1041. おくりびと
《ネタバレ》 アカデミー賞なんてプロレスのチャンピオンベルトと同じです。 何の価値もありません。 近年アカデミー受賞作を知ってる人なんて、どれくらいいるのでしょうか? でもそれとは関係なく本作は素晴らしいです。 セリフと演出で納棺師の仕事を魅力的に描き、モックンが成長していく過程は感動的です。 モッくんのフンドシ姿、「シコふんじゃった」の頃と全く変わってませんね。日本を代表する役者です。 峰岸徹さんは死体役で終わっちゃうのかなと思ったのですが、あの一瞬のフラッシュバックで最高の存在に変貌します。あの瞳を開いた表情には胸が締め付けられました。 本作は最高の役者が揃いました。 広末涼子の評判が悪すぎますが、メディアが作り上げたイメージが先行してしまっているのが原因だと思います。芸能人に疎い私でさえ違和感を覚えました。この悪評を覆すには、あと10年はかかるでしょうね。 本作がアメリカで評価されても、日本映画自体は相変わらずレベル低いです。きっと近いうち、似たような葬式映画やドラマが沢山作られていくと思いますよ! [DVD(邦画)] 8点(2009-04-15 13:13:19) |
1042. 蛇にピアス
《ネタバレ》 数年前に原作読んだときはそれほど面白くなかったけど、公開時の評判のよさにつられて鑑賞。 冒頭、主役のルイとアマのダイコン演技に、かなりコケた。そんなダイコン役者でもセックスと喧嘩だけはリアルに出来るから不思議である。 それに映画でセックスすると決まって「体当たり演技」とか言われるけど、それならAV女優は毎回「体当たり演技」だろうってツッコミ入れたくなる。 演技が下手でもセリフとテンポのよさに前半は惹きつけられたが、アマがいなくなった途端、ルイが哲学者みたいな理屈をペラペラ喋り出し、ラスト30分はもうグダグダ……。 鏡の前で舌ベロに糸入れたところでエンディングロールのほうがスッキリしただろうに……。 蜷川監督の映画、結構好きなんだけど、本作は私の嫌いな「演劇カラー」が露呈してしまったのが残念。 それと友情出演はいい加減やめてほしい。映画の価値が下がる! [DVD(邦画)] 5点(2009-04-15 12:46:37)(良:1票) |
1043. ぐるりのこと。
ストレスが溜まりすぎて体がボロボロになりました。とにかく長い……ダラダラと長い……本当に長い……いつ終わるんだろう……このシーン、何の意味があるんだろう……早く終わらないかな……こんなに長く感じた映画もめったにありません。1時間40分くらいに編集してくれれば7点くらいになってたかもしれませんが、観終わって鬱病をうつされたような気分です。……しかし本当に長い……(溜息) [DVD(邦画)] 3点(2009-04-15 12:16:20)(笑:1票) |
1044. レッドクリフ Part I
《ネタバレ》 タイトルどおり、「赤壁の戦い」だけを描いた話なんですね。 それ以前のエピソードはほとんどなし。 だからこそ三国志を読んでいなければキャラクターに感情移入できないと思います。 曹操が登場する度に何度も名前のテロップが出たのは失笑してしまいました。 皆同じような顔だから、誰が誰だかわからなくなってしまいます。 個人的にはすごく面白かったけど、この映画は「三国志」を読んだ人のために作られた「おまけ映像」のようなものです。 「あそこのページは映像化するとこうなるんですよ」と言われてる感じ。読んだ人であれば誰も文句は言わないでしょう。そのまんま作っただけですから。 でも、周瑜ってこんなに格好よかったっけ? おまけと言えば、テレビ放送の本篇の後に流れた「パート2の映像の一部」。あそこまで見せちゃったら、観客動員が減ると思うのですが…。 [地上波(吹替)] 7点(2009-04-13 01:36:56)(良:2票) |
1045. マイ・ボディガード(1980)
この映画を観た人のほとんどが「水曜ロードショー」と言っているように思いますが、私もその内の一人です。 ビデオが普及されていなかったあの時代はテレビというものが大きな役割を担っていたように思います。 情報量が飽和状態の今の時代なら、こうしたシンプルな映画には巡り合えなかったかもしれません。 時代とともに色褪せていく映画が沢山ある中で、今回久しぶりに観た本作は、あの時と同じ感動を与えてくれました。 シンプルな展開の中に散りばめられたセリフのやりとりが、たまらなく素敵です。 少ない登場人物がそれぞれの役割をちゃんと果たしていて、無駄なシーンが全くありません。 その中でもマット・ディロンは功績は大きい。私の周りにいる、ほとんどの人が、この作品を「ああ、マット・ディロンのデビュー作ね」というのが興味深いところです。(実際はデビュー作じゃないのに…) [レーザーディスク(字幕)] 9点(2009-03-21 17:14:11) |
1046. フランケンシュタイン(1994)
《ネタバレ》 材料もシェフも一流なのにレシピを間違えたって感じ。 矛盾した点が多すぎて正直ついていけません。シナリオがただストーリーを都合よく追いかけているだけなので、ヴィクターとエリザベスの愛が全く伝わってきません。 怪物を蘇生した途端、この実験は間違いだったと思う心境も「え、なんで?」って疑問符を打ちました。それでも道具だけは捨てずに持っていたという段取りのよさ。 復讐を誓った怪物も散々子供まで殺しておいて、最後は「父だった」と……。一番可哀そうなのは訳もわからずに殺されていった身内ではないでしょうか。 期待していただけにガッカリです。 原作に忠実だからというのは言い訳になりません。私が観たものは「原作」ではなく「映画」なんですから。 それから蘇生シーンを観たとき、スピルバーグか何かの映画で、目覚まし時計と共に目玉焼きやトーストが焼けるシーンを思い出したのは私だけでしょうか?そこだけは可笑しかったです。 [レーザーディスク(字幕)] 4点(2009-03-21 04:18:15) |
1047. ハムレット(1990)
公開当時とても面白かった記憶があったのですが、未だにDVD化されていないことがわかって余計観たくなってしまいました。 ようやくレーザーディスクを手に入れて約20年ぶりに鑑賞……ウン、やはり面白いぞ! ウン!!! とりあえず内容に関しては映画そのものをはみ出してしまいそうなので省略。 この映画は、メル・ギブソン=マッドマックス・リーサル・ウェポン、ハムレット=ローレンス・オリビエという狭間に置かれてしまっているので、その先入観が抜けないと偏見が生まれてくると思います。 私にはそういった先入観が全くないので十分満足して鑑賞することができました。 何しろ字幕スーパーが「よくこれだけ省略出来たな……」と思わせるほど簡潔! ある意味、字幕作った人の勝利ってことかな? 私の文章をここまで読んでくれた人にはお勧めしますが、今もDVD化されてないなら、内心はそっと秘密にしておきたい気分です(笑) [レーザーディスク(字幕)] 9点(2009-03-21 00:38:11) |
1048. テープ
よく噛んだけど味がしないから、どうしても飲み込めなった…そんな気分です。 [DVD(吹替)] 4点(2009-03-18 02:36:43) |
1049. メカゴジラの逆襲
《ネタバレ》 メカゴジラを倒すには連結してしまった博士の娘が死ななければならないのがミソ。 このドラマ部分が理解できないとつまらないと感じてしまうだろう。 苦戦するゴジラに対して、意外とアッサリ殺られてしまうメカゴジラと恐竜(キョーリュー)。 怪獣映画なんて数十年ぶりに観たから、ホント面白かった。 私にはCGなんかより、こうした特撮の方が合ってる。 観ていて気持ちいい。 それから作品情報を作った人、キャストに藍とも子さんを入れてやりなさいよ!主役なんだからさぁ。 [DVD(邦画)] 7点(2009-03-13 04:09:30) |
1050. 地獄に堕ちた勇者ども
《ネタバレ》 ママが何度も腕を上げ、湧き毛を強調しているのが気になってしょうがなかった。 感想は他のレビューと同じ。 未見の方は一応、同じ「卍」の腕章付けていても、突撃軍と陸軍ナチスは敵対関係にあることを知っておいた方が混乱しないかと思います。 それにしても40年前の映画かぁ…。あと10年で著作権がなくなるんですね。 [DVD(字幕)] 7点(2009-03-12 05:42:19) |
1051. スキャナーズ
《ネタバレ》 久しぶりの鑑賞だが、この時点でクローネンバーグスタイルはほぼ確立している。 会議中の会話の中での状況説明なのでイマイチわかりにくいが、そんなのお構いなしとばかりに強引に進んでいく展開は無駄がなくていい。 この監督の作品、ほとんど1時間40分くらいで終わるから疲れない。 でも…ネタ的にちょっと古いかな? 意味不明のシーンの連続、真相がわかるのはラスト10分。今回は途中で眠くなってしまった。 リアルタイムで観た人にとっての思い出の映画かもしれない。 それにしても効果音は抜きにして、見せ場のバトルは役者の演技力が問われるシーンだと思う。。 マイケル・アイアンサイドはこの頃から存在感が強い。主役の男女が誰だったか全く記憶に残らないほどだ。 [レーザーディスク(字幕)] 5点(2009-03-02 00:39:35) |
1052. シラノ・ド・ベルジュラック(1990)
これだけ高評価にも関わらず未だDVD化されない、これこそ「掘り出し物」の映画である。完成度はかなり高い。 この作品、女性はやはり現実主義、男性は真のロマンティストであることを証明しているようだ。 仮にテレビに出てくる「汚れ」のリアクション芸人が現実はロマンティストだったとして女性は見方を変えたりするだろうか。所詮女性という生き物は一番可愛いのは自分であり、次に恋愛対象の男性は間違いなく外見、もしくは経済状況で判断する。美しい詩を書くなんてのは、それが原因で有名にでもならない限り、ただの紙くずである。 都合の悪い男がいれば、自分の人生が上手くいかないのは全て男尊女卑が原因だと社会のせいにする。それでも歳を取れば条件も緩やかになり、最後は『男は健康ならそれでいい』というのだから始末に置けない。 手紙の主がシラノだと知って、ロクサーヌに同情できる女性は何人いるだろうか? 「シラノ・ド・ベルジュラック」は、まさに男性のために書かれた恋愛小説であり、無償の愛を与える喜びを描いた理想の物語である。 「シラノ」は「スーパーマン」「スパイダーマン」と形を変えて普遍的なテーマは変えずにこれから先も同じパターンで作られていくだろう。 主演のジェラール・ド・パルデューは安心して見ていられる。 彼が主演の「レ・ミゼラブル(8時間バージョン)」と共に是非本作もDVD化してもらいたいものだ。 [レーザーディスク(字幕)] 8点(2009-03-01 03:00:45)(良:1票) |
1053. 蜘蛛女のキス
《ネタバレ》 刑務所の独房の中で革命家の一員と同性愛者の心の結びつきがメインストーリーだが、字幕スーパーや解説で政治犯を「テロリスト」とし、同性愛者を「ホモ!」と訳すことで日本人の解釈はよくも悪くも偏見も加えて変わってくる。 二人の世界感は過去に観た映画の話を語り合う内にお互いが現実に抱えた課題に変化していき、主人公の同性愛者は出所後の生きる方向まで見出していく。 物語は同性愛者の視点から描かれているので、社会情勢や同僚の抱えた問題はあえて視点をぼやかしている。 それだけに彼が革命家の問題に巻き込まれた後にも同僚の物語の続きがあるのが、とても皮肉めいたものに思えてならない。なんだかホモの彼が可哀想過ぎる… 仮に独房で二人が語り合う内容が映画の話でなかったとしたらどうだろう? 例えばプロ野球や競馬の結果を「ああでもない、こうでもない」という話しだとしたら…。 映画を語り合いながら「愛」や「ロマン」を語り合うという行為は本当に素晴らしいとは思いませんか? この映画、日本でも頻繁に舞台化されたようだが少々気になることがある。 もしも映画のイメージシーンをなくして、二人だけの会話劇にしたらとても退屈なものになってしまうだろう。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2009-02-28 05:24:01)(良:1票) |
1054. ローリング・ストーンズ・イン・ギミー・シェルター
《ネタバレ》 一応、映画なんですね…ウン、確かにドキュメントである。 特に2008年に公開された「Shine a Light」しか観たことない人にとっては特別な衝撃を受けるに違いない。 ストーンズを護衛するヘルス・エンジェルス。間違っていたのは、そのエンジェルスを取り締まる人間がいなかったことである。 オルタモントに集まった人間は、あの時20歳だったと仮定して今年60歳になる。 1列目で涙を流しながら哀しげな表情でミックを見ていた少女。素っ裸でステージに上がろうとしていたオバサン…今どうしているのか? 消息がおわかりの方がいたら是非このサイトへ一報いただきたい。 シャウトするミックの前を素通りしていく犬の姿には笑えた。 この映画でジェファーソン・エアプレインに衝撃を受けた人も少なくないと思う。せめてあのテンションのまま完奏してもらいたかった。 [レーザーディスク(字幕)] 7点(2009-02-27 12:19:27) |
1055. コーラスライン
《ネタバレ》 世界チャンピオンとか業界のトップの夢を叶えるという話ではなく、ブロードウェイでもとりわけ下のレベルにあたるコーラスダンサーというビミョーな役割に命を賭けた人間たちの青春群像というのが胸を締め付けられる。 オーディションを受ける者たちの様々な人間模様が描かれている。プライドを捨て切れない者、否、捨ててでも踊り続けたい者、過去を隠したい者、年齢を気にする者、技術さえ備わっていればプライバシーが何の関係があるのかと問いただす者、そんな人間が演出家と交錯して一つのドラマが繰り広げられる。 採用される人間とされない人間の本質を観客の私たちでも途中から無意識に見抜けてしまうのも面白い。 私たちはこの映画を通して、過去がどうであれ、自分をさらけ出しながらドライに生きている人間に好感を持つのではないだろうか。 これから役者になろうとしている人たち、または仕事の面接を受けようとしている人たちにとっては教科書的な役割と捉えることもできる。 この普遍的な「人間の魅力とは何か?」を考えられなければ、この映画は「アタシ、別に踊り子になんか興味ないし~」で終わってしまうだろう。 この映画の見所は、人生の全てを賭け「コーラスダンサー」という小さな仕事を手に入れようと情熱の全てを捧げる「魂」がテーマであり、物語自体はオーディションの最終選考の結果発表の時点でエンドマークが打たれる。 最後のコーラスダンスはいかにブロードウェイが素晴らしいか!というアピールだろうが、次第に一人一人の顔が小さくなり、わからなくなっていくのがキュ~ンと締め付けられ、それがとても辛い。 それでも彼らは「コーラスダンサー」という仕事に命を賭けているのだ!!! 落ち込んだ時やテンションが上がらないときに見ると元気をもらえます。 他のレビューに書かれている、突っ込みどころ……とりあえず私は目を瞑っています。(笑) [DVD(字幕)] 10点(2009-02-27 00:42:01)(良:1票) |
1056. オセロ(1995)
最近「スルース」をきっかけにマイブームがケネス・ブラナーになり「ヘンリー五世」と続けて鑑賞したのですが、本作は私の性に合っていました。 「オセロ」「リチャード三世」のような、コンプレックス、嫉妬、妬み、裏切り、そして猜疑心を織り交ぜたドロドロしたものは私の人生経験と重なる部分が多く共感が持てます。 特にブラナー演じるイアーゴのような人物には私自身何人も出会っています。こういう裏切り者は本当に見分けるのが難しい。仕事では男の悪魔が多く、恋愛になるとやはり女の悪魔のほうが多い…これは勿論私の持論です。 シェイクスピアは劇場でも鑑賞経験がありますが俳優の実力が判断される場ではないでしょうか。裏を返せばシェイクスピアを演じられる俳優はどんな作品においても信用出来るのではということです。 本作はDVD化もなっていないようだし、これだけ優れた作品を簡単に鑑賞できないのは非常に残念なことです。 個人的に本作は、メル・ギブソン主演の「ハムレット」、アル・パチーノ主演の「ヴェニスの商人」と共に押さえておきたい3大シェイクスピアムーヴィーです。 [レーザーディスク(字幕)] 8点(2009-02-23 05:10:11) |
1057. 私のように美しい娘
《ネタバレ》 タイトル(邦題)とトリュフォーという監督の高評価に裏切られた気分です。 主人公の女性に全く魅力を感じません。どうみても娘には見えません。実際調べたら32、3歳らしいけどアラフォーにも見えます。でもいましたよね?一時期ワイドショーで騒がれていたアニータを思い出しました。 邦題を考えた人のセンスは買いますけど、実際は「私のように美しい女…と勘違いしているキチガイのおばさん」にしたほうがいいかもしれません。 このおばさんに振り回される男たちにもストレスを感じました。観ているこちらが恥ずかしくなるくらいのギャグのセンス。中でも一番鼻についたのが、論文学者のセリフ回し。秘書との会話はまるで小中学生の夏休みの自由研究について語っているような次元の低さ。これは脚本家の質の問題か、字幕のセンスの問題か? でもこれだけイライラする男だっただけに、最後の最後のどんでん返しだけはチョットだけスッキリしました。 それに加えて主人公の音程の外れた歌声にも何故かハマりました。 [レーザーディスク(字幕)] 3点(2009-02-22 22:41:51)(良:1票) |
1058. ヘンリー五世(1989)
どのサイトを覗いても本作の評判が高いので、以前からずっと興味を抱いていた。 しかしDVDは廃盤、都内のレンタルショップを探してもなかなか見つけることができず、ようやくレーザーディスクを手に入れた。 感想は…というと、まあ「ヘンリー五世」自体、シェイクスピア史劇の中でもマイナーだし、それ以上でもそれ以下でもないというのが正直なところ。 若いケネス・プラナーが余計なアレンジをせず史劇を忠実に映像化したのは大きな功績だと思う。 しかし、そもそも内容が大英帝国の武勇伝、まさに「勝てば官軍、負ければ族軍」といった話しで、フランス軍を支配し、その国の娘まで食っちゃった英国の王様について、感動しろといわれても土台、異国民には無理な話である。 「神風」を信じて植民地支配を続けていた大日本帝国に感動する人とかいるのだろうか? そんな事まで考えてしてしまうと少々怖くなってくる。 それに「シェイクスピアだから」と言われたところでフランス人にとってはあまり面白い話とは言えないだろう。 とりあえず、あらすじを知らないで鑑賞しようと思うのはやめたほうがいい。 CGを使わない映像はやはり迫力がある。 [レーザーディスク(字幕)] 6点(2009-02-22 13:19:42)(良:1票) |
1059. ウーマン・イン・レッド
《ネタバレ》 私の田舎では、たしか「ターミネーター」と同時上映だった。観客のほとんどが「ターミネーター」が目的だったので、鑑賞する前は期待していなかったと思う。 その反動もあってか、主役のジーン・ワイルダーが、赤いドレスの女に一目惚れするシーンから、私も含め、満席の会場はずっと爆笑の渦だった。 しかし、昨今ネット上に書かれた数少ない評価のほとんどが批判めいたものばかりで、私には悲しくてならない。 主人公とオールドミスのブラックユーモア溢れる無言のやりとり、愛妻と娘のボーイフレンドの関係、親友のゲイの告白など、ストレートな説明を全く使わずに描かれた脚本は「超」がつくほどの絶品だと思う。 主要人物全員が嘘のセリフを交わしながら相手を騙し、騙されて続けている。 ジーン・ワイルダーはビリーワイルダーに負けず劣らずコメディ映画の天才だと思う。 コメディというジャンルは、やはりリアルタイムで鑑賞しないと評価は厳しいものになると思う。特に本作は夜中に一人で観るような映画ではない。 最近、レーザーディスクを安価で手に入れたので久しぶりに観たのだが、ちょっとした細部の演出など計算がやはり上手くて、なつかしさもプラス、終始笑いっぱなしだった。 オールドミスのおばさんを演じていたギルダ・ラドナーは、私生活ではワイルダーの奥さんだったが、この作品の数年後に亡くなっている。 ジーン・ワイルダーは今何をしているのだろう。 最近日本で「大陸横断超特急」のDVD化が再評価されていることを彼は知っているだろうか? あの日、映画館を出て友人と心底笑いながら帰った記憶が今になって時の経過を感じずにいられない。 私にとって特に思い入れの深い作品である。 [レーザーディスク(字幕)] 9点(2009-02-21 03:20:33) |
1060. バタリアン
《ネタバレ》 公開当時の感想と全く変わっていません。面白いですね。 スーパーマーケットのゾンビ映画の次に面白いと思います。「コイツ絶対死ぬ」キャラはお約束通りですが、ムカつくキャラはあまりいないので変なストレスを感じません。半分に割れた犬と全裸女のダンスは当時衝撃的でした。特にウブだった私にとっては、「あ○こがツルツルだ…」と映画と離れて、メチャクチャエッチな気分になってしまいました。 頭を打ち砕かれても動き回るゾンビに「映画と違うぜ!」というセリフは笑えました。 Cとして挙げるならBGMが産業ロックなのがいただけない… しかしながら80年代ホラー映画の傑作だと思います。 私も含めてパート2と混同している人が多いようです。 「マイケルーノ」は本作では登場しません。 [レーザーディスク(字幕)] 7点(2009-02-17 11:37:35)(良:2票) |