101. ウォレスとグルミット/ペンギンに気をつけろ!
ストーリーや演出は、前作『チーズ・ホリデー』よりも数段進歩していた。ラスト5分間は衝撃的。1コマで数十カットを費やすクレイアニメで、あれほどまでに滑らかに、迫力あるシーンを描き出せることは驚異的だと思う。ペンギンの「フェザーズ・マッグロウ(悪そうな名前だ)」もいい味を出していて、作品の成功に一役も二役もかっている。グルミット、ウォレスはもちろん、この作品に熱意と愛情を注いでいるのであろう製作者にまで愛着がわいてしまいそうな一本で、これは本当に一見の価値があると思う。減点する箇所が一つも見あたらない。 [DVD(字幕)] 10点(2006-07-23 13:24:37) |
102. ウォレスとグルミット/チーズ・ホリデー
脚本自体はあっさりとしたものだが、作品全体から漂ってくる大らかな雰囲気が素敵。思わずクラッカーにチーズを乗せて食べたくなる。。 [DVD(字幕)] 6点(2006-07-23 13:09:59) |
103. エターナル・サンシャイン
作品の提示する世界に吸い込まれていくと、かなり楽しめるのかもしれない。ただ、一旦引いて見てしまうと、脳の中を走っているだけ。映像に見るべきところはあるが、脚本には何も無い。また、ジム・キャリーも『コメディー界の大物』として見るから凄く見えるのであって、この作品での演技を見る限りでは、あまり上手い俳優とは言えない。期待しただけに落胆も大きかった作品。 [DVD(字幕)] 3点(2006-07-23 13:01:50) |
104. クラッシュ(2004)
《ネタバレ》 差別の認識が薄い一方で肉親への愛情は人一倍厚い警官も、ドラッグに溺れ自らを見失う母親も、感情的行動に走ったおじさんも、犯罪に手を染めた黒人の青年も、、、「それでも毎日を生きている」。人間の弱さと強さと醜さと美しさと・・・あらゆる面が一作に凝縮されていて、何だか、たまらない気持ちになりました。下手な大作ではなく、このような心に刺さる作品に、これからもオスカーを受賞してほしい。 [映画館(字幕)] 9点(2006-07-23 12:19:11) |
105. ミート・ザ・ペアレンツ2
続編にもかかわらず、強烈なインパクトでキャラを立たせるデ・ニーロには脱帽。その一方で、D・ホフマンがイマイチ存在感が無かったように見えたのは私だけだろうか・・・。名優が複数出演する作品で誰かが目立たなくなるのは仕方の無い事なのだが、原題が『ミート・ザ・フォッカーズ』なだけに、フォッカーさんにもう一頑張りしてほしかった。 [DVD(字幕)] 5点(2006-07-21 23:31:58) |
106. ミート・ザ・ペアレンツ
奇想天外な展開は無かったものの、コメディとして良く纏まった作品になっている。特にデ・ニーロのキャスティングはかなり嵌っていて、「アンタッチャブル」あたりのデ・ニーロを知っている人には、あの奥に秘めた怖さが相まって、いっそう楽しめたのではないだろうか。 [DVD(字幕)] 7点(2006-07-21 08:19:37) |
107. ある子供
《ネタバレ》 こういった題材を扱う原点には、制作者が感じた、子供が子供を産み・捨てることへの「怒り」があるものと想像して鑑賞していたのだが、どうやらそこまで鋭い作品ではなかったようだ。問題提起として作品を取るのであれば、徹底的に最初から最後まで「怒り」を映像にぶつけるべきだと思う。どういった意向があってか分からないが、あのような「映画」的な中途半端なラストになってしまっているのが何とも惜しい。正直に言って、この作品がカンヌでパルムドールとは意外だった。 [映画館(字幕)] 3点(2006-06-11 16:56:07) |
108. THE 有頂天ホテル
年末・年始の世間が慌しい時期に見ないと、評価が下がりそうな作品。それだけこの作品には「日本の大晦日」の喧騒が上手く描かれており、出演陣の上手い演技に思わず自分を重ね合わせてしまう。人形の件などありきたりな部分はあるにせよ、観客のテンションを一つ上げてくれるドタバタのストーリーに8点を。 [映画館(邦画)] 8点(2006-06-11 16:38:09) |
109. プライドと偏見
資産や階級で恋愛を捉える人々、そしてその世界に、哀しさこそ感ずれども、とても共感には至らなかった。いっそ、物語の舞台をロンドンなどの大都会に絞り上流階級の愛憎劇として描いた方が、せっかくの衣装なども映えると思うのだが・・・ [映画館(字幕)] 5点(2006-01-21 15:46:05) |
110. イン・ハー・シューズ
姉妹それぞれの心境の変化が、いまいち描き切れていないように感じた。下に書かれている方もいるが、姉が妹を許す迄に至る部分(この作品で最も大事と思われる部分)にきちんとFOCUS出来ていない。前半、姉妹(特にキャメロン)のキャラクター紹介に時間を費やしたツケが最も大事なシーンにきてしまって、せっかくの題材・脚本を時間配分が潰した、少し残念な印象を受けた作品だった。 [映画館(字幕)] 6点(2006-01-21 15:22:22)(良:1票) |
111. Mr.インクレディブル
導入部にやや時間をかけすぎた気もするが、観た後に率直に「面白かった」と思える作品(なので8点)。『アイアン・ジャイアント』の監督だったんですね。この人が見せてくれる2時間のエンターテインメントは非常に充実して心に残ります。次回作にも期待したいですね。 [DVD(字幕)] 8点(2005-11-27 12:13:16) |
112. ターミナル
そこそこに楽しめる内容ではあるが、「思いつき」を繋ぎ合わせただけのような脚本と、あまりの実験的試みの無さ(どこかで観たようなシーンの連続)に、昨今のハリウッドの停滞ぶりをまざまざと見せ付けられた思いだった。トム・ハンクスの演技力が、この映画を見るうえでの唯一の救いにだった。 [DVD(字幕)] 4点(2005-11-12 13:28:26) |
113. ビフォア・サンセット
今作にはイーサン・ホーク、ジュリー・デルピー、2人とも脚本に顔を出している。余りにもスムーズな会話は自ら書いた脚本があってこそかもしれない。作品自体は、、ん~どうなんだろう。自分が9年前の2人に歳が近くて今作のような経験をつんだ男女の会話に戸惑いを感じるのか、それとも会話のみに没頭しきって「一本の映画」としての起伏を忘れたかのような展開にあと一歩感情移入が出来なかったのか、本作に、どうしても前作のような感動を味わう事が出来なかった。 [ビデオ(字幕)] 6点(2005-11-05 11:34:50) |
114. 私の頭の中の消しゴム
「感動してください」のポイントが分かりやす過ぎて、一歩間違えば辟易しそうな作品でしたが、ツボに嵌れば、涙をこらえるのは相当難しいでしょう。CMに使われそうなくらい、バカ面で涙流して「感動した」って言ってる自分がいました(恥) [映画館(字幕)] 9点(2005-11-05 11:15:50) |
115. 愛についてのキンゼイ・レポート
題材としては非常に興味深く面白いのだが、描き方に焦点を絞れていなかったという印象を受けた。実際のキンゼイが様々な実験をし、周囲との関係にも色んな事があったかも知れないが、欲張ってエピソードを入れすぎたために、ラストも窮屈で無理やりな印象を受けてしまう。リーアム・ニーソンは好きな俳優なのだが、彼の演技力をもってしても稚拙な脚本は覆せなかったというところか。 [映画館(字幕)] 5点(2005-11-05 11:07:39) |
116. マラソン(2005)
派手な演出や超感動的なクライマックスは無いものの、良作だと思う。ただ、母親は自分で自分の首を締めるような行動に終始していたように見えたが、相当な苦労をされているはずの実在の人物をああいった描写で括ってしまうのは可哀想な気もする。 [映画館(字幕)] 7点(2005-11-05 11:00:13)(良:1票) |
117. アイランド(2005)
いかにも「マイケル・ベイな作品」。話に深みがない事は、純粋に娯楽作を楽しむ場合には決して悪い事と思わない。が、肝心のアクションシーンがどこかで観たものの焼き直しでは、この監督の作品を観る価値が無くなってしまう。あと、予告編の製作者はもう少し考えるべき。見所を全て流してしまう手法は『マトリックス』の際にかなり批判を浴びたはずだが・・・ [映画館(字幕)] 5点(2005-11-05 10:49:05) |
118. 宇宙戦争(2005)
映画館で観ておいて本当に良かった。1世紀も昔に書かれた原作を忠実に映像化しているとのことで、現代の緻密な脚本との比較は無駄な気もするので。目の前に映し出される余りにも巨大なスケールと迫力の映像に押され、ストーリーの粗を上手くカバーされてしまったという印象だった。脚本重視で作品を評価したいのだが、今回は映像の素晴らしさ(と、ティム・ロビンスの余りにも可哀想な役どころへの同情)で7点で。 [映画館(字幕)] 7点(2005-07-10 12:31:07) |
119. 最後の恋のはじめ方
アルバートのキャラクターでもった作品。作りこまれた感じはないものの、映画館が思わず笑いに包まれてしまうような雰囲気の良い佳作。 [映画館(字幕)] 6点(2005-07-10 12:02:24) |
120. ミリオンダラー・ベイビー
ボクシングのサクセスシーンがあまりにスムーズに流れるので、「何かあるな」とは思っていたが・・・重かった。見終わった後に死と愛について考える事を強要されているような、圧倒的な重さがそこにあった。この作品への評価はきっと「映画に何を求めるか」によって十人十色だと思うけれど、ここまで考えさせてくれる作品は非常に価値があると思える。鑑賞後一ヶ月たっても、なかなか明確な答えなど導き出せそうもないが;; [映画館(字幕)] 8点(2005-07-10 11:55:51) |