981. おばあちゃんの家
田舎の土の匂いや炭焼き小屋、肥溜めの香りとかがプーンと画面から漂ってくるような、そんな映画でした。でもその香りは決して不快でも不潔なものではなく、懐かしささえ感じさせてくれる不思議な感触。というか私の父親の実家あたりで、間違いなく昔あった景色でした。ようやくなついたマセガキの孫に「こんな字も読めないの?」と言われ頭をポリポリと掻くおばあちゃん、ナイス。暴れ牛やキンンキャン吠える犬も良い味出してました。おばあちゃん子だった人ほどこの映画素直に観れるものなんでしょうね、おそらく。私自身も生粋のおばあちゃん子です。全世界にいるおばあちゃん、いついつまでもお元気で! [DVD(字幕)] 8点(2005-12-24 12:30:32) |
982. 電車男
《ネタバレ》 なんだなんだ、これは!山田電車男君はともかく、ただキレイキレイに撮られてるだけの、こんなにペラッペラに薄っぺらくて魅力皆無の中谷美紀なんて初めて見たぞ。 どこか浮世離れした存在という事で起用したのならまだしも、演技が巧い彼女じゃなければいけないって役じゃないでしょ、エルメス嬢は。ラストのサービスらしきシークエンスも某テレビ局の映画を「商品」としてではなく今年限定の「消耗品」としか思っていないような高慢な態度が見え隠れして気分が悪くなりました。これで更にマイナス。何の工夫もない「雨の中で待ちます攻撃」もいい加減止めましょうよ。あと自分が引っ掛けて倒した自転車はちゃんと元通りに戻すこと、アキバ系じゃなくても社会人として当然の事じゃないですか? [DVD(字幕)] 3点(2005-12-24 10:34:02) |
983. 誇り高き挑戦
国際的に暗躍する武器商人と暗い過去を持つ新聞記者との戦いというスパイスリラー。ストーリー自体にはあまり興味を惹かれなかったが、ハードボイルド的深作演出に大いに見どころ有り。斜め構図をうまく生かした鶴田と丹波の対決シーン等、ゾクゾクするような緊張感を味わえました。鶴田の脇でチョロチョロしていたカメラマンの兄ちゃんが若き日の梅宮辰夫と解って吃驚。 [DVD(字幕)] 6点(2005-12-23 10:55:08) |
984. 私の頭の中の消しゴム
この映画の一番弱いところは、中盤までの「世界は二人のために」部分がかなりの分量 を占めている事だと思います。もちろんそれがラストの感動を盛り上げる為の伏線にしたいんだろうなっていう作者の意図はよくわかるんですけどね。それにしても二人のラブラブ描写にもう一工夫あっても良かったような気がします。悲劇に向かっての序奏という点でも喰い足りない。でもバッティングセンターやコンビニのシーンでは、ついもらい泣きしてしまった事は正直に告白しないといけないっすね。ソン・イェジン主演作では感涙度で「ラブストーリー」に今一歩及ばずといった評価です。主役の彼は昔の吉田・ビック栄作にどことなく面影がないですか? [映画館(字幕)] 7点(2005-12-22 21:32:52) |
985. プロポーズ
《ネタバレ》 お祖父ちゃん(ピーター・ユスティノフ)の遺言ビデオ、途中までしか聞いてないんで、こりゃ何か絶対仕掛けがあるなって最後まで思ってたんだけど何もなくてガッカリ。展開にもうひと波乱あればもっと良かったかも。自分はレニー好きなんで結構楽しめました。ヘアスタイルは「恋人たちの予感」のメグ・ライアンを意識してるのかなって思ったり。ブルックは今の所これが最後の出演作かあ・・・、この扱われ方でブルックママ(←お元気なんでしょうか?)から何の文句のひとつも出なかったんでしょうか?大きく鼻孔開いてタバコの煙吐き出すトコなんてあまりに気の毒。嗚呼、女優栄枯盛衰物語・・・。 [DVD(字幕)] 6点(2005-12-19 10:50:09) |
986. しあわせ色のルビー
日本人には理解しにくい内容。多分レニーが出てなきゃオクラ入り確実だったはず。 映画なんだから、題材が地味なら地味なりにワンシーンでも印象に残るような見せ場が あってしかるべきなのに、演出もただ淡々とまとめてるだけ。困った映画やなあ・・・。 [DVD(字幕)] 4点(2005-12-18 12:16:50) |
987. ロード・オブ・ウォー
《ネタバレ》 お正月公開映画とは思えぬ激シブ問題作、でも見応え充分。秀作「ニューオーリンズ・トライアル」とはまた違った切り口でアメリカ銃社会を痛烈に批判しています。この内容ならメジャーの映画会社が躊躇して、アメリカ国内では製作出来なかったっていう経緯も解ります。ケイジは型にはまってきた感じで貫禄さえ感じさせてくれる好演技。イーサン・ホークはちょっと役不足かな。むしろケイジのヤク中の弟の役者の方がインパクト強し!自分もオープニングシーンは「チャーリー~」を連想してしまいました。 [映画館(字幕)] 7点(2005-12-18 10:35:44) |
988. 赤穂浪士
この作品が東映オールスター総出演「忠臣蔵」三部作ラストらしいんですが、残念ながら一番出来としては落ちると思います。私見での順位は「忠臣蔵 櫻花の巻菊花の巻」→「赤穂浪士 天の巻地の巻」→「赤穂浪士」ですね。やっぱりこの題材はオーソドックスに調理するのが一番!堀田隼人が大石の甥だとか、千坂兵部が大石の旧友だったとかいう新解釈なんて全くもって不要です。でも浅野内匠頭に限ってはこの大川橋蔵が一番柄に合っているように思えます。大川はじめ、この時期の中村錦之助や東千代之介、中村賀津雄って皆どこか顔つきが似かよってないですか?大石主税を演じた若き日の松方弘樹はミスキャスト。大友柳太郎には次元大介「ルパン三世」に通じる孤高のカッコ良さがあります。しかし東映の女優さんっていうのは使われ方が彩りばかり、これじゃ演じ甲斐がなくて皆さん不満だったでしょうね。「様式美」とか「大見得を切る」っていう表現は歌舞伎ならともかく映画じゃ使わない言葉だけどこの手の映画でやってもらえると却って楽しく観られます。 [DVD(字幕)] 6点(2005-12-17 14:26:17)(良:1票) |
989. フライトプラン
《ネタバレ》 ヒッチコックの「バルカン超特急」からの見事な換骨奪胎。いやあ、この映画最近のこの手のジャンルの中じゃ出色の面白さだと思います。前作「パニックルーム」でも、密室内で我が子を守る為強い母性を発揮してたジョディ、今回は舞台を空の密室に移し、更にパワーアップして久々の登板、母親って本当に強いっす!この作品の成功は男優陣のキャスティングの巧さですね。これ、配役一歩誤ったら底が割れてつまんなくなってしまったと思います。とにかく何の予備知識も入れず観るのがおすすめ。脇に浅丘ルリルリに酷似のスッチーさんがいました。でもこれ中東方面で上映されたら非難轟々かもなあ・・・。ラスト、ジョディは何か一言あってしかるべきなんじゃ・・・とつい余計な事を考えてしまいました。 [試写会(字幕)] 8点(2005-12-17 11:19:15)(良:1票) |
990. 時雨の記
これ、やっぱり吉永小百合と渡哲也のファン限定アイドル映画でしょう。往年の日活時代 のお二人(「愛と死の記録」とか)に熱狂した世代の方なら、面白いと思えるかもしれないけど「西部警察」や「細雪」あたりからしかこのご両人を知らない世代にとっちゃ、いとも清潔でカマトトぶった映画にしか思えないのが辛い所ですね。そう考えれば アイドル映画の名手澤井監督を起用した理由も解ります。↓イニシャルKさ~ん!「野菊の墓」そんなけなさないで下さいよお・・・(涙) [DVD(字幕)] 5点(2005-12-16 15:07:27) |
991. 続・男はつらいよ
この後、もうあと一作登場する事になる寅さんの実の母親、お菊さん(ミヤコ蝶々)。う~んすみません、自分はこのお母さんと相性あんまり良くないんですよ。寅さんの母親という役ゆえ、どーにもこーにも一筋縄ではいかない彼女みたいな強烈なキャラクターを持ってきたかったのはわかるんだけど、ちょっとドギつくあくど過ぎるような気がします。この作品では東野英治郎の散歩先生、佐藤オリエの清潔感溢れるマドンナ、 好青年という役柄にもかかわらず、瞳のあたりが怪し過ぎる山崎努の好演のほうが印象的ですね。初期の寅さんは文句なく若々しく元気で楽しいっす! [DVD(吹替)] 7点(2005-12-15 16:57:23) |
992. 赤穂浪士 天の巻・地の巻
赤穂浪士吉良邸討ち入りの夜、12/14に鑑賞。昨日もメチャクチャ外は冷え込んでたけど、おそらく元禄時代はもっともっと寒かったんだろうな・・・なんて考えながら。ああ、俺もやっぱり日本人なんだって実感しつつW。先日観た「忠臣蔵 櫻花の巻・菊花の巻」と同じ監督、キャストもはっきり言って似たりよったりです。でもこの作品は脚本が新藤兼人だけあってちょっとひとひねりした展開になってました。浅野内匠頭切腹シーンなし、有名な泉岳寺畳替えのシーンも台詞でのやり取り、奥方の瑞泉院も登場させず、大石内蔵助の家族との別離シーンもなし、クライマックスの討ち入りの際もあっさり吉良は見つかってしまいます。その点では喰い足りない部分もあるけど、その分大友柳太郎、高千穂ひづるの隠密間者グループをかなり突っ込んで描いてました。自分はこちらの作品も楽しめました。忠臣蔵ってちゃんとしたあらすじがあるだけに、結末がわかっていてもいろんな描き方が出来るものなんですね。でも特別出演扱いの片岡千恵蔵御大=立花左近をキャストのトップに持ってくるのは流石に無理があるような気がします。 [DVD(字幕)] 7点(2005-12-15 16:07:34) |
993. NOEL ノエル(2004)
《ネタバレ》 このキャストの割りには少々パンチが弱い仕上がり。ロマンチックな雰囲気の醸成が若干不足してるのが何よりの不満。今年のクリスマス・イヴ日米対決は「大停電の夜に」の勝利!最近汚なづくりが続いていたベネロペが衣装をとっかえひっかえして久々に美しいのが取り柄。相変わらずスタイル抜群っす!ポール・ウォーカーって何か不思議な色の瞳をしてます、映画にも描かれてたけど女にも男にも(!)付きまとわれる理由、何となく解るぞ、うん!↑もうこのレビューではキャスト表で既にネタばれしてるので書きますが、別にロビン・ウィリアムズをノンクレジットで隠す必要もなかったと思うんだけど・・・。 [映画館(字幕)] 6点(2005-12-12 14:19:41) |
994. チャンス(1979)
チャンスというなかなか難しいキャラクターの男をセラーズはほぼ完璧に演じてましたね。中盤以降から彼がやたらセクシーだって台詞が出てくるんだけど、欲求不満の有閑 夫人シャーリー・マクレーンならいざ知らず、他の人にとってはチャンスは謎めいた初老の男性というだけで「セクシー」という範疇には当てはまらないと思うんだけどなあ。「日米間におけるセクシーの在り方」とはいかに!? [DVD(字幕)] 6点(2005-12-12 10:56:09) |
995. ザスーラ
《ネタバレ》 完全なお子様向けには違いないけども、そこそこ自分は楽しめました。大人の鑑賞に耐えうるが如く宣伝してた「サンダーバード」なんかよりよっぽど罪は軽いと思います。デジタル思考とアナログゲームをうまく融合させた展開。ティム・ロビンスは友情出演みたいなモンでした。 [映画館(字幕)] 6点(2005-12-11 12:35:02) |
996. イントゥ・ザ・サン
《ネタバレ》 「沈黙のなんたら」シリーズとかっていっこも観た事ないんで、スティーヴン・セガールの映画自体今回が初見です。あれあれ~、何だかこの人ネームバリューの割にすげー演技下手なんですけど・・・。この程度の演技でハリウッドで通用しちゃうんモンなんですか?映画の内容自体も支離滅裂で、自分にゃ何が何だか理解出来ないまま終わっちゃいました。全体の流れを観る限リじゃ「キル・ビル」のフォローワー的二匹目のドジョウ狙いミエミエの作品って感じっす。ストーリーが把握しづらいのは大幅にカットしたのを劇場公開してるから?寺尾聰って一体何者なん?栗山千明ってポスターにデカデカと名前載せてるけど、あんな酷い扱いでいいワケ?字幕の誤り「露天」→「露店」が正当じゃん?もしDVD発売時に「完全版」とかノーカット版が出たらマジ怒るよ、俺は。完全にセガール喰ってた大沢たかおの怪演に3点です。大沢たかおよ、ケン・ワタナベの次にハリウッド進出するのは君しかいない!「キル・ビル」より点数高くしたのは妙にヘンな愛敬があったから。 [映画館(字幕)] 3点(2005-12-11 11:12:21)(良:1票) |
997. 男はつらいよ 寅次郎真実一路
旦那が行方不明中の大原麗子扮する人妻に、寅さんが思いを寄せるという設定なので、「無法松の一生」の名台詞をパロった場面が有ります。もちろんオチはあるんだけど、ちょっと安易なテのような気がしました。この部分で減点。悪くはないんだけど、自分は同じ大原マドンナなら「噂の寅次郎」の方が自分は好きかなあ。東京郊外(今回は印旛沼あたりのニュータウン)の風景は寅さんにとっては何となく居心地悪そうな感じ。 [DVD(字幕)] 6点(2005-12-10 14:23:34) |
998. 古都(1980)
市川作品の常として、画調が深く沈んだ陰影で統一された格調高い仕上がり。アイドル映画としての枠を越えた川端康成原作の文芸映画と言ってもいい出来だと思います。ただあくまで百恵&友和コンビも売りにしなければならなかった故か、全体としてのバランスがおかしくなっちゃった感じ。「ヒュ~ルヒュルヒュ~ルヒュル、風が哭きます」ってこの映画の主題歌でしたっけ? [ビデオ(字幕)] 7点(2005-12-10 13:23:26) |
999. 男たちの大和 YAMATO
《ネタバレ》 力作。クライマックスの大和撃沈シーン、大迫力でした。何故か自分には、昔年末に放映された傑作時代劇「白虎隊」の自刃シーンが重なって映りました。玉砕という散り際の美学みたいな悲愴感が画面からも十分に伝わってきたと思います。反町隆史と中村獅童の共演という事で話題の映画ではありますが、獅童の方が断然もうけ役です。昇り調子の今が旬の役者っていう勢いが彼にはあります。でも戦艦大和の少年海軍兵が束になっても敵わなかったのは、可憐な三つ編み軍国少女を演じた蒼井優の存在感!不覚にも私がこの映画で何度かグズっと来てしまったのは全て彼女がかかわっていたシーンでした。この映画、彼女だけでも観る価値有りだと思います。蛇足かもしれませんが海軍兵っていうのは本当にあんな垢抜けた「ポパイ・ザ・セーラーマン」みたいな格好してたんですかねえ・・・?そこら辺がちょっとだけ疑問っす。 [試写会(字幕)] 7点(2005-12-10 11:39:53) |
1000. ハートブレイカー(2001)
ハックマンもお小遣い稼ぎの為かなんか知らないけど、何もこんな役まで引き受けなくてもいいのにって思った記憶有り。最近の「ミート・ザ・ペアレンツ2」でも思ったけど、かつては出演作選びに非常に慎重だった60年代から70年代にスターダムに乗った名優達が金の為と割り切って、守りに入ってるような気がするなあ・・・。 あ、でも主役の二人の女優さんは良かったです。シガーニーがロシア人のふりするトコなんて大笑いしたし。 [映画館(字幕)] 6点(2005-12-09 15:03:31) |