1141. 日本一のホラ吹き男
まだこの頃は、「会社の中で出世すること=国民全般にとっての人生目標」と捉えられていた時代であって。したがって、肝心のホラ吹きというのもその枠内で構成されているので、今見ると何がホラなのかという気もするし、したがって笑いとしても成立していないのです。 [CS・衛星(邦画)] 2点(2018-08-07 03:03:28) |
1142. アゲイン 28年目の甲子園
主演の彼女は、演技力もかなり問題なんだけど、それ以前に、設定をきちんとしてあげられていない演出側の責任が大です。最初の中井貴一との対面シーンだけで、こんな人にこんなアプローチをされて心が動くかと言われたら、そんなわけないでしょ、と言いたくなります。父親に過去の出来事があって、その関係者を訪ねて回るというのであれば、何らかの十字架を背負っている状況にあるわけですが、それも台詞で言われているだけであって、それに基づいた芝居や表現がなされていない。なので、いくら同窓生という集団がそれっぽく試合を行っていても、説得力がないのです。あ、和久井映見はいい感じの齢のとり方をしていますね。そこだけが見所でした(脚本で言わされている台詞は凡庸でしたけど)。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2018-08-04 00:55:02) |
1143. 打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?(1993)<TVM>
《ネタバレ》 奥菜恵はとても小学生には見えないが、「同級生の男子目線から見れば女子はあんな感じに見える」ということを踏まえると、案外意識的なキャスティングだったのかもしれない。で、男子同士の会話なんかはいかにもすぎてかえって作為的だったりするのですが、逆に一番凄いと思ったのは、道を曲がって消えた奥菜恵が走って現れる一瞬の「間」。それと、もっともらしくホームまで行った後であっさりバスで帰って来るという衝撃の展開(あの転換のときにナズナの内心の動きはいろいろあるはずだが、ノリミチ視点からはそれは見えているとも思えないので、何もアクションをさせないあの描写は正しい)。 [DVD(邦画)] 6点(2018-08-03 01:59:25) |
1144. アンドロメダ・・・
映画的な面白さは、最初の集落探索シーンで終わっていました。研究室に立てこもっているからいかんとは言わないけど、各キャラクターが作り込まれているわけでもなく、物事の展開があるわけでもなかったりすると、結局は「台詞を並べているだけ」という印象にしかならないのです。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2018-08-03 00:31:02) |
1145. アンコール!!
《ネタバレ》 導入部で「そんなにサクサク進んで大丈夫か?」と思っていたら、そのまま最後まで行ってしまいました。ただ立っているだけでも存在感ありまくりのテレンス・スタンプと、年はとっても演技にいささかの衰えもないレッドグレーヴの個人技で何とか助かっていますが、レッドグレーヴが途中で退場してからは、話の保たせようもなくて、脚本が息切れしかかっています。象徴的なのは最後の"Love Shack"の見せ方で、あの曲は、似たようなメロディが少しずつ変わっていくのを、延々続く男女コーラスのかけ合いで聴かせるところが面白いのに、あんなにずたずたに切ったショート・バージョンでは、意味がありません。またそもそも、作品のテーマからすれば、スタンプと他のメンバーが団結して一体化したステージを見せる、なら分かりますが、スタンプ1人がスポットを浴びてソロを歌ってめでたしめでたしって、そこからしても意味がありません。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2018-07-30 02:54:08) |
1146. ニア・ダーク/月夜の出来事
《ネタバレ》 吸血鬼一族の映画を作る、という以外には、設定らしい設定もしていない、B級・自主制作感まる出しの作品。しかし、余計な細工をしていないのが思いっきり吉の方向に働いていて、今でもその辺にこういう集団がいるかもしれないという妙なリアリティを感じさせることに成功している。一方で、酒場の襲撃(?)のシーンなんかは、セオリーを無視して自由な演出でやりたい放題。だから、最後の半ば強引な着地も、きちんと決まっています。また、キャメロンつながりの支援と思われるビル・パク先生の超ドアホ役出演も泣かせます。 [DVD(字幕)] 6点(2018-07-29 23:51:50) |
1147. ヤンキー・ドゥードゥル・ダンディー
伝記映画を作ろうと思ったら、それだけで終わってしまった、ということですね。「再現」が続いているだけなので、彼はこういうことをしました、という説明にしかなってないのです。作品の中ではかなりの時間が経っているようなのですが、それもきちんと表現されてないし・・・。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2018-07-29 00:01:05) |
1148. フューリー(2014)
やっぱりこれ、単に「戦車を撮りたかっただけ」なんでしょ。主要キャラで5人もいながら、人物造形やその変化にはほとんど配慮されてないし。ただ、映画ではあまり見ない「移動しながらの戦車同士の砲撃戦」なんかは、その執念が結実したかなりのこだわりが見られます。といっても、いくら砲撃や銃撃描写を頑張っても、ドイツ人女性宅での4人の静かな会話のやりとりの方が、はるかにドラマチックでスリリングだったりするのですが。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2018-07-25 23:54:09) |
1149. 幻の湖
いや、あの、すみません。私、テレビによく出てた頃の南條玲子さんが大好きだったのです。それでも、こんないわくつきの作品で主演をする南條さんというのは見たいような見たくないようなで、ずっと避けていたのですが、遂に意を決して見ることにしました。●その目的からすると、案外悪くないのですよ。だって、とにかくほとんどのシーンで、延々と南條さんが見られるのですから。しかも、ランニングシーンでは、お顔が美しいだけではなく、足も長くてスタイルも非常に良い、という発見もあったりするのです。加えて、ランニング指導が、あの名ランナー宇佐美彰朗さんです。そうです、走るフォームからしてすでに美しいのです。●その一方で、再三挿入される雄琴近辺の山や湖のショットはちゃんとしてたりとか、時代劇パートになると突然なぜか進行が引き締まったりとか、そんなところもお茶目だったりします。●というわけで、まあとにかく、南條さんの美しさを存分に保存したという歴史的価値に5点。 [DVD(邦画)] 5点(2018-07-22 01:29:40)(良:1票) |
1150. ソイレント・グリーン
何か、未来の話だと言ってる割には未来感が全然ないし、登場人物の行動様式が制作時代そのまんまなんですよね。また、かといって終末感や絶望感が漂っているわけではなく、主人公はただうろうろしているだけ。何がしたかったのか、よく分かりません。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2018-07-21 20:14:33) |
1151. 家族の灯り
《ネタバレ》 戯曲を映画化した場合の一番悪いパターンになってしまいました。ごく一部の僅かな部分を除けば、同じ室内で、同じような登場人物が、アクションに乏しい会話を延々と続けているだけ。これなら、舞台で見た方がよっぽどいいし、むしろ逆にラジオドラマとかで聴きたかったと思うくらいです(その場合、字幕がないので困りますが・・・)。ラストのオチも、さほど効果的に機能しているわけではなく、オチのためのオチという感じ。 [DVD(字幕)] 3点(2018-07-18 01:59:15) |
1152. スーパー・チューズデー ~正義を売った日~
脚本も演出も実に手堅くて、面白く最後まで見られる、はずなのですが・・・なぜ食い足りない印象が残るかというと、実力ある人を固めたキャスティングが、かえって裏目に出ている気がするのです。ボスがクルーニーで参謀がホフマンとなれば、この2人だけでいくらでも権謀策術は可能なような雰囲気が立ちこめてきて、主人公程度のキャラの1人や2人がどうしようが、何も影響なさそうに見えてしまいます。したがって、敵側からも引き抜かれそうなほど有能という出発点に説得力が出てきません。また、エヴァン・レイチェル・ウッドも、何をどうやっても裏で別の策略をしたたかにやってそうに見えてしまい、とても純真無垢なインターンには見えません。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2018-07-17 01:58:34) |
1153. アンジェリカの微笑み
《ネタバレ》 まるで主人公が撮っている写真のように、一つ一つのシークエンスが丁寧に撮られている。暗転の一歩手前かと思うくらい照明を落とした導入部の屋敷の室内は、そこで死者が微笑みましたと言われても説得力十分。そのまま、主人公を絡み取るかのように話はじわじわと進んでいくのですが、それと比べると、ラストの適当さはやはりちょっと残念だったと思う。あと、どういう意図があるのか分からないが、家族が「微笑んだ写真」に言及するのは、心理の綾を削いで、やや興ざめ。 [DVD(字幕)] 6点(2018-07-16 18:27:05) |
1154. テレフォン
キーワードによる後催眠効果でテロを実行させるという設定は面白すぎるのですが、それが全然生かされてないかなあ・・・。被催眠者が単に「狩られる対象」にしかなっていなくて、いつ、誰にそれが起こるか分からない恐怖とか、実生活の中でいきなりそれが起こるギャップとかが表現されていないのです。したがって、主人公カップルがあれこれやっていても、何に向かっているのかが不明なのです。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2018-07-16 13:43:06) |
1155. コロンブス 永遠の海
《ネタバレ》 結局、何を言わんとする作品なのか、あまり分かりませんでした。タイトルに反して、コロンブスそのものを直接の対象としたのではないっぽいし、かといってそれに迫っている側が主人公だとするには、やっていることがかなり適当ですし。途中でいきなり何十年も飛ばす意味も分かりません。 [DVD(字幕)] 4点(2018-07-13 00:00:11) |
1156. ビリー・ザ・キッド/21才の生涯
タイトルはこうなっていますが、主役はあくまでギャレットの方だったのですね。しかし、ビリーが派手な活躍をする作品ではない、という意図はいいにしても、それではそれぞれにどういう背景があって、その結果2人の関係はどうなっていて、というところまで丁寧に作り込まれているわけではないので、つまり、ただ単に2人がああだこうだうだうだしているだけのようにも見えてしまいます。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2018-07-11 21:48:28) |
1157. エレニの帰郷
《ネタバレ》 あの大傑作「エレニの旅」との一連作ともなれば、期待半分、「いや、そう簡単にあのレベルには達しないはずだ」という警戒が半分なのですが・・・導入部から何か空回りし続きで、最後まで何も押し寄せてこない。展開を頭で整理すれば、かなり壮大な内容になっているはずなのですが、それが映像から伝わってこない。得意の長回しっぽい箇所もいくつかありますが、そうすべき必然性を伴っていないので、妙に軽い。やはり、現代パートは、最初と最後に固めるべきだったのでしょう(せっかくの過去パートがブツブツに寸断されているので、回想以下の扱いになっています)。 [DVD(字幕)] 6点(2018-07-07 23:31:22) |
1158. 2010年
私は「2001年」を別に名作とは思わないので、それの続きがどうのこうのと言われても何も思わないのだが、見所は何といってもロイ・シャイダーでしょ。難題に取り組む職人肌の担当者的な役をさせると、この人ほどぴったりくる人はいません。どこまでいっても、その横顔が美しい。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2018-07-07 23:23:31) |
1159. 妻への家路
《ネタバレ》 最初の夫が密かに家に近寄るシークエンスだけで、緊迫感がただごとではないのです。ドア1枚の隔たりという状況をフルに生かした心理の綾の重なり、そして台詞も音楽も排して延々と静寂を引っ張る的確な演出が、震えが来るほどの重量感をもたらしています。また、娘を単なる2人の間の子という存在ではなく、きちんと脇役として絡ませているのが、中盤以降のさらなるドラマを生んでいます(顔を切り取られた写真のくだりの鋭さ!)。そしてラストシーンもやはり、台詞なしの進行が果てしない重量感をもたらしています。欲を言えば、扉の下から差し入れたメモは後半にも何か使い道がなかったかとか、ファンという(謎の?)男の処理ももうちょっと何かあっただろうとかいう気はしますが。 [DVD(字幕)] 8点(2018-07-03 02:11:31) |
1160. 大空港
《ネタバレ》 導入部がとにかく長い。そして、のんびりしている。何か破綻や衝突が起こりそうに見えない。このまま何事もなくフライト完了になるんじゃないですか?という気配に満ちている。なので、中盤までは全然面白くないわけです。ところが、専門用語や専門会話が怒濤のように飛び交うラスト30分は、それまでとは別の作品のような緊迫感を維持しています。最初からとは言いませんが、何でもっと早くそっちにシフトしなかったんでしょう・・・。ジャクリーン・ビセットは綺麗でした。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2018-07-01 23:21:34) |