1001. クレーマー case1
《ネタバレ》 監督が「制服サバイガールⅠ」「Ⅱ」と同じだが、この映画は意外にまともだったので驚いた。これほど何の衒いもなく生真面目に作ってあるのを見ると、制服Ⅱの時などはよほどの悪条件だったか魔が差したのかと同情せざるを得ない。 ただし中身としてはそれほど面白いものではなく、こんな半端に不快な映画を好んで見ることもなかろうと思わせるものはある。自作自演というのもありきたりだが、ラストのもうひと捻りのせいで一気にわけがわからなくなっているのは非常に問題である。 それでも一応の好意的な解釈をしておくと、まず暗い目の映像が入るところはやはり主人公の犯行(二重人格的な)だったと思うことにする。またそこまで主人公を追い込んだ電話の男は、劇中で疑われていた通り職場の後輩が雇っていたものと考えれば、当初から個人情報が漏れていたことも説明できないではない。ただし最後の殺人まで指示されていたとは思われず、それはたまたまこの男がそういう気質だったということかも知れないが、それにしても警察がこれをどう扱ったのかが不明であり(どう見ても他殺と思うだろうが)、この辺はやはり少々難があるような気はする。 そのほか細かい点として、社長の言動が下司な感じで結構だったのと、何気に真夏竜氏が出演されていること、及びラストの場面からエンドロールに続く音楽の使い方は好印象だった。これを含めて自分としては最大限好意的に評価しておく。 [ビデオ(邦画)] 4点(2015-04-28 00:00:16) |
1002. 壁男
《ネタバレ》 事前知識はないままで見たが、タイトル部分の空撮で、積雪のある山を越えて都市部が見えたところでいきなり札幌ということが印象づけられる。以降も冬の風景がところどころに挟まって場所感と季節感のある映画になっている。 登場人物としては特に主人公の印象が強烈だが、ヒロインも愛嬌があって色気もあり、自分もこういう人と親密になりたいものだという思いが募ってしまう(が堺雅人には勝てない)。個別の場面としては「だめだなあ」のところで、この女優らしい表情が見えるのが微妙に愛しく思われた。その他のキャストは地元起用とのことで、ちょっとクサくて見ていられない人物もいたが、中村・遠藤役の両人などはけっこう好印象だった。 ストーリーとしても特に怖がらせるでもなく淡々と話が進んでいくので落ち着いて見ていられる。結末のない孤立的なエピソードも多かったが特に気に障ることもなく、全体的な雰囲気としては非常にいい映画だった。 しかし社会批評的な部分は面倒くさい。壁が隔てることで孤立的な小世界が生じていくというのはいいとして、その場合の壁は遮断という機能を持つことになるわけだが、これとメディアを関連づける意味が正直わからない。本来のマスメディアに代わって媒介の機能を果たすのは誰もがアクセスできる情報通信ネットワークだろうが、そのような時代にあえて壁男(それなりに不便なはず)に憧れる動機などあるのかどうか。ちゃんと台詞を聞いていれば納得できるということかも知れないが、そもそも台詞の文章密度が高すぎてわかろうとする気が失われる。 また後半に入ってから“お前は誰なんだ?”という問いかけが繰り返されるのは原作由来かと思うが、これが今回のストーリーにどのようにからんでいたのかがよくわからず、終盤の展開も原作を取り入れた形らしいが唐突で意味不明になっている。若干のグロ映像も不要であり、ここまでせっかくいい雰囲気で来たのだから妙な観客サービス?なしで終わってもらいたかった。ラストの場面は原作にないので映画としては重要なのかも知れないが、ここを含めて最後はもうどうでもいい気にさせられてしまう。 そのようなことで評価が少々難しいところだが、個人的には小野真弓という人が大好きだと思える映画だった(「街の・噂・特捜隊!」が微笑ましい)のと、映像面を含めて全般的に密度の濃い映画だったので、ここは少しいい点を付けておく。 [DVD(邦画)] 6点(2015-04-28 00:00:12) |
1003. ライフ・イズ・デッド
《ネタバレ》 原作との関係では良心的で良質な映画になっている。ストーリーは原作にかなり準拠した形だが、時間に余裕があったのか登場人物がかえって多くなっており、映画化に当たって内容が拡充された感じである。 劇中世界は原作のように緩い雰囲気ながらも人間関係はけっこう殺伐としている。主人公に対して好意的な人物に見えても、実は自分の思惑で動いているだけで「いい人」というのは誰もおらず、また多少納得していなくてもとりあえずカネだけはもらっておく(主人公の妹も)というような利己主義が基本の世界になっている。その中で恋人への献身は個人的利害を超えていたようだったが、これはたまたま結果的にそうなっただけで、愛が何者にも負けないなどということが示されたとは思われない。間違いないのは主人公一家の絆だけだったようだが(少し波乱もあったが)、これも含めて現実の人間社会の姿が淡々と、多少戯画的に描かれた映画というように感じられる。 ただしコメディというほど可笑しくもない。マンガの映画化ではあるが、冒頭の場面からしてシビアな状況だったのにコメディ風味を残しているのはかえって半端な印象もあり、やはり絵柄がものを言うマンガを実写化するのは難しいのだろうと思われる。 またホラー映画としての怖さもないので、せめてもう少し娯楽要素があった方がいいのではと思うわけだが、そこを補っているのが妹役の女優ということかも知れない。超絶美形というわけではなく、可愛く見える場面も可愛くなく見える場面もあるがいろんな表情が出ていて面白い。沖縄でCMに出ていた時に評判だったらしい変顔も披露してみせており、この人を見られたのは得した気分だった。 [DVD(邦画)] 5点(2015-04-25 19:59:20) |
1004. こわい童謡 裏の章
《ネタバレ》 予定通り「表」の謎は解いているが、真犯人に関していえば映像的にほとんど説明済だったため意外感は全くない。一方「表」では主人公の母親が死んだ理由も示唆されているように見えたが今回は説明がなく、これは観客向けの謎解き要素として残したということなのか、あるいは単に当方の思い違いだったのか。 今回の特徴点は、「表」で心霊現象としか思われなかった事件の謎を音響のプロが合理的観点から解明していく形になっていることである。映像面でのホラー風味は維持しながらも、謎解きの面では“この世に科学で解明できないものはない”というかのような勢いが感じられたが、しかしその説明が面倒臭くて無理やり感があり、また主人公の口調が一本調子なこともあってあまり感心できるものにはなっていない。 ただし、ラストで一つだけ合理的な説明のできない問題を残して終わっていたのは実は期待通りだった。自分としては昔の特撮番組「怪奇大作戦」(1968)を思い出したが、原作・脚本・監督の人物は1967年生まれのようで、これと直接の関係があるかどうかはわからない。 なお今回の主演女優は個人的に好きなわけでもないが、この映画では普通に清楚な正統派美女に見えるので印象は悪くなかった。 [DVD(邦画)] 5点(2015-04-25 19:59:11) |
1005. こわい童謡 表の章
《ネタバレ》 童謡を扱っていること自体は特に目新しいものではない。学者に監修してもらっているのはいいことだが、劇中に出ていた説明がどこまで本当なのか見る側としてはわからない。舞台は今どきお嬢様学校とのことで、これは外見と内情(表と裏)のギャップを表現しようとしたようにも取れるが、ただし全寮制というのはどちらかというと生徒が夜間の学校に出入りするのを不自然でなくするための設定かと思われる。 ストーリーに関しては、初めから「裏の章」で謎を解くという構成のため細かいところはわからないにしても、まあ大体のことは想像できる。この「表の章」で不明なまま残るのは主に何でこの学校にこういう事件が起きるのかということだろうが、普通一般のホラー映画のわけわからなさに比べれば特に支障はない。単純なホラーとして見るならここで終わりにしても問題ないだろうが、裏もあるというなら一応見なければと思ったので総合評価は保留しておく。 なお主人公が可愛いのは大変結構なことだった。これだけは間違いなくこの映画の見どころである。 [DVD(邦画)] 4点(2015-04-25 19:58:49) |
1006. 四十九日のレシピ
《ネタバレ》 主演女優はいつまでたってもきれいで可愛らしい。子役には申し訳ないが大人状態の方がずっと愛らしく見えており、劇中の人物像としても聡明で健気なのが愛おしく感じられる。また出番は多くないが、独身時代の義母(演・荻野友里)も何気にいい感じで泣かせる顔をしてみせている。それから何といっても泣かせるのがレシピのビジュアルで、素朴でユーモラスな図柄や文字は見ているだけで泣けて来る。 ところで、これを見てから原作を読んで確認したが、劇中で心を動かす要素の多くは当然ながら原作由来であり、一方で映画化の際の問題点が目につく。 まず映画では主人公の伯母が、これはもう早々に世を去ってもらうよう願うしかない、という類の人物に見えていたが、それが終盤で突然“ほんとはいい人”に大変身する展開には呆れ果ててしまった。原作ではそれほど変に思われないので、これは映画の方の演出や、細かな人物描写の省略が原因と想像する(入水を止めただけでは説得力なし)。加えてハワイアンも意味不明のため、この場面が続けば続くほど違和感が拡大して、映画全体の価値が低落していく結果になっていた。 また「テイクオフボード」の考え方自体は結構だが、こういうのはある程度の年月をかけて、現状の追認を含めて得心していく性質のものである。そのため映画のラストで、主人公がいきなり具体的な解決方法を導き出したように見えるのはかなり不自然だった。ストーリー中でもこれに向けた伏線を準備していたようだが、こういう安易な結末を導くためだったかと思うと落胆する。当事者の心情などお構いなく、手っ取り早く形だけ整えて決着を付けたようなのは反感さえ覚える。 そのほか現在の父親の人物造形に問題があり(結婚当時の方がまだ自然)、またローマ字の裏返しをこんな風に半端に扱うくらいなら全削除の方がまだましだ、といった不満が多数ある。いい原作を採用し、いい役者を揃えたようではあるが、いい映画とはいえない出来だったのは残念なことだった。 ちなみに原作は、感涙どころでない爆涙小説である。読む人の年代にもよるだろうが、自分としてはかなり手ひどくやられてしまった。 [DVD(邦画)] 4点(2015-04-10 21:53:14) |
1007. ショコラの見た世界
《ネタバレ》 携帯電話の存在をここまでポジティブに扱ったものは初めて見た気がしたが、外部情報によればそもそも当時の携帯の販促プロモーション用映像を使ったものらしい(CMに出ていたそうだがTVを見ないので知らない)。監督と主演女優の名前を見るとここに登録されていなかったのが不思議にも思われるが、当時としてはあまりまともな映画扱いされていなかったということか。 内容としては極めて非現実的であり、冒頭の砂丘の場面からしてこんな場所が一体どこにあるかと思う(アラビア半島の丘陵地帯を巨人が歩いているようだ)。主人公の自宅もかなり突飛な構造になっていて呆れるが、しかしここまでファンタジーに徹していると文句をつける気にもならず、逆に実在の犬吠埼の風景が本物であるのにファンタジックなのが不思議にも思われる。 また登場人物に関しては、全編を通じて幼い妹と姉のやり取りが微笑ましい。この妹とネコの組み合わせがまた極めて愛らしく、鏡の場面でのネコのリアクションはたまらない。7年後の妹も、少々くたびれたようでいながら以前の愛らしさを保っているようで好印象だった。こういう映画を愛でる感性は自分にはないが、妹役2人とネコに和まされる映画だったので悪い点にはしない。時間も短いので見やすい。 [DVD(邦画)] 5点(2015-04-10 21:53:09) |
1008. みづうみ
《ネタバレ》 オープニング部分から物語が動いているのはわかるが、キャスト、スタッフから何からクレジットを全部入れているので導入部だけで6分以上かかり、いつになったら本体が始まるのかと思っている間に見る気が半減する。映像的にも、宣伝用の透明感のある写真と劇中風景のイメージが全く違うのでいきなり落胆する。 本体部分も突然奇声を発するタイプの演出が多いのでやかましく、また登場人物の誰にも共感できないので見るのがつらい。特に強盗殺人犯に関しては、金を取れば済むはずがわざわざ人に向けて発砲したというのは同情の余地がないわけだが、それでも相手が死んだと知るや人並みに悔いてみせるのが白々しい。さんざん不快感を盛り上げておいてから哀れっぽい老人など出しても全く心が動かず、かえって面倒くさいからみな勝手に死んでしまえという気分だけが盛り上がる。ラストはおおむね予想通りの展開で、ここに至る登場人物の心理は理屈で理解できないことはないが、心情的に納得できるかというとそうでもない。 そういうことで、中身があるのはわかるが共感がついて来ないところが難点の映画だった。 なおかろうじて褒めたいのは子役が非常に達者な感じだったことである。また強盗殺人犯役は死んでもらいたい女が似合う女優かも知れないと思ったが、これは別に褒めていない。 [DVD(邦画)] 4点(2015-04-10 21:53:06) |
1009. ヴィタール
《ネタバレ》 知り合いにDVDを貸されたので一応真面目に見た。お勧めというだけあって好きな人は好きかも知れないが、自分としてはまあ普通というところである。 その知り合いは、一生の最高の瞬間が「匂い」とともに思い出される、というところに感動したのだろうと勝手に想像していたらそれは当方の思い込みで、実際は映像の色彩感が好きだとのことだった(彩度の高い部分ではなく、灰色だか何だかわからない微妙な色がいい、というような話だったが理解不能)。自分としては相手役の女優2人が、演技のキャリアにかかわらず映像的に好印象なのが評価ポイントである。 ところで自分としては当初、解剖を通じて呼び覚まされた記憶や感情はどうせ主人公本人のものだろうと思っていたのだが、最後は死者との交感のようになっていた(生きろ、と言われていた)のは、いわば物的な人体に“魂”までが内在しているという感覚だろうか。だとすれば本当の別れが斎場になるのも自然なことと思われる。 主人公が最後に「医者の勉強は続けたい」と言っていたらしいのは一体何を研究したいのか怪しいもので、そのうちその辺の人間を無差別に解剖し始めるなどということになると別ジャンルの映画になってしまうわけだが、あるいはこれが医学上の大発見(心理学との統一理論など)につながる研究ということなのかも知れない。 なお劇中では解剖中の学生がオイデオイデをやっていたが、こういう場合の定番である「壁に耳あり」をやらなかったのは意外だった。 [DVD(邦画)] 5点(2015-04-05 00:22:19) |
1010. 心霊写真部 弐限目<OV>
《ネタバレ》 とにかく主人公がかわいすぎる。しーちゃんかわいいかわいいかわいいかわいいで頭が一杯になって冷静に見ていられない。基本的には女優がかわいいわけだが、劇中人物としても、休日に同級生男子と池袋に出かけたのをデートだろうと先輩にからかわれて「違うのに!」と反論するのがかわいい。 またストーリーとしては前作と同様、心霊関係の世界でありがちな話を解説付きで取り上げているので堅実ともいえる。この弐限目では5話と6話が少しシビアな感じで、うち5話の竹中美歩役は熱演ごくろうさまだった。また6話の桂川ナオ役も、完璧美少女でもないが実年齢より大人びた感じで、役どころとの関係でもかなりいい雰囲気を出している。 このあとに予定されていた参限目と四限目は制作されず、結局この弐限目で中断した形になっているが、ここまでの範囲でいえば、かわいい主人公が出る一話完結の楽しいシリーズであり、毎度の心霊ネタやゲスト女優も見どころになっている。それだけならわざわざ映画にする意味がないということになるだろうが、個人的にはこれで満足である。 なお現在、幻の参限目と四限目で想定していた内容を含む新作がすでに完成しており、まもなく公開されるとのことで期待したいところだが、主演女優が別人なのはやはり残念なことである。結構な年数が経っているため高校生役はさすがに無理なのはわかるが、しーちゃんが出なければ個人的には価値が半減するわけで、この面でも旧作に負けないものになっていればいいがと思っている。 [DVD(邦画)] 6点(2015-03-31 00:23:57) |
1011. 心霊写真部 壱限目<OV>
《ネタバレ》 別のDVDでたまたまこれの予告編を見たところ、主人公があまりに可愛いので本編も見ないわけにはいかなくなった。こんなに可愛いのは反則というしかなく、ニコ生ホラー投票1位とかいうのもほとんどこの人のおかげだろうという気がする。高校入学直後という劇中の設定年齢と、女優の実年齢には実はかなりの差があるが、とにかく可愛いので無問題である。ちなみにこの女優が本当に高校生の年齢だった頃の姿は「幸福のスイッチ」(2006)で見られる。 それで内容としては、ホラーとして見ればそれほどユニークでもなく、アイデア自体はどこかで見たような話も多いが、しかし現実に心霊関係で語られがちな事象を取り上げているのでわざとらしいところはあまりない。特に第1話など、一つのエピソードに複数の原因が関連づけられているのはストーリーとして整理されていない印象もあるが、実際にこういう場所では類が友を呼んで様々なモノが共鳴するといったような、いわば常識を踏まえたものとして見ればかえって真実味が感じられる。ホラーというより心霊現象好きとか、実話系怪談のファンが好む内容かも知れない。 また主人公の圧倒的な可愛さもあってエンターテインメントとしても悪くない。主人公がおののく顔がたまらなく可愛らしいが、ほかにもこの壱限目ではカラオケとかプリクラといったものが出るので女子中高生が多く賑やかで、うち特に第3話の瑞希役は熱演ごくろうさまだった。またどうでもいいことだが、第1話の題名で肝試しをひらがなで「きもだめし」と書いていたのが低年齢向けのようで微笑ましく、全般的に結構いい印象を残すお話だった。 なお、こんなC級ホラーでも書こうとしたらあらかじめちゃんと作品登録されていたのはありがたいことだった。常に周囲の皆様への感謝を忘れずに生きていかなければならないという教訓である。 [DVD(邦画)] 6点(2015-03-31 00:23:46) |
1012. 幸福のスイッチ
《ネタバレ》 自己実現のために仕事をして、それで金をもらって当然と思うのは人間社会の道理に反している。芸術家なら結果責任を甘受する前提で勝手に何をやっても構わないが、イラストレーターというならその言葉自体にクライアントの意向重視ということが含まれているはずである。業務上の自由な発想が奨励されるとしても、それはあくまで本来の業務目的や組織目的に沿った効果を挙げるためであって、自由な発想の権利自体が保証されているわけでは全くない。劇中で、これに関する勘違いを若いうちに正したのは大変結構なことだった。 これからの時代、劇中の電器店の商法で個人営業が続けられる保証もないわけだが、しかし顧客第一ということ自体は永遠の真理だろうし、そのエッセンスの部分が次代に伝えられたのはよかったかと思われる。 また登場人物に関しては、主人公が当初ガチガチに固めていた攻撃的姿勢が後半に至ると崩壊してしまい、それまでは完璧に可愛くなかったのが可笑しく見えるようにもなる。一方でその妹もただ可愛いばかりではなく、ドライだったり強硬派になったりするのが見えて来て相対関係も崩れていく。その中で母親似の姉だけは、安定的に母性を発揮しながら妹2人を見守る立場ということか。 劇中の浮気事件の結末を見ていると、疑惑の相手とこの姉が暗黙の連携でうまく言いくるめたようでもあるが、しかしこれはこれでオトナの納得のしどころというのも間違いないことである。実際に姉は笑って完全に疑念を解いていたし、また主人公と妹も、最終的にはこれに同調したことで人格レベルを一段上げたと思われる。さらに、主人公の父親に対するわだかまりの根本原因がこれで解消されたのだろうと想像され、最後は穏やかに家族関係が再編されたらしいのは幸いなことだった。 そのほか全般的に、劇中の事物の取扱いが細やかでユーモラスな映画になっている。手紙の文面や電気を止められた時の顔など見ていると、妹の個性がより深く感じられて面白い。また友人の息子の動きとか、ラストで来店した子どもの表情とかも可笑しく、農家の親爺がくしゃみのあとに悪態をついただけのことでも笑ってしまう。モチがかわいいというのは男の感性ではない気がするが、何が言いたいかは映像的にちゃんと表現されている。 これに加えて、何気ない小さな音が人の心を豊かにするというのも少し心に染みる話だった。 [DVD(邦画)] 8点(2015-03-31 00:23:36) |
1013. 地球防衛ガールズ P9
《ネタバレ》 旧作の「地球防衛少女イコちゃん」より隊員数が増えていて豪華だが、人数が多いため全員の顔を憶えられないのは現代アイドルの実態そのままである。昭和的な清楚さといったことは全く重視されておらず、年齢差も大きいため「少女」というより「ガールズ」というしかない雰囲気になっていた。 そのせいもあって、旧作における美少女の“お願いパワー”などという発想も通用しそうにない。そのため劇中では昔の隊員を引っ張り出してきて“みんなで祈れば願いはかなう”というような昭和的な知恵を授けていたようだが、最後には敵が滅びるわけでもなく潜伏しただけであり、その効果のほどは不明だったというしかない。 今作で最大の危機をもたらしたのは内部崩壊を狙った工作であり、これは昭和特撮の古典的な戦争観からの脱却のように見える。また侵略者だか何だかよくわからない連中が市中に出没するようになっており、もはや単純な敵味方の観念が通用しない時代の反映のようでもある。しかし抑止力としての武装が重要性を失っていないのも国際社会の実態であり、劇中でも実力を保持したまま戦わないで済む防衛軍が復活していたのは幸いだった。 ところで今作で北朝子を名乗っていた人物は、最後に月に帰るのかと思ったら災害に苦しむ人々のもとへ赴くとのことだった。この映画の撮影は2011年の夏だろうと思うが、劇中発言にあった内部崩壊も“宇宙人”も当時の時事ネタと考えれば、この人物が人間(日本)など見放したように言っていたその感覚を同時期の自分もまた共有していたことを思い出す。そうしてみるとこの人物の最後の言葉には、意外に真面目に震災後の日本を元気にしようという意図が込められていたのかも知れない。 以上のように、さまざまな面で21世紀進化型ver.にふさわしい映画になっているといえなくもない。実際どこまで真面目に考えて作ったのかは不明だが、一定の解釈のようなものが可能であるからには、必ずしも純粋なバカ映画として制作されたわけでもないようである。 なお劇中で特に印象的だったのは「ハセトンって何?」であり、ここで壁のサインに通電しているからには広告の意志があるはずなのに意味不明、という不条理さがこの場の異界感を際立たせていた。また「バナナはお菓子じゃないのよ」という台詞には、大昔に忘れ去ったはずのものを突然指摘されて虚を衝かれたような心理的衝撃があった。 [DVD(邦画)] 5点(2015-03-28 20:51:13) |
1014. 地球防衛少女イコちゃん 大江戸大作戦<OV>
《ネタバレ》 前回から1年以上経っており、主人公は少し頼もしくなったように見えなくもない。前回の三人娘体制はあっけなく解消されたようだが、今回ゲスト出演で妹分の「おいこちゃん」(演・吉野里亜)が江戸っ娘らしく可愛いので問題はない。 特撮物としても少しずつ進歩しているらしく、主力戦闘機の発進シークエンスも整えられたように見える。補助ロケットを装備して宇宙に出るのは「ウルトラマン」のジェットビートルのようだが、ただし放射線マークを付けた原子力ロケット?を大気中で飛ばすのはまずいだろうと思われる。 ところで前回では美少女特撮の体制が出来上がったように見えていたが、今回は3作目にしていきなり番外編的になっている。かつての矢追純一氏のTV番組で平賀源内とUFOの関係が扱われていたかどうかよく覚えていないが、とにかく特撮モノの中に時代劇とUFOネタが融合していて統一性が感じられず、また昭和特撮から当時に至るまでの小ネタが詰まっているのも無秩序感を増大させており、特撮物の亜種というよりバカ映画としての印象が強くなっている。 今回は中山昭二氏の怪演が見られるが、ほかにわざわざ出てもらった土屋嘉男氏の存在感が半端だったのは残念なことで、せっかくなので役名のミズノにちなんだネタも出せなかったかという気がする(旗のマジックに続いて、本人も煙になって消えるなど)。その代わり伴直弥(伴大介)氏が、初対面の主人公の美少女ぶりに全く動じることなく平然とチーズおかきを差し出すのは非常によかった。今回は微妙に東映特撮風になっているところがあるのはこの人のせいか。 以上、こういうわけのわからない状態で「イコちゃん」シリーズの本編は終了してしまったことになるが、今回ラストの新曲「イコちゃんマーチ」がなかなかよかったので後味は悪くない。この曲は出だしが「ウルトラ六兄弟」を思わせるメロディながら、「キャプテンウルトラ」(1967年放映)の「宇宙マーチ」を思わせる歌詞(「ネコよりカワイイ タコよりオチャメ」)と威勢の良さを兼ね備えた曲だったのが少し嬉しい。 [DVD(邦画)] 3点(2015-03-28 20:51:09) |
1015. 地球防衛少女イコちゃん2 -ルンナの秘密-<OV>
《ネタバレ》 前作よりも若干映画らしくなった気がする。特撮は一応頑張っており、一応の怪獣モノらしく地上・地底・海中の怪獣が出て、それぞれに対応した防衛隊の超兵器が活躍するので少し見ごたえがある(地底戦車がユニーク)。 主人公はいきなり二代目になっており、初代に比べると少し素朴であどけない感じを出している。蝉の声がする中を(夏休み中?)涼しげな服装で現われて、基地内を軽やかに走り回っていたのが可愛らしい。敵の攻撃で素っ裸にされてしまう場面もあったが、一瞬映った全身像を見るとパンツだけは着けている。この場面と、それに続いてヒーローが見せたフォロー行動には正直笑った。 また今回は主人公以外にライバル美少女(演・田山真美子)が登場し、さらに終盤ではウルトラ兄弟よろしく助けに来た初代も入って三人娘状態になっている。前作がとりあえず作ってみた的な雰囲気だったのと比べると、より本格的に美少女特撮の形式を整えたように見えるが、そのせいで本来は職場の花だったはずの女性隊員(演・松崎ユカ)が割を食わされているのは気の毒だ(前作も同じだが)。 それにしても、終わってみれば二代目は失敗ばかりで全く活躍しておらず、いいところは全部ライバルに取られてしまって、これで「二代目襲名よろしくね」もないものだと思う。しかしラストで三人娘が揃って踊る「イコちゃん音頭」(3番のみルンナ音頭)の場面を見ていると、全員の歌唱力のなさが微笑ましいので最終的には全部まとめて許してしまう感じである。初代イコちゃんは少しふっくらしたようだが、それはそれで可愛らしい。 なお見ていて気づいたのは、主人公が夜空の下でギターを抱えて歌うのが岸本加世子の「北風よ」(1977)のようだったことで(その頃は岸本加世子も可愛かった)、この場面はほかに加山雄三的な感じと「時をかける少女」(1983)的な感じと伊藤つかさ的な感じ(主に声質)も含まれていて複合的な印象がある。ここで歌われる「イコのバラード」は少し心に染みるものがあった。 [DVD(邦画)] 4点(2015-03-28 20:51:04) |
1016. 地球防衛少女イコちゃん<OV>
《ネタバレ》 もしかすると当時は怪獣特撮の亜種として扱われていたかも知れないが、いま見ると美少女愛を表現することの方が主目的に見える。恥ずかしげもなく少女嗜好を丸出しにするのは80年代初期からあった気がするが、特撮でそれをやったのは初めてだったということか。いわゆるスクール水着で登場するとか、緊縛されて悶える表情とかもあるが良識人が眉をひそめるというほどでもなく、まあ笑って済まされる程度に収まっている。 そういう観点からすれば特撮などどうでもいいとはいえるが、それにしてはちゃんとミニチュアセットを作って火をつけてみたり、成田亨氏監修の着ぐるみ怪獣を出したりするのは意外にまともな感じがする。また人形劇の部分は一定の出来になっており、これは特撮というより「プリンプリン物語」(NHK、1979~1982放映)などからの連続性を感じる。 そのほか、唐突に演歌のカラオケ場面が挿入されたりするのはバカ映画としての先駆けであり、また敵の最終兵器が有線で電力供給されていたのも後のアイデアを先取りしていた感がある(これは違うか)。 ところで主人公が可愛らしいのは認めるが、極めて昭和的な純真?美少女のため一定の抵抗感があり、主題歌の「わたしのハートはルンルンよ」とかいう歌詞にも失笑させられる。それでも役者はこれ以前から子役として実績のあった人らしく、ちゃんと期待されたとおりのカワイイコを演じており、特にエンディングテーマの部分などはあまりにかわいいので笑ってしまう。それをいえば友人のアサミ役(演・山崎あかね)も別種のかわいさがあるが、後半は出ないので存在感が低下してしまうのが残念である。そのほか防衛隊に初めからいた女性隊員(演・菅原弓子)は地味に扱われて気の毒だか、個人的にはこの人が最も昭和らしい感じを出していて好印象だった。 それにしても中山昭二氏ほどの人をよくこんなものに出したと呆れるが、個人的にはこれで往年のキリヤマ隊長への尊敬の念が失われるわけではないので別に構わない。 なお点数は低目にしておくが、あまり高い点を付けると他の映画に失礼だからということであって、個人的にこういうものが嫌いというわけではない。 [DVD(邦画)] 3点(2015-03-28 20:50:51) |
1017. 人狼ゲーム
《ネタバレ》 [2017-10-29再視聴による改訂] 現時点で6作まで続いているシリーズの第1作である。改めて見ると特徴が見える気もする。 そもそもこういうゲームを小説化なり映画化して本物の人間が死ぬ物語を作ったからには、良識人が眉を顰めるタイプの創作物になっているのは間違いない。台詞にあった「アリとクモを戦わせて遊んでる」ガキ向けのような企画だが、しかしそういう枠組みを逆用して、見事にヒューマニスティックなドラマを作ったのは大人の仕事である。 主人公は最初の事件のせいもあって現実に適応できないままで経過するが、後半に入って親友の幻影を見たことでやっと覚悟が決まったらしい。このこと自体は前進ではあるが、ただ本人の話を聞くと理屈先行で少し行き過ぎたところがあったようで、そこを補正して妥当な見解に落ち着かせたのが新しい友人(恋人)の男だったように見える。これまでずっと主人公を助けてくれていたという親友の役割を、この男が引き継いだというのは台詞にもあったとおりである。 誰も殺さない+自分も死にたくない、というのが許されない状況で、自己保全のための利己主義が正当化されるのは当然だろうが、しかし自分のことしか考えないのが当然ということにもならない。この物語では、利己主義を超えたところにある人間の情(姉妹愛と恋愛感情?)が計2人を生き延びさせたのであり、逆にこの2人が死者の思いを背負う形で、これから生き抜いていく務めを課せられたのだと思われる。男が最後に人としての矜持を見せたのもよかった。 ちなみに映画を見ていて主人公を腹立たしく思った観客も、本当にこの状況になれば主人公と同じになる可能性があり、それは劇中出ていた戦争の話のとおりと思われる。そういうレベルから初めることで、普通人がこの手の話に感じる心理的抵抗に一定の整理をつけたことにより、以降の続編を見るための基盤が整備されたという意義づけもできなくはない。まあ純粋にこのゲームの愛好者とか、単純に人殺しの映画を好む向きには満足できないだろうが。 なおこのシリーズは現在も若手役者の熱演で知られているが、この第1作では後に残る役ほど感情の爆発を強いられる構造だったようである。井上姉妹のこのみちゃんが主人公を殴り返す場面は毎度少し驚く。 また藤木毅役の入江甚儀という役者は、自分としては最初にこの映画で見たのが原因で今も悪人イメージが残っているが(この男が「ヤクザ」扱いされていたのは笑った)、しかし改めて見たところ、粗暴なように見えてちゃんと思慮もあり人情もあることがわかってこの人物を見直した。後のシリーズに出る一部の連中よりよほどまともである。 ほか細かいことだが誕生日という趣向は悪くない(少し切ない)。月を映して人物を見せないのは奥ゆかしい。 [DVD(邦画)] 8点(2015-02-16 23:23:24) |
1018. とある飛空士への追憶
《ネタバレ》 全体として何が表現したいかは理解可能であり、雰囲気も大体伝わるので悪い話ではないとは思うが、残念ながら見る方の気持ちがついて行かない。特に初見時に問題と思ったのは、当初は控え目に見えたヒロインが途中で豹変してツンデレ化することであり、これはいかにも美少女アニメ的な悪ふざけとしか思われない。またクライマックスもほとんど気分が高揚せず不完全燃焼に終わった感があり、ここに至るまでの盛り上げに何らかの問題があったのだろうという気がした。 その後に一応原作を読むと、基本的な構造を損なわずに短縮しているのはわかったが、やはり細かい人物描写や台詞に出ない言葉を省略したことに無理があったと思われる。特にヒロインの人物像に関しては、原作の少し複雑な設定は完全放棄して単純化し、例えば当初のおとなしい人物のまま次第に思いを募らせていき、ラストに至って初めて感情を爆発させるとかの方が、短い映画の枠内に素直に収まった気がする。 また終盤で、主人公が愛機の心を思いやる(または、自分の思いを愛機に仮託する)箇所が省略されていたのは残念だった。アニメで表現するのは難しいだろうが、これがあってこそ主人公が最後にわざわざ飛んで来て「踊ってる」理由も明らかになるというものである。ついでに軍艦の機銃員が思わず撃墜したくなりそうな危ない動きも避けてもらいたかった。 ところで声の出演に関しては、特に最初の方で主人公の声が生硬に思われるところがあったが、後半はまあ慣れた。ヒロイン役に関しても、そもそも人格設定に一貫性のないキャラクターの役をそれなりにこなしていた印象がある。 そのほか、ヒロインの姿は原作の挿絵よりは抵抗感がないので結構である。また海空の映像もそれなりに印象的だが、まあこれがなければこの原作を映画化する意味そのものがなかっただろうとは思う。全体として佳作ともいえないが駄作という感じのものでもなく、暖かい目で見ればそれなりの感慨を残す映画ではあったので、原作に免じてここは少し甘い点を付けておく。 [DVD(邦画)] 6点(2015-02-16 23:23:15) |
1019. 携帯彼女<OV>
《ネタバレ》 [2016-10-09更新] 携帯サイト「魔法のiらんど」で公開されたケータイ小説を原作とした映画で、同じく映画化された「携帯彼氏」(2009)の続編に相当する。少し間が空いているが前作で予告された正規の続編であり、劇中で再現映像も使われている。 内容的には前作よりも陰気な印象になっており、また後半に入ってからの物語がちょっと詰め込み過ぎのように感じられる。悪の根源が誰かに関して二転三転していたようだが、通り一遍の説明があっただけで心に刺さるものがなく、また見ている側の感情面がついて行かないまま転々とするのでかえって意外感がない。衝撃のはずのラストも何となく聞き流してしまう程度のものにしかなっていないが、これはナレーションのせいもあるだろう。 また前半は主人公が当然メインだが、後半に入ると主人公がラストのオチ以外はストーリーと密接な関係がなく、この人以外の人間関係が濃密すぎることもあって、そもそも不要な人物だったのではないかという印象が拭えない。アイドルの出演が前提の企画だったのだろうが、残念ながら半端な感じに終わっていた。 ちなみに興味本位で原作も読んだところ(上記サイトで無料で読める)、映画と同様に真相が転々としていたが詰め込み過ぎの印象はなく、また何より主人公男女の存在感がしっかりしているので(当然だが)安心して読んでいられる内容だった。原作のラストがけっこう感動的なのに対して映画の方は、原作のあとがきの言葉を借りれば「救いのないつまらない作品」になったように感じる。 なお映画の主演のアイドルは、世間的には有名かも知れないが自分としては知らない人であり、かえって邪悪なエリカ役で出ていた女優の方が別の映画で見て印象に残っていた。ほか若手の役者が相対的にしっかりした感じに見える映画であって、邪悪なエリカの兄役(馬場徹)が一途な若者という感じで格好よかった。 [DVD(邦画)] 2点(2015-02-16 23:23:10) |
1020. ゆめのかよいじ
《ネタバレ》 盛り込み過ぎてそれぞれが半端になった感じの映画である。“忘れてほしくない”“残されるのはもういや”という思いはわかる(台詞に出ているため)が、心情的に迫って来るものがあまりない。またその“忘れてほしくない”と連動する形で、街の古いものが失われていくのを悲しむ思いが込められていたようにも見えたが、それと地震の関係もよくわからない。街全体が壊滅したならともかく、単に校舎が失われるだけなら火災で十分だったと思われる。 またご当地映画であること自体は構わないが、実在の街に人魂だの座敷童子だのが普通に存在しているのは遠野物語になったようでやり過ぎである。それより自分としては、地震当時(2004?)にはまだ「栃尾市」であったはずのものがその後の合併で自治体としては消滅してしまい、劇中でも「栃尾」だけで「市」の言葉が出て来ないということの方に微妙に悲哀を感じる。 ところでこの映画の撮影は2010年とのことで、東日本大震災(2011)の影響もあって公開は2013年まで延びたということらしい。主演の石橋杏奈は撮影時点で18歳くらいだったようだが、高校生にしては大人っぽく色気あり過ぎなのが目についてしまって仕方ない。特に個人的には、それまで微笑んでいたのが突然不安な表情に変わる不安定さが愛しく感じられる。またラストの「お構いなく」の場面では、大好きなのに近づかせてくれなかった相手との距離感が確実に縮まっていて、次のステージが見えて来たのが観客としても嬉しいわけだが、そういう印象を持たせる上でもこの人の持つ雰囲気が非常に効果的だった。 一方で相手役の竹富聖花という人は申し分ない美少女ではあるが、この時まだ15歳で事務所のオーディションに受かったのと同年ということらしく、演技の面で心許ないのは突っ込まないようにしなければならない(少し呆れたが)。ほか主人公の友人役の日置かや(当時・浅野かや)もいい感じだった。 ちなみに同級生のカメラ小僧役で出ていた男は、「制服サバイガールⅡ」(2008)への出演によって強い(最悪の)印象を残しているが、この映画はその2年後の状態であり、まあそれほどの違和感もなく役をこなしていた。この映画では微妙にトボけた感じのある役だが、さらにこの2年後の「仮面ライダーウィザード」(2012)では、文句のつけようのない格好いい主人公を演じていたに違いないと想像する(見てないので不明)。 [DVD(邦画)] 5点(2015-02-16 23:23:06) |