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 > 目隠シスト さん
目隠シストさんのレビューページ[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2291
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 お世話になっております。
只今『真・女神転生VV』攻略中のため新規投稿お休みしております。
2024.6.28
とりあえず1周目クリアしたのでぼちぼち投稿再開しています。
2024.7.19


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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1121.  マイマイ新子と千年の魔法 《ネタバレ》 
新子のマイマイは想像力と感受性のアンテナ。千年前の人々の暮らしに思いを馳せ、友の痛みを自分の痛みとして感じ取る事ができます。新子の父親は研究者であることから、もともと好奇心旺盛な家系なのでしょう。しかしマイマイは新子の専売特許ではありません。貴伊子も新子と同じ千年の夢へ飛び込めたように、マイマイはどの子どもだって持っています。いや、我々大人にだって。ただ、新子のように「明日の約束を返せ!」と叫ぶのが“しんどい”事や、空想に割ける時間が限られている事を大人は知っています。だから、普段は仕舞っているだけ。でも使わなければ、どんなお宝も錆びてしまいます。自分のマイマイを久しぶりに出してみたくなる本作のような映画は、大人にとって貴重な存在だと思いました。類似作品として真っ先に思い出されるのが『となりのトトロ』。“ススワタリ(真っ黒くろ助)が見えるのは子どもだけ”と、空想と現実世界に明確な線引きがされていたトトロに対し、本作の境界はやや曖昧です。マイマイが有る限り、人はいつでも千年の魔法に酔う事が出来るのですから。そういう意味では、ファンタジー色の強いトトロの方が厳しい世界観だと感じました。トトロは成熟した大人が作ったアニメ。マイマイ新子は子ども心を忘れない大人が作ったアニメ。
[DVD(邦画)] 6点(2012-01-04 22:53:23)(良:1票)
1122.  鈍獣 《ネタバレ》 
凸やんは何者なのか?凸やんは何故死なないのか?作中の謎に明確な回答が得られぬまま、物語は幕を閉じます。本作の楽しみ方は、解釈を求めぬスタンスで正しいと思います。不思議な余韻を楽しむ映画。これから記載する内容は、私個人の勝手解釈。裏付けはありません。それを承知でお読みいただければ幸いです。 凸やんの正体について。浅野の胸に第3の乳首が在った事から、彼は凸やんで間違いありません。『鈍獣』の作者も鉄橋で本人が認めたとおり。しかし浅野は当初、小説家ではないと言い張りました。数々の思い出も忘れたといいます。嘘でしょうか?なら、何故嘘をつく必要があったのでしょう。彼は、本当に何も知らなかったのだと感じました。あの時の凸やんは、凸やんではなかった。別の人格。江田の指摘どおり、鉄橋で亡くなった凸川君(子供相撲の西の横綱)ではないかと。江田と岡本の証言によれば、凸やんと凸川君はよく似ていたといいます。浅野が凸やんの人格でも、凸川君の人格でも、江田らに区別はつかないでしょう。そしておそらく凸やん自身も、自覚をしていません。小説家としてのペンネームも凸川。凸川君を死なせてしまった後悔の念が、小説『鈍獣』を生み、凸やんの中に凸川君という別人格を作り出した。凸の反対は凹です。両方合わさって正方形。凸やんにとって凸川君という人格は、正気を保つための凹だったのではないか。鈍獣のキャラクター(角のある獣)も図案化すれば“凹”。凸やんが死ななかったのは、凸川君が既に死んでいるから。人は二度死ねません。あるいは“凸川君を死なせたくない”という思いが、浅野を不死身にしていたのかもしれません。「もうお終い?」そう問い続ける凸やん。「まだ終わってないよ、ウルフ」と江田。この会話に隠された本当の意味に、心が沁みました。 いろんな想像や解釈が出来る映画は自分にとって良い映画です。ただ、コメディ要素が豊富なワリには、笑うに笑えぬもどかしさを覚えました。凸やんと江田、岡本の友情を示すエピソードがイジメに思えてしまったのが、乗り切れぬ原因だったかと。役者陣はみなお見事でした。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2012-01-01 00:00:01)(良:1票)
1123.  DOCUMENTARY of AKB48 to be continued 10年後、少女たちは今の自分に何を思うのだろう?
アイドル映画とは、ファン向けのプレゼントであると考えます。喩えるなら、父兄に送る園児・小学生の学芸会。仮にそれが稚拙なものだったとしても、文句を言う親はいません。大切なのは子供が一生懸命やっているかどうか。あと、いい役をもらっているかどうか(苦笑)。我が子を映したホームビデオを見返して、つくづく思います。これは親以外にとっては、全く興味の無い代物だろうと。アイドル映画の本質とは、こういうことかと。ファン以外が楽しもうとする事に無理がある。ただし商業映画でもある訳ですから、一般観客からの批評を回避する術はありません。学芸会だとしても、最低限のクオリティは必要です。そこで本作。ドラマではなく、ドキュメンタリー。いやインタビュー集でしょうか。親にとっては、普段の様子が窺え子の本音が聞ける分、学芸会より興味深いかもしれません。でもだからといって、アイドル映画の主流がドキュメンタリーになったら寂しい気がします。製作はドラマよりコスト安。それでいてファンのニーズは高い。イイコトずくめです。しかし、効率を追い求めると文化は廃れてしまいます。オモシロ・トンデモなアイドル映画の火を消さないで欲しいのです。『青春グラフティ スニーカーぶるーす』『プルメリアの伝説 天国のキッス』『CHECKERS IN TAN TAN たぬき』。どうです?これら錚々たるアイドル映画が世に出なかったらと思うと…別に構いませんか。先代の国民的女性アイドルグループの映画はサッパリでしたが、その志は本作よりも高いと考えます。今やAKB48は押しも押されもせぬ国民的アイドルグループ。是非とも王道のアイドル映画にも挑戦して欲しいと思います。何なら『ピンチランナー』のリメイクでも。点数は映画の出来というより、大島優子の可愛いさに対して。
[DVD(邦画)] 5点(2011-12-30 17:57:00)(良:1票)
1124.  マン・ハンティング リデンプション(OV) 《ネタバレ》 
(前作『マン・ハンティング』の感想からの続きです)前作で“マン・ハンティングとはライダーマン・ハンティングのことである”との仮説を提示しましたが、本作でも引き続き検証を試みたいと思います。その1。捕獲者について。彼には痛覚が無い事が発覚しました。しかも銃で撃たれても不死身。これはもう完全に改造人間で間違いないでしょう。ライダーマンである可能性は更に高まったと考えます。その2。獲物について。本作の次期ライダーマン候補も、なかなかのタフガール。前作の彼女には(ルックス的にも)及ばぬものの、トラバサミをものともせぬ強靭さを見せ付けました。しかし意外な事に、初代ライダーマンの御眼鏡にかなったのは、社長秘書(愛葉るび)の方。片手の欠損はまさしくライダーマン継承者の証。彼女こそが本命だったのです。おそらく次作ではアタッチメントを装着した正統後継二代目ライダーマンの勇姿が見られることでしょう。さしずめ主人公の方は二代目電波人間タックルか。そういえば初代タックルとバストサイズが酷似しているような。さて、最後に本作最大の謎についても触れておきましょう。終盤に主人公が口にした白い液体のこと。明らかに変なのです。脈絡が無さ過ぎる。これは、とあるタイアップ商品で説明がつくと考えます。『仮面サ○ダー』という商品をご存知でしょうか。缶にライダーが模様された人気清涼飲料。彼女が口にした謎の白い液体は、おそらくカ○ピスです。見たまんま。そう、次回は『仮面カルピ○』で一儲けしましょうというアピール。どうです?もう『ライダーマン・ハンティング』としか思えないでしょ。自分でもそんな気がしてきました。オレ、疲れてるのかな。ちょっとお薬もらってきます。
[DVD(邦画)] 1点(2011-12-27 19:58:15)
1125.  シェルター 《ネタバレ》 
(いきなりネタバレあります。ご注意ください。)  『シェルターさんが「あなたは神を信じますか?」と訊ねてきたなら、「私は神の僕です」と答えなければならない。もし無神論者だと告げようものなら、背中を斬られ、口から泥を吐き、7日以内に魂を吸い取られてしまうだろう。シェルターさんは若い男。又は少女とする説もある。』物語を都市伝説風に言うならこんな感じ。牧師は婆さんに操られているだけなので、主人公が呪術主の婆さんに救いを求めた方向性は正しいです。でも婆さんがすんなり術を解くはずもありません。そんなタマじゃない。ここで婆さんを殺していたらどうだったでしょうか。術が解除されれば勿論OKだし、死後も呪いが継続するようなら、もう打つ手はありません。ここが娘救出のラストチャンスだったと考えます。牧師から娘へデビッドの魂の移動が確認された今、主人公の対応は大変難しいものとなりました。呪いは解除されたのか?娘の魂は残っているのか?この後味の悪さは、悪くありません。
[DVD(字幕)] 6点(2011-12-24 23:41:30)(良:1票)
1126.  怪談新耳袋 怪奇 《ネタバレ》 
【ツキモノ】怨念主は周囲の人間に対して強い不信感を抱いて死んでいったものと思われます。“見殺しにされた”。だから「ミザル・イワザル・キカザル…」という恨み言を繰り返します。見る意思のない目なら要らないだろうと。取り憑いた相手も主と同じ孤独な女を選んでいるのでしょう。呪いの背景はおそらくこんなところ。少なくとも主人公は、この女の思いを汲み取る必要があったと考えます。でないと、気味の悪い女に襲われたという表層的な恐怖しか観客に伝わりません。死に様がギャルも真っ青のパンダメイクっていうのも、あんまり怖くない…。【ノゾミ】母の友人は主人公に向って「このままだとあなた死ぬよ」と言いました。霊障によって命を落とすという意味。でも仮に霊が憑いていなくても、彼女は危うかったと思います。自殺に至らずとも、前に進めないのであれば死んだも同じ。本当に助けてもらったのは、主人公の方だったのかもしれません。静かなオカルトホラーという狙いは悪くないですが、一本調子は困りものです。震え上がる恐怖を乗り越えて、切なくも心温まる余韻に浸りたいと思いました。ツキモノ3点、ノゾミ5点の採点です。
[DVD(邦画)] 4点(2011-12-21 19:58:01)(良:1票)
1127.  END CALL エンドコール 《ネタバレ》 
(いきなりネタバレあります。未見の方はご注意ください)     ラストで事件の黒幕が明かされます。その正体はバッティングセンターで死んだ犠牲者の姉で、10年前に起きた同類事件唯一の生き残り。名は「リツコ」。10年前彼女は、自分自身を悪魔にして欲しいと願ったといいます。つまり今回の事件は、悪魔となったリツコの魔力によって引き起こされたという意味です。でも額面通りに受け取ってよいのでしょうか。どうして10年前、彼女だけが死なずに済んだのでしょう。一度死んで悪魔として生まれ変わったのなら、尖った尻尾の一つも見せて欲しいところ。そこで自分は次のような仮説を立ててみました。10年前も、今回も、彼女は特殊技能を使って事件に関与したのではないかと。もちろん人間として、です。命を落とした人々は確かに不可解な死に方をしています。でも悪魔でなければ不可能な仕業とも思えません。例えば催眠術。強力な暗示で自殺を誘発できるとしたら。もっとも、そんな事が出来る人間は、もはや悪魔と呼んで差し支えないかもしれません。高額な電話料金について。携帯の電池を抜いても、契約を解除しても無駄だといいます。もし『着信アリ』に出てくるような携帯ならば、人外の業で間違いないでしょうが(※『着信アリ』の方で【玉葱】さんがエンジニアの視点から面白いレビューを書いておられるのでご一読を)、電話会社に取り合ってもらえないという意味ならばどうでしょう。課金は正当という事です。海外へ接続されてしまったか、あるいはクローン携帯か。これはもうポリスか消費生活センターへGOな案件。詐欺をする族(やから)も悪魔と言えるかもしれませんが…。我ながら強引にも程がある仮説ですが、受身では楽しめない場合は勝手に楽しむのもひとつの手。自分にとって本作はそういう類の映画でした。お許しください。
[DVD(邦画)] 5点(2011-12-18 17:57:14)
1128.  エアベンダー 《ネタバレ》 
ベンダーの中国拳法を思わせる独特の動きと、各エレメントを使った術の数々。未熟な主人公が救世主へと成長していく過程を描くストーリー。原作は存じませんが、日本の少年漫画やTVアニメにありそうなプロットです。ですから日本人には、本作を受け入れ易い素地が備わっていると考えます。にもかかわらず、何故評価が芳しくないのでしょうか。理由は前述した日本作品と比べてみると分かります。その1。【敵と好敵手の不在】本作の敵は『火の国』という国家。国王が一応悪の親玉なのでしょうが、存在感薄し。ライバル候補だった火の国の王子もあっさりリタイア。シャアの居ないガンダムは物足りないです。その2。【主人公のビジュアル】身も蓋も無い言い方ですが、主人公の見た目がイマイチです。ここぞという場面で光る矢印。えっ、カッコ悪い。額に文様が浮かび上がる、とかではダメだったのかな。クリリンは大好きだけど。その3。【術に一工夫を】術の効用は一目瞭然ですが、ワクワクの琴線に触れません。RPGのように術をレベル別けして、呼び名があるといいかも。「ファイア!」「ファイラ!!」「ファイガ!!!」みたいに。こうしてみると、日本製漫画・アニメのプロットが如何に洗練されているかが分かります。ハッキリと児童向けの映画なので、子どもが満足すればそれでよいのですが、どうなのでしょう。
[CS・衛星(吹替)] 5点(2011-12-15 21:52:44)(良:1票)
1129.  女子高生サバイバル・ドライブ 《ネタバレ》 
家庭用ビデオカメラの映像に、人物目線に固定したカメラアングル。本作は『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』に代表されるフェイク・ドキュメンタリー(モキュメンタリー)を髣髴とさせます。機材や人手不足を逆手に取り、登場人物に撮影を委ねる“記録映像”方式。臨場感とリアリティで好評を博し、後発の類似作品を多数排出しました。本作もそういった作品群の1作には違いないのでしょうが、“記録映像”との体裁は取っていません。そういう意味では『ブレア』より、むしろ『宇宙戦争(2005)』や『世界侵略・LA決戦(2011)』に近いと考えます。ただ、巨視的なアプローチを避け、あえて視点をミクロに絞ることで臨場感を煽る意図があったこれらの作品に対し、本作の舞台は至って限定的です。あのようなカメラアングルであり続ける必然性はありません。この不自然さを払拭する免罪符が“記録映像”方式だったのですが…。ですから歪なカメラワークに、観客はカメラマンの存在を意識せずには居られないのです。どうして女子高生の傍から離れないんだ。うらやま…もとい、もっと動け、いい画を押さえろ、と思ってしまいました。ところで話は変わりますが、DVDパッケージの女の子が誰一人として本編に出演していない事実にお気づきでしたでしょうか?表紙の写真は単なるイメージ。“KY殺人鬼”という煽り文句にも驚きましたが(空気を読めたら殺人鬼じゃないよ!)、胡散臭さ&インチキ度120%。流石のアルバトロス印でありました。
[DVD(字幕)] 3点(2011-12-12 18:55:56)(良:1票)
1130.  私の優しくない先輩 《ネタバレ》 
(以下は私個人の勝手解釈です。未見の方はご注意ください。)“火蜥蜴島に越してきた心臓病の娘、イリオモテヤマコのひと夏の経験”は、“名も知らぬ少女が病院のベッドで今際の際にみた夢”でありました。虚実入り混じった物語でしたが、そのほとんどが空想だったと理解します。唯一の現実は、病床の少女に青年がキスする場面のみ。この事実は火祭りの夜、ヤマコが発した言葉により示唆されています。「ヤマコなんて名前の子がいますか?」観客が抱いていた疑問を劇中の人物が口にすることの意味とは何でしょう。火蜥蜴島なんて島があるか?武道・球技以外がマット運動部って?その他同級生の描写が一切無いのは何故?たこ焼き機が本格的過ぎないか?これらの疑問が正当であった事の裏付けです。全てが現実にあらず。天然記念物のような名前の女子高生は存在しなかったのです。ヒトカゲとは“人影”の意。ヤマネコは飼い猫とは違い、懐きません。病床の少女もまた病気を理由に、人との交流を避けてきたのではないでしょうか。そんな彼女を励まし、支え続けてきたのが“先輩”だったのでは。少女にとっては、疎ましい存在かもしれません。その情熱は、現実を見たくない少女には眩しすぎます。しかし先輩の思いは、最後の最後で少女に届きました。その言葉が胸を突きます。「人生、思い出をいっぱい作った奴の勝ちなんだよ!」それは面倒な事から逃げていては叶わぬこと。臭くて、ウザくて、暑苦しい思いをして、思い出は勝ち取るのです。「お前の感じた事全てが真実だ」もう戦う事すら叶わぬ彼女への、精一杯の肯定。少女のでんぐり返しは、空想を“本当”に変えることです。彼女がみた最後の夢を、先輩は優しい口づけで真実に変えてくれました…。ヤマコが存在しないと知ったとき、自分は物語に引き込まれた気がします。実在しないという事は、誰もがヤマコなのかもしれないのだから。本作は全ての観客に問いかけます。今、あなたは“感じていますか?”と。エンドクレジット。単なるオマケであれば、どんなに見事な技術を労しようとも、自分は心を奪われなかったと思います。高田延彦と小川菜摘が、最後までヤマコの父と母であり続けてくれたこと。これが何より嬉しかったです。美しく、そして優しい人生の最終回でした。
[CS・衛星(邦画)] 9点(2011-12-09 20:29:43)(良:2票)
1131.  クロサワ映画 《ネタバレ》 
森三中の黒沢をはじめとする登場人物は、基本的に現実世界と同じキャラクターを配されています。フェイクドキュメンタリー+ラブコメディ。このような設定ですから、彼女たちの台詞やライフスタイルは、現実のそれに近いのかなと想像してしまいます。もはや言いたいだけの「たんたかたん」も、大久保にはぜひ愛飲していて欲しい(笑)。ベタが多いコメディ部分は、結構自分好みでした。自転車に轢かれる80年代アイドルとか、物干し竿ブラックジャックとか(一番笑えたのはフランケン村上でしたけど)。笑いが恋の切なさを引き立てます。でも結果的に本作に“ラブストーリー”は存在しなかったのですね。黒沢の独り相撲。それがまた切ない。一度奈落に突き落とされ、這い上がったところでまた突き落とされる黒沢。まるでダチョウ倶楽部の熱湯風呂芸を見ているような。二度目のハートブレイクでは満面の笑みを湛えてみせます。ラストの「マジっスか~」には傷心の欠片さえ見えません。凄い。これぞ芸人魂。苦しみも悲しみも全て笑いに換えて、女芸人は生きていく。いじらしくて、胸が締め付けられました。クレジットのみのエンドロールだったなら、多分自分は泣いたと思います。ですから最後のネタばらしシーンの羅列は、ラブストーリーに対する拒絶であったと考えます。しんみり不要。笑ってもらってナンボよ、という主張。その心意気は理解できます。でもエンターテイメントは笑いだけにあらず。観客を上手く泣かせて、終わらせても良かったと思います。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2011-12-06 19:44:58)(良:2票)
1132.  マン・ハンティング(OV) 《ネタバレ》 
(本作を楽しむ上で…楽しめればですが…影響は無いと思われますが、未見の方は一応ご注意ください。)謎で溢れている本作。とても全容解明は叶いませんが、不可解な点を整理し、想像力を働かせることで真相に近づく事を試みてみます。疑問1。「ハンティングゲームについて」。役名“ハンター”1人で、獲物を追い詰める事は可能でしょうか?獲物が自由に逃げられる状況を考慮すれば、狩る側には頭数が必要です。最低でも3人、いや5人は欲しいところ。追跡装置を活用している形跡はありませんでした。にもかかわらず、人里から大して離れていないあの場所で、ハンターは一人でミッションをやり遂げました。信じられない。疑問2。「脅威の肉体を持つ主人公」。実に4日間、彼女は飲まず食わずで過ごしました。腕を矢で射られ、朽木に足の甲を貫かれる重傷を負っても、逃走し続けるタフネス。そんな女子高生が存在するのでしょうか。これらの疑問は、彼らを“普通の人”と想定するから発生することに気づきます。もし彼らが常人でなかったなら…。思い起こされるのは手術を匂わせるシーン。勝手にある手術だと決め付けていましたが、違ったのではないか。例えば改造手術とか。某特撮ヒーローもので、似たような場面を見た気がします。ズバリ言いましょう。本作の正式名称は『マン・ハンティング』ではなく、『ライダーマン・ハンティング』が正しいと!彼女は2代目ライダーマン候補だったのです。となると、ハンターは初代ライダーマン。ハンターが仮面を被っていた事も、安物のボウガンが脅威の殺傷力を発揮した事も説明がつきます。このハンティングは、彼女にヒーローとしての覚醒を促す為のものだった。エンディング、暗転する画面の向こうで鎖を引きちぎり雄叫びをあげる主人公の姿が目に浮かぶようです。続編では2代目ライダーマンの勇姿が見られることでしょう。これが本作の真相。え?ライダーマンが人を殺すかって?続編はそんなんじゃないって?知らん知らん。 (『マン・ハンティング リデンプション』に続きます)
[DVD(邦画)] 1点(2011-12-03 18:58:17)(笑:1票)
1133.  呪怨 黒い少女 《ネタバレ》 
『呪怨』10周年記念2作品のうち、『白い老女』の方はオリジナルの系譜を継ぐものでしたが、本作『黒い少女』はだいぶテイストが違いました。メインとなる登場人物の名前を冠して小節を区切るスタイルはオリジナルを踏襲しているものの、あくまで形式を採用しているだけ。小節ごとに律儀にオチを付けていた『白い老女』と比べると、その違いは歴然です。本来であれば、毎回黒い少女が姿を露にして驚かせてこその呪怨。ところが芳賀ゆい並に、姿を客前に現そうとしません。本作は『呪怨』であって、『呪怨』にあらず。はてさて、コレはどういう意味なのか。それでは“空手”を例に考えてみましょう。日本怪談の原点は、出るぞ出るぞと観客を煽る部分に意味がある、言うならば“寸止め式の伝統空手”。一方『呪怨』は出し惜しみせず、直接お化けが脅かしに来るフルコンタクト制。素人でも分かり易いのは、後者の方でしょう。呪怨式ホラーがウケたのも、考えてみれば納得なのです。では何故本作で下手な寸止め空手を見せたのか。伝統空手の凄みに気付き始めた観客への牽制なのか、はたまたフルコンタクトの進化形を提示しようとして失敗したのか。自分には分かりませんが、下手な寸止めより、派手なフルコンタクトの方が観ていて面白いのは間違いないです。というワケで2作品を比較した場合、自分のジャッジでは『白い老女』に軍配が上がります。
[DVD(邦画)] 5点(2011-11-30 18:29:58)
1134.  呪怨 白い老女 《ネタバレ》 
驚きに感情が付帯するメカニズムを考えた場合、「笑い」と「恐怖」は実は近い関係にあることが分かります。ご指摘のレビュワー様もおられるように、物語の体裁はギャグ・コメディと酷似しています。例えば老女が手にするアイテムが“包丁”“蝋燭”“日本人形”であれば、判り易く「恐怖」サイドに寄りますし、“へちま”“カツ丼”“週刊大衆”ならば「笑い」で問題ないでしょう。匙加減一つで、ホラーにもコメディにも化ける。そういう意味では、“バスケットボール”を選択したセンスは悪く無いと感じました。とりあえず観客は戸惑います。純粋に意図が分からない。いわゆる、不条理です。『呪怨』は、この不条理を恐怖に転化することを基本様式とした作品だったと考えます。第1エピソード、「は~い。今手が放せないの。すぐ行きますから」は、条理が次第に不条理へと変化していくパターン。上手いし、怖い。ただし不条理描写に特化した結果、奥行きの無い恐怖しか生まなくなったのが『呪怨』の弱点でもありました。本作では“白い老女”の役割についてあまり考慮されていないのが難点です。単なる驚かし要員に見えてしまう。本当は違うのに。老女は孫を気に掛けていました。一度ロリコン男から少女を救っています。その思いをちゃんと観客に届けられれば、老女の登場場面に付加価値が出ます。痴呆による徘徊と見紛うのは、あまりに不憫な話。バスケットボールにしても、ロリコン男の所有物、切断した頭部のメタファー以外に、もう一つ観客の心動かす意味づけが欲しいところ。ワンランク上のホラー目指すなら、物語で観客を魅了する必要があると考えます。
[DVD(邦画)] 6点(2011-11-27 19:25:02)(良:3票)
1135.  ステキな金縛り ONCE IN A BLUE MOON 《ネタバレ》 
三谷幸喜といえば、やはり脚本。ストーリーの面白さを期待したワケですが、少々あてが外れました。幽霊のハーモニカ答弁、シナモンの使い方、心温まるラスト。良いシーンは随所にあります。でも一本の物語としてみると、間延びしているような。お話の密度が薄いのです。ただし、つまらなかったワケではありません。豪華俳優陣の見事な演技は堪能できました。喜劇俳優、西田の面白さは鉄板。深津のハツラツさは高感度抜群。中井は文句なく上手かった。端役に至るまで有名俳優をそろえ、お得感は満点です。劇場スクリーンを前にした2時間半、楽しい時間を過ごせました。どんな手法、かたちであれ、楽しめればそれでOK。自分的にはアリです。ただし、新作映画とはいえ本作を「三谷幸喜最高傑作」と呼ぶのはちょっと寂しい気がします。次回作は本物の傑作を、脚本家三谷幸喜の本領発揮を期待します。
[映画館(邦画)] 6点(2011-11-24 21:51:49)
1136.  スマグラー おまえの未来を運べ 《ネタバレ》 
シネコンにて。2時間待って『ミッション:8ミニッツ』か、すぐに観られる本作かで迷いました。決め手となったのは、『闇金ウシジマくん』と同じ原作者であると知ったから。本原作は未読ですが真鍋氏の描く裏社会なら面白いだろうなと。事実面白かったのですが、予想とは少し違いました。『ウシジマくん』が物語のリアリティで勝負する作品なら、本作はバイオレンス描写の迫力がウリ。刺激的な暴力シーンの数々に面食らいました。『カイジ』と同じようなノリで、予備知識なく劇場へ足を運んだ方はお気の毒です。特に主人公を拷問する場面。直接的な暴力描写は回避しているものの、拷問の手法が具体的なので想像だけで十分にキツい。思わず目を背けました。地上波ゴールデン枠での放送はまず無理でしょう。破天荒な設定と展開、ハードでリアルな描写に終始惹きつけられましたが、ラストが頂けません。今までの妻夫木の熱演が茶番になってしまう適当さ。せめて足くらい引きずらなくては。後味の良さを考慮したものと思われますが、いらぬ気遣いです。妻夫木、永瀬、安藤、満島ら優秀な俳優を数多く集めた本作。真に迫る演技を皆披露してくれましたが、一番印象に残ったのはやはり高島兄。もうノリノリで“イっちゃて”くれました。役者として一皮も二皮も剥けたというか、剥け過ぎて骨まで見えてる大怪我というか、とにかく凄かったです。見直したよ、ブラザー。芸能界の良心「高嶋ファミリー」的に大丈夫なのか、ちょっと心配ですが。
[映画館(邦画)] 7点(2011-11-21 18:23:07)
1137.  アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事! 《ネタバレ》 
ド派手なカーチェイスとポリス映画お馴染みの“イカした台詞(言い回し)”で、まずツカミはOK。“主役”刑事の見事な死に様に大爆笑し、これは自分好みのコメディだと確信しました。(ちなみに、イケてる刑事の最期は個人的に大変ツボでして、コメディタッチの刑事ドラマの最終回は、すべからくこれを採用して欲しいとさえ思いました。宙に舞うタカとユウジ。最高じゃん…)バカ過ぎる展開としょーもない小ネタの数々、これぞアメリカンコメディ。爆発炎上シーンも欠かせません。主役の脇役2人が、最後まで脇役(アザー・ガイズ)であり続けた一貫性も良かったと思いました。ただし、エンドロールには疑問符が付きます。意図は理解できるものの、ここに来てのインテリ臭は不要です。バカ映画の価値が下がってしまいます。バカはとことんバカであってこそ輝く。このあたりは『みんな~やってるか!』の精神を見習って欲しいと思いました。
[映画館(字幕)] 7点(2011-11-18 18:54:46)
1138.  神様ヘルプ! 《ネタバレ》 
今更なのですが、自分はジロリアンです。ラーメンじゃなく俳優の方の。佐藤二朗。アクが強すぎてキャスティングバランスを崩してしまう劇薬俳優ですが、ハマったときの爆発力は他に類を見ません。本作ではプチ爆発といったところですが、これくらいで十分面白い。基本設定はシリアスなので、ジローでコメディテイストを付加するのは戦略としてアリだと思いました。トリックのネタはミステリー映画好きなら、もはやお馴染みと言っていい例のヤツ。1回目の鑑賞よりも2回目の検証の方が面白いかもしれません。ちゃんと整合性が取れていて良かったと思います。タイトルは『神様ヘルプ!』というよりは『学園天国!』かも。
[DVD(邦画)] 6点(2011-11-15 18:48:47)
1139.  矢島美容室 THE MOVIE ~夢をつかまネバダ~ 《ネタバレ》 
『とんねるずのみなさんのおかげでした』発音楽ユニット『矢島美容室』は、蒸発した父を探しに母娘が米ネバダ州から日本にやって来たという設定。本作はその前日談となる、言わばエピソードゼロです。もっとも、そんな設定など知らなくても鑑賞に何ら問題ありません。自分も最後まで観て、そういえばそんな設定だったと思い出した程度。久しぶりに目にしたとんねるずのコントが懐かしく、ミュージカルが意外なほど真面目に作られていた事に驚きました。完成度は妙に高い。観て損は無いと思いますが、得も無いのはご愛嬌。驚くべきは、世界観に完全マッチしていた黒木メイサと、水谷豊の無駄遣い。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2011-11-12 21:42:41)(良:1票)
1140.  七瀬ふたたび 《ネタバレ》 
原作小説は昭和50年刊行。NHKドラマ版の主演は多岐川裕美。超能力の概念及び作品世界観は、不惑手前の自分にとっては懐かしいと感じられるものでした。少年少女向け小説の香り。好きです。物語のポイントは、藤子の能力であるタイムトラベル。“やり直し”の是非です。藤子は言います。過去に戻ったとしても、起きた悲劇が無くなる訳じゃない。パラレルワールドが生まれるだけだと。七瀬もその事に同意します。だからこそラスト、困難に立ち向かうために再び北海道の地へ赴くことを決めるのです。でもこの決意に感動はありません。何故なら、今後もあの中の誰かが死ねば、彼女たちは過去へ飛ぶ選択をするはずだからです。きっと何度でも。リセットは禁断の果実。一度口にしたら止められない。七瀬たちは不幸を回避する魔法を手にした代わりに、時空を彷徨う罰を与えられました。彼女たちは“もう何処にも辿り着けない”。虚しさだけが残ります。これは逆説的に言えば、やり直しが効かない人生に対する賛歌でもあると考えます。原作未読ゆえ配役に対する注文は特にありませんが、芦名のテレパスは雰囲気が出ていて良かったと思います。サトエリはちょっと見ない間に随分上手くなりました。もうちゃんと女優さんですね。『キューティーハニー』の頃が懐かしいです。
[DVD(邦画)] 6点(2011-11-09 20:53:27)(良:1票)
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