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プロフィール
コメント数 1693
性別 男性
自己紹介 基本的に3~8点を付けます。それ以外は、個人的に特別な映画です。

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81.  ナイト・オブ・ザ・リビングデッド 死霊創世紀 《ネタバレ》 
実は初見なのですが、かなり「まんま」なリメイクなのですね。重ねて、主演がトニー・トッドだってのも知らなかった位なのですが、彼も全く悪くなかったし+バーバラがだいぶカッコ好くなってるのも個人的には好みでしたよね。内容も、重ね重ねまんまなんだから決して詰まらないハズだってない…とも思うのですし、別にもっと早く観とけば好かった…とは思ってしまいましたよね。  しかし、かの名作(だケドも、同時に超・低予算作品だから随所でかなりチャチい)を現代的にカラーでリメイク…つーのに価値が在るのは再び確かだとも思いますが、ゆーて別にロメロ作の続編とてこの時点で2作品も(カラーで)出ちゃってるワケだし、その意味では今サラ感も(また)大いに感じられますよね。プラス、前作は(マジで)今までに無かった設定を発明してるって作品なので、その「何が起こってるのかサッパリ分からない」感ってのもまた非常にナチュラル且つ高度だった⇒その辺りがテレビの緊急放送で徐々に明らかになってゆくコトの衝撃度・緊迫感がまた非常な見ドコロになっていた、とも思うのですが、ソコは流石に今作では感じられなかった(⇒感じられたとしても比較的に弱かった)ので、根本的にいかな良脚本だとしてもまんま同じ様にやったら多少物足りなくなっちゃうってヤツだったかな…とも思ってはしまいますでしょーか。  もう一点、ラスト付近のアレンジとして、私はクーパー父の末路については、元ネタのヤツの方がまたハッキリ好みなのですよね⇒ソコに関しては元ネタの方が寧ろ過激・悲惨過ぎるって判断なのかも知れないな…とも。その意味で言うと更に、肝心なその娘のゾンビ具合についても、コレも元ネタの方が好きだったりします⇒ロメロ三部作って、なんか子供のゾンビは多少動きが速い…みたいな感じだったって記憶がありまして、その意味でもそいつ等がちょいアクセントになってましたよね、と。結論、正直、元ネタをスルーして今作を観る…とゆーのは(個人的には)非常に明確にオススメできない…という意味でこの位の評価としておきます。それでも、迷った末にどっちかと言えば高めに寄せてはおいたのですケド……
[DVD(字幕)] 5点(2024-04-09 23:13:03)
82.  オーメン:ザ・ファースト 《ネタバレ》 
まずは、非常に個人的な事情で誠に恐縮なのですケドも、今作って私が(唯一と言って好いレベルで)何よりも苦手としている「主人公が幻覚見えちゃう」系のホラーだったのですよね。プラス、その設定による不可解さを際立たせる目的か、展開運びもごく不可解…とゆーかかなり大胆に場面を切り替える様な=思いっ切り途中のシーンをすっ飛ばす様な編集が前半は多くて、尚更に分り難くて居心地が悪かったのですよね。それでもお話の中身自体は、名作の前日譚であるのも相まって(少なくとも)大筋は分り易い=スッと入って来るってヤツだったのです、ケドも、それでもまた細かいお話の中身にしたって、中盤で元ネタの冒頭と同じ有様になっちゃう修道女&行きずりの相手の男の2人、は何で死なないといけなかったんだっけ?とか、そもそもこの主人公の女のコって何でこんな雰囲気の好くない異国の修道院に来なきゃならんかったんだっけ?とか、んでそもそも修道女ってこ~んな気楽に外出とかし捲ってて好いんだっけ?とか、個々の描写の辻褄も結構に好い加減にも見えてたので、正直残り40分位までは「こないだのエクソシストみたいにまた駄作かな…」て気がプンプンとしてたと言っても全く過言ではねーのですよね。  しかし、その付近から急激にその辺の辻褄が合い始めて⇒でオチはまあ(予想通りとは言え)それなりに元ネタとも繋がる様な無難な感じに落ち着いてったので、最後まで観たらまあまあだったかな…という感じの観終わり方にはなりましたかね。んで思えば、映像自体の出来もそこそこ高かったと感じますし、随所でかなり暗くて重苦しい・息苦しい空気感にしたってかの超・名作ホラーの前日譚としてはごく適切で好ましいモノだったと思えたりもして。でも、それでもやっぱ(例の)修道女の自殺は理由がどーにも分らんのと(⇒とするとどーしたって安直な「元ネタのコスり」にしか見えない)加えて何よりもオーラス…とゆーかあの3人が生き残ってるコトにだってどーにも納得とゆーか共感が出来ないってコトも含めて、最終的にはやや低めに寄せてのこの評価にしとこうかと思いました。勿論、前半1時間以上が(重ねて個人的に)極めて居心地が悪かった…という点も評価には反映してます(⇒後で上手い具合にドンデン返すとしたって、コレはちょっと長々とやり過ぎてるかな…と思っちゃいました)。
[映画館(字幕)] 6点(2024-04-06 00:42:46)
83.  オーメン/最後の闘争 《ネタバレ》 
えっっ………つまんな過ぎてワタシ、最後の方集中力切れてたダケかも知れんのですケド、ナニこの終わり方………  上記のとおり、正直全然つまんなかったのですケド、その理由はまたややっこしくも散々色々沢山あるって様にも思われますよね。2つダケ論うなら、1・2を経て今作のダミアンは自分の呪われた運命を完全に理解し、かつ必要であろう強大な地位・権力を手にした(ごく望ましい筈の)状態から話はスタートするのです、ケドも、んで彼はソコで一体ナニをやろうとしてたのか…て超肝心なトコが全編で全く語られないんすよね⇒ソレが無いってコト自体が、話のスケールと描写のレベルって非常に肝心なる2つの面での呆れ果てたショボさに繋がってる…とでも言いますか。。  もう一つ、コレも1個めとやや重複するコトではあるのですケド、結局今作もまた「一作目の呪縛」から逃れられてないとゆーか、そのコトが作品としてのジャンル=意固地にサスペンスやったる!てトコに表れてもーてると思ったのですよね⇒でも今作って、正直サスペンスでもホラーでもなくって根本的にはファンタジー=またどっちかちゅーたらバトルアクション系のダークファンタジーに仕上げるべきって内容の映画だよな…と私は思えて仕方が無いのでありますのよね。ソレが(見事なマデに)全くそーなってない=その手の描写が総じてとにかくショボい…から、尚更に+今観ると更に更にとにかく物足りない・眠い・退屈…みたいなヤツになってもーてると思われるのですよね。。  本来、オーメンの続編=ダミアンの末路、なんてのは絶対誰だって観たかったハズなんだから、ソレを本腰入れて(カネ掛けて)チャンとやりゃあ好かったダケ…てコトにも(当然に)思えるのです。が、その点でゆーと今作のスタッフは残念ながら、「チャンとやる」方ではなくて単にお手軽な「カネ儲け」の方を選択した…てコトにしか(また正直)見えてないのですね。非常に悪い意味で超・典型的な80年代ホラーの続編…と言っても好いとも言えましょーか、ワリと非常に残念ですよね。以上。
[DVD(字幕)] 3点(2024-04-04 19:06:49)
84.  オーメン2/ダミアン 《ネタバレ》 
コッチは今回初見ですね。しかし、余りにも(偉大なる)前作を意識し過ぎ…とゆーか、根本的なトコロにおいては殆ど完コピ…みたいな有様なんですよね(⇒まァそのコト自体は、今今に至ってもホラー分野では結構「よくあるコト」ではありますケド)。ただ、如何せんその完コピってのが実に「上っ面ダケ」とゆーか、そもそもネタは完全にバレちゃってるのだからサスペンスとしては成立してねーし、具体的な描写のレベルもいいトコ前作以下(=上回るってコトはなさそう…)みたいな感じだし、で正直面白くなかったですよね。サスペンスとして微妙…という意味では、前作は敵も味方もかなり緻密に一手一手段取りを進めてゆく・布石を打ってゆく、みたいな感覚がチャンとあった(⇒だからクライマックスに向けてチャンと盛り上がって行った)と思うのですが、今作はソレが全く無い(⇒単に流れを追ってるダケ)て感覚が非常に強かったのですよね。その意味でもやはり、詰まらない・気の入ってない駄シナリオやな…と思ってしまいますよね。作品自体としては、そこそこリキの入ってる・当時としては完全にA級ってレベルのごくしっかりした娯楽ホラーだとは思うのですケドね。  ただし2点、オーラスの(プチ)ドンデン返しについては、個人的にはコレはまま意外性が在って悪くなかったと思ったコトと、主役のダミアンの子役についてもルックスが好かった+役にも合ってたってコトはポジティブな点かと思いましたので、評点は1点プラスしておきます。
[インターネット(字幕)] 5点(2024-04-03 20:46:56)
85.  オーメン(1976) 《ネタバレ》 
暫く前にリメイクの方を観ていたのですが、続編公開に合わせてオリジナルも再見してみました。まあ、やっぱ面白いですよね。とゆーか、今作と『エクソシスト』とかもそーだと思ってるのですが、コレら70年代の名作は根本的にはホラー映画って「ジャンルもの」と言うよりは恐怖要素の入ってる一般映画(⇒また根本的にはどっちかちゅーたらサスペンス)の超高水準作品てコトかと思うのですよね。だって、監督がリチャード・ドナーで主演がグレゴリー・ペックなんですよ?その意味では更に、描写の質とかって言うよりはまた×2、後半の「謎を追う」部分のクオリティ+凝縮度の高さが実に非常に見事だと思うのですよね(⇒何度観ても緻密な脚本だな~と)。その意味では、まま普遍性を備えた(ホラー的)作品だ…とも思うのですが、惜しむらくは結構広範に「ネタがバレて」しまってるから⇒結果として(今今に初見だよ!って方だと)心地好い驚きを持って観れない…とゆーコトもあるのかな~と思ったりはしますかね。  ただ、とは言え、私が今作に見出している「恐怖」の要素・根源とゆーのも、またある種非常に普遍的なモノではあるのですよね。色々観てきて思うコトは、やっぱ自分の子供とか親とか、そーいう絶対的な存在が(翻って)絶対的な悪であったとしたら、それって相当に怖い・恐ろしいと思うのですよ(⇒否、ある種「怖すぎる」とさえ)。また×3根本的には今作って「実は本当の子じゃない」ってヤツではあるのですが、前述どおりコレが本当に実子だったのなら(マジで)恐ろしすぎる・惨すぎる…とゆーコトなのかな~と思ったりもしますよね。その観点からは、当然私にもネタはバレてしまってるのですが、ソコをそーじゃない or もしコレが本当の我が子だったら…という別視点を持てるのならば、今今に至っても・諸々の描写にもまた別の意味&味わいが出てくるってコトもあるかとは思うのですよね(⇒言わずもがなオーラスだとか)。その辺は、やはりホラーの歴史に残る名作=人の世における「真の恐怖」を描いた映画である、と言っても好いポイントかな~と思いますかね(チョイ大袈裟ですかね)。
[インターネット(字幕)] 8点(2024-04-02 23:11:53)
86.  愛の新世界 《ネタバレ》 
HDリマスター版とゆーのをGEOで借りて観たのですケド、フツーに成人映画扱いでしたよね(笑)。とは言え、主演の女優さんふたりは(若いのに)実に脱ぎっぷりが好いですし、エロっぽいシーンもごくふんだんでその辺の比率&レベル的なモノはロマンポルノその他に全く引けを取らない…と言っても好いかと思われます。しかし、その辺りのポルノ系作品との違いとして、まずは尺が長いコト、後は加えて(その長いワリにも)お話の方にも山谷とゆーか、むしろ「翳り」みたいなモノが全く見当たらない⇒全体としてメッチャ暢気なコメディでしかないってコト、だと思うのですよね。再度、主演の女のコふたりは完全なる「夜の女」なのですから、例えばロマンポルノだったら在りそーな(=在って然るべき)ネガティブな方の展開やら諸々の「悲哀」みたいなモノが影も形もねーのですよ。だから、重ね重ね、その尺の長さにこの抑揚の無いノペっとした感じも相まって、終盤手前までは流石にちょっと退屈かな…(刺激が足りないかな…)と思われたのが正直なトコロなのですよね。   ※とは言え、70・80年代のロマンポルノと比べたらそんな感じも絶対在るのですケド、丁度ポスト・ロマンポルノみたいな頃の平成期のピンク作品を(少しダケ)観てみたトコロでは、こーいう暢気な作品も多いっぽい感じは覚えました。まァそーいうヤツはロマンポルノと比べてもかなり短尺でお手軽な作品かとは思いますケド⇒またなんか「バブルの空気感」みたいなモノが根底にあるのかなって気もしてしまいましたケドね。   でも、観てたら、とあるドンチャン騒ぎの喧騒のあと、渋谷での明け方のシーンで何かそーいう「青春の翳り」みたいなモノがとうとう来そう…と思ったら、そっから先も更にドンドン突っ走ってっちゃうのですよね本作って。。がしかし、だからこそ逆にコレってたぶん、ソコで「折れない」っての(を描くの)がそもそもの目的だって映画だ…とも思ったのです(⇒挫けて堪るかこの青春!みたいなヤツだと)。またそもそも、夜の人々だからって人生に翳りが無きゃいけない…みたいな(それこそロマンポルノで殊更に好く見かけるって)価値観自体が、ある意味古臭い…てコトなんだとも思うのでして(⇒ソリャ、だってフツーに4,50年前の映画群ですからね)思えば今作に描かれるって価値観の方がよっぽど今今のソレには近いなァ…とも(実際に)思いますもんね。大袈裟に言えば、今作もまた、画一性を打ち破る…という意味での「多様性」を描いた作品なのかとも思いましたし、ソコに最後の最後までピンと来てなかった…という事実はありますケドも、でも最後の最後ではチャンと納得出来て+今更ながらにワリと共感もすら出来た…という事実を鑑みまして、ラスト10分で2点を加点してのこの評価としておきます。以上。
[DVD(邦画)] 7点(2024-04-02 20:01:13)
87.  オッペンハイマー 《ネタバレ》 
(2024/10/12再見) 初見時は正直(情報量の多さに)付いていけないと感じながら観るしかなかったのですが、改めて観てみると、少なくともオッペンハイマー氏の秘密聴聞会(所謂「オッペンハイマー事件」)と、あとその数年後のストローズの公聴会の時系列+顛末を(事前に)理解していて、加えて主要キャラが(政治的&学術的に)どういう人物なのか、というトコロが整理されて居るのなら、思ったよりスムーズに観てゆけるかな~という気もしましたかね。要はシンプルに「前提知識必須」な映画である、と(⇒でも、言い訳ではねーですが、オッペンハイマーの聴聞会とストローズの公聴会が数年ズレてて+どういう関係性の事象か、なんて前提無しの初見じゃ絶対分からないと思いますケドね)。  その上で、ダレるトコロも無いしテンポも抜群だから(3時間の長尺であっても)非常に観易いし、単純に2回目ながら再び非常に面白く観れちゃったのは確か+内容も色々な意味でやはり意義深い映画だ、とも思ったのですケドも、結論的には(初見時より1点ダケ加点しての)この点数にしておこうかと思うに留まりました。理由は、まずは根本的に、このレベルまでに鑑賞者側の「事前準備」が必要であり、かつ、実際に観てみた時の感覚としてのテンポの好さ・中身のゴージャスさ…とゆーのは逆に言えばコレでもまだ「尺が足りてない」というコトだと思ってしまったのですよね。私としては、それってまた根本的には「映画のフォーマットには乗り切ってない内容&題材だった」というコトに思えてしまったのですよ(⇒プラス、やっぱちょっと全編でテンポがひたすらに好すぎて、余韻とかを心地好く感じる暇が無い、とも)。後々、6時間バージョンのディレクターズ・カットとか出たら時には、すぐさま飛び付いて絶対に観るとは思いますケドね。
[映画館(字幕)] 8点(2024-03-29 23:59:55)
88.  SISU/シス 不死身の男 《ネタバレ》 
諸々と、ちょっと「理屈じゃない」みたいなトコロの強烈な作品かとは思いますが、内容としても(根本的には)ほぼほぼワンシチュエーション・一本道みたいなお話を凄~く勿体ぶって(ある分野の)西部劇みたいに語って居る、その「語り方」自体は(あくまで私個人にとっては)十二分に成功していたとも思える感じなのですよね。いや、また諸々とこーいうの嫌いって人も絶対大勢居るだろう…とは思う、そーいう感じのヤツなのも間違いはねーのですケドも。個人的にはやや、終盤に関してはちょっと行き当たりばったり感&そーはならんやろ感がままかなり高度だったって感覚でして、なので評価自体はいったんこの位マデにしておきます。がある意味、北欧ものでプラスちょっと西部劇だとレオーネみたいな超・重厚な質感…てコトでゆーと、直近だとそれこそ『ノースマン 導かれし復讐者』もだいぶん彷彿とさせられる様な重くて分厚い仕上りだったのも確かでして(⇒ちょいグロめなのも含めて)、んでやっぱ個人的にはコレ結構好きな質感だよな~とも思わされては居るのです。だから多少人を選ぶかな…とは思いつつ、逆にそーいうのが好きな方にだったら迷うコト無くオススメ出来るって作品ではありますかね。ご検討アレ。
[インターネット(字幕)] 6点(2024-03-26 22:42:46)
89.  マタンゴ 《ネタバレ》 
もう60年以上前の怪奇特撮映画ですが、意外と本質的にはホラーや特撮ものよりはハード系人間ドラマ=極限状態での浅ましい人間性の描き出し、の方がワリとメインって作品に見えてまして、その意味ではロメロの初期ゾンビ映画とかの先行作的な位置づけ…みたいな感じも覚えますかね。ドラマにせよ・特撮にせよ、今観ると多少チープ+まま娯楽映画的なつくり込みの深さ、だと思われるのも確かではあるのですが、それでもその(実は上映時間の大半を占める)ドラマ部分の陰湿な居心地の悪さとゆーのは、今作が多くの人の記憶に鮮烈に残ってるってコトのワケがいとも簡単に理解できる…みたいなショッキングな代物だったと思うのですよね。登場人物にはモデルが居るってコトらしーのですが、そーいうの関係無くとも比較的みんなキャラクターのつくり込みが上手くいってたと思いますし、演技の方も総じてソレにハマってた…とゆーのがひとつのポイントかな~と思われますかね。またもう一つ、現代社会に毒されたこの連中は結局マタンゴなんて居ても居なくても(同じ状況ならば)いずれは破滅しただろう…みたいな全体構造が在るコトにも(個人的には)一応筋が通ってたと思えたコトも含めて、今回再見してもやっぱドラマとして全体的に好く出来てるよな~と思っちゃったのですよね⇒なので1点加点しておきます。  プラスその上で、終盤はやっぱシンプルにかなり怖い・悍ましいのですよね⇒いま観直しても尚、ちょっとゾクッとしちゃいました。昔の特撮のこの感じの不快な「音」とか、あとは前述どおり(ココでも)演技のハマり様=作中イチバン印象的なのってやっぱ水野久美さんだと思うのですが、彼女が妖艶にも人間でなくなってゆく様子なぞも、やっぱ素晴らしかったと思うのですね。観てないって方は、ぜひ一度は観た方が好いかもな~と思ってしまう様な良作クラシックでありますね。
[DVD(邦画)] 7点(2024-03-26 16:42:00)(良:1票)
90.  第七の封印 《ネタバレ》 
死から決して逃れられないのは遍くヒトの宿命であって、十字軍だろうが疫病だろうが・それが世界に降り注ぐ速さに多少の違いが在ろうが無かろうが、根本的なその状況自体に大差は無い…とまずは思うのです。かつ、今作の主人公・騎士アントニウスは迫り来るその死を前にして、其処からは逃れられぬという絶対的な人間世界の悲惨と・そして何も語らない神、というシステム全体の在り方に対する疑問を問い続けて居る…そのことはまた確かに、多分にキリスト教的な(or 少なくとも宗教的な)観点からの問いかけだと、私も再び思うのですね。  しかし、今作の登場人物の振舞いを通してはその「宿命」に対して、もっとヴァリエーションに富んだアプローチの数々というのを見て取れるとも思うのですね。それこそ、誰か一人にその咎を押し付けて生贄に捧げて満足する者、或いは、終末論的なナニかを振り翳して絶望に浸ることで逆に優越感を得る者、なんてのは、今現在に至っても・キリスト教の支配の下に無いこの国においてさえ、探せば幾らでも見つかるって光景だと思うのですよ。しかし重ねて、その一方で例えば、考えても答えの出ない問いに無為に陥ることを拒否して日々を享楽的=ごく前向きに生きること、であるとか、神でも仏でもない己の道理にのみ忠実で在ること、とか、それでもその強大なる運命をちゃんと恐れて・自分自身の無力さを知ることで逆に総てを受け容れること、だとか、私には、今作はむしろそういった後者の諸々の方にこそより大きな価値を見出しているのだろう…ということ自体は、思ったよりも容易く伝わって来てかつ共感も可能だった、と率直に思われたのですね(⇒とは言え、ゆーて私も2回3回は観た上でこうなったってダケなのですケドね)。  また、久し振りに再見して、やはり難解だと言われる作品かとは(再びどうしようも無く)そう思ってしまうのですが、それでもごくシンプルに、ごくポジティブなモノを描いている方の作品なのだな、と思うトコロにまでは今回チャンと至れたのですね。且つはその上で、台詞はどれも含蓄に満ち・そして映画全体としても全く無駄が無い、という類稀な完成度を備える作品だと思うのにも(同様に)至るコトが出来ました。やはり、傑作かと思いますね。
[DVD(字幕)] 9点(2024-03-25 22:29:47)
91.  ザ・フラッシュ 《ネタバレ》 
まずは矢鱈と長尺なのですケド、それって別に内容が無いってワケでは(更々)なくって、観たトコロ少なくとも3つ位は⇒フラッシュの(遅ればせながらの)イントロダクション+フツーにヒーローもののアクションもの+「過去は変えられるか」というSF的ドラマ、とかってモノの中身はしっかり在ったと思うのですよね⇒んで重要なのが、そのドレもが別にそんなに悪いとも思えない程度の出来だった…というコトなんすよ。語られるフラッシュのキャラや過去にも面白みは在りましたし+アクションも結構リキの入った好ましい感じであったと思いますし(冒頭とか特に)+個人的には3つめのドラマんトコもクライマックスは率直にかなり好かったと思ったんすよ⇒トマト缶一つで変わってしまったダケの運命であっても、やはり過去を変えるコトは叶わない…みたいなのは、実に非常に好いアイデアだったのではねーかな、と(⇒その手の映画のクライマックスのネタとしては、どう使っても完全に成立するだろーな、と)。  しかし、まァ~如何せん、じゃあその出来の好いのが3つあるからってそれを混ぜたら傑作になるかとゆーと…としか言い様が無いのですよね。。また非常に根本的に、だから(2つめの)アクションは結局無くても諸々と好かったってコトじゃんか!としか(再び)言い様が無いよな~と。。⇒私もソ~レは流石に、余りにもちょっとヒドい…としか思わざるを得ないのでして。。丁度、DCのユニバースの方針自体がかなりゴタゴタ・ゴチャゴチャとしてた時期にブチ当たってしまったって作品なのは重々承知なのでして、だから結局その影響が皆無だったとは到底思えない様な仕上り…だと言うしかないのでありますかね(⇒それ自体は、シンプルに至極残念です)。いちおう、後続のリニューアル版ユニバースには(キャラ的には)生き残ってる…みたいなコトらしーので、ソコで見事に復活してくれる(=今作の労が報われる)コトを心から祈ってますよね。以上。
[ブルーレイ(字幕)] 6点(2024-03-25 19:20:21)(良:1票)
92.  コカイン・ベア 《ネタバレ》 
調べると、どうも正に日本における「ヒグマ」と「ツキノワグマ」みたいなコトであるらしく、北アメリカにも「ハイイログマ=グリズリー」てのと「アメリカグマ=ブラックベア」とゆーのが居るってコトらしいのですね。んで、今作の舞台はワリと南の方で、ソコに居るのはこのアメリカグマ⇒グリズリーよりは少し小さい黒い方のヤツってコトみたいです。グリズリーはちょっと流石に、近付くダケでも絶対危険!みたいなバケモノだと思いますので、いちおう今作って実話ベースみたいなコトではあるらしーのですケド、この感じの(ごく近距離での)クマとの絡みの描写を沢山やるんだったら、色々と適切な選択だったと言えるのでしょーかね。全体としては、比較的マイルド&コミカルな質感のノンビリめのアニマル・パニック作品ではあるのですケド、言わずもがなクマがコカイン中毒でコカインに目が無い⇒クマをコントロールするギミックとしてコカインが重要なアイテムとなるってユニークポイントとか、後は(なのに)随所で妙にグロいってスパイシーな部分を含むコトも含めて、例えばまた比較的若年層(ハイティーン~20代位?)で大勢で観たりしたら盛上りそう…みたいな作品には思えますかね。興味が在れば。
[DVD(字幕)] 5点(2024-03-25 12:15:16)
93.  スザン・レノックス 《ネタバレ》 
まあ、100年近く前の作品なので諸々と「考え方」自体が現在とは異なるとゆーか、特に時間間隔(=時間経過の描き方)がとにかくかなり異質な感じですよね。ヒロインのガルボとクラーク・ゲイブルが出会った一夜のアレコレはかなりネットリ丁寧に描くのに、彼と彼女がいったん決別して再会する2つのシーンの間には(それなりに経過してる筈の)時間の流れを示すナニかがナニも置かれて無い…とか。しかしソレで結局76分なんだから、そーいったモノを現代風に整えてやれば(多分)100分尺のドラマとして今なお全く通用する様な内容だと思いますし、更に言えば要はソレって、ガルボとゲーブルの渾身の演技による見せ場のそのモノは不滅のクオリティを備える名シーン個々として(再び今なお)輝き続けている…というコトかとも思います。正直、私が観たガルボの中でも一番好かったかも知れない…とすら思ったりもしますよね。プラス、その全盛期たる眩い美貌も含めて、見逃すのは余りに惜しい作品にも思われてしまいますね(アマプラでロハなので、コレは是非)。
[インターネット(字幕)] 7点(2024-03-24 21:51:20)
94.  エクソシスト 信じる者(2023) 《ネタバレ》 
うーん…根本的には、ちょっと「捻り過ぎ」「考え過ぎ」て感じなのかなァ…………  かの名作の正統続編に相応しく、冒頭からの前半はそれこそ、重厚過ぎる程に重厚・本格的過ぎる程に本格的(ホラー)てな感じの好ましい質感を貫いて居る、のですし、ソコで端的な映像のクオリティについては(コレは最後まで)まずまず以上の高水準を維持していた様に思えるのですね。しかし、前述のその質実剛健な(≒キョウビのホラーと比較したら確実にややテンポの重い)前半を越えて以降は、流石にちょっと支離滅裂・分裂症気味と言っても好い様な「迷い」しか感じられない様な展開運びだったとも思われるのですね。中で、バチカンが(今どき)悪魔祓いなんて許可しねーだろ…とか、そもそもカトリック的に伝統的なる宗教儀式で悪魔をブッ倒したトコロで(色々な意味で)もはや面白くもナンともねーだろ…てコトだとか、そこら辺の大人の事情的なモノは私とてまた想定の範疇には在るのです。がそれでも重ねて、今作のクライマックスが何故にこ~んなフラっついた代物になってしまったのかは理解に苦しむってレベルのコトではありますし、んで一番根本的には、コレって・この終い方って確実に「悪魔の勝利」の方だった…としか思えないのも(また)事実なのでありますのよね。。  いちおう、当初は三部作を予定していたってコトらしくって、ただそれすらも今作の大コケによって多少(否だいぶん)雲行きが怪しくなって来ちゃってる…位のコトではある様ですし、ソコには全く(私自身も鑑賞後には)大いに納得してしまったトコロでもありますよね。そのコトについては個人的にもう一つ、クリス・マクニール=エレン・バースティンって、彼女も(あくまで50年前の前作においては)今作みたいな感じになるって感じのキャラだったっけ?みたいに、結局はその辺にすらもかなり高度な疑問が感じられちゃって⇒だから登場した正にその瞬間…以降はその貴重な再登板の喜びすらもあんまし感じられなかった、と言いますかね… (⇒また個人的には、何故にこ~んな脚本に納得しちゃったんだろ?とすら思っちゃいました…) (⇒三部作つくり切れたなら、その意図が完璧に伝わる、とかなら好いのですケドも…)
[ブルーレイ(字幕)] 5点(2024-03-23 21:09:25)
95.  もっと超越した所へ。 《ネタバレ》 
コ~レは中々……話の内容・登場人物個々のキャラクター・ブッ飛んだオチの付け方+ソコでのそもそもの演出の仕方、等々、ほぼほぼ全ての個々の要素に対して共感可能だって観客の「レンジ」が相当に狭そうな映画ではありますかね。とは言えですね、個人的には、どいつもこいつもこーいう男共って絶対どっかで見たコト有ったとも(まずは)思いましたし、ソレは女性陣についてもフツーにそーであるのですし、そーいう人達が結果的に最終的に(≒なし崩し的に)このオーラスみたいなコトを延々続けてるってのも間違い無く(現実世界ですらも)見たコト有ったって確信すらできるのですよね(⇒モチロン、このラストみたいな「抽象性」を取っ払った上での話として)。だから私としては、少なくとも理解自体が全く困難だ…な~んて映画ではなかったとは思うのですし、その「難しいトコロ」を脇に置いちゃえば、単純に映画・ドラマとしては、ソコにおいての個々の演技・演出・展開運び(=4つの話を絡ませた上での語り方・順番)みたいなトコロは、実はワリとかなり出来が好かったのではないかと思ったりもしたのですよ。私は全然、意外に結構楽しくスイスイと(笑い転げながら)観てゆけたって感覚が正直強いのですよね。  特に、千葉雄大さんの扱い諸々、みたいなトコロも考慮するなら、私にはやっぱ今作は「男と女の映画」とゆーよりは、唯々「女の映画」の方だったかな…とも思われるのです(⇒その意味では結果的には、最近ごく「流行り」の…というタイプの作品と言って好いかも知れませんかね)。で、実際にオムニバスではあるのですし、だからマルッと(そーいう)テーマ的なコトを託けてやってナニかを言ってやったぜ!みたいな気になってもまるでしょーがない作品だとは(また)思うのです、がソレでも一つダケ、私には今作って結局、どこまでも真っ直ぐに「ポジティブに」終わっていったな…とはモ~思われて已まないのですよね⇒ソレはモチロン(前述どおりに)今作が「女性の映画」として恐らく完膚無きまでの「勝利」を描いているモノだからだ、という意味で、です。更にその意味では、先ほど言った「この手の」作品の中では、個人的にはワリとかなり好きな方の作品ですらありました(私が実際に最近に観たヤツの中では特に)。興味のある方は是非。
[インターネット(邦画)] 7点(2024-03-21 22:52:53)
96.  リゾートバイト 《ネタバレ》 
伊原六花ちゃんは、こないだの『星空のむこうの国』でも秋田汐梨ちゃんと共演してましたが、別に同じ事務所とかではないのですかね。ただ、二人とも既に中々に演技が達者で、終盤の展開とか・あと「入替り」の描写なんかもまあまあ結構好く出来てたと思うのですよね(コレも前に『コワすぎ!』とかでも見たコトあるヤツではありますが、ある程度は演者の力量が無いと難しいですよね⇒松浦さんや梶原さんは言わずもがな大層な手練なんでま~ともかく)。個人的に、特に六花ちゃんは全体としてもまた中々「ホラー映え」する表情の感じ…とゆーか、もう一作品くらいはこーいうホラーでも好いから主演で観てみたい…的な感覚も覚えました。期待。  ごく序盤は、結構正統に怖がらせて来る系のホラーなのかな…て感じだったのですが、そっから先の前半は正直かな~り展開の運び方も撮り方も雑だな…って感じでもありまして、加えてこの「リゾートバイト」って元ネタが短編なので(30分過ぎからは)この後モ~どーすんねん?と思い始めていたのですよね。しかし、結果的には他のネット怪談の名作も交えながら、全体としては(前作以上に)かなりハッチャケた!作風に仕上がってまして、やっぱ予算は引き続き厳しいのだろう…てトコロも鑑みると、総じてまた今作も中々テクニカルに巧く仕上げて来たな~という感覚になりましたよね(⇒私はコレ、全然「許せる」とゆーか寧ろ結構好みな方のB級ホラーでしたですよ)。そして再び、オチの付け方が巧かったですよね(⇒コレが在るとやっぱハナシが「締まり」ますよね)。再度、ごくB級な方のホラーであるとは思うのですが、前作よりは1点高く付けておこうかと思います。サクッと観れるので(実は)ワリとオススメでありますね。
[DVD(邦画)] 6点(2024-03-20 23:13:13)
97.  瞳をとじて(2023) 《ネタバレ》 
嘗ての監督作における画的な部分のハイ・クオリティのそれ自体は、今作でも重々に健在だったかとは思うのですね⇒端的なる構図等の美しさ&細部までのこだわり&特にまた「陰」の使い方、などの何れにしても)。でも、まず『ミツバチのささやき』や『エル・スール』なんかに比べると、そもそもかなり急に長尺になってるって感覚は大いにありますね(『マルメロの陽光』は半分ドキュメンタリなのである程度は脇に置くとしても)。プラス今作は(その二作品に比べると)特に前半で矢鱈と「台詞が多い」って感覚もありましたよね⇒主人公ミゲル・ガライが様々な人々と対話してゆくシーンの数珠繋ぎで(軽く)100分位は過ぎ去ってってしまうので。そんな感じで唯淡々と静かなサシでの会話シーンが続く+ゆったりテンポ+大作級の長尺、ではあるので、こーいうのに慣れてないと一撃でスヤスヤと…みたいな作品であるのは正直否めないとも思います。私も最初観て、ちょっとチャンと観れてなかった(=観逃したカモ?みたいな)シーンが在った様な気がしちゃったので、短期間でもっかい観たのですよね。なので(コレも正直)あらすじ的なモノは頭に入れてから観に行く位で丁度好い…様な気もしちゃってますよね(⇒重ね重ね前半は台詞に付いてくダケでも結構骨が折れる)。  んで、肝心の内容自体としてはまた、監督自身が高度に自分を投影したかの様な・自己に替わって登場人物に「人生の振り返り」をさせるかの様な『ニュー・シネマ・パラダイス』みたいな作品だったかとは思うのですね(諸々の人生と映画を「重ね合わせてゆく」…みたいなヤツとゆーか)。まあ私もまた正直、この手の巨匠が晩年に撮るには打って付けな…という感覚はありますが、でもね~~~先ほど二回観たと言いましたが、正直初回はそのクライマックスたるラストの描写が、私にはどーにも「ネガティブなモノ」に見えてしまったのがかなりしっくり来なかったのですよね⇒正にその「瞳を閉じる」コトの意味するトコロがナンかコレ超・ネガティブじゃねーか?と。いったん、つまりは、その部分が(少なくとも)明確に解釈できる様な描き方にはなって居ない=解釈に幅が生じ得るという作品、であるのも間違い無いと思うのですよ(⇒だからまず、この長尺でソレってどーなの?とも考え得る…かと)。その意味でもちょっと、相当に「玄人好み」…みたいな作品であるかなとは、どーしたって思ってしまうのですよね⇒まあ、ソコもある種今まで通りの作風だな、とも思えはしますケドも。  ただ、私自身は二回目を観て、初回ホドには(ソレを)必ずしもネガティブにしか解釈できないっていう感覚にはならなかったのでして、ソレこそソレは劇中劇と大いに重なる様な(映画の中の)フリオが、その人生を(劇中で)振り返った時、嘗て挑んだその役柄の本質的なトコロを真に理解した「納得と悔恨」の様なモノとしても解釈できるかもな…という様な感覚にも至りましたのよね。結論、コレも前述どおり「観る人を選ぶ」とゆーか、この手の長尺でまろやかな映画をあまり苦にしないという素養は(確実に)求められる+解釈のブレみたいなモノに対する拒否反応も無い、とゆーのが前提だという作品なのかも知れませんが、一方で確実に人生そのものに係る種々の「含蓄」についても(共感可能なモノもそうでないモノも含めて)またごく芳醇な作品だ、とマデは思えますので、いったんこの評価としておきます⇒迷いに迷って1点分は低めに寄せてます。以上。
[映画館(字幕)] 7点(2024-03-20 15:31:20)(良:1票)
98.  シャイロックの子供たち 《ネタバレ》 
サスペンスとゆーよりはミステリ寄りとゆーか、人がバンバン死んだり殺されたりする様な事件ものではねーので最初は少し「キレ」が無い…(≒ズバリ盛り上がらない…)みたいな感覚もあったのですケド、でもやっぱ銀行業務ってあまり縁の無い世界のハナシなのでまたやっぱ妙に面白くスイスイ観てゆけるともゆーか、結果的にはかなり楽しく観切れました。この原作者の方の映画・ドラマってお恥ずかしながらほぼ観たコト無かったのですケド、多分ドレも同じ様に手堅く面白いんだろーな…と思いましたよね(今後はチョコチョコ観てゆきます)。  ただ、ソレでも部分的に少し「出来過ぎ」感も在ったかな…とゆーか、原作は未読ですが(2時間の)映画に纏め上げる上でたぶん多少調整が入ってる…ソコが個人的には少しチープにも感じられましたかね。柳葉敏郎さんと佐々木蔵之介さんの「因縁」の辺りとか、あとラスト付近でエラくテキパキと諸々が片付いてく感じは(確かに)テンポの好さは感じられますが⇒また×2やっぱ(TVドラマ的な感じに)チョイ安っぽいな…とも。 てゆーか、江島エステートの件が明るみに出てしまったのだったらば、そのワリと直後に耐震偽装物件の取引にもあの支店が一枚噛んでたってコトだって絶対バレて、そしたらソレこそ西木なんてタダじゃ済まなかったのでは…?と思ったりもするのですよね(私の気の回し過ぎ?)。重ねて、全体としては全然楽しく観れたのでソコまで気になってはいないトコロですし、何とゆーか「カネは人を斯くも狂わせるなァ…」というトコロには大いに共感も出来たコトも勘案しまして、いったんこの評価としておきます。上戸彩さんの小局風OLも個人的にはかなり魅力的に見えましたし。
[インターネット(邦画)] 6点(2024-03-20 14:03:06)
99.  マルメロの陽光 《ネタバレ》 
実在のスペインの画家アントニオ・ロペス・ガルシアは、毎年秋になると庭に手ずから植えたマルメロの木を=その実った果実に降り注ぐ陽光をキャンバスに写し取るべく再び製作を始める。しかし、誂え向きに日々好天が続くとも限らず、また枝も葉も実も留め様も無く刻一刻と姿を変えてゆく中で、いずれ実は地面に落ちて腐り、そして作品はまた未完となるのだ。その、ある年の製作過程をそのままフィルムに収めたという、まずは何よりコレ多分ドキュメンタリのジャンルに入るべき映画っすね(まあ、つくり自体=撮り方やシーンの構成なんかは全然劇映画っぽいですし、当年のカンヌでもコンペティション部門の出品作となって審査員賞も獲ってたりするのですケド)。かつ、主に9月末~12月中旬の二か月半の出来事を追っている、とは言え、殆どストーリー展開の無い映像が140分も続いてゆくのですから、エリセ監督の前二作に比べても遥かに「普通の映画っぽくない」作品だとも思います。その辺の事情は、ある程度頭に入れてから観た方が好いってレベルの作品…かも知れません。  しかし、そのスペインはマドリッド・リアリズムの正真正銘の巨匠…というロペス氏の、丹念に語られる製作過程そのものに関しては、よく観ると(とゆーのもナンですが)かなり面白みが在るとゆーか、最初は木のトコロに縦横に糸を張って(⇒ああコレが垂直線・水平線なんだな、と)んで更に地面になんか釘を打ってんなと思ったらコレは所謂「バミリ」なんですよね(⇒自分の爪先が常にその釘のトコロに来るように、と)。かつ、前述どおり何週間も描いてゆく中でチョコチョコ実や葉に絵の具で印を付けてんなと思ったらコレは今度は「時間経過による変化を測るもの」だとかって、最後は結局実も葉も殆ど全部印だらけになってたり(⇒んな面倒なコトすんならさっさと描き上げろよ!と少しダケ思ったりも)。  ソコは率直に、やっぱリアリズムの画家なんだよな~とか思ってたんですケドも、中盤に同業者?から色々と質問を受けてる場面が在って、ソコで「なら普通は最初に写真撮ったりしない?」とか言われると、いやそうじゃない⇒木の側に私が立って時間を共有するコトが重要なのだ云々…みたいなコトを言い出したりもして、ソコは再びちょっと意外だったりもしたのですよね。聞けば、この人もまた非常に「寡作」な芸術家だとのコトで(⇒このマルメロの画だって毎年未完で何十年も描いてる、とかで)想像ですケド今作、ソコにエリセ監督が大いにシンパシーを覚えた…とかってヤツなのかな~と思ったりもするのですよね。確かに、一般的な映画として楽しめるって作品ではないかとは思いましたが、私自身も(まあソレでも私は雰囲気映画的な楽しみ方って観点ではフツーに十分楽しかったとも思う…その上で)教養とゆーか少なからず何か学び取れたモノは在ったかと思いますし、ソレこそアーティスト=表現者の方々にとっては、更に大いに参考になる様な部分も在るのではないかと思うのですね(⇒特にズバリ画家の方々なんか、より絶対面白く観れると思うのですよね)。個人的にはある種の「芸道」映画に見えたってコトで、こんな評価としてます。
[レーザーディスク(字幕)] 7点(2024-03-17 15:32:10)
100.  コットンテール 《ネタバレ》 
近しい家族の一員を喪って、でもその悲しみを残された家族全員で共有することで家族の絆を再認識する、というのは、実にありふれたことだとも思いますが同時に、実に普遍的で誰しもが共感可能な経験だとも当然に思うのです。私も本当につい最近、実際にそういった経験をした・している最中でもあって、その意味では今作にはごくパーソナルに大いに共感できる部分がありました。これもよく言われることだと思いますが、人を動かす動機になるものって、どちらかと言うとポジティブなそれよりはネガティブな方の感情であることが多い、ともやはり思っています。人生においてだって、他に例え様が無い位に悲しくて辛いことが起こった時というのは、同時にその「転機」ともなるべき最も大きな変化のチャンスである、というのも、これこそが本当に私自身がつい最近に実感し、そして実行・実現し続けていることである、と思うのですよね。  ただ、今作は構造的には上記の通りの作品ではあるのですが、特にその作中現在の時間軸においてフォーカスが当たるのは圧倒的に主役のリリー・フランキーさんなのであって、私は率直に、家族の物語というよりはリリーさんの話(=リリーさんの人間としての有様⇒それを表現する演技を眺めてゆくべき映画)だと思えていました。そして、このリリーさんの役柄というのが、作中の木村多江さんの言葉も借りるなら「ずっと自分の世界に居る人」という、また率直にやや感情移入のし難い役だったとも思うのですし、基本その彼が作品の冒頭からそれこそ自暴自棄に近いってレベルで唯々悲嘆に暮れまくっている、というのも、あくまで私の中のリリーさんのイメージからはどちらかと言うと遠い方だったかな、と思ったりはするのですよね(何か、例えそんな時でも自分も他人も、ニカッと笑う・笑える様な状況をつくってくれる、という様なイメージをこちとらが勝手に持っちゃってた…てな感じですかね)。
[映画館(邦画)] 6点(2024-03-16 22:04:37)
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