Menu
 > レビュワー
 > Yuki2Invy さん
Yuki2Invyさんのレビューページ[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1648
性別 男性
自己紹介 基本的に3~8点を付けます。それ以外は、個人的に特別な映画です。

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(評価分)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
【製作年 : 1980年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
評価順1234567
投稿日付順1234567
変更日付順1234567
>> カレンダー表示
>> 通常表示
81.  大地の時代 《ネタバレ》 
ブラジル産・スーパーアヴァンギャルド。ストーリーは皆無で、ブラジルを舞台に展開される異様な映像が、言ってる意味の全く分からない政治的・宗教的(ぽい)主張の繰り返しと共に、雑多なゴタ混ぜだがとにかくソウルビートで躍動的な音楽を背景にして2時間半に渡って繰り広げられる。感じられるのは、政治的秩序・宗教秩序が機能しないが故の絶望的な混沌(カオス)と、カオス故にもたらされる危険なまでの「生そのもののエネルギー」と言うべきか。同じ台詞を意味不明に延々繰り返す様をぶっ通しで撮り続け、それを編集せずにそのまま本編にブチ込むという奇抜な演出を多用するのもあり、前衛映画としてはデンジャラスなまでに長尺だが(とあるミニシアターで鑑賞したものの、周囲の客はほぼ寝てた)、個人的には相当に観入ってしまった。稀代の奇作にして、一級品のアート系。
[映画館(字幕)] 7点(2020-08-09 22:22:46)
82.  モーリス 《ネタバレ》 
原作の小説が書かれたのは100年以上前。それを考えれば、この小説が先進的で本質を捉えた優れた著作だったことに疑いは無く、そしてまた、これを映画化する意義が製作当時でも全く失われていなかったのも間違いの無いところだろう。特に、登場するふたりの人物描写に見られる「相違」、モーリスに対してクライヴがより適応力が高いというか、自分の感情・本能と社会的自己との整合をより器用にこなせるという風に描かれる点には、原作者のこの事柄に対する的確で深い理解を伺わせる(クライヴが、LGBTとしていわゆるバイセクシャルに該当するような個人であったのか、それともこれは彼の恋愛当事者としての特性・個性だったのか、という点は定かである訳では無いとも言えるが)。  ただ、話の内容自体は、昨今のより高度なLGBT映画に比べればだいぶ普遍的、かつシンプルなものだと言える(それが良いのかも知れないが)。その意味で言うと(同様のテーマの作品が他にもあるという意味で)これを鑑賞することの社会的意義が製作当時よりはやや薄れたであろう現在では、実際に本作を観た人々の作品自体の評価もある程度変わってくる様にも思われる。  しかし、時代的で文芸的な雰囲気の素晴らしさに加え、この時代のこの事柄を描いたという史料的な意義からも、その部分での本作の価値は決して今後も損なわれることは無いだろう。むしろ、同性愛に対する偏見が少しずつでも薄れつつある現在の方が、本作の恋愛映画としての純粋な良さというものは、よりコレクトリーに感じ取ることが出来ると言えるのかも知れない。
[インターネット(字幕)] 7点(2020-08-09 11:46:05)
83.  ネクロマンティック2【完全版】 《ネタバレ》 
『1』の直接的な続編。前作でも感じたことだが、ブットゲライトは意外と、アート系映画や文芸映画なんかを撮っていたらそこそこイイ作品を生み出したのではないかと思う。なんというか、ショパンが現代に転生したらデスメタルに嵌ってしまいました、みたいな残念さが漂っている感じとでも言おうか。  今作、内容には前作よりもだいぶ奥行きがあり、ひとりのネクロフィリア(女性)の人物像をよりしっかりと描いてゆく。しっかりと描くという点で全体的に尺を相当にゆったり気味に取っており、確かにそこが少し冗長にも感じられる。しかし、心情表現などはこれまたかなりキッチリしていて、総じてお話としては意外な程に見応えがある。特に秀逸だと思ったのが中盤のセックスシーン。死体愛好者の彼女は、普通のセックスでは満足を得られない。陳腐なセックスへの幻滅ぶり、焦燥感、果てはそんな自分の歪んだ性癖への一種の恐怖までが感じ取れる、優れたシーンだった。他にも、少しアーティスティックかつメランコリックなシーンもあったりで、その面で単なるグロ映画とは一線を画しているのは確実である。  とは言え、本作はグロ映画としても、ラストには前作にも引けを取らないド級の倒錯的シーンを平気でブッ込んで来るし、その直前のアザラシ解体シーンも、前作のウサギより汁気が多い分グロ度は上にも思われる。ブットゲライト、やはりこいつは稀代の鬼畜だ。
[DVD(字幕)] 7点(2020-07-26 03:26:41)(良:1票)
84.  ビヨンド 《ネタバレ》 
前作に引き続き、グロ描写単体の評価としては、有名な「蜘蛛が顔面を喰い散らす」は技術的限界もあってそこまでグロくも感じなかったが、決して悪くはない(まあ蜘蛛が嫌いな人なら阿鼻叫喚だろうが)。あと、フルチの特徴と言われる眼球破壊のシーンはふんだんだが(蜘蛛に喰わせるのも含めて)、特に「壁の釘に頭ぶっ刺して目玉貫通」は切れ味があって良かったし、目玉繋がりだと盲目女性の変なコンタクトもかなり気持ち悪かった。  しかし、ラストのゾンビ的展開部分については特殊メイク等が今作はやや手抜きだし、総じてグロ描写のクオリティはよく言って前作程度、にも関わらず、話の支離滅裂さだけが格段にパワーアップしている感が強く、全体として極度に意味不明でよくよく睡眠導入映画だとも言える(観終わるまでに2回に分けて計5時間も寝てしまった)。これも個人的にはかなりイマイチ。
[DVD(字幕)] 4点(2020-07-24 02:02:47)
85.  マタギ 《ネタバレ》 
村落を襲う危険な巨熊との最後の戦いに挑む老マタギの話と、チビ犬を立派な猟犬(マタギ犬)に育て上げようとする老マタギの孫の話を軸に、東北の農村の生活風景を季節感豊かに織り交ぜて描いてゆく隠れた秀作。話の内容も普通にまずまず面白く観れるし、本物の熊を使ったクライマックスの対決シーンなどは緊迫感も中々素晴らしい。主演の西村晃は本物のマタギにしか見えない秀逸な役づくりでこの面の満足度も高い。一点だけ、特に前半は登場人物の訛りが非常に強烈で、何を言ってるのか分からないシーンも散見された(字幕が欲しい)。  あと、個人的に印象深かったのは、今は失われたであろう種々の農村の生活風景・風習の興味深い様子である。個々のシーンで特に面白かったのは、警察署長と飲んでるときに「ドブロク持って来い!」と言って署長が顔を顰める場面や、マタギ犬の大会の様子(ツキノワグマと犬を実際に対峙させるという)など。もう一つ、獲物は山神からの授かりものとして命懸けでこれと相対することを旨とし、旧式の猟銃と三発の弾のみを携えて山に赴くというマタギの精神性。これもまた、今は確実に失われてしまった日本人の在り方の一つであろう。
[DVD(邦画)] 8点(2020-07-24 01:55:32)(良:1票)
86.  スターダスト・メモリー 《ネタバレ》 
ウディ・アレン版『8 1/2』。元ネタと同様、女(をとっかえひっかえ)以外にはあまり内容が無いが、軽妙かつ「ダシの効いた」台詞回しの秀逸さは健在なのに加え、全編にコミカル要素が絶妙に塗されており、陽気で気楽な音楽とも相まって非常に心地良い雰囲気が醸されている。ランプリングの翳の有る、一筋縄ではいかなそうな美貌は正に全盛期。他の女優も可愛いし、観て損は無いかも。
[DVD(字幕)] 7点(2020-07-24 00:45:57)
87.  バーニング 《ネタバレ》 
超典型的なスラッシャーだが、展開運び・ショック描写は共にかなり工夫して丁寧に作られている。他よりダントツに良いとまでは言わないが、駄作揃いのこのジャンルにおいてはかなり好印象と言える(『13金』の屑の山よりは遥かにマシ)。
[ブルーレイ(字幕)] 6点(2020-07-24 00:37:14)
88.  ZOMBIO(ゾンバイオ)/死霊のしたたり 《ネタバレ》 
シンプルな話だが、思ったよりもグロテスクさを強く際立たせた演出に纏めており、前半は生理的嫌悪を催すような気色悪さが中々にヴィヴィッドでグッド。しかし、後半はかなり派手にエキセントリックな展開で、非常に滅茶苦茶なためにホラーと言うよりはスラップスティック・コメディに近い仕上がりになっている。だから全体としてはコメディ・ホラーの類いになるのだろうが、前述どおりグロ描写は総じて凝っていて良く出来ているし、話の内容・展開運びも工夫されていながらもコンパクトで観易い。何より、主演陣の演技が率直にいずれも素晴らしい(若いカップル2人は実に手堅いが、狂気で変態なウエストと、俗物で変態なヒル教授がとにかく絶品の域)。  結論、非常に濃密な90分で、間違い無くお値段以上な傑作B級ホラー。このジャンルではかなり上物な部類。
[DVD(字幕)] 7点(2020-07-18 17:27:30)
89.  墓地裏の家 《ネタバレ》 
引っ越した先の家の地下に昔っから化物が居た、てだけの話で、色々と適当なのに加えてラストがまるで意味不明なのも相当に酷い。ごく終盤までショック描写も(フルチとしては)非常に地味で(コウモリ一匹であそこまで血みどろに大騒ぎしなくてもイイでしょ、なんて思ったり)、そこまでは質感としてはグロ映画というよりかつてのジャーロに近いサスペンス的な感じ(しかし、恐怖も謎解きのスリルもまるで盛り上がっていかないボンクラではあるが)。  最終盤、遂にお目見えした肝心の化物の造形はそこそこだし、得意のウジ虫シーンもあってそこはそんなに悪くない。あと男児の子役が可哀そうなくらいブチャイクだが、逆に女児の子役はエラい可愛い(まあこいつの正体もイマイチ謎なのだが)。しかし総じて、ちと見所が薄い完全な駄作。
[DVD(字幕)] 3点(2020-07-18 06:10:01)
90.  地獄の門 《ネタバレ》 
フルチ全盛期と謂われる時期の作品をいくつか鑑賞してみたが、今作と『ビヨンド』はひたすらグロ描写の挿入のみに腐心し、率直に言って話に辻褄をつけるのをほぼ放棄している様にも感じられる。であるからして、観て面白いのかということは一旦置き、グロ描写のクオリティがどうであったか、にしか評価する価値のある観点は発生し得ない様に思われる。  その意味で言うと、まず「内臓を吐く女」と「ウジ虫の嵐」は(撮ってる俳優さんは正に阿鼻叫喚だったろうなあという意味でも)かなりグロテスクで見応えがあった。「ドリル貫通」のシーンもそこそこよく撮れていたと思う(皆さんご承知のとおり、本筋に全く関係が無いというアレなのはまた置いといて)。ただ「後頭部捻り潰し」は何度も何度も登場するので食傷するし、ゾンビの造形は『サンゲリア』ほどの衝撃度ではないし、幽霊なハズのラスボスが物理攻撃一発で呆気なく沈んだりと、流石にどーかと思われる部分も散見される。個人的にはややイマイチな出来。
[DVD(字幕)] 4点(2020-07-18 05:58:30)
91.  鉄男 TETSUO 《ネタバレ》 
低予算ながら、随所に工夫された非常に独特な表現が見て取れるのも確かなのだが、とにかくこの作品、撮り方から何から色々とメチャクチャで全編非常に「見にくい」のだよね。加えて、音響も終始かなり耳障りで、観てる聴いてるだけで凄く体力を削られるのですよ。更には、話の方も正直サッパリ訳が分からない上に、基本的に妙なハイ?テンションがずーっと続いていくのでメリハリを欠いていて、その意味でも気が休まる隙が無いつーか(数少ない台詞主体のシーンが来るとややホッとする、というくらいで)。  正直、最初観たときも率直に「合わないなあ」と思ったのですが、再見してもそれは変わりませんでした。ごめんなさい。
[DVD(邦画)] 4点(2020-07-12 21:01:35)
92.  ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ/完全版
レオーネ的時間感覚がもたらす荘厳な映像空間は、これを観ることである一つの人生を追体験することを可能にする。そしてそれは、確実に絶望的な程に苦かった筈なのに、それでもどこまでも、ただひたすらに甘い郷愁であった。誰の人生においても、いずれ時が何もかもを融かすのだろうか。人生は所詮、夢まぼろしか。確かにこれは、人生が終わるときに観るべき映画だ。
[インターネット(字幕)] 10点(2020-06-30 01:42:56)
93.  パパは、出張中! 《ネタバレ》 
決して、美しいばかりの映画ではない。ふとしたことで密告されるような社会主義独裁国家の情景は暗澹たる空気に満ちているし、そこに描かれる家族の物語にも人間の負の側面がふんだんに描き込まれ、率直にどこか「醜い」。しかし、それでいて本作からは、祖国に対する郷愁と家族の愛の奥行きの有る美しさが、映像から滲み出るように感じ取れる。  もうひとつ感じられるのは、人の世の物事の「多面的」なあれやこれやを全て受容する、という懐の深さか。具体的には、色々と巻き起こる事象・登場する人物のどれもを、取り立ててピックアップするということ無くひたすら淡々と描くことで、良いとか悪いとか、そういう価値判断をあまり感じさせない独特の穏やかで「醜くも美しい」作風をつくり上げている、という様にも思われる。  何度も繰り返されるメロディも、同じ調べながら挿入される箇所は多種多様で、聴くたびに違った感情が去来する。中々見事な演出だと思った(後の作品でも見られる音楽センスの高度さは、本作でも十分に感じられる)。
[DVD(字幕)] 8点(2020-06-19 00:22:14)
94.  ストレンジャー・ザン・パラダイス 《ネタバレ》 
極めて少人数の編成、かつ基本的に普通の室内・車内ばかりで展開される会話劇で(数少ない屋外のシーンも人気の無いそこら辺が殆ど、という)、見るからに低予算である。その会話にしても、内容的にも文字数的にもこれもホントに何の変哲・含蓄も無いというか、何とも省エネな映画だと思う。  しかし、そんな中に慎み深くも表出される登場人物の感情の錯綜が率直に非常に面白い。出色は何と言ってもエヴァで、自分が「可愛い」ことを骨の髄まで知り尽くしているが為、自分が男に対しては絶対的に優位に立てることを完全に理解している、という謂わば「猫」。やはり本作、まずドレスの件が実に味わい深く感じられるし、あと面白かったのが4人が居並んだ映画館のシーン。「その並びなの?」しかしエディとウィリーは明らかにそのつもりなので、これは必然なのである。誰もなにも喋らないが、その頭上に垣間見える火花が出るほどの感情の錯綜がこれも面白い(エヴァは多分なんも考えてないだろうけど)。終盤はテンポが上がってかなりドタバタしているが、ここも笑えた(「予感」の話とかもとても好み)。  様々な無駄を削ぎ落すことで旨味だけを際立たせた様な、真に監督の力量が知れる映画だと思う。一級品の上質なコメディ。
[DVD(字幕)] 8点(2020-06-13 01:03:13)
95.  タッカー 《ネタバレ》 
カネを儲けたい!だから良いモノを創る。至極当然ながら大事なことだと思うし、純粋にそれを夢みるタッカーは、相当に破天荒・エキセントリックかつ少しばかり胡散臭い人物ながらも、今作は彼を全力で応援しながら観れる映画になっていると思う。翻って、ただ自分たちの権力を守ることしか考えない敵方には率直に反吐が出そうな程の不快感を覚えるのだし、結局この映画、最終的にタッカーが勝利する訳では無いのが最初から分かっている(結果的には一太刀浴びせ返すとは言え)、という意味で、最後に笑うだろう敵方がのさばっている描写の感じが少し不快に過ぎる、かも知れないと思ったりする(私は正直、そこら辺りは観ていてかなりテンションが下がってしまった)。  しかし前述どおり、最後は見事に反撃が決まってそのまま終幕、という点では痛快だし、何より更に痛快なのは、トラブルも妨害もものともせず、細かいことも気にせずにひたすら無頓着に目標に向かって猪突猛進突っ走るタッカーの推進力の凄まじさである。彼同様、奥さんも子供も実にあっけらかんと暢気でポジティブ(似たもの夫婦とDNAの為せる業か)、仲間も(ランドー以外は)実に楽しそうだし、映画自体もノリの良い音楽&優れたテンポで観ていて相当に楽しかった。なにかにチャレンジしようと思ってる人には、とてもオススメな良作。
[映画館(字幕)] 8点(2020-06-07 19:09:53)
96.  蜘蛛女のキス 《ネタバレ》 
非常に濃厚なホモ映画にして、一つの美しい愛の物語。2人が信頼し合っていく過程はかなり丹念に描かれ(刑務所での2人きりの会話劇というのがここで非常に効いている)、ラストの幻想的で切ない感動を誘う。序盤、ごついオカマにしか見えないモリーナだが、終盤死にゆく場面では、私には彼(彼女)は美しい女性にしか見えなかった。2人の会話の内容として語られる映画の場面がふんだんに挿入される構成も、閉鎖空間での会話劇に目先を変えられるシーンをもたらしている点で非常に巧みで効果的だと思う。総じて、マイベストに近い恋愛映画。
[DVD(字幕)] 9点(2020-06-07 02:31:36)
97.  クロールスペース 《ネタバレ》 
クラウス・キンスキーが出ていなければ観なかった映画だが、私なら、クラウス・キンスキーが大家のアパートには絶対住まない、と思う。前半は爺さんの覗き生活(気紛れで殺人も)を淡々と描写してゆくが、それ自体は変態度も高く、まま観れなくもない(人を殺すたびロシアンルーレットやるのとかは、結構いいアイデアだと思う)。しかし、アクセントで挿入されるショック描写がどれも手抜き(というか肝心な場面が全部飛ばされてるので、全くショッキングじゃないのよね)なので、抑揚が薄くてなんとも盛り上がらないローテンションが続いてゆく。  そしてラストはエライ唐突に皆殺し展開だが(つーてこれだって、開始時点で既に大半が死体になってるけど)、やっぱなんかタルいし何がしたいのかもイマイチよく分かんないしで、かなりお粗末な出来。根本的にこの監督、ホラー・スリラーを撮るセンスってのが欠けている様にも思われる。残念作。
[DVD(字幕)] 4点(2020-05-26 01:08:35)
98.  死霊のしたたり2 《ネタバレ》 
色々な点で前作の結末部分がグダグダと無視されているのは一旦置き、続編として、各ポイントでは前作のアイデアを発展させた決して悪くない(オリジナリティのある)描写が見られるのだが、一方で全編通して非常にモタモタとテンポが悪く、あまり面白く感じない。思うに、新しいアイデアは無くもないがストーリーの方で大してやれる様なことが無く、そこをグロ描写の量でカバーすべきところ、それが技術的・予算的に難しかった、ということのよーに思える(死体を組み立てたクリーチャーを序盤からもっとドカスカ出していくだけでも、だいぶボリュームは補えると思うのだよね)。B級映画ならではのやや歯痒い続編。
[DVD(字幕)] 5点(2020-05-17 20:52:01)
99.  グレート・ウォリアーズ/欲望の剣 《ネタバレ》 
憎しみの連鎖が彼我双方の残虐な行為と悲劇を生む、なかなか誰にも感情移入できない物語だが、ポールドゥリスの中世チックで勇壮な素晴らしい音楽と、ヤン・デ・ボンの臨場感・迫力最高の優れた撮影によって野卑ながらも非常に力強く語られる本作には、どこかに確実に爽快さと痛快さを感じ取ることが出来るだろう。そもそも個人的には、倫理観溢れる優等生な歴史物語などに殆ど観る価値は無いと思っている。そこに現れる愚かさ・醜さこそが人類が進歩した証、そして我々が歴史を省みることの真価であり、それを通して現代の我々が尊重すべき美徳を表現することが歴史映画の本分なのだから。良作。
[DVD(字幕)] 7点(2020-05-17 02:10:44)
100.  SPETTERS/スペッターズ 《ネタバレ》 
スピルバーグは一時、ヴァーホーヴェンをスターウォーズ・エピソード6の監督に起用するようジョージ・ルーカスに本気で進言するつもりだったそうだが、本作を観て正気に戻ったらしい。本作が無かったらもしかすると、ハン・ソロがハードゲイ軍団に集団レイプされる可能性すらあったのだ。その意味では、本作は映画史における最重要作品のひとつであることに間違いが無い。  しかし、その色眼鏡を脱ぎ捨て、いつもの性描写の過激さには若気の至りと目を瞑れば、本作は間違い無く傑作の域に達している青春群像劇だと言ってよいだろう。ほろ苦いというには少し苦すぎる嫌いもあるが、友情・恋・夢・葛藤・挫折・本能の目覚め…と、本作には正に青春の全てが詰まっていると言える(前述のとおり、ややダークサイドな要素も多いけど)。一筋縄ではいかない登場人物たちも、どこか実に魅力的で、恐らくそれは迸る無軌道な若さのもたらす清涼感から来ているのだろうと思う。マイナー作だが、是非。
[DVD(字幕)] 8点(2020-05-03 22:31:45)
全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS