1001. あなたになら言える秘密のこと
《ネタバレ》 正直、「この邦題はどうなんだ?」と観終わった直後は思いました。「イザベル・コヘット監督作品の邦題はこの路線で行こう!」という方針なのかも知れませんが・・・・。この邦題から秘密の内容を勝手に「酷い失恋をしたのかな?」とか「自分の過失で大切な人を失ったのかな?」とか想像してしまっていたので、実際に秘密が明らかになった時は、爆弾を落とされたかのような衝撃を受けてしまいました・・・・・。 ただ、良く考えてみると、この感覚はまさにティム・ロビンスが受けたものと同じなんですよね。彼も恐らく軽い気持ちでハンナの秘密を聞き出そうとしていた筈ですから・・・・。そして、最初は第三者的にストーリーを追っていたのが、秘密が明らかになってからは完全にティム・ロビンスとシンクロしてしまいました。そう考えると、この邦題はこの邦題でありだなと思いますね(そこまで考えてるのかどうかは知りませんけど)。 今も、この世界のどこかで争いは起こっていて、ハンナのような秘密を抱えて生きている人が大勢いるということを決して忘れてはならないし、再び同じような過ちを犯さないようにしないといけないというメッセージが強く伝わってきましたね。 この監督の作風やセンスには脱帽です・・・・・。非常に重いんですけど、観終わった後不思議と爽やかな気持ちになった作品でした。 [DVD(字幕)] 8点(2007-10-05 18:47:06) |
1002. コールド マウンテン
《ネタバレ》 オールスターキャストによるアメリカの時代劇という感じですね。まあ、基本的なストーリーラインは結構ベタなんですが、ところどころで生々しい描写があったりして、単なる恋愛ドラマでは終わっていません。 それと、レネー・ゼルウィガーの存在は大きいですね。彼女が登場してから、作品に何となく活気が出てきましたからね。 あとは、大画面で見たいと思わせる美しい自然の映像が印象に残りました。 [地上波(吹替)] 6点(2007-10-05 17:46:30) |
1003. ロード・オブ・ウォー
《ネタバレ》 派手な戦闘シーンこそありませんが、戦争というものを当事者達とは別の一面からわかり易く描いていて非常に興味深い作品でした。 兵器産業という業界が存在する限り、世の中から紛争は無くならないということなんでしょうね。まるで、自動車をセールスするかのように兵器を売り歩くニコラス・ケイジの姿がフィクションでは無く事実に基づいていることに暗澹とした気分にさせられます・・・・。 最後に流れる「最大の武器供給者は米、英、露、仏、中である。この5か国は国連安保理の常任理事国でもある」というテロップは非常に重いですね。映画としては、とても面白い作品となっているんですけどね・・・・・。(しかし、オープニングの銃弾の製作から使用されるまでの一連の流れはユーモラスですけど恐ろしいですね。) [DVD(字幕)] 8点(2007-10-02 12:47:00)(良:1票) |
1004. ファニーゲーム
《ネタバレ》 多分、この作品を見た殆どの人と同じように不快感を感じ、理不尽な暴力に対し怒りを覚えました。そして、この映画の世界が決して虚構ではないことに恐ろしさを感じました。 昨今、ニュース等で話題になっている「いじめ」の問題なんかはまさにこの「ファニーゲーム」そのものなんですよね(程度の差はありますが)。 しかしまあ、衝撃的な作品ではあったんですが、ちょっと途中の展開がタルかったですね(まあ、まだ劇場用映画には時間が足りないって言ってましたけどw)。それに、ストーリーをリモコンで巻き戻すシーンにはちょっと醒めてしまいました。 [DVD(字幕)] 2点(2007-09-29 23:17:42)(良:1票) |
1005. プリティ・リーグ
《ネタバレ》 公開当時話題になっていたので存在は知っていたんですが、何となくキワモノっぽいイメージがあって観ていなかったんですよね・・・。こんなに素晴らしい野球映画だったなんて・・・・この邦題付けた奴出て来い!って感じですね。 ストーリー的には、戦争という背景はあるもののスポーツ映画の王道的なものなんですが、とにかく音楽とテンポの良さがスポーツの持つ高揚感を上手く引き出しているのが良かったです。本当に、野球(ベースボールと言うべきか?)というスポーツの素晴らしさを味わえました。 しかしまあ、第二次世界大戦という背景を考えると、ちょっと複雑な気持ちはありますけどね。 [ビデオ(吹替)] 8点(2007-09-28 12:57:00)(良:1票) |
1006. お父さんのバックドロップ
《ネタバレ》 ボクサーものの映画は良くありますが、プロレスラーやその家族の映画って伝記物を除けばそんなにないですよね・・・・・。この作品の時代にまさにプロレス好きだったので、非常に懐かしさを感じましたね。本気で、プロレスこそが最強の格闘技だと信じていましたからね・・・・。あの、ラストの異種格闘技戦なんて内容や結果は違いますけど、猪木対ウィリーを思い起こさせますからね(試合会場には「極真」の大きな文字が!)。もう、本当に当時の空気が一瞬甦った感じでしたね。 ただ、試合前のマイクパフォーマンスはちょっと狙いすぎでしたね(まあ、その後の南方英二のツッコミは絶妙でしたがw)。 関西を舞台にしたのも中々良かったと思います。笑って泣けて、ノスタルジーに浸れて・・・・楽しい映画でした。 [地上波(邦画)] 8点(2007-09-27 18:35:16)(良:2票) |
1007. 蝉しぐれ
ストーリーは、何となく現代のサラリーマン社会にも通じるものがあって非常に面白かったです。時折映る自然の姿も美しく、心癒されるものがありました。 ただ、一部のキャスティングや演出にちょっと違和感を感じましたね・・・・(ふかわりょうは意外に良かったですけど)。 [地上波(邦画)] 7点(2007-09-26 18:32:43) |
1008. 地の群れ
《ネタバレ》 まあ、何というか非常にやるせないというか救いようの無い物語でしたね。差別という人間の心の闇の部分をこれでもかと見せ付けられました。(支配者にとっては、便利な仕組みなのかもしれませんが・・・・) オープニング等で流れる、ニワトリを鼠が喰いちぎり、その後鼠も炎の中で焼け死んでいく映像には思わず目を背けたくなりましたが、同じような事を人間もやっているんだよというメッセージが感じとれました(それにしても残酷で、今なら動物愛護団体から確実にクレームが付けられるんじゃないでしょうか)。 [ビデオ(邦画)] 7点(2007-09-25 18:16:41) |
1009. マーサの幸せレシピ
まさに「ハートフル」な一品でしたね。職人気質が強くお堅い感じのドイツ人と陽気なイメージのイタリア人の組み合わせの妙を堪能させていただきました。全く気質が違う男女という設定は恋愛物の王道ですし、家族や生き方の問題も絡めたストーリーも良く練れていて、とても面白かったです。 [DVD(吹替)] 8点(2007-09-22 20:16:20) |
1010. 火垂るの墓(1988)
《ネタバレ》 20年近くたっても、全く色あせることのないアニメーション映像のクオリティはさすがジブリといったところですね。 結構、この映画を見て泣いたとか感動したとかいう評判を聞いていたのですが、実際見るとそんなに単純な物語ではないですね。はっきり言って、清太と節子の兄妹や西宮の叔母さんそしてその他の登場人物のほとんどが、戦火の中で醜い部分を晒してしまっていて、嫌悪感すら感じてしまいました。でも、その嫌悪感の源泉というのが戦争ということなんですよね・・・・・。だから、私はこの作品を観て、感動はしなかったし涙も出ませんでした。ただ、戦争というものに対する嫌悪感だけを感じました。 [地上波(邦画)] 6点(2007-09-22 19:42:35) |
1011. シティ・オブ・エンジェル
《ネタバレ》 途中までは、あの非常に芸術的であった「ベルリン・天使の詩」を非常にわかり易く噛み砕いて描いているし、キュートなメグ・ライアンとちょっと情けない風情のニコラス・ケイジの恋愛ドラマとしても楽しめる中々の良作だなと思ってたんですけどね・・・・・。 ニコラス・ケイジが人間になるかどうか逡巡する辺りからのストーリー展開がちょっとよろしくなくて、観終わった後はガッカリでしたね。非常に勿体無い・・・・。何であんな安っぽいまとめ方をするかなあという感じですね。 [地上波(字幕)] 6点(2007-09-21 18:19:11) |
1012. 青い春
《ネタバレ》 何というか、この虚ろな男子校の空気、そしてミッシェルガンエレファント・・・・。もう、男子校でロック漬け(聴くだけでしたけど)だった自分にとってはたまらない映画ですね。何か、昔の自分を見るようなシーンもあったりしてちょっと「イタタタタ・・・・」という部分もありましたが(不良とは縁はありませんでしたけどね)。まあ、高校時代は松田優作が大好きだったし、九條みたいな冷めた感じを狙っていたんで(あまり周囲には気づかれなかったようですが・・・)、何か思いっきり作品の中に入りこめましたね。 [DVD(邦画)] 8点(2007-09-20 19:00:26)(笑:1票) |
1013. それでもボクはやってない
《ネタバレ》 これは、凄い映画ですね。勉強になり、それでいて面白い。でも、これはフィクションでは無く現実の話であり、決して他人事ではないという衝撃も与えてくれるんですよね・・・・・。 まあ、人間が人間を完璧に裁くことは出来ないということなんでしょうね。当然、裁判官、検察、警察、弁護人等それぞれがそれぞれの思惑がある中で結論を導き出していく訳ですから、極論すれば証拠の伴わない真実なんて真実でなくなってしまうんでしょうね。 しかし、このようなテーマの作品を周防監督のようなメジャーな方が撮ってくれたというのは、本当に素晴らしいことだと思います。そうでなければ、痴漢冤罪の刑事裁判の映画なんてここまで関心を持たれることは無かったでしょうからね。 [DVD(邦画)] 10点(2007-09-19 19:19:08)(良:1票) |
1014. 無人の野
《ネタバレ》 ベトナム側からベトナム戦争を描いた作品ということだけでも非常に興味深い映画でしたね。まあ、いろいろ拙さを感じる部分も多かったですが、ベトコンの人間らしい姿が映し出されていて面白かったです(アメリカ映画だとどうしても、得体の知れない生き物みたいな描写になってしまいますからね・・・・・)。 しかしまあ、アメリカ軍人が非常に怪しい風貌の人たちばかりだったのがちょっと面白かったですね。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2007-09-19 18:51:57) |
1015. パルコフィクション
まあ、パルコをネタに遊んでみましたって感じのコメディ映画ですね。後々まで心に残るような作品ではありませんが、1時間ちょっとの間の時間潰しには丁度いい感じですね。今度、機会があったら渋谷のパルコに寄ってみようかな。 [DVD(邦画)] 7点(2007-09-19 18:27:59) |
1016. コントラクト・キラー
本当に心に沁みるアキ・カウリスマキらしい「大人のための童話」といった感じの作品ですね。いろいろと考えさせるものがありました。イギリスが舞台ということで、他の作品とはまた違った雰囲気ではありましたが、中々新鮮で良かったです。 劇中、ジョー・ストラマーがちょこっと出てましたけど、やっぱ格好良かったですね。 [DVD(字幕)] 8点(2007-09-16 22:09:25) |
1017. ひみつの花園
《ネタバレ》 絶妙な「ヘタウマさ」を感じさせる映画ですね。何というか、精緻に計算された脱力感が非常に心地よかったです。西田尚美の突き抜けた感じの演技も良かったですね。 まあ、ラストがちょっとイマイチな感じがしましたけど、不思議な爽快感が後に残るコメディでした。 [DVD(邦画)] 7点(2007-09-16 21:44:30) |
1018. 裸でだっこ
《ネタバレ》 何というか、若者の身勝手な「夢」とやらを嘲笑うかのような、シュールな作品(ちょっと良く言い過ぎかも)でしたね。まあ、金で買える夢なんて空しいだけだということなんでしょうかね?しかし、あのインチキ画家の家でのSF的(笑)なシーンは面白かったですね。 [地上波(邦画)] 5点(2007-09-16 20:36:50) |
1019. ゴッド・スピード・ユー! BLACK EMPEROR
まあ、暴走族の是否は置いといて、70年代の不良を上手く描いているドキュメンタリーだと思います。 とにかく、流れる音楽がとても格好良いですね(サントラあったら絶対買います。)。 [DVD(邦画)] 7点(2007-09-12 19:22:48) |
1020. マッチ工場の少女
《ネタバレ》 いやあ、ブラックな作品ですね。しかし、恐怖感はあまり感じず、むしろユーモアさえ感じてしまうのは、まるでサイレント映画のようなセリフの少なさ、シンプル過ぎるストーリー進行、巧みなカット割りといったカウリスマキ監督の演出と、カティ・オウティネン(少女役はちょっと無理があるような・・・)の演技の素晴らしさの賜物でしょう。ラストも、カッコ良くていいですね。 [DVD(字幕)] 7点(2007-09-11 18:45:49) |