1161. ゼロの未来
《ネタバレ》 近未来の魂のなさそうな人を描いた、魂のこもった愛すべきSF大作。「未来世紀ブラジル」で脚光を浴びたテリーギリアム、ここにきて、本当に自分の納得いく作品を仕上げた感がある。小道具まで愛すべき要素たっぷりで、じっくり観るためのDVDが欲しい。 [DVD(字幕)] 8点(2016-03-13 00:27:12) |
1162. イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密
《ネタバレ》 面白かった。やはり異質者の方が、一歩下がって、世を見るので詩や数学に秀でるのかもしれない。いや、待てよ、この面白い作品の秘密そのものであったかも・・(笑)。見応えがありました。世が世なら、キーラナイトレイと結ばれたかもしれず、自殺もしなかったかもしれない。いや、やはり世の中が変わったから、こんなことも言ってるのかも・・。世の中を変える天才とは孤独なものかもしれないな。 [DVD(字幕)] 8点(2016-03-06 22:59:59) |
1163. ジュラシック・パークIII
《ネタバレ》 「ジュラシックワールド」観るために、見逃してた本作を鑑賞。スピルバーグは、新しい要素がないと、メガフォンとらないんだね。シリーズ1、2作と監督してたのに・・。やはりプテラノドンくらいでは、彼の食指は動かなかったみたいですね。今度は恐竜と戦争だ!って感じで、キャメロンの「エイリアン2」とどっちが面白くなるか張り合ってもらいたかった。ジョーヒューストン監督(一文字違うと名監督)も頑張ってましたけど、カット一つからスピルバーグとは違うもんなぁ・・。 [ビデオ(字幕)] 5点(2016-02-28 19:56:03) |
1164. 無宿人別帳
《ネタバレ》 今でいうと、ブラック会社への非正規の反乱といったとこか。う~ん、共感しちゃったなぁ。無宿人(ホームレス)で、労働環境が最悪なのに、仲間を売った三国連太郎は非道と映る。アメリカの暴力映画に慣れてると、日本っていい国なんだなぁと思う。やはり例え映画でも、超えちゃイケナイ一線ってあると思う。アメリカって何でもありだからなぁ・・。一体、どういう国なんだよって、逆に感じてしまう。 [ビデオ(邦画)] 7点(2016-02-24 23:05:18) |
1165. 私の少女
《ネタバレ》 イチャンドンの映画はいつも唸らされる(今回は製作者ですが)。透徹とした眼差し、情に流されない確かな人間を観る眼。これは私見なのだが、「ペパーミントキャンディ」で既に世界を見る眼を持ってしまった、稀代の天才映画監督イチャンドン。彼は、人の心をうつ作品を新たな視点からどんどん産み出していく。まるで何で皆、こんな作品を創らないかと言わんばかりに、周りが職業として映画監督になっていく中で、彼は静かにメッセージを放っていく。そこには覚悟のようなものも感じられる。まるで、彼は芸術としての作品を創り続けていけば、いつか自分の身にも破たんが来ることを分かっていつつ、静かに作品を紡いでいってるように感じられるからだ。彼の遺言のような作品を、僕はいつまで観続けることができるのだろうか、と不安に駆られつつも、新しい作品を楽しみにしている自分の、観客でいられる狡さという罪悪感を感じつつ、待ち続けている。僕は表現に「詩」というものを救いに思っていた。最後はどんな作家も「詩」のような結晶になって、幕を閉じていただけたら、と。そういえば彼は「詩」をも前作「ポエトリー」で対象にしてしまった。あれは美しいものを美しいと言わなきゃ、世界が壊れるという詩だった。今回の、本作品は、実は自分の心を誰か溶かしてくれと言ってるのではないか?とすら思える。もう世界が彼を認めてるはずだ。どうか幸せになってほしいと心から、この良心の作家に敬意を表します。 [DVD(字幕)] 10点(2016-02-21 00:27:36) |
1166. ミス・ポター
《ネタバレ》 ご存知ピーターラビットの作者の半生です。絵が動き出す、とても楽しい映画ですが、内容はさらっと描いてますが、かなりハードです。自分の愛すべき作品を生み出した世界を守ろうと、競りで大勝負にも出る彼女なのですが、結婚に至る恋愛ものになっているので、そこは説得力がもう少しあればなぁと思いました。でもこんなに違和感なく、ビクトリアポターさんの描いた愛すべきキャラクターが動く映像は、実に素敵です。やはり、話全体がポターさんの世界を壊さないように工夫されているのだと思います。セルヴィッガーの独特の表情も、作家特有の感受性の強さを表してるようでとてもチャーミングに映りました。 [DVD(字幕)] 7点(2016-02-15 00:54:20) |
1167. マダム・イン・ニューヨーク
《ネタバレ》 地元の文化を愛しつつも、新しい世界へのコンプレックスを抱いていた彼女に、訪れた最先端の世界アメリカ、ニューヨーク。嫌なことも経験しますが、彼女はそこで英会話教室を通して、新しい世界が広がったことに喜びを感じます。しかし同時に失ってはいけない本分を失ってしまった自分にも戸惑います。さて彼女の最後に選んだ道は?という内容です。映画最後の彼女の言葉は、英語で話す新しい世界での生き方のアドバイス、そして母国語で話す彼女の選んだ世界の見え方、二重に語られるその内容の確かさに、娯楽映画の王道を観た気がします。この創り手は新しい世界の人たちの手によるものでしょうけど、彼女のような存在を尊重しえたからこそ、できた映画ではないでしょうか?有名な映画評論誌には上位に食い込まなかったけれど、確かに観る人が増えてきてる(面白いと感じる人が多いのでしょう)、そんな映画です。 [DVD(字幕)] 8点(2016-02-15 00:43:31) |
1168. ザ・トライブ
《ネタバレ》 ウクライナの映画である。沈痛な気持ちだ。身障者(聾唖者)であっても、甘えていられない状況なのだろう。彼らの舐められてたまるか、という気持ちが全編ほとばしる。そこに笑いなどゆとりはない。観終わって、ただ何とも嫌な気持ちになった。これが現状なのかもしれないが・・。 [DVD(字幕なし「原語」)] 6点(2016-02-13 17:50:08) |
1169. Avalon アヴァロン
《ネタバレ》 登場人物が悩まないと、感情移入がしづらいことが分かった。しかし今ではゲーム文化盛りだくさんの時代ですが、この頃に既にこんな映画を創ってのける押井監督はスゴイです。攻殻機動隊もそうだけど、後の歴史でこの人は、再評価されるかもしれない。時代の節目に創るべき作品を創った人として。「トロン」という映画もあったけど、ゲームの面白さの真骨頂を描いたのは、こちらかもしれない。あ、でも流行ってたゲームの質が違いますね。ゲームはしない自分なので、これくらいで・・。 [ビデオ(邦画)] 7点(2016-02-08 00:10:43) |
1170. 009 RE:CYBORG
《ネタバレ》 いやぁ、石森キャラクターをよくぞここまでリアルに創り上げたもんだよ。そのクリエイターの心意気の高さに拍手。そこにあの天使編を微妙にからませた展開にもう昭和世代のおじちゃんには、涙モンだった。ラストがあれなら、映画文化そのものの否定につながりかねない危険さはあるものの、まぁ天使編のアンサーだと思えば、石森氏に捧げた傑作ともいえるね。これをただの教育映画と思うような頭の固い人は、漫画「サイボーグ009」をまず読みましょう。この映画はあの作品に憧れを抱いて青春時代を送った者には分かるカタルシスがある。・・・な~んてね、003と009のラブシーンはファンの夢なんですね。いや、長いこと生きてるとこんな作品にお目見えにかかるもんだと思いましたぞい! [DVD(邦画)] 7点(2016-02-07 21:08:29) |
1171. 東京夜曲
《ネタバレ》 市川準って何故だか昔、すごい魅力を感じてた。なんだか感情移入をたやすくさせぬ洗練さといったとこか。もう監督も亡くなってしまった。(早かったなぁ・・)東京地元民の話を観てみたいと思い、この映画を選んだ。さびれゆく商店街の人の感情の流れ。でもタミさんって地方の(岡山?の)人だったんだね。地方から出てきて、東京の地元の男性ときちんとしてから、帰って行った。それまで、そこに踏みとどまった女性らしい生き様。桃井かおりの疲れ切った表情が長いこと頭から離れなかった。「ねぇお茶漬け食べてかない?」なんてあんな表情で言われたら、俺どうしよう?(笑) [ビデオ(邦画)] 6点(2016-01-30 23:16:29) |
1172. の・ようなもの
《ネタバレ》 ドタバタが疲れた・・。東京漂流民の、人恋しさに一生懸命コミュニケーションをしながら生きていってる人たちの人情話・・のようなもの。 [DVD(邦画)] 6点(2016-01-30 23:07:12)(笑:1票) |
1173. オーロラの彼方へ
《ネタバレ》 こりゃヒューマン映画と言うよりサスペンスですねぇ。レンタル屋にはどのジャンルにおいてあったっけ?いや、前知識なく、面白いと噂だから観てみたんですけど、こんな話とは・・。面白かったです。しかし、あの犯人の悪ぶりは異常。実際、アメリカにはこんな奴がいたのかな? [ビデオ(字幕)] 6点(2016-01-25 10:42:00) |
1174. 東南角部屋二階の女
《ネタバレ》 下の投稿者が書かれてましたけど、ホント日本映画特有の味わいですよね。こんな静かな素材を映画にしちゃうなんて・・。でも個人の思いを大事にするのが、この国の普通の人たちなのかもしれません。藤子さんの気持ちを大事にするため、家を売るのを止める主人公に、会社で疲れてた同僚も魂を取り戻します。そんなささやかな時間を切り取った、優しくなれる映画です。 [DVD(邦画)] 6点(2016-01-25 10:32:51) |
1175. 闇のバイブル/聖少女の詩
《ネタバレ》 これは面白い!若い時に鑑賞していたら、絶対、影響を受けたと思います。それほど完成度が高い!こういう映画がもっといっぱいあってもいいと思うくらい、少女の気持ちを表していそうです。(男だから、分からないんですが・・笑)ストーリーは難解で、挑んでみたのですが、やはり分からなかった・・。これは男から見た女の子の世界なのか、女性から見ても納得のいく女の子の世界なのか、ちょっとその辺の話を女性としてみたいと思うのは、下衆な気持ちなのでしょうか? [DVD(字幕)] 8点(2016-01-17 15:46:19) |
1176. スター・ウォーズ/フォースの覚醒
《ネタバレ》 シリーズ2で壊滅的打撃を受けた帝国軍の残党が レイア率いる新共和国からの支援を受けたレジスタンスとの 闘いの中で、ダークサイドとフォースの戦いを描くスターウォーズ最終シリーズ第1弾。 ストームトルーパーのフィンは、クローンではなく、 子どもの頃に拉致されて、悪の教育を受けた兵隊。 シリーズ2でクローンが大幅にやられて少なくなったから、帝国軍はこのような兵の補填をしたのだろうか? さて、このシリーズ、女性のレイが主人公である。 この話、いたって簡単で、ルークの居所の情報をもつドロイドを両軍とも探してる。 そこにレイが巻き込まれたという感じである。 が、このレイもまた強力なフォースをもつ人物だった。 シリーズ1では、ダースベイダーことアナキンの登場で話は始まる。 シリーズ2では、アナキンの子どもルークの登場である。 さて本シリーズのレイは、果たしていったい何者なのか? 敵のカイロレンはアナキンの孫である。 それほどの逸材と互角に渡り合う、この女性レイ。 ただ、その辺にいた人でフォースを強く持ってましたでは、納得できないなぁ。 このスターウォーズも等々2020年初めに最終話が公開された。 さて、どうこれほどのお金をかけたシリーズ、落とし前をつけるのか? レイが何者かというのが大きなポイントと思う。 後、気になるのは、この話のまん中あたりで共和国が、 「秩序なき混乱を黙認する政権が滅びる時」という状態であること。 シリーズ1で銀河政治の話を丁寧に描いてた分、最終話でここもきちんと説明されないと納得できないなぁ。 最終話を観るにあたっての復習の再見で、思ったことです。 (なんと新3部作が近年公開予定!?おじさん、疲れちゃったよ(失笑) [DVD(字幕)] 8点(2016-01-09 11:53:04) |
1177. 4分間のピアニスト
《ネタバレ》 ラストの演奏に、天才の狂気な圧倒的本物を見た。素晴らしい!でも親がどうしようもないもいいとこですなぁ。 [DVD(字幕)] 8点(2016-01-09 11:48:11) |
1178. 落下する夕方
《ネタバレ》 落下事件を機に幸福を恐れ、中途半端に生きる男性。それを見つめる原田知世演じる女性と、同じく中途半端同士、彼と付き合う菅野美穂演じる女性。この3人の奇妙な同居生活を淡々と描く。フラフラする男性に原田知世のドッシリ感が非情に素敵だ。いつの時代にもあるテーマをドロドロ描くのではなく、女性監督ならではの透明感たっぷりに描いた秀作。 [DVD(邦画)] 7点(2016-01-03 11:25:07) |
1179. 大停電の夜に
《ネタバレ》 あれ~?意外に評価低いんですね。自分は楽しめました。大人の夜に静かに観るに良い映画。自分はクリスマスにワイン片手に楽しみました。こんな時間があるから、人間て生きていられる。 [ビデオ(邦画)] 7点(2015-12-27 17:28:44) |
1180. キングスマン
《ネタバレ》 娯楽作として上出来。終始楽しめた!しかし娯楽作品も進化してんだね~。今回の悪は、ノアの箱舟に乗ろうとする一部のエリート層。エリート層がみな吹き飛ぶシーンは、ともあれ楽しんでしまった。その後の世界は?ってのも気になる。しかし、劇中、映画のようには行かない、行かないと言いながらも、これ、立派な映画でっせ(笑) [DVD(字幕)] 7点(2015-12-27 17:26:04) |