101. 機動戦士ガンダムF91
EDのあっけなさと、「なんにも終ってないじゃん」は、例えこの作品の企画経緯(映画はプレビューで、本当はこの後テレビで続編をやるはずだった)を知っていたとしても、受け入れてあげるべき苦言。それでも「ガンダムの続編」を作るに当っての富野・安彦・大河原の意気込みは評価すべき。「家族と主人公」の座標関係を、新しい視点から描こうとした富野。ビジュアルと内面のギャップをあえて設定し、演出でその隙間をうめようとする過程でキャラを生かそうとした安彦。それまでにもなく、またなんとその後にもないラインでMSをデザインした大河原。商売的に失敗し続編が作られなかったのが悔やまれてならないけれど、シーブックとセシリーのその後については、富野原作・長谷川裕一漫画の「機動戦士クロスボーンガンダム」というコミックスでどうぞ。 8点(2003-09-28 18:29:22) |
102. 機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編
これに涙した人のうちいったい何割の人々が、この作品に恥じない大人になれたであろうか……? 10点(2003-09-28 18:24:15) |
103. 機動戦士ガンダムII 哀・戦士編
ガンダム三部作の本当のテーマ「少年と環境と、それを認知し受け入れる力と、成長」それが一番誠実に出ている作品だと思われます。 8点(2003-09-28 18:23:23) |
104. 機動戦士ガンダム
何はともあれ、再編集と言われても、当時の右翼的傾向に飲み込まれつつあったアニメという若者メディアにしっかりとした人間ドラマを持ち込んだ点は評価すべきじゃないかな。個人的には東宝8・15シリーズの谷村歌まんまのⅠのやしきたかじん主題歌よりも、ⅡとⅢの井上大輔の方が、個人的に好きだし垢抜けてて好感度高し。 8点(2003-09-28 18:21:39) |
105. 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
富野監督はガンダムヲタが嫌い、は定説である。「僕の込めたメッセージを本当にちゃんと受け止めてもらえたのならば、いつまでもそういう人がガンダムなんか見てるわけがないんです。」とは当時の監督の弁。さもありなんと思いつつ観続けてしまっているわけで……w ちなみにこの映画を観た友人(高校時代からの20年の付き合い)が「こんなシャアはシャアじゃない!」と怒りキレまくっていたが、富野監督はそう言わせたかったんだろうなぁ……。商売として成立させつつも、ちゃんと子供たちに親離れを即さないといけない辺り、苦悩がうかがえますw 9点(2003-09-28 18:16:41) |
106. 機動警察パトレイバー2 the Movie
これを観ると、押井監督はいかに「劇パト1」で、「正しい娯楽映画」に徹していたかがわかっちゃってOKな気分。我が家では夫婦で、夏にパト1、冬にパト2を観るのが習慣になっています。ちなみに……。押井さんが本編の裏に込めたという「橋の物語」はわかったんだけど「鳥と魚と犬の物語」がまだわかりません。あと「2と3の物語」も。 9点(2003-09-28 18:12:41) |
107. 機動警察パトレイバー
「ガメラ・大怪獣空中戦」とかと比較すると、監督の押井氏と脚本伊藤氏の役割分担が見てとれます。好き過ぎる作品については評論にならず感想になってしまうのですが、一つあけ評論っぽいことを。アニメは実写と違って「ある物」を移すのではなく、画面に写る物全てを1から100まで全てをコントロールできるメディアであります。それゆえ取捨選択が上手く出来ない幼少年向けとなる事が多いのだけれども、押井監督の巧さは、その「画面の中の情報量」のコントロールの上手さだと思われます。そういう「本筋と関係ない部分の情報による画面の密度」って、これが二流のヲタク監督のアニメだと無意味な拘りや脈絡もないお遊びで終る部分なんだけど、押井監督は「もう一つの物語」を溶け込ませる事で、画面全体の情報密度をコントロールして、見事に映画らしさを構築させたと思われます。 10点(2003-09-28 18:09:47) |
108. ガメラ 大怪獣空中決戦
気持ちはわかるんだけど、これを観て「怪獣映画はこうでなくっちゃ!」とか「平成ゴジラがやらなかった怪獣映画の王道をやってくれた!」とはしゃぎすぎた人達が騒ぎすぎた感も否めない。逆にこの企画・内容って、平成ゴジラがああだったからこそ通ったって理屈もあるわけで……。結果平成ガメラスタッフも、必ずしも「王道怪獣ファンの為」の願望を満たす為だけに撮ってたわけじゃないのがガメラ3辺りで露呈しちゃって、それを見て興ざめじちゃった、つい前年まで「熱狂的ガメラ信者」だった人達が黙っちゃっていったのは、見ていてかわいそうだった。 7点(2003-09-28 17:06:08)(良:1票) |
109. 踊る大捜査線 THE MOVIE
「映画っぽいだけのドラマ」や「映画的構成因子を取り入れたドラマ」はすごい評価していいし、そういうアプローチはいいんだけど、それをそのまま映画にするってのは、なんかスタッフが舞い上がってるだけのような気がした。例えて言うならコロッケの物真似はすごいし、あれはもうちゃんとした芸なんだけど、だからといって美川の真似をするコロッケを紅白のトリにするのはちゃうでしょって感じ。ドラマスペシャルの「なんちゃって映画」の雰囲気が好きだっただけに、映画版の「やっぱわざわざスクリーンにもってきてもこんなもんだったか」は解ってても残念だった。稲垣悟郎が犯人やったTVスペシャルなんか面白かったんだがなぁ……。 4点(2003-09-28 16:59:35) |
110. エスパイ
福田純監督は、若大将でもゴジラでも、シリーズ後期を任されてはその伝統と娯楽性を破壊してきた巨匠w A級原作をB級映画に、C級シリーズをZ級終末にする天才だからして(東映で言えば鈴木則文?)この映画もその定石通り。だからと言ってわざと肩の力を抜いて観ると脱臼したりする恐れがあるので、出来たら酔っぱらった状態で深夜のテレビ放送で、しかも途中から観ると面白いかもw 5点(2003-09-28 16:49:40)(笑:2票) |
111. エスケープ・フロム・L.A.
あくまでもNY1997のセルフパロディであって、続編とかリメイクとかを期待して観ちゃうとご立腹続出。カーペンターはどれもこれも彼のおふざけ感覚に付き合えるかどうかで好みが分かれることうけあい。物体Xが一般観客に誤解を与えすぎたのかも。「ゴーストハンターズ」とこれは、はっきり言ってカーペンター初心者にはお勧めできないですわw 9点(2003-09-28 16:44:42)(笑:1票) |
112. エイリアン
性的倒錯の映画として読み解くと、また面白いんですよこれがw チョッパーがペニス形状だったり、フェイスハガーの裏側がが女性器まんまのまま、しかもそこから延びる突起を無理矢理お口に突っ込んじゃうとかw んでももって懐妊なさった後は内部からの強制帝王切開によるご出産だとか……。それを迎え撃つ人間代表が、中性的魅力爆発のシガニーなあたりがもう……(悶絶)。 9点(2003-09-28 16:41:06)(良:1票) |
113. Aサインデイズ
沖縄生まれにとっては感慨深い作品です。書きの頃からARB(石橋凌のバンド)を愛し続けてきた男にとっても胸が熱くなる映画です。中川(エミー・カノー)安奈も好演。SHYさんや奈良さんの共演も、博多めんたい系からこっちパンクを愛してきた者にとっては嬉しい限り。この映画に関しては愛情の垂れ流しで評論になりませんごめんw 一つだけチェックポイント。返還前の沖縄が舞台なのに、どいつもこいつも標準語全開で喋ってた映画ですが、唯一大地康雄のイントネーションだけは素晴らしくウチナンでした。さすがというしかない。 10点(2003-09-28 15:17:06) |
114. A.I.
《ネタバレ》 えー……すでに皆さんに語り尽くされているようですので一言だけ。クライマックス、自分と同型のロボットが並んでいる事にショックを受けるシーンで、70年代のロボットアニメ「超電磁ロボ コン・バトラーV」のガルーダの悲劇を思い出した方いませんか?あ……いませんかそうですかw 3点(2003-09-28 15:11:32) |
115. 劇場版ウルトラマンコスモス THE FIRST CONTACT
《ネタバレ》 平成ウルトラについていけず「俺も歳食って感覚が乖離したのかなぁ」と思ってたんだが、これは涙が出た。実相寺さんの功績は脇に置いといて(笑)実際最初のウルトラマンでレールを敷いて路線を作った飯島監督が撮った以上、オールドファンである自分にとっては感慨深い物がある。バルタンの出所を知っていてのあのラスト。子供バルタン達がすべてをあきらめ、そしてかすかな希望を持って去っていく姿こそが、平成ウルトラに足りなかったコアなんじゃないかって思う。確かに古参スタッフの同窓会かもしれないが、EDロールを観るには、それと同時に古参スタッフの平成スタッフへのエールであり贈り物であり……遺言みたいなもんだったんじゃないかって思う。青春期の終りだったのかもしれない。 10点(2003-09-28 15:08:31) |
116. うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー
これに関しては少なからず関わっていたので、評論したり他人顔でコメントするのはフェアじゃないんだけど……。女性論理で描かれた原作を、男性論理でとことん突き詰めるとこうなるという観方もあるのよねって一応それだけ。 10点(2003-09-28 14:59:56) |
117. 宇宙からのメッセージ
「堅苦しい事は抜きでいきましょう!」という植木等の台詞が聞こえてきそうな映画。宇宙的スケールの八犬伝でヤクザのチンピラが英雄に選ばれる辺り、それでも続きを観てしまった以上は文句は言えないのですぜw 10点(2003-09-28 14:57:39)(良:1票) |
118. インデペンデンス・デイ
監督の出身地のルーツを確認してから観ると、実はもの凄くアイロニカルでニヤリな作品なんだけどねw 1点(2003-09-28 14:54:37) |
119. ISOLA 多重人格少女
多重人格とか阪神大震災とか、いかにもそれらしいコンテンツが映画と言う空間の中でなんの必然性もなく、ただただ羅列し散らばってる姿に「平成の『幻の湖』」を観た思いだったw 原作ではちゃんと意味は繋がってるのかいな? 1点(2003-09-28 14:52:00) |
120. 異人たちとの夏
《ネタバレ》 死者と生きる者の対比に拘る大林監督の資質と、幻と現実の間に生きる人間を暖かく見守りつづけてきた脚本家市川森一の資質が、素晴らしい原作の上で交わった傑作。今でもすき焼きを食べようとするとこのクライマックスが脳裏をよぎります。ラスト直前の名取ユーレイホラーに腹を立ててはいけない。大林監督は自作のクライマックスで感極まると、熱暴走を起こす癖があるのは、尾道三部作以外も見ている映画ファンには常識w 10点(2003-09-28 14:50:03) |