⑧侘助は東大出なのに、なぜぐれてしまったのだろう。AIハッカーを退治して、米軍からお金もらったのかな。というか、米軍がこの映画観たら怒るでしょうね。⑨花札のコイコイって何?ルールわかりません。⑩ネーミングがしょぼい。サマーウォーズ、ラブマシーン、侘助。 ⑪ヒット30本打たれたら勝てません。⑫夏を強調しているわりには、夏の暑さが表現されていなかった。⑬夏希は学校中の憧れの存在なのだからもっと魅力的に描かないと。⑭健二の家族が出てこず、人物の掘り下げ不足。
[映画館(邦画)] 7点(2009-10-05 20:55:58)(笑:1票)
89.  ウルヴァリン:X-MEN ZERO 《ネタバレ》 
スピンオフ作品としては十分合格点。ローガンの能力の謎と来歴がよくわかる。父を殺された怒りで能力に目覚めるのだが、復讐に殺した相手が実父だったという悲しい宿命。その後も仲間割れや裏切りの闘いばかり。憂鬱な話だ。ウルヴァリンの名の由来の童話も悲しい。それでも残虐場面を最小限に抑えて、楽しめるようにできている。超能力を持つミュータントの物語だが、この手のものでは、能力が度を過ぎるとリアリティがなくなり、緊迫感が薄れる。途端にマンガっぽくなり、感情移入できないのだ。本作品ではアイビームがそれ。ビルを真っ二つはやりすぎ。眼鏡かけてないと勝手にビームが出るという設定には笑ってしまった。先生に怒られて罰として黒板に百回書くが、あれはギャグだろうか?不死身というのも如何なものか。どうせ助かると思うと楽観視していまう。不死身でもいいが、そこをやられると死ぬというような弱点が欲しい。ウルトラマンが盛り上がるのは3分間しか戦えないから。弱点があるからこそ応援したくなるのだ。恋人ケイラの他人を自分の意のままに操る能力だが、それができるのなら自分の妹を助け出すのは簡単なことだろうに。現に大佐を自由に操ったではないか。またローガンを操っていたとしたら、その能力でいつでも大佐のところに連れていけたではないか。わざわざ死んだ芝居をする必要はあるまい。チームでダイヤ密輸ギャングに殴り込みをかける場面があるが、緊迫感があり、印象に残った。あの程度の戦いでちょうどいいのだ。最後の何でもありのXIとの闘いと比較してほしい。どっちが手に汗をにぎり見るだろうか。それから、エンドロールの後にサプライズ映像があるので、席を立ってはいけません。
[DVD(吹替)] 7点(2009-10-05 19:31:49)(良:1票)
90.  クラッシュ(2004) 《ネタバレ》 
娯楽映画ではない。心の中では触れ合いを求めているのに、お互いの不信感のせいで、衝突(クラッシュ)してしまう人々のお話。不信の原因は人種の違い、文化の違いが大きい。英語が話せないからコミュニケーションが取りづらい。不信を増長させるのが銃の存在。不信が恐怖にまで拡大する。黒人は英語を話すが、犯罪者が多いので信用されない。黒人も白人を嫌う。ハリウッド映画を観るかぎり、人種や文化の違いによる衝突は永遠に続きそうです。希望はサンドラの「あなたは親友よ」と言った場面。あれは理屈ではなく、抱き合ったときに自然に出てきた感情。肉体が触れ合えば情も移る。単純なことだけど重要。透明マントで娘は助かったが、そのことで店主はあの娘は自分のために降りてきた天使だと思う。何と信じやすい人だろうか。そのキレやすい性格とあいまって、将来が思いやられる。というか殺人未遂で逮捕だろう。正義感の強い白人が、根の善い黒人青年を射殺するのは悪趣味と思った。観客に衝撃を与えるための演出。二人は同じお守り持っていて、そのせいで悲劇が起こった。皮肉にもほどがある。死んだ黒人の兄が刑事で、その母は兄より弟を愛している。兄は不当に扱われる。親子の間にもクラッシュがある。兄は思慮深く、清濁併せ呑むことのできる「大人」である。が、セックス中に電話を取ったり、母に「今白人をやってる最中だ」などと空気読めない発言をする。弟の敵は討てそうもない。タイ人を開放し、お金を恵んでやった黒人は、いつ成長したのか。ちょっと説教されただけ。未消化です。ディロンの差別意識は根深く、やみそうにありません。全体的に皆さんキレすぎです。もっとリラックスしましょう。本質的なことを言えば、「他人を信用するとは、自分を信用すること」。心を磨き、自分を確立することが未来を切り拓きます。脚本に作為が目立ち、人間の本質を描いているとは思いませんでした。皆さん後半で性格が変りすぎです。またタイ人を知性のない非文明人のように描いていますが、あれこそ人種差別による偏見ではないでしょうか。脚本にもクラッシュを発見。
[DVD(字幕)] 7点(2009-09-20 13:43:08)
91.  ドリームガールズ(2006) 《ネタバレ》 
歌、ダンス、ファッションが洗練されていて良いですね。ビヨンセの美貌は特筆もの。ただミュージカルに特有の感動が薄いのが難点。ドリーム・ガールズの成功物語で終るべきところを解散コンサートをラストにもってきているからいけないのです。エフィがリードからはずされたのが気に入らず脱退しましたが、それは本人も納得したこと。それにも関わらず非常にかたくなとなり、何年も仕事をせず、兄のCCと話もしないのはちょっと異常です。娘の父であるカーティスに子供が生まれたことをいわないのも納得できません。再起しようと努力しないのでしょうか。彼女の苦悩が伝わってこないのです。そのエフィが最後にドリーム・ガールズの元メンバーとして一曲だけステージに立ちスポットライトを浴びますが、それで感動が得られますか?カーティスが観客席の少女を自分の娘と気づくのも無理があります。気づいたとしても、見ている側では感動はしません。この物語を別の面からいえば、ドリーム・ガールズやそのスタッフが強引な手法で成功をしようとするカーティスに振り回される話です。汚い手を使ってでもヒットさせようとし、エフィの再起の芽もつぶしてしまう人間なんて誰も同情しません。ジミー(エディ・マーフィー)の死にも責任があります。そんなカーティスとエフィの間がうまくいかないのは眼に見えています。ですので親子の対面も感動しないのです。もうひとつ、ディーナがカーティスから離れ、自立する物語があります。こちらは成功していると思います。自立宣言の力強い歌ぶりは感動的でした。で、クレオパトラはどうなったんでしょうか?もうひとりのメンバーは不倫で、同情の余地なし。エディ・マーフィーは個性がありすぎて、コメディにしか見えないですね。重みの欠ける映画となった一因です。男女関係も内輪でくっつきすぎですよね。ジェニファー・ハドソンの歌はソウルフルで魅力的ですが、どの歌の歌い方も一本調子なのですぐに飽きてしまいます。しっとりしたスローバラードなどを聞かせてほしかったです。ビヨンセという歌姫が最高のパフォーマンスを見せてくれたことに感謝。ジャクソン5もどきやビートルズ、キング牧師などの小ネタは冴えていました。ある意味スタイリッシュな映画です。
[DVD(字幕)] 7点(2009-09-18 07:47:57)
92.  オペラ座の怪人(2004) 《ネタバレ》 
使われている楽曲はミュージカル史上最高レベルのものであることは間違いない。この映画は台詞は最小限で、基本的に舞台のミュージカルの筋をたどる。そこが好みの分かれるところ。映画だから芝居を中心に描いて欲しかったという人は多い。ミュージカルファンなら、映像として見れただけで満足だろう。ファントムについて考えてみた。彼は醜く生まれたせいで、母親から捨てられ、サーカスの見世物小屋で不当な暴力を受ける。反発した彼は脱走するが、その際人を殺める。そして同情を寄せたオペラ座に寄宿する少女ジリーに匿われる。彼は孤独を友として成長するが、やがて音楽の才能に目覚める。やがて少女クリスティーンが現れる。彼は彼女の才能を見出し、何年もかけて音楽的指導をする。天涯孤独の彼女にとってファントムは父であり、師であり、父が天国から遣わした音楽の天使であった。また彼にとってクリスティーンは、彼の音楽に翼を与えるものだった。彼女のデビューが決まり、成功を収める。が、喜びはつかの間。彼女に言い寄る男ラウルが現れたのだ。彼は彼女を独占したいがために、劇場に脅しをかけたり、殺生さえも辞さない。劇場の仕掛けた罠を知ってか知らずが、上演中の自ら作曲したオペラに出演し、クリスティーンと競演する。このときが彼の絶頂期。彼の才能が人々に認められた瞬間だった。二人の愛は成就したかに思えた。だが、彼女が仮面をはずしてしまい、一転逃亡劇へ。彼女が仮面をはがしたのは、世に出る勇気をもちなさいということだろう。最後の場面で彼女は、ファントムと結婚するか、ラウルを死なせるかの選択を迫られる。彼女はファントムにキスをする。このキスが彼の運命の呪縛を解いた。生まれて初めて愛の何たるかを知った彼は運命を受け入れ、ラウルを解き放ち、自らは去る。彼の過酷な生育歴を考慮すれば、彼の奇妙な行動もある程度納得がいくだろう。彼は誕生の瞬間から世界中を敵にまわしていたのだが、最後は愛に目覚め、自らは最愛の女性の愛に値しないと気づき、彼女を別の男に譲る。彼に同情できるかどうかで、この映画の評価が決まるだろう。ファントムは最後のシーンで死ぬべきだった。命と引き換えに、過去の罪を贖罪しなければならないからだ。その方が悲劇性が高まり、より一層感情移入できるのだ。最後のバラの挿話は蛇足。CGを使用した映像は美しかった。
[DVD(字幕)] 7点(2009-08-09 16:28:28)
93.  ターミネーター4 《ネタバレ》 
よく出来たアクション娯楽作品です。モンスター型、飛行機型、バイク型、蛇型とさまざまのロボットが出てきて楽しめました。撮影では、ジョンの乗ったヘリが墜落するまでを1カットで見せるシーンが出色です。素晴らしい!ただ残念なことにT1やT2のときのように手に汗を握って観ないのです。一つにはジョンとカイルが生き残ることがわかっているからです。もう一つには、ロボットとの1対1の戦い方に既視感があるから。もう少し工夫してもらいたい。アンドロイド型のマーカスは脇役のはずですが、恋をし、組織を裏切り、臓器提供をし主人公を助けます。比重が大きくなりすぎている感があります。カイルの影が薄いです。突っ込みどころ満載なのも嬉しいです。スカイネットは人間を赤外線などのセンサーを使って発見すればいいですね。潜水艦などすぐに発見できるはずです。聾唖の少女の存在も微妙ですね。中途半端の感があります。ジョンの妻の妊娠も気になります。
[映画館(字幕)] 7点(2009-06-30 23:35:33)
94.  ナイト ミュージアム 《ネタバレ》 
インディアンの少女サカガウィアは開拓史上の人。子供の頃別の部族に襲われ家族は殺され奴隷の身に。やがてカナダ人商人の妻の一人に落ち着く。大統領の命令で探検をしていた西部遠征隊に見出され通訳として同行。途中16歳で出産。赤ん坊を背負ったまま遠征を続ける。自分の部族と再会する幸運に恵まれる。兄が酋長になっていた。熱病で倒れるも、無事太平洋にたどり着く。25歳で逝去。学芸員の女性が興味を持つのもわかりますね。夜の間ファラオの石版の魔法で博物館の展示物が蘇り、動き出す。CG技術の発達した現代だからこと可能となった映画。父子の関係の修復、憎めない泥棒、学芸員との恋、歴史への興味、人間は戦争するものだと主張して喧嘩ばかりしていたミニチュア二人の冒険と仲直り、大統領の捨て身と恋など盛りだくさんです。犬のように人なつこいTレックスやガムをかむモアイ像、機関車ネタなど笑いも満載。夢のある映画です。マニュアルがなくなっても、自分で歴史の勉強をするところがえらいと思いました。すべては子供のためですね。フン族?を父親のことを言って慰めていましたが、説得力がありました。これがあるから、大統領の締めの言葉「ニック、あなたのお父さんは偉大な人だ」が感動を与えます。最後は伏線のあった指パッチンで懐中電灯が消え、ニヤリ。うまいですね。詰め込み感がありますが、よく練られた脚本と思います。あまりにドタバタしすぎるので好みではない人もいるでしょう。ハリウッド流の乗りです。子供が活躍しないのが少し物足りない。ちなみにセオドア・ルーズベルト大統領はテディベアの生みの親ですね。熊の子がでてくるとおもったのですが、ざんねん。
[DVD(字幕)] 7点(2009-05-10 06:24:09)(良:1票)
95.  父親たちの星条旗 《ネタバレ》 
硫黄島の星条旗の写真の真実はアメリカでは有名な話。向こうでは、いまさら感があるのでは?実はあの星条旗はあの後日本軍が引きずり落とし、日章旗を掲げたのを再度米国が奪還するという争奪戦があったのですが、そこはカットされてますね。フォレスタル海軍長官が海岸であの星条旗を見て「あの旗があれば海兵隊も500年は安泰だ」と直感したのはさすがとしか言いようがありません。機に聡しです。実際に国民を大いに鼓舞し、勝利へと導きました。写真の出来が類まれなほどよかったのが幸運でした。同時に8ミリフィルムも撮られています。将校が準備艦砲射撃が10日の予定が3日に減らされて大激怒している場面がありました。あれは沖縄戦への準備に兵力を割いたからです。東京大空襲は硫黄島の戦いの最中。この時点で、アメリカの勝利はほぼ確定していました。艦船から海に落ちた兵士を誰も助けられない。衛生兵が救急処置をしている最中に日本軍が襲ってきて、そいつを剣で滅多刺しにした後、再び救急措置に戻る。この2つの場面で戦争の悲惨さ、非情さを痛切に感じました。ラストの戦場で子供のようにはしゃいで泳ぐ場面も生と死のコントラストが鮮やか。音楽とライターの火が消えた瞬間に戦争場面につながるなど、印象に残っています。リアリティを追求した戦闘シーンは迫力がありました。テーマは、戦争に英雄はいないということ。英雄に祭り上げられた三人は日本でいうと爆弾三勇士(捏造。与謝野鉄幹が作詞した歌が流行)や真珠湾に散った特殊潜航艇の九軍神(一人は捕虜となったので記録抹殺)のようなもの。やることは同じです。日本は天皇の神聖化もしています。戦争は国家同士の総力戦なので、利用できるものは何でも利用するのは当たり前。勝つのが絶対条件。どんな汚い手でも使います。三人の英雄は純情だった故に葛藤がありました。特にアイラはかわいそう。差別も受けていたし。ネイティブ・アメリカンは純粋なんですね。自決した日本人の惨殺映像は容赦なく映しても、イギーのそれを映さなかったのは、遺族への配慮でしょう。究極の英雄は原爆を落として戦争を終わらせた人?いえいえ、彼らも重い十字架を背負っています。これからは戦争に勝った人より、戦争を回避した人が英雄になる世の中になってほしいですね。
[DVD(吹替)] 7点(2009-05-09 08:21:22)(良:1票)
96.  パッチギ! 《ネタバレ》 
パワー溢れて活気のある映画。俳優が活き活きと演技しているのがいい。監督が上手に乗せるのだろう。監督の美徳である。一方で暴力シーンの連続には辟易。冒頭オックスがヘタな演奏を聞かせるが、これは実在のバンド。何か恨みがあるのだろうか。映画の原作は松山猛で「イムジン河」の訳詞者。「誰が祖国をふたつに分けてしまったの」など原詞には無い勝手(過激)な訳をつけたために発売中止に。そこをフォローするためか原詞で削られた「共同農場の稲、波の上で踊る」の部分が語られている。朝鮮人が松山猛訳をどう思っているのか知りたいところ。危惧するところでもあります。例えば朝鮮人が広島の原爆の悲劇を歌にするようなものか。沢尻は日本人と仏人のハーフ。在日朝鮮人を演じていいのだろうか。いがみあう日本人と在日の間に風穴をあけたのが歌。主人公は歌で仲間に入れたし、ラジオで熱唱して恋人の親族に気持ちが伝わった。ラストは河での喧嘩と出産とフォークコンテストが三つ巴の同時進行。感動するシーンだ。特に主人公がギターを叩き割るところがよい。普段感情を露わにしないキャラなので驚いた。注文もある。ラジオのディレクターに暴力を使わせたこと。ここは誠意で上司の心を動かすのでなければならない。暴力では解決にならない。当時「イムジン河」は放送自粛で歌えないので、本来は別の歌を予定していたが、急遽「イムジン河」を歌わせてくれとお願いするような展開なら無理がなかった。出産も父親がそのことをどう思っていたのか全く触れられていなかった。父親としての自覚を持つにしては唐突すぎるのだ。ところで在日と日本人がどうして喧嘩するのか描かれていない。兄や親の代からの惰性でそうなっているのだろう。在日への差別もあまりなく、ただ在日の貧しさが描かれていた。棺を前にして老人が主人公に怒鳴り、虐げられてきた経験と怒りを吐露する。監督の最も言いたい部分でしょう。素直に拝聴しておきます。
[DVD(邦画)] 7点(2009-05-07 10:52:42)
97.  花とアリス〈劇場版〉 《ネタバレ》 
独特の映像美に魅せられました。高感度フィルムの採光オーバー撮り、周辺をぼかすフィルター、様々なアングルの多用、小津監督のようなローアングル、凝った背景、いろいろとやっています。物語の中心になるのは、偽の記憶喪失ですが、すぐに気づくはずで、引っ張るのは無理があります。宮本のキャラと演技に魅力がないのが欠点。花とアリスの恋のせつなさが伝わりづらいです。アリスが中心に描かれています。両親は離婚。一緒に暮らす母は母親の役割を果たしません。父を思慕していますが、両者の会話はぎこちなく、記憶もかみあいません。3人でデートする場面は、アリスの思い出の追体験です。親子三人で海に来て、縄跳びをし、トランプをし、おむすびサンドを食べたのでしょう。「ねえ、これ覚えてる?」の質問は宮本ではなく父に向けられています。父と宮本が重なって見えたとき、擬似的な恋愛感情が生まれました。それが、「ジョウダンヨ」のせりふになります。父はアリスがところてんを嫌いと思っていましたが、それは過去のことで、すれ違いがあります。宮本との恋愛もところてんが原因で破綻します。このあたりの脚本はうまいですね。宮本が「失われたトランプ」を拾っていたのを知って号泣するアリス。本当に恋をした瞬間です。が、すぐに別れなければならない宿命。トランプを渡して「せめてときどき思い出してね」の後に、伝わらないのを承知で、父から教わった「我愛称」をいいます。切ない青春の1ページ。これらのことを経験し、アリスは過去(楽しかった家族の思い出)に捕らわれないで、現実と向き合い、強く生きていこうとします。それが自分らしさを初めて表現できたバレエシーンとなります。花には引きこもりの過去があり、それが原因で「生き残るためのウソ」を覚えたのでしょう。強引な恋愛は、なめくじのようにぬめぬめしています。アリスとの友情を思い出し、宮本に真実を話したことで、トラウマは解消されました。そして二人は元の仲良しに。写真部の女性、グッジョブ。で、宮本は?うーん中途半端。何故落研なのかも触れられていない。落語へただし。花の見せ場として落語を演じて欲しかった。アトムやライオンキングなどの小ネタ満載で楽しめました。 で
[DVD(邦画)] 7点(2009-04-20 06:09:42)
98.  ヒトラーの贋札 《ネタバレ》 
ナチスのユダヤ人収容所における紙幣贋造の実話を元にした物語。ベルンハルト作戦として知られています。主人公サリーは金貸しのユダヤ人で贋札造りの名人、刑務所にいたが、ベルンハルト作戦の現場担当者として収容所へ贋札造りが成功すればドイツ軍の勝利に貢献することになってしまう。だが成功しなければ銃殺刑。どうするか?普通に考えれば可能な限りのサボタージュ。それもままならぬうちに、サリーの技量により、ポンド紙幣の贋札造りは成功。終戦までに1億3200万ポンド(当時の全流通量の約10%)も印刷することに。ヘリツォーク少佐にお褒めの言葉をいただくとみんな笑顔に。命をつないだわけです。収容所で特別待遇を得てますから、生きることに一層執着します。次にドル札造りを命じられますが、その製作途中ににトラブルが発生。家族が収容所で亡くなったのを知った男が自殺未遂。肺病患者発生。肺病と知れると殺されるので隠す。妻の死を知ったブルガーはやけになりサボタージュと妨害、反乱まで企てる。何ヶ月経ってもドル札ができないのでナチスはいろいろと圧力をかけてきます。厚遇を受けていたサリーの立場も微妙に。遂に何人かが射殺されることになったとき、サリーがドル札を完成させます。が、本格稼動の前に終戦。ヘリツォーク少佐が最も興味深い人物でした。彼は優秀なビジネスマンタイプ。元は共産主義者でしたが、警察で手柄をあげ、時流に乗ってナチスに入党。常に紳士的な態度で暴力をきらい、人の扱いも心得たもの。物事を深く考えず、「必要とされる場で任務を果たす」ことが信条。サリーたちにもそれを求めます。戦争という非常時では、自分もこのような生き方をするかもしれないと考えさせられました。サリーは制約が多い中で仲間をかばい、何とか助けようとします。意見対立するブルガーも最後まで守ります。しかし肺病患者は銃殺され、自殺未遂者は自殺。それらのことで無力さを感じたのと、家族も殺されていることから、自由になった戦後も虚脱状態に陥ります。どのような生き方をしても報われない、それが命を奪い合う戦争というものの恐ろしさでしょう。戦争という巨人な悪の前では、主義主張や正義なども意味を失います。サリーたちがもしアーリア人だったら喜んで贋札を造ったでしょう。冒頭シーンで、主人公が生き残ることが分かってしまいますので、必要ないと思いました。
[DVD(字幕)] 7点(2009-04-08 15:01:21)(良:1票)
99.  28日後... 《ネタバレ》 
感染猿は全然凶暴じゃなかったですね。目が赤くないし。あれでは動物保護団体も警告を無視して逃がすでしょうね。でも猿に人間の暴動映像を10台のモニターで見せて、どんな意味があるの?主人公ジムがヘタレなのは、非常に怖がらせて観客の恐怖を煽るためかと思いきや、表情が少なく、怖さが伝わってこなかったです。噛まれると即感染、20秒で化身、高速で走るゾンビ(感染者)は素晴らしいアイデアです。火まみれでも走るのをやめないし。何故人間を襲うのか、昼は何をしているか、普段何を食べているのかなどは不明です。ゾンビ同士は仲がよさそうなので、感染してもそんなに不幸ではないかも。死体から血が落ちる場面がありますが、血は凝固するのであれはなしです。フランクがあえて危険なトンネルを行くのに合理的説明が欲しかった。時間がないとか。途中、銃店で銃を入手すればいいのに。時折挿入される美しいショット、花畑、燃える町、何もない高速道路、馬の親子などは生死の対比をうまく表現しています。力量のある監督ですね。ただピクニックみたいにお気楽にすごしているシーンはやめましょう。おびえてないとダメです。この映画の主題は「ゾンビからのサバイバル」ではなく「人間の本質を描く」でしょうね。助かるためには仲間でも感染者は即殺さなければなりません。それが少年であっても、フランク(少女の父親)であっても。生きるためには、愛するものを殺さなければならない過酷な運命です。そんな立場に立たされたとき人間は何を考えるか、考えさせられます。そんな辛い経験をして、やっとたどり着いた避難所でしたが、そこでの軍隊が異常でした。「殺しあいは人間の本質で生存の掟。昔から変らない」という持論をもつ少佐に支配されている軍隊。兵士たちは少佐の毒に感染してしまったようです。少佐は女性を兵士たちに与えようとします。すると、これを阻止しようとジムが軍隊と闘うという無茶な展開へ突入。いやはや恐れ入りました。そっと助け出すんじゃなくて、皆殺しにします。ここでのジムの心境は十分に描かれていません。また仲間を即殺すほどクールで強気だったセリーヌが、後半弱気キャラになっているのも不自然です。ハンナはラリっちゃうし。最後はHELLOではなくSOSでしょ。
[DVD(字幕)] 7点(2009-04-04 21:11:57)(良:1票)
100.  おくりびと 《ネタバレ》 
抑えた演技、演出には好感が持てました。主人公小林はチェリストになるのが夢でしたが、才能に限界を感じており、オーケストラの解散を機にチェロをやめてしまいます。もともと、このチェロは音楽好きの父親から強制的に習わされたものでした。(この伏線はよく効いていますね)父親は愛人を作り、小林が幼少の頃、家を出て行ってしまいます。小林は父親の顔をはっきりとはおぼえておらず、石文(いしぶみ)としてもらった石だけが思い出として残っています。(この伏線もみごとにはまります)小林は縁があって納棺士となります。そこへ父親の死亡通知が届き、遺体を整える作業を通じて、父親と和解します。死の対照となる。新しい生命の誕生もさりげなくからめてましたね。もうひとつよくできていると思ったのが、銭湯のおばば(吉行和子)の死の場面です。小林は、おばばの息子からは職業差別を受け、妻からは猛反発を受けるのですが、おばばの死によってそれらが無理なく解消されます。そしてさほど関係ないと思っていた銭湯好きのおじさんが、葬儀場の釜士とわかり、銭湯を継ぐ決意をします。さて、最大のテーマは死体を扱う納棺士という職業に対する世間の差別意識でしょう。日本にはケガレの思想があるので、ある程度は仕方がないのですが、映画ではややおおげさに描かれているように思いました。小林がチェリストから納棺士に転職して本当によかったのかどうかはわかりませんが、父の死を通じて、誇りをもってやれる職業と確信したのはよいことと思います。このような難しいテーマに真正面から取り組んだ監督に敬意を表します。ところで不自然に思ったところがあります。それは父親はどうして石を持ったままの状態で合掌させられていたのかということです。もう一つ。妻は生きているたこを見て、きゃーと声をあげ、料理できませんでした。しかし鶏の頭は平気です。ここに矛盾を感じました。あと魚の卵やフライドチキンを食べている場面は美しくありませんでした。生命をいただいているというより、貪っている印象です。これはマイナスでしょう。
[映画館(邦画)] 7点(2009-03-30 23:13:10)
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