81. ロリータ(1997)
いやいや私的にはこっちの方が好きですね。正直キューブリック版って判りずらく、直接的じゃないんで「おっさん、ホンマはもっといやらしいやろ!」と思ってたんですよね。それが今作品になると主人公もロリータもストレートで感情表現するし、当然やらしいことだってする。そういう人間的な表現がエイドリアン・ラインらしい。そして何よりもメインテーマが巨匠エンニオ・モリコーネである事。多分このテーマが無ければただのエロ作品になったかも知れない。しかしながら、思春期の無邪気かつ残酷な少女を演じたドミニク・スウェイン、中年男の困惑と内に秘めた欲望を演じたジェレミー・アイアンズのハーモニーも中々良かったです。男が勝手に作り出した少女の幻影、それとは対照的に少女が描く間違った父親像。後半でミステリーっぽくなったのは良かったのか悪かったのか、でもやっぱり私的には好きな作品です。 7点(2003-02-04 04:33:41) |
82. 修羅雪姫(2001)
まず映像的に日本映画には見られない風景的な美しさとか、ドライでスタイリッシュな演出が目を引きました。キャストそれぞれもしっかりと演技していて(配役上要らない人もいたけど)特に主役の釈由美子の演技には関心させられます。アクションのスタントはどう見てもバレバレだし、アップを多様することでカバーするつもりかそれも見づらい。しかしながら彼女の演技にはそれを「ぜ~んぶ、私がやりました!」と思わせる程演技に説得力がありました。オープニングも意気揚揚としてて「ああ、アクションが始まる」と思わせ、ワクワクさせられました。物語は「スケバン刑事」みたいな内容(オルゴールとか出てくるしね)でどうでも良い内容ですが、全体的には最後まで飽きずに見れました。それにしても嶋田久作って未だに悪役から脱することできないんですね… 6点(2003-02-04 03:58:14) |
83. あの頃ペニー・レインと
主人公がいかにペニーの事を好きなのかもう一つ伝わってきませんでした。しかも彼が有能なのもフィリップ・シーモア・カフマンの助言(というか、キーワードまんまパクってる)があったからこそなのに主人公ウィリアムは平然と記事にしようとしている。その辺の罪悪感とか無力さとか、やりきれない恋に対する切なさとかが全く現れていない。個性的かつ保守的な母親に育てられた為に初めての恋や仕事、新しい環境で感情が露に出来ないという事は判るが、余りにも作品自体の表現力が無さ過ぎる様に思えました。ただ、フィリップ・シーモア・カフマン&オカルト顔のファイルーザ・バルーク、フランシス・マクドーマンド等個性的脇役がしっかりしているので安心しては観れます。 5点(2003-02-04 00:56:03)(良:1票) |
84. 不眠症/オリジナル版 インソムニア
リメイクのノーラン監督版はまだ観てないんですが、明らかにこっちの方が面白いのでは?と思えます。ただストーリーは単純なので(内容は濃いですが)リメイク版のあらすじを知っていた為にこの作品の良さや面白さが半減してます。白夜の中精神が次第に破綻していく主人公の堕ちゆく姿にジワジワと圧迫されます。快楽殺人の容疑者を追跡中に同僚を誤射、部下を負傷させられその証拠隠滅に奔走する刑事。犯人に弱みを握られ、真犯人をでっち上げ、事件関係者の少女に暴行等次第に抜け出せなくなる主人公の恐怖が伝わりました。ラストで光る目、眠りたくても眠れずホテルの一室を密閉していく辺りなど、その主人公の心理病描写がよくわかります。事件を隠蔽し、真犯人までも殺してしまい解決させた主人公。本当の罪は一体誰にあるのか考えさせられました。同僚の女性刑事が薄々真相に気づきながらも結局釈然とさせないのも中々上手い作りだと思いますね。これはお勧めです。 7点(2003-01-23 07:58:16)(良:1票) |
85. 女必殺拳
志穂美悦子様から繰り出される技のキレの良さ、熱血な演技、どう考えても危険すぎるスタント等彼女全てに拍手喝采です。これ程の実力がありながらあまり作品に恵まれなかった悦っちゃん。今作品でもそうですが、ファンとしては見逃せない作品です。すごい形相で「キェ~ッ!」とか「チョア~ッ!」とカンフーカンフーのアタックに熱い気持ちが伝わります。失踪した麻薬Gメンの兄を追って香港からやってきた女ドラゴンこと紅竜。彼女はタイガーマスクの『虎の穴』並に個性的な刺客達と戦い、麻薬組織の壊滅を試みる。余りに大げさな演技とビジュアルで圧倒させられる悪役達に、強引極まりないストーリー展開ですが、JACことジャパンアクションクラブの面々が恥ずかしげも無く演じてます。サニー千葉(千葉真一)、宮内洋(仮面ライダーVS)、シャリバンなんかもやられ役で出てました。全体的には仮面ライダーが変身する前のストーリーを延々と見せられた感はありますが、涙あり、笑いあり(違う意味で…)、オッパイポロリンありで盛りだくさんな内容でした。とにかく、主人公の割に登場回数が少ない気もする志穂美悦っちゃんのハイパーウーマン振りに圧倒されますよ。 7点(2003-01-23 04:58:34)(良:1票) |
86. ウェイキング・ライフ
見終わって何だかとてつもなく切なく感じました。これは哲学的ミステリーとでも言いましょうか?主人公が様々な人と哲学的な話する。人生とは?生きる事とは?死ぬ事とは?そして今生きているのは現実なのか、幻想なのか?一方的に聞かされるその言葉の応酬に唖然とはなりながらも最後まで見れるのはその自由な発想力。実写映像に着色してアニメーションにしたビジュアル、ストーリー性を無視した様々なミステリアスな展開。正直言って何が言いたいのか判らない。しかしその漠然としたイメージが私の頭の中にも宿りハートが震えました。始まって数分はしっかりと見れますが、それ以降はもう趣味の問題です。私にはいい作品でしたが、不条理なストーリや変わった作品が好きな人以外にはお勧め出来ないですね。 7点(2003-01-22 00:24:45) |
87. アイリス(米英合作映画)
その奔放な性格と美貌で常に時代の先を突き進んでいくアイリス、彼女に少しでも近づきたくて後を追いかけ支えになる夫ジョン。そしてそのアイリスにアルツハイマーの兆候が見え始めた時二人の距離はさらに深まっていく。肉体的にも精神的にも衰えていくアイリスですが、常に先を越され振り回された夫ジョンの視点から見るとどんどん手の届かないところにいってしまうアイリスとの距離感の深まりが痛烈に切ない。その辺りの微妙な描写がとても上手く表現されていました。「感情を言葉で表現しようとしてもその言葉に制約されてしまう。」とは言っても、作家であるアイリスにとって言葉自体を失う事は死ぬ事上に恐ろしく悲しい。次第に壊れ行くアイリスにジュディ・ディンチ。彼女の名演技はメッセージを伴って伝わります。そして若き日のアイリスにこれまた名演技のケイト・ウィンスレット。特に彼女は輝けるほどすばらしかったです。正直泣くつもりで見に行った作品でしたが、物語は自由に生きた女性とそれを陰で支えた夫の爽やかな物語でした。扱う内容は身近で重いテーマですが、お涙頂戴作品に見られるいやらしさも、闘病生活的なドキュメンタリーに見られる重苦しさもなく、ホントさわかやかでした。 6点(2003-01-22 00:08:44)(良:1票) |
88. 8人の女たち
とにかくこんなにゴージャズで魅力的な配役に脱帽ですよ。キャクタそれぞれに緻密な性格描写を出し、それにそって計算しつくされた配色、イメージ、衣装。例えば主人の妻であるカトリーヌ・ドヌーブは夫の生存中共同経営者と会社を乗っ取ろうともくろみ、不倫をししかもまだ秘密を隠し持つという設定。それに沿って常に危険と対岸し獲物を狙う獣の如く、豹柄で社長夫人にふさわしいエレガントな色使い。物語は過去の密室劇をパクったような内容に思えるかもしれませんが、そこにはオゾン監督らしい日常に潜むグロテスクさと刹那さを忘れていない。しかも彼の作品に観られる、自分の本当の姿をさらけ出した時に人は美しく輝けるという問題提起を忘れていない。目もくらむような映像の鮮やかさ、ドールハウスのようなセットを背景にそれぞれの個性で歌い、踊る女優陣たち。突然始まるミュージカルテイストには、女優たちの歌唱力を無視して妙な説得力と演技力に圧倒されます。オープニングからエンディングまでその世界観にはまる事間違いなしです。 9点(2003-01-21 23:49:59)(良:2票) |
89. 柔らかい肌
中々の快作です。若いスチュワーデスであるニコルとの不倫に、戸惑い苦悩する中年男ラシュネー。その気分の高揚そして焦燥感が実に見事に表現されていました。観ているこっちまでがハラハラ、イライラさせられました。笑うと少し下品に見えるニコル役のフランソワーズ・ドルレアック。カトリーヌ・ドヌーブの実姉とあってそっくりな容貌で、彼女の圧倒的な美しさがこの作品に惜しげもなく表れています。若い女性ならではの我がままさと純粋さが伝わってきました。人物描写をしっかりと押し出すことにより、全体的に直接的描写を排除。二人の情事をベットのシーツが乱れている事で表現したりとこの辺りに巨匠トリュフォーたる所以があるのでしょう。しかしながらラストはどうも納得いきませんでした。今までの妻の性格から言うと当然の結果なんですがね。。。 7点(2003-01-21 23:19:45) |
90. 金田一耕助の冒険
いい意味では元気のある大林監督らしい意欲作品、悪い意味では収拾が付かないてんこ盛り作品。当時のCMや角川作品のパロディをバンバン入れちゃう無節操振りで、あの007のパロディ「カジノロワイヤル」を想像していただければいいです。キャストは贅沢で、岸田森は「血を吸う~」シリーズそのまんまのドラキュラ役で登場したかと思うと、世界の三船にはハゲあがった金田一役で登場。しかも横溝正史本人も登場させ「こんな作品には出たくなかった…」と言わせ笑えます。ただこの作品のホントのテーマは横溝正史が描く金田一耕助自身の人物描写で、犠牲者を結局救えない無力感や名前だけが先走って本人自身を見てくれていない悲しさを表現したかったのではと思えます。ラストではすごいオチと共にそれが切なく表現されてます。 6点(2003-01-15 08:10:52) |
91. カノン
ブツブツと常に頭の中で悪態をつき妄想するしかめっ面の主人公。失業してヒモ同然の彼は妻を殴り倒し家を飛び出したものの、行く当てを失い路頭に迷う。彼の心を開放するのは離れ離れになった天使のような娘。彼のグチを延々と聞かされる物語は正直鬱陶しい。しかし散々な挙句ラストで昇華させる物語は評価できます。オープニングで彼のこれまで(前作)でのエピソードを語る内容はすごい勢いがあったのにそれが終わり本編が始まると一気にテンションが下がって物足りない感じがしました。 5点(2003-01-09 03:25:22) |
92. めまい(1958)
バラや髪の毛、階段等主人公が翻弄される”らせん”にこだわった直接的または暗示的なカットに見るものまでをも不安にさせる所にうなずかされます。オープニングも中々渋い。物語前半までは輪廻転生とキーワードを用いて主人公が追い込まれくサスペンス、後半ではキム・ノヴァクの心の葛藤をベースに切ないラブストーリーを展開させる。見ていてグイグイと引き込まれます。登場人物が少ないなかしっかりとした人物描写を描きながらも息苦しくなり過ぎない。教会の螺旋階段で主人公が高所恐怖症に襲われるカット、オプチカル処理で表現した悪夢など実験的な映像も忘れていない。ロマンティックで程よいサスペンスをお求めの方にお勧めです。キム・ノヴァクのブロンドとブルネットの演じ分けも別人の様でした。ヒッチコックらしく金髪の彼女に対するこだわりはこの作品でも現れています。金髪のキム・ノヴァクを幻想的な存在感のない永遠の美として登場させ、真の姿であるブルネットの彼女はラストであっけなく死なせてしまう。それゆえにキム・ノヴァクは金髪でこそ彼女だと感じさせられます。逆にジェームス・スチュワートはクールな姿よりもおどけたり、怯えたりするいささかかっこ悪い表情が彼らしくて印象的でした。 8点(2003-01-09 03:13:22)(良:3票) |
93. 戦慄の絆
いや~、クローネンバーグ作品としては「デッド・ゾーン」と並ぶ傑作でしょう!「裸のランチ」とか「フライ」に比べるとそれ程グロくは無いですね。しかし心理的な恐怖がここにはピッタリ張り付いています。一卵性双生児しか持ち得ない心体的な繋がり。弟が一人の女性を本気で愛してしまったが故に兄弟の仲で流れ始める不協和音。そしてビジュアル的にも創作手術道具や医療器具、真っ赤な手術着、全編ブルーを貴重にした無機質なセットなど圧倒的なイメージで圧迫感倍増。ラスト30分は物語に入り込んでいれば結構衝撃的です。そして悲しく痛々しい兄弟の運命が涙を誘います。ジェレミー・アイアンズの一人二役もしっかりと演じ分けてるし(ま、キャラ的にはっきりしているかも知れませんが。)相手役のジュヌビエーブ・ビヨルドは好演でしたが、後半になって物語上普通の人に戻ってしまい存在自体がどうでも良くなってしまっていたのが残念でした。とにかくこの「戦慄の絆」という邦題もピッタンコですね。ちなみに弟の「ビバリー」という女性的な名前には何か理由があったんでしょうか?前半でそれを指摘するシーンあったんですが謎だけ振りまいて終わってました… 7点(2003-01-06 20:36:24) |
94. 運命の女(2002)
<ネタバレあります>いくら突風が来たっていってもあれ程大げさにせんでもと思いました。(風で飛んでくるのは新聞紙とかビニール袋のみ)あれじゃ、パニック映画の前フリ並みです。今も十分幸せな主婦があまりに共通項の無い若い男性におぼれるまでの説得力も欠けてます。しかもそのお相手は男前で野性味溢れ、仕事はブックブローカーという非現実さ。しかしそうは言っても不倫し始めてからの夫婦のお互いの心理描写がすごい!罪悪感を持ちながらも抜け出せない妻、疑い始めてジワジワと嫉妬に狂う夫。そしてこの夫婦の行く末を暗示するように挿入されるシーン(自転車が倒れたり、縄でつながれている湖のボートがユラユラ漂っていたり)がこの監督お得意の手法で改めて関心します。不倫相手を殺害してしまった夫に妻は「違う場所に引っ越して一からやり直しましょう!」と諭し夫はそれに同意する。しかし信号が変わっても車は一向に動き出さない。(しかも警察署の前)このラストの重さがズッシリとのしかかります。後戻りすることが出来ない所まで来てしまった夫婦の後悔がこのシーンに表現されていました。 7点(2003-01-06 20:16:26) |
95. MONDAY
ちょっとしつこい感じはしましたが最終的にどこまでが本当なのかわからせない展開が面白かったです。笑いと恐怖のバランスがよく不条理な世界観ながらもそこに観客を引き込んでしまう魅力はさすがです。ラストで悪夢を見させておいて最終的なエンディングは観客の心の中に委ねているのも上手いです。泣きながら遺書を書くうちに酔っ払っていくくだりはお約束ですね。ホント先読みの出来ない展開ですが、ストーリーとしてしっかりとまとまっていました。 7点(2002-12-28 05:52:05) |
96. 贅沢な骨
ビデオのパッケージやタイトルからホラーかと思いきや、ラブストーリーなのね。しかも「贅沢な骨」って喉に詰まったウナギの骨かいっ!!な~んか騙された気分・・・。微妙な三角関係がどうも描ききれていないというか、説明不足というか。判る人にわかりゃええねん!て感じの半ば確信犯的な作意が鼻につきました。 4点(2002-12-25 04:20:05) |
97. 光の雨
裕木奈江、山本太郎、高橋かおり、大杉連等キャストはすごい魅力的です。「光の雨」という劇中劇(映画中映画?)にすることで若者達がどう考えどう行動するのか?実在の人物達と脚本の中で対話をさせる事でこの作品を観る観客にも考えさせる作品にしているところが良くできていると思います。ただ純粋に世の中を変えたいと思っていた当時の若者達。しかし自分自身を、同志を「総括」することで外部に向けるはずの闘志を内部に向けてしまう。「革命」という言葉の意味を考えさせられました。劇中劇という事もあって、この物語の登場人物に感情移入する者、何も考えない者等現代の若者と当時の若者の思想を反映し対比させています。この作品に出演するにあたるインタビュー(もちろん演技)がところどころあるのですがこの作品を始める前と後で表情や感情の変化があったことをしっかりと見せているところが関心しました。(数人の役者は白々しかったですが)特に裕木奈江はホント上手いですね。自分の役割をしっかりと把握している。女性でありながら赤軍の幹部という役(を演じる女優)を見事に自分の物にしてました。ホント、ずば抜けてすごいです。山本太郎は関西弁の利点と雰囲気で助けられていますが、彼も次第に何が正しいのか判らなくなり退廃していく役柄が印象的でした。ラストでクランクアップした演者達が楽しそうに雪合戦をするシーンは、今の若者と革命者達が何ら変わらない同じ人間であったことを象徴していました。正直私にはとても難しいテーマで、胸にこみ上げるものがありそれが何なのかも判りません。そこにはあの時代に私と同じ思いのもう一人の自分がいるような気がしました。 7点(2002-12-25 04:11:08) |
98. 血を吸う薔薇
まずは岸田森の鬼気迫るドラキュラ役に圧倒です。ドラキュラと言っても一般的に知られているそれとは少し違い数百年の間人から人へ乗り移るという斬新さ。恐怖映画でありながら何となくのん気な感じや、軽~いおばけ屋敷的なノリには?ですが、見るものを驚かせようとするカメラワークはいい意味で期待通りビックリさせてくれます。登場人物が少ないながら個性的な人たち。物語を導くのは黒澤年男。あっけなく死んじゃう同僚役の田中邦衛、ヒロインには美声がかなり魅力的な望月真理子。犠牲になるのが女子大生とあってチチぽろ等のサービスショットもあり。とにかく全編醸し出されるこの作品独特の雰囲気を楽しんで欲しいですね。 6点(2002-12-25 03:38:54) |
99. ザ・リング
映像や特殊効果は凝っているんですが、全体的には「リング」のおいしい所をかいつまんで大雑把な作品に仕上がってました。大きく違うのはサマラちゃんは少女で、貞子の様に霊的な存在ではなくモンスターとして描いている点。となれば当然顔見せOK。その顔も子役の演技不足を含めあどけなさの残る可愛い少女からは脱出できず、ラストで驚くはずのシーンも肩透かしを食らってしまう。別にオリジナルがいいというわけでも無いですが、心理的恐怖を狙うのならやはり日本版をもっと研究して欲しい。一体誰があのビデオを作ったのか?という問いかけをしておいて結局その回答は無く、霊感を持った息子は物語が進むにつれ協力なパワーを身につける都合の良さ。しかも半ばこの少年の導きで母親がサマラの怨念を開放したのに、最後には都合が悪くなると「何で助けたの!!」と理不尽な事セリフ。全くもって困ったちゃんである。馬が船から投身するシーンはすごかったですが、動物愛護協会から訴えられない事祈ります。 5点(2002-12-25 02:20:31) |
100. 依頼人(1994)
まず、ブラット・レンフロの子役と思えない程堂々とした演技に圧倒されます。そして真犯人の犯行を突き止める事よりもそれを目撃してしまった少年をFBIの尋問から守るという事が本来の目的ってところは目の付け所が違う。ただ辺り障りのない判り易い展開は最後には何も残らない娯楽作止まりで物足りない。あれ程対立していたトミー・リー・ジョーンズとスーザン・サランドンの関係も最後には後腐れなく解決しているし、助手の弁護士とスーザン・サランドンとの仲もいまいち。かといってブラッド・レンフロとの中も依頼を受けた時から既に信用し過ぎで、物語に厚みがない。結局あれだけ人が絡んでいても結局主役級の三人以外は放ったらかしでしたし・・・。 6点(2002-12-25 01:52:32) |