981. 消されたヘッドライン
《ネタバレ》 どんでん返しと言っても、結局なぞ(勝手に殺したのか?殺しを指示したのか?)は解明されておらず消化不良。ジャーナリズムとは?政財の癒着?政治家とマスコミの関係?マスコミと警察の関係?等々言いたい事はたくさんあるようだが、すべてが中途半端。そもそもラッセル・クロウとベン・アフレックが同級生に違和感。友達の奥さんとデキちゃうは余計だし。『大統領の陰謀』をネタにするのもちょっとアレだし、ネットより紙って主張もねえ。邦題もなんだか・・・。ベテランと新米記者の関係変化は楽しめたので、この関係を軸に掘り下げて描けばよかったのではないのかと。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2015-07-17 11:59:01) |
982. わが命つきるとも
《ネタバレ》 「滄浪の水清まば、以て吾が纓を濯うべし。滄浪の水濁らば、以て吾が足を濯うべし。」トマス・モアはギリギリまで困難・災難回避しようとしているし、ただの頑固で不器用な人間だとは思わないが、最終的には足を濯う事ができないのが信仰というものであろう。潔く辞任して隠居してるのに、それでも追いかけられるのは人徳者故に権力に睨まれる不幸でもあるけれど。どこまで史実かわからないが、主人公が冷静すぎて、高潔すぎて、揺るぎがないので人間らしさに欠け、ちょっとアッサリしているのが難点か。これが宗教者の己への厳しさなのだろうが、もう少し権力・法・信仰・家族を含む人間感情等々へのジレンマ・葛藤・苦悩の描写が欲しかった。それにしても、権力・名誉・保身のために、自分にも他人(含む神?)にもウソをつくのが人間である事を思い知らされる。いつの世も人間は変わらんね。(リッチは実在の人物か否かわからないし、作中ではユダ的扱いなのかなとも思ったが、罰が下るわけでもなく、ベッドで死んだというオチにより、結局そのまま何も変わらずってのがリアルではある。) [CS・衛星(字幕)] 8点(2015-07-16 12:36:52) |
983. コンタクト
《ネタバレ》 311後にはアチコチで蘇り現象が見られ、NHK特集で放映される事態となった。それをバカバカしいと思うか?肯定的・好意的に見るのか?どちらでもないのか?どのタイプかによって、評価が分かれるのだろうが、科学と宗教の関係性に切り込んだ意欲作である事に間違いはない。現代版『遠野物語』であり、小林秀雄の「信じることと知ること」の世界観を映像表現しているとも言える。減点は相変わらずの日本の扱い・描写。ちなみにTV版は90分放映なので60分程度カットされており、それがよかったのか?悪かったのか?完全版もいつか見たいと思う。 [地上波(字幕)] 9点(2015-07-16 09:58:28) |
984. 毎日かあさん
《ネタバレ》 原作は知らないのだが、この夫婦についての知識はある程度あったので、ドキュメンタリーホームドラマとして鑑賞。期待以上であった。夫が精神疾患である漫画家という設定は『ツレがうつになりまして。』に類似しており、違いは子供の有無と、キリスト教精神に基づいた博愛主義の有無だろう。よって必然的に夫婦関係の状況は全く異なるわけだが、それにしても不器用な夫婦であり、それがかえってとてもリアルである。ツレとは違い、こちらは夫を支えるどころか罵倒する。これは精神疾患者への対応として最悪である。子供によって緩和はされているが、かなり険悪な夫婦関係である。一応子供を守るためという名目で離婚しているが、精神疾患者との同居が難しければ隔離すればよいのであって、離婚する必要はない。他に諸々の理由があったのだろう。ここは美化されている印象。母親の「もっと早く見捨てればよかったのに」という実体験に基づく台詞は辛らつである。しかも子供へも不穏な影響を与えてるのも否めない。ただし、完全に別離する事もできず、かといって子は鎹というわけでもなく、共依存関係によって関係維持されている点は元夫婦関係の不可思議さが感じられ興味深い。夫が退院してからアルコール依存への無理解に気づき、夫を苦めていた事への後悔をするが、ここの描写がサラリとしていため、鑑賞者に単なるアル中のダメ夫という印象を与えている点はマイナスである。結局再婚はしていないようだが、死に際に感謝の言葉を述べて和解できたのは両者にとって救いであった。演出・演技・撮影等々の効果なのか、終始自然体でナチュラルな感じがしたのも、ドキュメンタリーぽくてよかった。子供が天真爛漫過ぎるような気もするが(実際にこういう子供らしいが)、嫌味はなく、成長過程もしっかりと描かれていた。実際にはもっと過酷な現実があっただろうし、個人的にはもっと深刻にディープに描いて欲しい気もするのだが、これぐらいのテイストが逆にリアルでちょうどいいのかもしれない。これは著者本人がよく言っている事だが、「女も仕事を持って稼げ」というのがリスク管理としての教訓だろう。経済力あってのこの関係である事を忘れてはならない。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2015-07-15 11:09:59) |
985. メンフィス・ベル(1990)
《ネタバレ》 公開当時に話題となり、題名だけはよく知ってる作品だったが、実話がベースという事は知らなかった。44年版のオリジナルは国債買わせるための戦意高揚ムービーだったのかもしれません。 密室劇としての緊張感はそれなりに伝わってくるのだが、青春映画としてリメイクしてしまったためなのかどうも全体的に軽く、娯楽作品としても中途半端。吹き替えのせいなのか戦地に向かう苦悩や戦場での緊迫感もイマイチ伝わってこない。フザケテ戯れているという印象をもってしまう。どうせ生還するんだろうというオチありきの作品だし、関係ないのはわかっていても、どうしても日本の空爆を連想してしまうので中立に見る事ができない。この手の連合国側の視点から己を正当化する作品というのは割切ってみる必要があるのはわかっているのだが、できないものは仕方ない。『パールハーバー』ほど酷くはないが、『父親たちの星条旗』には劣るかなというレベル。 [CS・衛星(吹替)] 4点(2015-07-14 15:10:15) |
986. マイレージ、マイライフ
《ネタバレ》 よくできた中高年自分探しロードムービーである。自由には孤独があり、安定には束縛がある。どちらが良いかに答えはない。この作品も答えの提示はしていない。これは年を取り物事に分別がつくほど考えさせられる問題であり、今の生活に満足しているのか?と己の生き方を肯定したり、否定したりする。好対照な女性2人+自分の姉妹を通じて揺れ動く中高年の姿をジョージ・クルーニーが好演。打算的に男を追いかけて田舎街で就職する妥協を許さない青臭いナタリー、他方家庭に不満を持ち(旦那の稼ぎが悪いか無職?で、高齢で体力なし?)出張先で不倫する中年女のアレックス。この諦めたワリキリ中年女には迷いはなく、逃避してるだけ。そして姉は別居中という中年女は不幸という扱いになっている。妹の相手の男はマイホームがアメリカンドリームであり、旅にも行けないこれまたジョージ・クルーニーとは対照的な男。男が安定と引き換えに自由を失うことを恐れてマリッジブルーに陥るのは中々リアルだが、結構簡単に説得されてしまう。この辺で「やはり家族が大事!」みたいな展開になる事を懸念し、ジョージ・クルーニーが仕事投げ出してアレックスに走った時にはオイオイお前はナタリーかよ?と思ったが、アレックスの現実で結婚の負の部分をしっかりと見せつける。女優2人も好演しており、中盤以降ナタリーの出番がなくなり、人物の掘り下げが弱かった(こっちの自分探しも見たかった)のが残念であるが、若さ溢れる演技は印象に残る(ちなみに失業で自殺するのは圧倒的に男が多く、作中では女性が自殺したという設定になっているのは何故だろう。ここでも中年女を不幸扱いしたかったのだろうか?また、ジョージ・クルーニーも保身の為に自殺の兆候はなかったとウソを付くというサラリーマン的狡さもある。推薦文はその贖罪なのかもしれない。)。 失業の危機や家族の崩壊のリスクを考えると、この世に安定などあるはずもなく、失業の不安は家族が支えになるというのも幻想なのかもしれない。だからと言って自由を求めて孤独を貫くのも寂しくて、シンドイ部分もある。人生の永遠の課題である。両者のバランスの取り方はどうするのか?仕事・結婚・子供・家等々、無数の選択肢がある。それでも人生の行き先を選択していかなければならない。空港の巨大な行き先案内板を前にして呆然と立ちつくすジョージ・クルーニーのラストの姿がそれを表している。(結局サラリーマン続けるのかな?それも自由じゃないと思うが、奴隷の気楽さもあるだろうし?) [CS・衛星(字幕)] 9点(2015-07-14 11:29:54) |
987. 若草物語(1994)
今から150年ほど前の明治元年に出版された自伝小説の映画化。題名と内容は何となく知っている程度で、こういう話だったのか、中々よくできているなあというのが第一印象。当時のアメリカにおける女性の価値観や立場・扱いが垣間見えて風俗モノとしても興味深い。津田梅子や山川捨松はこういう社会に足を踏み入れたのだなあなどと考えてしまった。4姉妹各々の生き方に人生色々と感じてしまうが、エンディング時点でまだ人生の1/3程度。今後話は学園モノとしてまだまだ続くようで、これから人生の悲哀・試練・その他諸々が待っているんだろう。という点においてはまだ序章に過ぎず、4時間ぐらいかけた長編モノとしての映像化に期待したいところ。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2015-07-13 10:40:24)(良:1票) |
988. 極道の妻たち 最後の戦い
《ネタバレ》 女が見るヤクザ映画。男がしょうもないから女が立ち上がるというワンクッションがあるので、純粋な組同士の対立というよりは男女関係がメインになているような。また、これは実録なのか任侠なのかイマイチ判別がしにくい。女優4人の四者四様の生き様は際立っており、女性観客相手に女の生き様を提示はしている。不器用なかたせ梨乃、バカな夫に見切りをつけて筋を通す岩下志麻がメインではあるのだが、カネのために男の庇護狙いの石田ゆり子や岩下志麻に復讐する若きキムラ緑子の腹の座り具合・しぶとさも中々ではある。要するに、女の敵は女であるという事か。そして、高倉健で山口組を撮ってきた山下監督が、晩年近くでこのヘタレ四代目を撮る事になろうとは・・・。時代の変化を感じる作品でもある。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2015-07-11 11:12:37) |
989. ファンボーイズ
各々が悩みを抱えた青春群像劇で、死期迫るの友人の為に冒険旅行に出かける。いい話でキレイにまとまってはいるけれど、ドタバタコメディーにしてしまった為内容的な深みに欠けるかな。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2015-07-11 09:27:28) |
990. マーキュリー・ライジング
せっかくの題材・設定なので、ドンパチで決着つけてしまわずに、もうちょっと組織同士の対立・内紛とか頭脳戦・心理戦にすればよかったのに。真相究明も主人公が謎解きしていくわけでもなく、内部通報という安易な方法でされてしまうし。子役の自閉症演技はよかったと思います。 [地上波(吹替)] 5点(2015-07-10 10:40:57) |
991. パッセンジャーズ
《ネタバレ》 死ぬならガンがいいらしい。ゆっくり死ねるのでいろんな事ができるから。死に際で後悔するのはやはり「家族との和解」なんだな。無念でない死などあるはずもないだろうが、特に事故死や突然死は何もできずにある日突然命が奪われるので無念極まりないのだろう。で、成仏できずに彷徨う。テーマは悪くないのに、変な恋愛要素を盛り込んだり、サスペンス系とかドンデン返し系にしてしまった事により、類似作品と比較され低評価されてしまう残念な作品ではある。 [地上波(吹替)] 5点(2015-07-09 11:51:42) |
992. 春琴抄(1976)
原作未読ですけど、健康美と好青年のカップルではどうも雰囲気違うような。設定や世界観は面白いしある種の変態愛なのでもっとエキセントリックな役者でリメイクして欲しいです。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2015-07-09 09:53:46) |
993. バンテージ・ポイント
《ネタバレ》 しつこいぐらいの後出しジャンケン的なネタバレの繰り返しは結構楽しめたのだが、オチで萎えた。あんだけ無差別テロしといて、子供一人ひき殺せないってのはどうなのよ? [CS・衛星(字幕)] 6点(2015-07-08 11:34:58) |
994. グッバイガール
《ネタバレ》 仕事で失敗・失業した相手への同情からヒモ生活。今で言うダメンズ。こういうのに弱い女もいるのかと。他方、女の方も夫に逃げられたシングルマザーでパッとしない生活。互いに若くもないのに演劇での成功を夢見る夢男・夢子でもある。子供がよいアクセントにはなっていて暗くはないが、要するに傷の舐めあい。ここまではありがちな話でリアルなのかなあ。最後はご都合主義的な大逆転のハッピーエンドでファンタジーではあるけれど。 [地上波(吹替)] 5点(2015-07-08 09:53:02) |
995. ロッキー・ザ・ファイナル
《ネタバレ》 「過去は存在しない」にも関わらず過去に生きてしまう老年の悲哀、そして焦り。生きる時間が長ければ懐かしい思い出や別れは自分を縛る事もある。「老いとは他者の侵入である」らしいですが、本作ではそれを”野獣”と表現しています。これがキーワード。肉体は衰えているのに気持ちは衰えない。その乖離と苦しみ、老いていく事の焦り。スタローンにとっては、ロッキーこそが野獣であり、その決別をしたかったのでしょう。30年ロッキーを演じてきた60歳のスタローンだからこそ書ける脚本です。一歩間違えると暴走老人なんですが、これは暴走を止め、内なる野獣に決着をつけるための戦い。要するに「皆年をとる、過去に縛られず、年相応に今を生きよ」という還暦ロッキー(スタローン)による諦観のメッセージであり、そこには悲哀と諦めがあります。が、過去や野獣と決別するためのリングファイトはやはり感動的でもあり老人として生きる再出発への希望もある。30年の大河ドラマの終結。非常に素晴らしいエンディングです。決して、「挑戦を忘れるな」という団塊世代向けの応援メッセージではありません。が、勘違いする人も多いだろうし、罪な作品だとは思います。難点は息子がいい子ちゃんだったので父子の確執と和解の盛り上がりに欠けるところ。他の母息子とのややダレる絡みを入れるぐらいなら、もうちょっと実父子の関係を詳しく描いてもよかったような。60歳になったらもう1度見たいと思います。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2015-07-07 12:02:24)(良:1票) |
996. ロッキー5/最後のドラマ
ロッキーが中年の悲哀に苦しむのかと思うと感慨深い。まずは肉体そして精神が変化していく。育成と称してコピー作りしたり、さらには究極のコピーである息子に己を託し、こうやって人は老いていくんだな。6は未見だが、この後息子にも裏切られるのだろうか? [CS・衛星(字幕)] 7点(2015-07-07 09:54:34) |
997. ランボー/最後の戦場
《ネタバレ》 60過ぎてランボーを演じる事への期待と不安があったが、チーム救出劇という体裁にしてしまったため、スタローンの活躍は少ないし、躍動感もなく、火薬やカメラ等々の仕掛けでどうにか緊迫感を維持していたという印象。25年前と同じ動きをするのはさすがに無理があったのでしょう。目を背けたくなる残虐シーンも多かったのだが、白人の扱いだけは違う事には違和感があった。現実社会と理想社会での暴力と非暴力の対比のようなメッセージ性は感じられたがどうも中途半端。1作目では誰も殺していないランボーが殺しまくっているのも、どうも繋がりが悪い(2,3を見てないor忘れているので)。実際にはテロリストとは交渉もしないし、救出劇もないので、人質は殺される運命にあるという現実を目の当たりにする現代社会。そういった現状に対するメッセージをもっと出して欲しかった。(ありえない救出劇を皮肉として描いているのなら、ひとつのメッセージではあるが。) [CS・衛星(字幕)] 5点(2015-07-06 11:57:09) |
998. 日本の黒い夏 冤罪
《ネタバレ》 高校生がマスコミを取材して番組制作をするという実話(確か取材した男の子はその後松本のTV局に入社してたような)をベースに映画化したという少々凝った作品なので、この構造が理解できずにとまどう人が居るのは仕方ないかな。それに高校生は結果を知った上で取材をしているので、当時の混乱状況への追及がしやすいという優位性がある。ただし、目的はマスコミの糾弾ではなく、なぜこのようになってしまったのか?という真実の追求という体裁になっている。よって、この作品の本質はサリン事件の解明・説明にあるのではなく、ある事件に対する警察とマスコミの関係や姿勢、それに振り回される一般人の有り様を高校生の目線から描く事にある。いまどきマスコミが警察の情報を垂れ流しているだけだという事を知らない人はいないだろうが、一応警察の事は信じているのだろうし、ついつい第一報の刷り込みで脊髄反射してしまう状況は今も昔も変わらないように思う。 取材先のTV局の姿勢や登場人物が、どこまで実話で脚色なのかがわからない所が難点ではあるが、問題提起としてはよくできているし、さすがにラストの再現シーンは戦慄が走った。一番印象に残ったのは警察の焦りには長野五輪(のセキュリティー強化)があったという事。今後、東京五輪に向けて冤罪が発生する可能性が高くなるのでは?と心配になった。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2015-07-04 11:14:09)(良:1票) |
999. サマーウォーズ
《ネタバレ》 ラブマシーンは知識欲によりアカウントを乗っ取り膨張しているだけ。世界征服とか世界破滅や権力への欲望はない。そもそもラブマシーンには意思がない(ハズ)。知識欲というのは一番厄介な欲であり、満足する事がない。だから終わりがない。まさにモンスターである。物語はこの欲の塊にどう対峙するのか?が焦点となる。第2次上田合戦等々をモチーフとした暴力対決はズレてるなあと感じていたので、電脳空間での長ったらしい暴力シーンは冗長であり見ていて退屈した。ここは子供向けのサービスシーンだから仕方ないのだろう。結局ラブマシーンはギャンブル欲により破滅(自滅)する。知識欲を植えつけただけのラブマシーンがなぜゲーム好きになってしまい、射幸心が生まれたのかがよくわからないのが難点ではある。が、知識欲はギャンブル欲に負ける(破滅する)というのは中々面白い結論ではある(ギャンブルはどこかで止めない限り最終的に破滅するという情報は乗っ取りしたアカウントからわかりそうなものだが、この辺の制御にバグがあったと解釈するしかない)。ただし、知識欲が原発等々の便利でもあり、破滅へと追い込むモンスターを作り上げたのも事実ではある。モンスターがモンスターを攻撃するという展開は皮肉が利いていて面白い(が、ラブマシーンが攻撃性や意思を持ってしまった原因もよくわからない。突然変異なのか?ありがちな機械が成長して意思・感情を持った系なのか?結局は意思を持たせてしまったというバグであると考えるしかないが)。この問題を家族の絆とか人との繋がり等々の助けによって解決してしまうというのは安直で説教臭い所もあるが、子供向けアニメとして考えれば悪くはないのだろう。 [地上波(邦画)] 6点(2015-07-04 09:03:52) |
1000. おかえり、はやぶさ
冒頭から「税金のムダ」「宇宙開発なんて生活に関係ない」等々の批判的意見が連発してくるので、これは安易なヨイショ作品ではないなと期待したし、理学と工学の違い等々細かい人間像へのツッコミが入るなあと感心していたのだが、その後の展開が敗者の父と後を継ぐ息子の父子の物語や病気の母と息子の物語になってしまった。これはこれで悪くはないのだけれども、「はやぶさ」の話に期待している人にとっては拍子抜けするだろう。これは「はやぶさ」ビジネスに便乗した、家族のフィクション物語であって、かといって「はやぶさ」に触れぬわけにもいかず、結果2組の親子の話も内容的に薄くなってしまい、中途半端な作品になってしまった。病気の親子話は切って、「はやぶさ」の話も背景程度にしてしまい、世論と戦った父の挫折やその背中を見てきた息子の物語にフォーカスすれば、もうちょっと面白い作品になったような気がする。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2015-07-03 12:46:55) |