101. アンストッパブル(2010)
《ネタバレ》 まあ可もなく不可もなく、といったところ。悪役の出てこない「スピード」みたいな感じで、休日ムービーとしては合格でしょう。技巧に走りすぎの昨今の作品の中では、何か妙に懐かしさを覚えるような味わいも。 [映画館(字幕)] 7点(2011-01-26 23:04:42) |
102. ビッグ・ビジネス
あらら、こんなに何回も見て大好きな作品のレビューを書き忘れていたなんて! ベット・ミドラーが芸達者なのはもちろん、リリー・トムリンも地味ながらうまい女優ですからねえ、おなかを抱えて笑いながらシンミリもできて、まさしく拾い物の作品ですゾ。 [ビデオ(字幕)] 10点(2011-01-12 00:07:50) |
103. 恋するベーカリー
キャスティングは凝ってるし、中年を過ぎてたそがれてきた男女の悲喜こもごもはうまく描けているから、そこに6点。でも、いったいどういう客層に見せたかったの? というのがよくわからない。配給元もそれでこんな変な邦題をつけちゃったんでしょうかね。たとえていうなら、ベテラン監督が「セックス・アンド・ザ・シティ」のヒットに嫉妬して対抗作を作ったはいいけど空振りしちゃった!?ってな感じ!? [CS・衛星(字幕)] 6点(2011-01-08 09:26:57) |
104. 私の中のあなた
《ネタバレ》 個人的に自己決定権の問題に深く思いを寄せているので、あらすじとして聞いていた人の自己決定ではなく、もう一人の主人公の自己決定が核だったのか、ということに、軽くショックを覚えました。配給元の宣伝の仕方が相変わらず「涙間違いなし」路線であるにもかかわらず私は彼女の自己決定の重さに、涙はなし。見てくれとは裏腹に美しい家族像に違和感を感じる面もありはするけれど、深いところでつながっている家族の精神性はこういうものだ、というふうに読めないこともなく、またムスコ・カサヴェテスは今まではお父さんに負けてるなと思ってたらそうでもないと感じ、ここしばらく見たもろもろの映画の中では「なかなか」と思ったのでした。亡くなる前の母娘のシーンの演出が特に秀逸だったと思いました。あのシーンには深い人間理解を感じましたです。あ、そうそう、キャメロンはコメディ女優の印象が強いのかもしれませんが、よーく出演作リストを見てみると、彼女ほど多彩なジャンルに出演しているスター女優は稀有だと、これまでも私は思っていました。辛い役を的確に演じきれていることに称賛。今までの経験が生きた名演技だったように思います。(後日、思うとこあり、1点下げました。) [DVD(字幕)] 7点(2011-01-05 20:46:13)(良:1票) |
105. 失楽園
渡辺淳一はたとえばアメリカだったらフェミニストに暗殺されてるんじゃないかと思うし(某知人の指摘の受け売りですが)、それでも全く同情に値しないと思うくらいだけど、ここまで表層的な感想が多いと、少しは肩をもってあげたくなる私。原作者と監督の女性観には賛同できないが、描こうとしている(のかもしれない)生というものの無常感には、賛同。 [映画館(邦画)] 5点(2010-12-27 21:08:32)(良:1票) |
106. 酔いがさめたら、うちに帰ろう。
ここでの高評価に期待しすぎてしまったかもしれません。私の感想はあにやんさんに一番近いかな。アルコール依存症の人とその家族の、一番核になるはずの「苦しみ」=「葛藤」が感じられないのが、一番残念。それと、日本人の男性監督って、女性の描き方がほんとに下手。ナマミの女がダメ男に愛をそそがずにいられない、その葛藤が何も描かれず、彼女は主人公氏の単なるミューズにすぎない。男にとっては「何もかも許してくれて、いつも笑顔の女」が便利なんだろうけど、それじゃあ女の共感は得られないですわ。第一、本物のサイバラ+カモシダ夫婦像ともほど遠いし。これじゃ原著者カモシダ氏も納得するのかどうか。亡き人には何も聞けなくて、残念。浅野の演技、人物造形はよかったし、永作博美は好きな女優だけに、いろいろ残念な作品でした。 [映画館(邦画)] 4点(2010-12-25 00:07:35) |
107. ニューヨーク、アイラブユー
《ネタバレ》 ヘイデン・クリステンセンがかなり男っぽくなっていたので、ビックリ。何か「元・美女」という雰囲気満載の老女優だなあと思っていたらジュリー・クリスティーだったことに、ビックリ。クリス・クーパーとかイーサン・ホークとかジェームズ・カーンとかロビン・ライト・ペンだとか、かじり読んでた以上に豪華キャストだったことに、ビックリ。オムニバスというとブツ切り映画がふつうなのでそこにまた不満を持つだろうと思っていたら、うまーくつなげていたので、そこにもビックリ。老人の哀愁、滑稽さ、かわいさがよく描けていたので、点は少しおまけ。 [映画館(字幕)] 7点(2010-12-06 20:12:35) |
108. おと・な・り
《ネタバレ》 とことんよくないというわけではないんだけど、気色悪いのと紙一重。それと、邦画の場合、セリフのイントネーションの不自然さ、登場人物のリアクションの不自然さ、というのが目と耳につきやすく、そういう点で「だめじゃん」と思うと、どうしても採点がきびしくなってしまいます。たとえば彼女と彼があやうく遭遇しそうになる場面で、彼女が、一見痴話げんかに見える隣人の騒動にまったく動じてない風なふるまいは変でしょう、と思うし、たとえば彼女の勤め先の店長のあまりのいい人ぶりは何なの?と思う。美人の店長が、美人で自分より若いし有能であるスタッフに、あそこまで優しい、というのはリアリティーなさすぎ(笑)。花屋ってハタから見るほど楽な商売じゃないのに、そのリアリティーも皆無。タレントもカメラマンも自社の社員として雇っているらしい芸能事務所(モデルエージェンシー?)も、そんなの聞いたことないけどなあと思います。が、まあ私はマスコミの末端にはいたことあったとはいえ芸能の世界はうといので、何ともいえませんが、しかし現在の不況はどんな業界にも及んでいるのに、その片鱗もうかがえない登場人物ばかりなので、感情移入はむずかしいですね。ボロアパートとはいっても若者の部屋にしては広いし。せめてもっとテンポよい展開だったらもっと点をあげられたかも、と思いますけど。 [映画館(邦画)] 5点(2010-12-06 19:52:17) |
109. HACHI/約束の犬
ありゃ、投稿してなかったんだ、何度も見たのに。CSでやってると、つい見ちゃうんですよね~。犬、特に秋田犬にねらい通りの行動をさせるのはかなり大変ではと思うのに、自然に見える点に、やはり子供に演技をさせても自然に見えるハルストレム監督だからこそできたワザだったんじゃないかなあ、と感心。私はリチャード・ギア嫌いなんだけど、なぜかこの映画の彼は好きです。ちなみに、久々に登場のわがムスコ(笑・・28になりましたよ)の、生涯初“号泣”映画が「ハチ公物語」でした(小学何年生だったか忘れたけど、ふと気付いたら、涙ボウダで、一人で見てたの)。ムスコはいったん独立してアパート暮らしになったのですが、今諸事情で帰ってきております。そんなムスコと先日、本作を見てたら、案の定、本作でも号泣しておりました。父親と一緒に。男性にとってのほうが“ツボ”なのかなあ。私はちょっと目がしらが熱くなった程度です。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-11-01 23:04:01) |
110. 死刑台のエレベーター(2010)
いやはや。何もかもがダサイ。キャスト含めスタッフロールをボンヤリ眺めながら、これだけの数の人間が関わりながら、元ネタの本質がコメディということに気付かなかったのはなぜだー!? と叫びたくなった。 <追記>コメディ、の一言で表現してしまうのはほんとはちょっと正しくなかったですね。ゴージャスなおふざけとでもいいましょうか。元ネタだって、「どうしてこうなっちゃうの!? 」という変な人たちばかりなんだけど、味わいが違いすぎるんですよっ!! この邦画は「ゴージャス」さもなきゃ、おふざけを楽しむ「大人のゆとり」みたいなものもない、なーんもないっ!! [映画館(邦画)] 3点(2010-10-28 00:05:55) |
111. ヘアスプレー(2007)
アッハッハ。こんなに楽しい作品だったのを今の今まで知らなかったのは不覚でした! ハリウッド随一とも聞くフェミニストのミッシェル・ファイファーがゴリゴリの白人至上主義者を演じるなんてのも、面白すぎ! トラボルタが母親役っていうんで、キワものとしか思えなくて見そびれてたのですが、お父さんがウォーケン、ミッシェルも出てるって知ったら、もっと早く見てたわよーん。トラボルタばっかり宣伝し過ぎたんでは? あっ、ところで、これってリメイクものだったんですね。ビックリ。ジョン・ウォーターズなら、ぜひ見てみたーい! しかも彼は本作でも製作にかかわってるんですね。なるほどなるほど。探してみよっと。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2010-10-22 18:00:46) |
112. 悪人
《ネタバレ》 ウェブ予約をしたときから上映館がデカい場所だということはわかっていたけれど、入った瞬間「あちゃー」。デカすぎる。今さらだけど、この作品は場末の、席がひしめきあっていて、少しすえた匂いでもしそうなくらいの場所が似合っていそうだけどもなあ・・と。仕方ない、賞をとっちゃったんだものねえ・・と。さて。作品は文句のない傑作だと思います。原作者の参加した脚本は、どのシーン、どのセリフにも無駄がなく、周囲の人々の描き方も丁寧で、映像でしか表せない数々のいいシーンもあり、悲しく苦しいけれど逃げ出したくなることはなく、いい意味の緊張を強いる、やっぱり傑作だと思いました。純文学の味わいもありながら通俗小説の趣きもあるので、観客によって色々な見方が生じそうな点でも、やはり傑作と言えると思います。但し文句が一つもないわけではありません。久石譲の音楽が少々抒情的に過ぎるような感想を持ちました。美しすぎ。シーンによっては音楽が前に出過ぎて、ジャマな気がしました。・・・・とまあ、こんな感想を持ったわけですが、家に帰って、吉田修一の小説はすべて読んでるというムスコに聞かれるまましゃべっていたら、もう一度見に行こうかなあ、今度はもっと小さな映画館の、もっと端の席を選んで・・という気になりました。この映画に限りませんが、宣伝の仕方を間違えていると思うし、その影響で映画そのものを真摯に見ることを妨げる要素がありすぎたと思うので、もう一度シンプルに映画そのものを見てみたい気がします。<追記>おー! ほぼ同時刻に投稿した方もやはり宣伝に文句がおありでしたか。あれほんと、ひどいですよね。しかしそれがために「もう一度見ようか」と思ってる私は、結局宣伝にしてやられてるってことかもしれませんね。やだなあ・・悩むわ。<さらに追記>自分を捨てた母にいつも金をせびっていたことも、最後の最後に彼女の首をしめようとしたことも、彼がほんとはどんな人だったかを表すエピソードだと私は思ったのですが・・・ね。衝動的に破壊してしまおうとして手をかけたわけではなく、彼女が罪に問われることなく完璧な「被害者」として元の生活に戻れるように、としたことでしょ? その後の彼のしぐさがその証でしょうに、と思うけど、それが「表現」として観客に届いていないのであれば、ダメな表現じゃん!と思わないでもないですが・・。<さらにもう一度追記>最近のTVドラマで何回か満島ひかりを見たとき「どこかで見たなあ、どこだっけ」と思いつつ、後から気付きました。役の個性を演じきっていた彼女は、若いけどなかなかあっぱれな役者ですね。これからがさらに楽しみな人だと思います。 [映画館(邦画)] 10点(2010-09-17 10:19:16)(良:1票) |
113. ヴィヨンの妻 ~桜桃とタンポポ~
「告白」で、松たか子は案外いいなあと思い、太宰や周辺の女性には殆ど興味なかったものの(ちなみにまあまあ小説好きの同世代の中では私はたぶん少数派)、見てみた。あーやっぱり根岸監督って古臭い、という思いが一番強かった。たとえば太宰の女性たちに焦点を当てるなら、そしてそこに今の時代を投影させたいなら、太宰の人物像にもやはり今の時代性の投影がほしいけど、この中の太宰は、人がボンヤリ思い描く太宰像を1ミリも超えていない。浅野は確かに太宰役に向きそうな役者ではあるけれど、そこに頼り切っているだけで、人間・太宰の深みがまるでない。せっかくいい役者なのに、もったいない。それにひきかえ、松もよかった(演技がね。だけどこういう女性像は同性として好きにはなれない。男に都合のいいだけの女だなあ、と思うわ)が、意外なことに広末が、破滅にしか向かえない女をちゃんと表現できていて、よかった。あの人はヒロインなんかではなく、もっとクセのある脇役に転じていったほうが飛躍しそうな気がする。ところで、太宰を少し思い出したついでに、太宰の娘である津島佑子を思い出し、帰りに書店で津島の作品の文庫が書棚にあれば読もうかなと探したら、全然置いてなかった。ネット書店で買ってみようとおもうほどの動機ではないのであえて探そうとは思わないけど、太宰だけでなくその娘もとっくに過去の人になりつつあるということなんですかね・・。 [映画館(邦画)] 6点(2010-09-14 13:00:06) |
114. 特攻野郎Aチーム THE MOVIE
80年代、殆どTVを見ない生活をしてたので、このTVシリーズまったく知りませんでした。最近よく一緒に行く65歳のシネ友が「見たいものないけど、映画、映画」と言うので、「じゃ、これはどう?」となったのが本作。「んなわけないでしょ」のストーリーの連続ですが、頭をカラッポにして楽しめるアクション、キャラのたったチームものはやっぱりいいですね。キャスティングもよかったし。リーアム・ニーソンは奥様を事故で亡くしたのと、選ぶ作品が変わってきたことに、何か関連でもあるのかしら? 彼の重厚な顔立ちと軽さ、安っぽさがいいバランスで、最初から最後まで、この作品を締まったものにしていたと思います。 [映画館(字幕)] 7点(2010-09-14 12:09:20) |
115. おとうと(2009)
《ネタバレ》 鶴瓶扮する「おとうと」が姪の披露宴をメチャクチャにする設定なのは有名だからどんだけハジケテくれるのか、と思ってたら、なーんだあの程度で「鼻つまみ」扱いなの~?(笑)。私の知ってる披露宴では「別れの一本杉」を歌いだして制止も聞かず最後まで歌った伯母さんもいれば、新郎の慶事が嬉しくて自分がドロドロに酔ってつぶれてしまった司会者なんてのもいるから、山田監督ってやっぱりエリートなんだなあ、監督の想像力だとあの程度で「メチャクチャ」なんだ、とビックリしてしまった。医者=エリート=冷徹、NPO=献身的=善人、という描き方もビックリするほどステロタイプで、確かにあの医者は気持ち悪いけど、ホスピスの運営者夫婦も(特に奥さんのほう)いい人過ぎて、かなり気持ち悪いよ、と思ってしまった。現実にああいう仕事をしてる人にも清濁両面があったり葛藤や悩みがあるはずで、そこを微塵も感じさせない人物造形は、動く人形のようだ。医者のはずの娘がしょっちゅう家にいることも不自然だし、名付け親であるおじさんに向かって「こんな名前きらい!」と言った娘がおじさんの最期にかけつけるのであれば、何らかの演出で「実はこの名前を気に入っている」というくだりがあるのかと思いきや、あの娘は単にかけつけただけ。そこには、何の情感も感じられなかった。それはあの「ねえちゃん」も一緒。吉永の芝居にはもはや往年の輝きはなく、単に手慣れた所作があるのみ。がんばった鶴瓶がかわいそう。 [映画館(邦画)] 4点(2010-09-14 11:14:45) |
116. BECK
《ネタバレ》 私の周りにはバンドをやってる、かわいくてイキのいい子たちがいっぱいいるので、 トータルとしてこの程度の魅力のバンドなら日本全国にゴマンといる、ということを知っています。なのになぜ見に行ったの?って? 65歳のお友達が「タケルくん見たい」というので、つきあったのよ。周りは若い子だらけの中(笑)。で、話を戻すと、「BECKは確かにONE OF THEMだけど魅力的だろ?」っていうスタンスなら鼻白まなかったと思うけど、そのま逆だったから、失笑の連続。さらに、どのサイトでもネタバレになってるでしょうけど、佐藤健は天才的ボーカルという設定なのに、歌うシーンのたびに、音なし。あれじゃツインボーカルで声張り上げてるラッパーの桐谷健太まで、間抜けに見えて、俳優・佐藤も、俳優・桐谷もかわいそう。何でも、原作コミックで「天使の声」とか何とか表現されてるんだそうですね(原作ファンの人、ニュアンス違ってたらごめんなさい。天使・・云々は合ってると思うんだけど? にしても、ロックなのに天使って表現は、天使の歌声と聞けば真っ先にウィーン少年合唱団を思い出すオバサンには違和感ありまくりですけどね。笑)。もとい。コミックで表現されてる「すばらしい歌声」を表すのが不可能だったから、ということでしょうけど、単なる演出放棄、としか思えない。堤監督の、映画作家というより職人的な志向性は嫌いじゃないけど、今回のは完全に手抜きでしょう。抜群のボーカルの男の子(場合によっては女の子だって可かもね)を探してきて、佐藤の口パクに合わせたって、佐藤の経歴に何もキズはつかなかったでしょうに。(あるいは、佐藤サイドの要望により音なしになったのかもしれないが、いずれにしても完全に戦略間違えてますね。これが本作の最大のマイナスポイントであることは、間違いない。これじゃ「バンド」として成立しない!) [映画館(邦画)] 4点(2010-09-14 10:50:25)(良:1票) |
117. 踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!
アミーゴス、特に署長の「御隠居さん」ぶりは、新劇の時代からの北村さんを知ってる立場としては「前作で引退しときゃカッコよかったのに」って感じですが、まあそんなことは瑣末なことなのでありまして。(だけど現在の民主党の総裁選の小沢にも近いかな!?) もとい。数々の黒澤映画のパクリは、今やもうそんなことわからない人のほうが多いんだから、そりゃそれで(黒澤映画を見るきっかけになるかもしれないし)いいんじゃないの!?って感じです。織田は嫌いだけど踊る・・は好き、という私としては、「引き続き頑張れ」の、7点です。 [映画館(邦画)] 7点(2010-08-30 21:07:52) |
118. トイ・ストーリー3
よい出来ではありましたが、お気に入りの「モンスターズ・インク」と比べると、そこまでのワクワク感ではなかったかも・・。なので7点。これはむしろ2Dのほうがよかったかもなーと思いました。3Dが今後の映画の主流になっていくことは間違いのないとこなんでしょうけど、「アバター」とこれを見て確信したこと。映画のシーンが脳内に焼きつくのは2Dだからこそで、3Dって、少なくとも私の脳内には焼きつきませんでした。これって映画を見てあとから反芻して楽しむことを考えると、何か物足りなさ感があります。でも、私だけなのかしら。「3Dで見た映画の名場面を思い出せない」症候群て・・。 [映画館(吹替)] 7点(2010-08-30 20:45:23) |
119. 告白(2010)
本日一緒に見に行った友人(60代、成人した子供は3人いるけど孫はいない)のそのまた友人(68歳とか。私は面識なし)が世間のあまりの評判に期待して、同世代のお友達数人を誘って見に行き激しく後悔し、同行の人たちに謝りまくった、のだそうな。いや別に謝らなくたっていいでしょうよ、と私たちは語り合ったけど、この映画の子たちと同じ年頃の孫とかいそうな70歳前後の人たちにはかなりムリなのかもしれませんねえ。/私は原作未読ですが、そもそも原作受賞の際にかなり賛否両論が起きたと聞いていたから、友人から誘われなかったらパスしていたかも。/「下妻物語」と中島監督は大好きですしキャストも悪くないと思うしこういう映画があってもいいとは思うし、小説を誤読する人がいたっていいように、映画なんて自分の見方をすればいいじゃん、と思うからこれを評価する人がいても全然いいと思うんですけど、でも私は好きじゃないです。/但し「ハハンこれは現代の『罪と罰』ということか・・」と思っていたらすぐにセリフとして『罪と罰』が出てきたから、意外とわかりやすい構成ね、という気はしました。現代版『青春の殺人者』とも見えるか。しかし、私は今後『罪と罰』を読み返したり『青春の殺人者』を見直したりしたくはなっても、この映画を見直したくなることは、今んとこはないだろうと思っています。<追記:そうそう、もう一つ思い出したのは、今ハタチの姪が10年くらい前に学校で孤立したときのこと。心配した母親がもっと友達と話したりすればいいのに、というようなことを言ったら、ビックリしたような顔をして「だって誰もほんとのことなんか言わないよ」と言ったのだそうな。そういう意味では、この映画はちっとも新しくなんかないなあと思ったり、現実のほうがもっとゾッとするなあと思ってみたり・・。> [映画館(邦画)] 7点(2010-07-28 21:11:14)(良:1票) |
120. 幸せのレシピ
《ネタバレ》 ヒックス監督のオリジナルに対するリスペクトが伝わってきて、○。キャサリンも、公開当時は「絶対にこのキャラには合わないでしょっ!(怒)」と思って「見るもんか」と思っていたけど、予想外に健闘。そこも○。むしろ「あなたにはムリ」なんて思っちゃってゴメンチャイって感じ。あと、オリジナルよりいいかも、と思ったのは、姪っ子ゾーイ。繊細な彼女の表情は、「この子役、将来どうなっちゃうの!?」と心配にならないでもないけど、とにかく彼女の演技は一級品であることは、間違いない。但しオリジナルの面白さの大きなファクターである「ドイツのフレンチ・レストランで働くドイツ女性らしーい女シェフと陽気なイタリア男」の取り合わせの妙や、その二人が歩み寄るプロセスのドキドキ感は、本作にはないなあ。アメリカ人どうしだもんねえ。国民性の違いといった背景はないわけだから、緊張感の度合いが違う。ただ、ラストシーンのいかにもアメリカ映画らしいまとめ方は、あれはあれでGOOD。オリジナルの最後の見せ場とエンディングのほうが好きだけど、(※オリジナルのネタばれ、削除しました。今までごめんなさい)あの展開は不可能だから、どうオチをつけるかのアイデアとしては、上出来かな、と思いました。あーだけど、残念ながら、料理はもっとおいしそーに撮ってほしかったなー。だから7点か6点か迷いましたけど、見終わったときの感想そのままに7点とします。 [映画館(字幕)] 7点(2010-07-07 19:25:02) |