81. エニイ・ギブン・サンデー
豪華なメンバーによる映画でしかもアメリカ人の大好きなNFLが題材とあってそれなりに稼げる映画だったのだろう。しかし、チーム内の確執やオーナーとコーチの対立、フランチャイズ移転問題など、ちょっと詰め込み過ぎな感じは否めない。結局ポイントの分かりにくい散漫なストーリーとなってしまっている。NFLファンならどのチームの誰をモデルにしたエピソードなのかピンとくるのだろうが……。試合のシーンもカメラワークがアップで揺れるものだからちっともプレー内容が分からない。もう少しプレーシーンを楽しみたかったんだけどな。好み25/50、演出8/15、脚本7/15、演技6/10、技術6/10、合計52/100→5/10点 [DVD(字幕)] 5点(2015-07-02 23:03:41) |
82. フィラデルフィア
周りに同様の発症患者がいて同じように差別せずに接することができるかというと正直自信が無い。エイズという重い題材をもって深く考えさせる映画だ。考えさせると言うよりは、アメリカ国民に問題を突きつけているといった方がいいのだろう。そこにこの映画の舞台であるフィラデルフィアが古き良き時代のアメリカの象徴として登場する意味があるのだろう。エイズに起因する感染症で主人公がみるみるやつれていくのだが、冷たい世間とは対照的に暖かい友人家族が周りにいてくれる状況が観るものの心を和ませてくれる。好み30/50、演出12/15、脚本9/15、演技8/10、技術5/10、合計64/100→6/10点 [DVD(字幕)] 6点(2015-07-02 23:02:43) |
83. 大統領の執事の涙
ホワイトハウスでの様々な大統領やその家族との交流が中心に描かれるのかと思ったらどっこい、一番の主題はセシルの家族問題だったんだね。キング牧師やブラックパンサーといった黒人公民権運動の草の根からの活動家として家族から離れていくルイスと、大統領のそばにいてトップダウンでの政策転換を目の当たりにするセシルが対比的に描かれる。対立し離反する二人だが、お互いの考え方、行動に理解を示し融和していく。政治の中心地を題材としながら政治を感じさせないドラマであり暖かい映画だった。好み35/50、演出12/15、脚本14/15、演技6/10、技術8/10、合計75/100→8/10点 [映画館(字幕)] 8点(2015-07-02 23:01:42) |
84. 仁義なき戦い 代理戦争
もともとヤクザものは好みでない上に、登場人物や組、勢力が数多く出てきてちんぷんかんぷんだった。盃やら義理などヤクザ社会の力学も分かるようでわからず、行動思考の優先順位が一般人には不明である。第1作から順番に観ていれば良かったのかも。ただ、今では大物となった俳優たちの若かりし頃の演技が観れたことは興味深かった。好み15/50、演出6/15、脚本8/15、演技7/10、技術5/10、合計41/100→4/10点 [DVD(邦画)] 4点(2015-07-02 23:00:43) |
85. グローリー
黒人のみの部隊を率いるショー大佐だが、厳しくしながらも黒人たちを信じ、活躍させてやりたい、そしてそのために必要な訓練をさせてやりたいという気持ちが十分伝わってくる。黒人たちも、黒人として戦うのではなく、「人間」としての誇りのために戦うということに目覚めていく。細かいことだがそういったシーンや台詞回しが上手に配されていて脚本の良さを感じる。モーガン・フリーマンの泥臭い農民もデンゼル・ワシントンのインテリ黒人も良かった。南北戦争や奴隷解放宣言についてもっと知りたいと思わせてしまう佳作であった。好み45/50、演出13/15、脚本15/15、演技9/10、技術8/10、合計90/100→9/10点 [DVD(字幕)] 9点(2015-07-02 22:59:35) |
86. JFK
長い!大作ではあるのだろうがとにかく長い。長い尺な割に内容も詰め込み過ぎな感じがしてついて行くのがやっとだった(ついて行けてなかったかも)。いかにもいい子ぶりっこなケビンコスナー演じるギャリソン検事がなぜあそこまで必死になるのかちょっと説明不足だ。オズワルドやクレイショーとの何らかのいきさつがあり、こだわる理由が分かりやすくなってるともう少し説得力があった気がする。見てて疲れたよ。好み30/50、演出10/15、脚本9/15、演技7/10、技術8/10、合計64/100→6/10点 [DVD(字幕)] 6点(2014-03-03 23:03:33) |
87. 大統領の陰謀
ウォーターゲート事件って名前は知っていたけど内容は知らなかったよ。でもこういう硬骨なジャーナリズムが一部でも残っていることにアメリカの良心を感じる。この二人が居たからこそあれだけ大きな政界の闇が明るみに出たのだろう。ワシントンポストの上層部(特に編集主幹)のとる方針も大きかったのだろうが、最終的には2人と報道の自由を守るという決断で2人を後押しする、いい役どころであった。編集主幹を演じた役者がオスカー獲得というのもうなずける。好み40/50、演出11/15、脚本8/15、演技8/10、技術6/10、合計73/100→7/10点 [DVD(字幕)] 7点(2014-03-03 23:02:48) |
88. ハンニバル・ライジング
レクター博士のルーツが分かる作品だが、やはりこのレクターハンニバルシリーズの魅力は、天才レクター博士の完璧なまでの天才っぷりにあると思う。若く未熟なレクターなんて見たくないっ!せっかく若く魅力的な日本人、レディムラサキが出てくるのはうれしいが、女優が中国人なのは残念だし、鎧甲に対する儀式などあまり日本風でないなあと感じたり。レクター博士には、妹の敵討ちなんてかっこいいこと言わずに、自分の興味の赴くまま猟奇路線を突っ走ってほしいものだ。好み30/50、演出10/15、脚本10/15、演技7/10、技術8/10、合計65/100→7/10点 [DVD(字幕)] 7点(2014-03-03 23:01:58) |
89. ハンニバル(2001)
《ネタバレ》 猟奇的な異常者であることは間違いないのにこうまでもレクター博士のカリスマ性に惹かれてしまうのはなぜだろうか?いつのまにかクラリスとともにレクター博士をも応援してしまっている自分が居る。終盤、ヴァージャー一味にとらえられてしまうが、どうせなら完全なる天才として自力で脱出してほしかった。そうなっちゃうともうスーパーマンだね。好み40/50、演出13/15、脚本10/15、演技7/10、技術9/10、合計79/100→8/10点 [DVD(字幕)] 8点(2014-03-03 23:01:22)(良:1票) |
90. アラバマ物語
ノスタルジーに満ちたアメリカ南部の牧歌的物語かと思って観てたらどっこい、法廷ものだったんだね。差別の色濃く残る南部で黒人の弁護をするなんて当時としてはあり得ないことだったのだろう。それに対して敢然と立ち向かい、冷静な弁護をするアティカスだが、なんでもアメリカでは現在に至ってもこのアティカスというキャラクターがアメリカの良心を体現したヒーローの代名詞となっており、人気なのだそうだ。なんという自己矛盾を抱えた国であることか、びっくりしてしまう。心の奥底に未だ差別という感情を宿しておきながら一方ではアメリカの良心を信じることができてしまうなんて。こういう奥深さというか多様性がアメリカの良さであり、強さなのか。好み35/50、演出11/15、脚本13/15、演技8/10、技術6/10、合計73/100→7/10点 [DVD(字幕)] 7点(2014-03-03 23:00:22) |
91. 運動靴と赤い金魚
《ネタバレ》 貧しい家庭でけなげに生きる兄妹という設定だけで涙ぐみそうになる。あざとい(笑)作りだ。たかが運動靴と思うかもしれないが、アリにとっては全精力を傾けるべき重要なものだったのだろう。マラソン大会で1位をとっても悲しげな彼の表情がまた泣ける。最後に父親の自転車に新しい靴が入っていたことだけが救いだ。好み20/50、演出7/15、脚本7/15、演技8/10、技術7/10、合計49/100→5/10点 [DVD(字幕)] 5点(2014-03-03 22:59:12) |
92. ステート・オブ・グレース
ゲイリー・オールドマンもエド・ハリスもショーン・ペンも好きと来れば観ないわけにはいかないでしょう。ちょっとエド・ハリスとゲイリー・オールドマンが兄弟って設定は無理がある気がするけど。二枚舌を使う汚いエド・ハリスはちょっとイメージと違うけど、それ以外の2人はイメージ通りの演技で大満足。この3人に注目しすぎてあんまりストーリーが印象に残ってないのは残念。好み25/50、演出8/15、脚本10/15、演技8/10、技術7/10、合計58/100→6/10点 [DVD(字幕)] 6点(2014-03-03 22:57:58) |
93. シド・アンド・ナンシー
まさにアナーキー、まさに自己破壊的、まさにノーフューチャー。伝説的なピストルズにおいてさらに伝説的なシド・ヴィシャスを若きゲイリー・オールドマンがエキセントリックに熱演している。この作品での演技が世間に注目されるきっかけとなったようだが、やはり彼にはこういった常軌を逸した演技がよく似合う。ゲイリー・オールドマンファンには必見の作品だ。最初から最後まで繊細で破滅的で危なっかしいシドとナンシーが、想像通りに壊れていく様は見ていて痛々しい。カリスマと呼ばれるためにはこんな生き様しか選択肢がないのかと思うと少し、いやかなり心が痛む。好み25/50、演出9/15、脚本8/15、演技9/10、技術7/10、合計58/100→6/10点 [DVD(字幕)] 6点(2014-03-03 22:57:07) |
94. ナイト・オブ・ザ・スカイ
戦闘機好きにはたまらないね。実写に拘った空撮シーンは迫力満点。雲や背景、光さえも効果的に配した画面づくりは息をのむような美しさがある。大きなループを描く宙返りを、併走した機体から撮影した場面で、雲の膜を突き抜ける瞬間は大好きなシーンだ。ただ、ストーリーは分かりにくい。結局影で進行していた陰謀は何なのか、なぜ冒頭でパイロットが入れ替わったのか、キャスとは何者だったのか・・・あまり深く考えずに空戦シーンを楽しむ映画なのかもしれないが、せっかくだからもう少し脚本を工夫するだけでいい映画になったと思うのだがなあ。好み40/50、演出11/15、脚本6/15、演技7/10、技術10/10、合計74/100→7/10点 [DVD(字幕)] 7点(2014-03-03 22:56:21) |
95. デトロイト・ロック・シティ
敬虔なクリスチャンからしてみれば(そうでなくても?)KISSは姿形も音楽も悪魔のように見えてしまっても不思議ではない。そんな母親にせっかく手に入れたKISSのチケットを燃やされてしまう。映画的に最後はコンサートを見られるだろう結末はなんとなく分かってはいるもののどうやってそれを達成するのか。四者四様の努力(努力じゃないやつもいるが)が面白い。若者らしいハチャメチャな考え方、行動、決断が新鮮に見えて来るってことは僕もオヤジになってきたってことかな。好み35/50、演出12/15、脚本10/15、演技6/10、技術7/10、合計70/100→7/10点 [DVD(字幕)] 7点(2014-03-03 22:55:25) |
96. A.I.
母親に対して永遠の愛を持つよう設定しておきながら、自分の子供が帰ってくるととたんに疎ましく思いついには捨ててしまう人間のエゴ。不思議なことにこの作品に出てくる人間には全く愛着が持てない。人間よりも情緒的理解に劣る?はずの様々なロボット達の方が、(最後に出てくる未来のロボットも含めて)断然人間らしさを感じることができ、応援したくなる。前半はデイビッドに感情移入しすぎてつい泣いてしまったが、後半の展開はかなり予想とは異なっており、さすがキューブリックが原案に絡んでいると言うだけあるストーリーだった。「さすが」とは言ったがそれは別に褒めているわけではなく、もう少し分かりやすい展開でも良かったのではないかな、と思う。それでも最後には母親の愛に包まれることができて、デイビッドの幸せそうな顔を見たらなんとなく安心して映画を見終えることができた。好み40/50、演出10/15、脚本8/15、演技8/10、技術8/10、合計74/100→7/10点 [DVD(字幕)] 7点(2014-03-03 22:54:27) |
97. 勝利への旅立ち
《ネタバレ》 実話に基づくとの事だが、その軌跡を追うのに終始して何もかもが中途半端な印象は否めない。なぜジミーが戻ってきたのか、なぜシューターをアシスタントにしたのか、なぜこのチームは強くなったのか、言い出せばキリがないがそういったものを説明する説得力のある描写が見あたらず、消化不良のままどんどんストーリーが進み、何故か州の決勝まで来ている。また、マイラとの色恋も全く必要性が見いだせない。逆にあの年の差では不自然さのみが強調される。もっとチームのメンバーに重点を置いたストーリー展開が欲しいところだ。好み25/50、演出9/15、脚本7/15、演技7/10、技術6/10、合計54/100→5/10点 [DVD(字幕)] 5点(2013-07-09 23:08:47) |
98. 遠い空の向こうに
《ネタバレ》 実話に基づいた単なる美談に終わらせず、ヒューマンドラマとして描いているところがとても好感を持てる。メインはやはり頑固な父親との確執だろう。それだけではなく彼らの背中を後押ししてくれたライリー先生、炭坑の技術者、さらには4人の友情をも描いてみせる。丁寧な人間関係の描写があり、周りの人の助けがあってこの偉業を成し遂げられたのだと感じさせる。そのためエンディングはとてもさわやかな気分になれること請け合いだ。当初想いを寄せていた尻軽なドロシーではなく、最初からホーマーを見つめていたバレンティンとくっついたのもほっとした。ラストのドロシーの顔が良かった。45/50、演出13/15、脚本14/15、演技6/10、技術8/10、合計86/100→9/10点 [DVD(字幕)] 9点(2013-07-09 23:07:16) |
99. フォレスト・ガンプ/一期一会
過去の有名な映像とうまく合成した場面を多用した面白い趣向の映画だが、そんなにうまくいくかよ!というご都合主義に対する反感の方が先に立ってしまう。有名人達との交流は無くとも、何事にも一途に真摯に取り組むフォレストの描写だけで同じ感動は作り出せるのでは無かろうか。と、大好きな「ショーシャンク」が同年のアカデミー賞を軒並みこの作品に奪われているのでどうしても色眼鏡で観てしまうが、まあ悪くない作品だと思うよ。好み35/50、演出14/15、脚本9/15、演技9/10、技術7/10、合計74/100→7/10点 [DVD(字幕)] 7点(2013-07-09 23:05:45) |
100. 海辺の家
《ネタバレ》 よくある、断絶していた父子関係再生の映画なのだが、本作の子役がかわいげのない16才の不良少年であるところが他作とは趣を異にする。「愛情の表現方法」は本作の大きな視点であり、その象徴としてハグがよく出てくる。登場人物全員が主人公を中心とした出来事の中で愛する人への接し方に思い巡らせる事によりハグに象徴されるスキンシップを取り戻していく様が、お色気のあるシーンをも交えながら織りなされていく。なのに、全てが大団円に向かう様相を示すのに主人公のみひっそりと退場していく。みんなで何かを成し遂げたかのような満足感とともに寂しさを感じさせる、そのバランスが絶妙で、風景の美しさと相まってとても印象に残る作品であった。好み45/50、演出12/15、脚本10/15、演技6/10、技術9/10、合計82/100→8/10点 [DVD(字幕)] 8点(2013-07-09 23:04:50) |