81. オリエント急行殺人事件(1974)
このポアロは原作のイメージからは程遠いけど、アルバート・フィニーの化け方があまりに見事なので、それで満足してしまった。むしろシドニー・ルメットが監督という方がミスチョイスではないかと思った。どうもクリスティのあの優雅な感じが出ない。 7点(2002-12-11 14:20:44) |
82. 蝿男の恐怖
僕は「ザ・フライ」よりこちらを先に観たのでかなり怖かった。最初に圧搾機で夫を押し潰した妻が事情を語るという構成が恐怖感を強めていたし、主人公の科学者がフツーの二枚目なので、平和な家庭に訪れた異常な悲劇という色彩が増したと思う(ジェフ・ゴールドブルームはハナからフツーではない)。ただあの最後の人間蝿はやはり蛇足。 7点(2002-12-11 14:02:35) |
83. スクワーム
公開の時の新聞広告は溢れんばかりのミミズの大群の中でオッサンが溺れている写真だった。それを見て以来約半年間、メン類というメン類をシャットアウトした。後年、観てみたらそれほどでもなくて、安っぽいテイストが楽しめた。ちなみにこれは当時カンヌ映画祭に持っていったそうだ。故荻昌弘氏が「いい度胸だ」と言っていたがオレもそう思う。 4点(2002-12-11 13:37:00)(笑:1票) |
84. まあだだよ
松村達雄はミスキャストじゃないかな。あの先生にあんな大勢の生徒がついて行くというのがどうもピンとこない。それとアレはもともと剛毅だった先生が年取って弱くなって猫が一匹いなくなったくらいで泣くから面白いので、松村さんだと最初から弱そうだ。百ケン先生の写真を見たら萬屋錦之介みたいで錦之介がやったら良かったのにと思うんだが、黒澤さんも「影武者」騒動以来、知らない役者を使うのにコリたのだろうか。不可能な理想を言えば、先生=大河内伝次郎、取巻き四人=藤田進、三船敏郎(菊千代風で)、千秋実、木村功と配し、そこここに清水将夫、左ト全、藤原釜足、加東大介、三好栄子などを散りばめてやってくれればPERFECT黒澤映画。 6点(2002-12-11 12:51:21) |
85. 非情の罠
この監督はブロンクスの生まれだったはずだけど、これは家の近所で撮ったんじゃないか、と思わせるくらい当時のニューヨークの雰囲気がよく出ていた。この調子でウールリッチの小説かなにかを1本映画化してほしかった。自主映画みたいな作りだけど、いかにも映画青年らしい情熱が伝わってきて嬉しかった。遺作「アイズ・ワイド・シャット」とひじょうによく似たショットが2、3散見してます。 6点(2002-12-10 23:39:17) |
86. 同胞
寅さん系以外の山田監督作品を観たのはこれが初めてでした。有名な俳優さんを使っているのに、実際にあったことをたまたまカメラが居合わせて撮った、という感じのナチュラルな作り方が印象的でした。ちなみにこのタイトルの読み方は〝はらから〟だったはずです。 5点(2002-12-10 23:23:39) |
87. エリザベス
ある批評家が「エリザベスの生涯も我々現代の日本の女性たちとまったく変わらない」と書いてたけど、むしろ変わらないからおかしいのではないか。あの激動の時代と人生を生きた処女王の生涯がこんな簡単なものであるはずがない。スコットランド女王メリー・スチュアートは場末の宿屋のカミさんみたい。もっと正確なエリザベス実伝が観たいのです。 5点(2002-12-10 23:03:56) |
88. ボーダー(1982)
英人トニー・リチャードソンがジャック・ニコルソンと組んで、いかにもアメリカ的ないい映画を作ろうとした心意気が感じられて好きなんだけど、残念ながらキレの悪い退屈な映画に仕上がってしまった。題材も捉え方もいいので余計に惜しい。ライ・クーダーのAcross the Border Lineは名曲。 6点(2002-12-10 22:52:00) |
89. グローイング・アップ
友達の家でタムロってた時、TVで観ました。あのラストシーンには悪評轟々で、「なんだこの結末は!?」「オレはあの男に同情する!」「あんな女キライだ!」と怒号が飛び交った。 5点(2002-12-10 17:30:04) |
90. 12人の怒れる男/評決の行方(1997)<TVM>
名作のリメイクは難しいなぁと感じました。現代化してあるので白人・黒人まじっているんだが、スラム差別があれほど強固なのに、人種差別がまったく出てこないというのが、どうにも異様だった。設定は変えない方がよかった。 6点(2002-12-10 16:36:05) |
91. 犬神家の一族(1976)
好悪はともかく、日本映画には珍しいサービス精神に満ちた映画だと思います。「岸壁の母」的要素もあるし。これを観た夜、夢の中でスケキヨに追っかけられて、オレの目の前で仮面を脱ごうとしたところで眼がさめた。イヤ怖カッタデスヨ。 9点(2002-12-09 22:22:20) |
92. アイズ ワイド シャット
この題材は20年近く温めてたというけど、温めすぎたと思う。この話は現代化するには古めかしい。優秀な作家を迎えてオリジナル・ストーリーとして組みかえたら、もっと良くなったと思います。 6点(2002-12-09 22:08:39) |
93. 逢びき
このラストシーンには「うーーーむ」と唸ってしまった。恋愛映画の得意なリーン監督だが、これは極上。 10点(2002-12-09 22:03:33) |
94. 砂漠の流れ者
ずっと前にTVで何も知らずに観て以来忘れられない映画。時代と共に滅び行く人たちを描いて、「ワイルド・バンチ」と並ぶペキンパーの名篇。ジェースン・ロバーズもステラ・スティーヴンスもデイヴィッド・ワーナーも実にいいが、ストロザー・マーティンのゲスさみっともなさにものすごい味があり、ペキンパーの心を感じた。 10点(2002-12-09 21:54:03) |
95. ワイルドバンチ
観るほどに、これは「七人の侍」のペキンパー版かなと思えてくる。ただアチラは侍の魂を残していたからまだしも、コチラはもはやガンマンの誇りもなにも失った連中が、やっと見つけた花道に狂奔しているように見える。死ねた奴らはまだいいが、それにすら間に合わなかったソーントンはもはや生ける屍か。ネガティヴな男たちの散りざまに感動しました。 10点(2002-12-09 16:07:25) |
96. ミニミニ大作戦(1969)
かなり前にTVで観ました。最後のマイケル・ケインの台詞が、吹き替えでは「これ以上行くと、みんな死んじゃうから・・・・映画はここで終わり!」になっていた(本当は「いい考えがあるぞ!」)。あの翻訳をしたヒトに是非なにか賞をあげたい。 8点(2002-12-09 16:00:44) |
97. フルメタル・ジャケット
原作を読んだらまだあの続きがあって、そこまで描いてやっと意味が通じるというのに、なんで途中でチョン切ってあんなようわからん話にしてしまったのか。理解に苦しんだ。 6点(2002-11-29 19:28:13) |
98. 用心棒
↓どなたかも書いてらしたが、僕もターミネーターに勝てるのは、三十郎とジェームス・ボンド(コネリーの)の二人だけだと思います。アレに勝てるにはただ強いだけじゃなく、頭脳とそしてユーモアがなくてはいけない。「桶屋!棺桶二つ・・・いや、たぶん三つだ」のシーンがかっこいい。 9点(2002-11-27 04:48:31) |
99. バウンド(1996)
レズよりもサスペンスよりも、あの指パッチンが痛そうで痛そうで、そこばっかり覚えています。 7点(2002-11-25 04:59:59) |
100. シャイニング(1980)
原作者が「あれはフツーの人が狂うから怖いんであって、ニコルスンみたいなモトから狂ってるヤツじゃダメだ」と言ってたのは笑いました。だがニコルスンでなければ、あれほどの迫力は出なかったでしょう。ジャックがハロランをブチ殺すところで、映画館で「うぉー」という恐怖の声があがったのをよく覚えとります。 7点(2002-11-25 04:34:58) |