101. 小さな恋のメロディ
《ネタバレ》 英国版「ぼくらの七日間戦争」ですかね。抑圧的な親や教師に反発する子供たちの生々しい姿を、音楽にのせて瑞々しく描く・・・というと魅力的な作品かと思いますが、個人的にはつまらなかった。 「オンザマユゲ」みたいなクスッとさせるシーンもなければカタルシスもない。気弱な主人公が可愛い女の子とうまく恋に落ちていろいろ悪さをするんですが、ユーモアというか面白さに欠けるんですよね。 これが欧米ではなくて日本で受けたのも、管理社会からの抑圧にモヤモヤ悩んでいる人が多いからなんでしょう。 ただ、イギリスでも人の真剣な恋をからかう奴とかリアルに描いていて、学園のシーンがなかなか本物っぽく撮れていたのは感心しました。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2022-07-25 15:38:25) |
102. 見知らぬ乗客
《ネタバレ》 これはサスペンス映画として、とにかくジリジリ怖い作品ですね。 随所に仕掛けをしておいて、心理的に怖さを感じさせるところがすごいです。 楽しいはず(と信じている)遊園地のメリーゴーランドでパニックになるシーンなど、巧みな脚本と演出に一気に引き込まれました。 高度に知的なストーカー役だった俳優は、さぞかし役作りが大変だったでしょうね。 ただまあ白黒で昔の映画なので、評価はこんなもんかと。 ちなみに「死ぬまでに観たい映画1001本」に収録されています。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2022-07-16 18:07:15)(良:1票) |
103. ブラック・レイン
《ネタバレ》 とにかくこの映画、カッコイイ。 幻想的な映像、痺れる音楽(サントラ買った)、登場人物たちの存在感。 日本が撮影場所となっていることを忘れるほど光や影、さまざまな色を楽しめるし、松田優作のキレるシーンなどとにかく痺れる名場面が多い。 ストーリーが陳腐だという意見も垣間見れられるが、個人的には飽きずに楽しめる作品だった。 日本の規制が多すぎて監督が激怒したことや、ラストの佐藤についての別ストーリーなど、Wikipediaに詳しく書かれすぎているのも、カルト的な人気があるからこそだろう。 あと、日本語のセリフに一部聞き取れない箇所もあったので、英語だけじゃなくて日本語字幕もつけてほしかった(笑)。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2022-07-14 21:20:44) |
104. グリーンブック
《ネタバレ》 全体的に分かりやすく、後味よくまとまっているのは評価できる。 品格を重んじる黒人と、粗野だが根は見どころのあるイタリア系白人のコンビで、ラストに向けてお互いの距離を縮めていくという王道ストーリーは多くの人を魅了するだろう。1962年という60年前のアメリカ南部の状況がいかに黒人にとって生活するのに困難であったかという状況も、日本に住むものとしては新鮮に映った。 ただし、やはり白人側から見たご都合主義という批判も多いようで、いかに事実に基づいたストーリーだといっても実際のドキュメンタリーはもっと地味でかつ目に見えにくい差別もたくさんあったんだろう。ユーモアや盛り上がりも手放しでは褒められない。 しかし、ラストの終わり方は秀逸。いろいろなわだかまりが解けていって、ハッピーになる締めくくりかたは好き。 それと音楽ロードムービーものでありながらセリフが多いので、吹替推奨。主人公二人の声がイケメンに変わりすぎてて戸惑うけど笑 [地上波(吹替)] 6点(2022-06-23 06:57:27)(良:1票) |
105. 麗しのサブリナ
《ネタバレ》 名作なのは認めますが、いかんせんセリフが多くて長くてダレました。 パリに行って垢抜けたと思ったら、急にモテモテになり二人の男を行ったり来たりなんて都合の良いこと。しかし、主演男優が父親の年齢にしか見えないのはいかがなものか。 オードリーが好きかどうかでも評価は変わると思いますが、ヒョロ痩せ型なんでまったく身体的には魅力を感じず。 コメディータッチという設定のようですが、お父さんの存在も特段笑えません。 ボガートとサブリナの気の利いた会話なんかは良かったですが、全体的にはこの点数です。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2022-06-17 21:40:11)(良:1票) |
106. 市民ケーン
《ネタバレ》 すぐ下の【festivaljapan】さんと同じで、セリフ中心でとても疲れる。よく考えられた脚本なんだろうけど、面白くない。長い。 昔の映画ランキングでトップ常連だったので、作成当時はとてもよくできた映画だったんだろうけど、自分が昔の映画と相性が良くないのか見劣りしてしまう。ただし、薔薇のつぼみで引っ張ってくれた分、天井桟敷の人々よりはまだ楽しめた。金と権力にモノを言わせる人生ってロクなもんじゃないというアメリカ国民の世論も、名作を後押ししたんだろう。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2022-06-04 06:47:46) |
107. 燃えよデブゴン
《ネタバレ》 あらら、有名かと思ったらあんまり見ている人いないのね。 かなりB級っぽい作りで、ストーリーは正直かなりぐだぐだで面白くない。 若きサモハンキンポーの物真似カンフーが魅力的で、偽物ブルースリーをやっつけるくだりなんかはキレがあってとても良かった。 ドラゴンへの道みたいに最後に強い敵が出てくるのはお約束だが、あまり面白くない。 どうせドラゴンへの道をパクるのなら、もっと似せてパロディーっぽくして欲しかった。やや中途半端。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2022-05-31 19:49:39) |
108. ウォルター少年と、夏の休日
良いなあ、こういう映画。 基本はコメディータッチで、ときには馬鹿馬鹿しいくだりもあるけど、シリアスじゃなくてそういうニンマリできるものを見たいのよ。 とにかく老人二人がカッコよくて、それに副題のライオンをうまく使っている。 忘れたころにまた見たい作品。 [地上波(吹替)] 7点(2022-05-26 19:14:28) |
109. リメンバー・ミー(2017)
どんなにキレイな映像でも、どんなに脚本が優れていても、騒々しくてセリフの多すぎる映画は嫌いだ。 いつものように勧善懲悪のご都合主義、お約束の結末まで見えていてイヤになる。 ただし、死者の日のコンセプトを生かして家族の意味を問い直した発想は見事。親の価値観の押しつけ、先祖の大切さ、著名人の不正などについても考えるヒントを与えてくれている。 [地上波(吹替)] 3点(2022-05-21 21:10:27) |
110. 影武者
《ネタバレ》 影武者がバレるかバレないかという最大の見どころがある前半は良かった。 俳優陣たちも抑えた演技で引き込まれた。 大河ドラマや時代劇と比べて、リアリティーが違う。実際の戦国時代の所作は、戦闘はこうだったのかと感心させられる。 「乱」に比べて、静のイメージ。 しかし後半、とくに最後のほうの戦闘シーンは冗長すぎてだれすぎ。 時代考証も手ぬるいみたいだし、「乱」と比べると見劣りがする。 仰々しい音楽もマイナス点だろう。クラシックで良いのではないか。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2022-05-14 20:48:13) |
111. 乱
《ネタバレ》 見事な作品。「死ぬまでに観たい映画」トップ10に入るほどの評価も納得できる。 「乱」とはご乱心の乱であった。老けメイクをした仲代達矢の怪演も素晴らしいが、なんといっても印象的なのは原田美枝子だ。この人の印象がすっかり変わってしまった。城の廊下を擦り足で歩く姿や、迫真の迫る演技などは忘れがたい。 ダイナミックな演出と併せて、最近の低予算お気楽大河ドラマとは雲泥の差がある。一方でセリフが聞き取りにくく(字幕付きで良かった)、やや長尺なのはマイナス点であろう。 とはいえ壮大なスケールの戦国人間ドラマの傑作としておすすめできる。8点に近い7点献上。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2022-05-13 20:11:31) |
112. テルマエ・ロマエⅡ
《ネタバレ》 まだまだ温泉ネタはありまっせ!とばかりに、新しい展開の前半は良いとして、後半のローマパートはぐだぐだ感が強くて失速。 ところどころで笑いのツボはあるものの、明らかに前作より劣っている。ラストももう少し工夫が欲しいなあ。 コメディーに徹して時間を短くすれば成功したのかもしれんが。 ケイオニウスの未来が気になるが、2022年現在続編がつくれられていないのを見ると、もう作る気がないんだろう。上戸彩も老けてきたし。 [DVD(邦画)] 6点(2022-05-06 20:27:54) |
113. 遊星からの物体X
《ネタバレ》 いやこれは怖い、というかグロい。 エイリアンがグロすぎて3点をつけた私が言うのだから間違いない。 これ実写版「寄生獣」でしょ。 とはいえ、サスペンス映画の金字塔と言われているだけあって、ストーリーはよくできていた。 絶対的な閉所である南極基地という設定が怖さを駆り立てる。不気味なリズムの音楽にもまいった。 でも「シャイニング」の怖さや出来には到底及ばない、というのが正直なところか。 ラストシーンも何か含みがありそうで気になった。 「死ぬまでに観たい映画」の一つ。グロいのが苦手な人にはおすすめはしない。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2022-04-30 22:12:00) |
114. 映画 ビリギャル
《ネタバレ》 ここでの口コミ通り、良い映画でしたね。 有村架純の不良ギャル役は似合わないと思い込んでいたせいか、きっちりと演技しているのには感心しました。この作品の彼女は飛び抜けて可愛いので、魅力を引き立てています。 受験奮闘モノかと思いきや、実は家族のストーリーに焦点を当てているのも特徴。吉田羊演じるああちゃんだけではなくて、田中哲司演じるダメ父親の存在が後半大きくなってきます。こういう憎まれ役どころは演じるのが難しいと思いますが、ハマっていましたね。ダメパパから良い父親になろうとする過程で、さやかが照れたり褒めたりするんじゃなくて、「ふざけんなよ、クソジジイ」と反発するのもリアリティーがあって良かったです。 まあどこまで事実かどうか分かりませんが、現実の受験というのは地道な努力と苦しい忍耐が必要なわけで、伊藤淳史みたいな良い塾講師も例外なわけで、さやかのような成功するケースは例外中の例外だと思いますが、終始良い意味でベタなエピソード満載で満足な作品でした。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2022-04-29 18:51:59) |
115. 天井桟敷の人々
《ネタバレ》 外国映画ランキング本で一位に輝いていたこもあって期待して見たが、かなり苦痛だった。 駄作とは言わない。大戦当時に作られたいきさつからして歴史的には名作なんだろうけど、面白くないものは面白くない。 ガランスを取り巻くメロドラマがくだぐだ長い。というか、年増ガランス役の人の女性としての魅力を感じない。 セリフがいちいち冗長。登場人物やシーンも分かりづらい。 私には古いフランス映画は向いていないということにしておきたい。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2022-04-21 20:09:44) |
116. ハリー・ポッターと謎のプリンス
《ネタバレ》 第6作ですね。最後の展開のためにあるようなエピソードなので、盛り上がりに欠けるのは仕方がありません。 原作未読、というか前作で長すぎ&暗すぎで断念したので、イマイチストーリーを飲み込めずにブツ切れ感はありましたが、さすがのハリポタ映画なので、分かりやすいセリフや雰囲気は出ていました。全体的に色調が暗いし、色恋沙汰ばかりでなんだかなというところはありましたが。。。 主要な人物の死も描かれており、ラストも中途半端なため、次の作品を見るのが楽しみになってきました。 [地上波(吹替)] 5点(2022-03-30 08:54:10) |
117. ボブという名の猫 幸せのハイタッチ
《ネタバレ》 主人公がジャンキーという重すぎる設定ですが、ストーリーが分かりやすいうえに良いほうに再生していく物語なので、ある程度安心して見られました。 ボブは本物ですが、主人公や周りの人々、二転三転する再生物語がよくできたドキュメンタリーのようで、ものすごくリアルに感じました。ボブは動物映画にありがちな、人間に迎合するような動作もなく、ヒロインや父親との関係も現実的で良かったです。何より主人公の弱さが出るシーンではとても演技とは思えないほど表情や言い方がリアルで感心しました。 もっとも主人公はとても恵まれていたと言えるでしょう。現実的には明るい方へいく人間は少数的、だからこそメディアも取り上げるのでしょうね。 ただ、たびたび出てくるネコ目線でのシーンはちょっとくどいかも。 邦題の「幸せのハイタッチ」はよくぞ思いついたという感じ。ネコ好きならおすすめします。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2022-03-27 20:24:37) |
118. 劇場版 岩合光昭の世界ネコ歩き あるがままに、水と大地のネコ家族
《ネタバレ》 ネコ歩きはテレビでよく見ていて馴染んでいた。 ナレーションが中村倫也ということも大きな違いだが、北海道とミャンマーのインレー湖という大きな二本立てというところもTV版とは異なる。 取り立てて大きなドラマは起きるわけでもなく、とびきり可愛いネコが出てくるわけでもないが、丁寧に家族を追った佳作といえよう。 牛の背中に飛び乗ったり、仔牛と遊んだりと、ほかの動物とは相入れない動物だと思っていたが、こういう場所もあるのかと微笑ましい。 最後にネコの世界もいろいろあるんだね、とうまくまとめたところで終わり。ネコ好きなら一見の価値あり。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2022-03-26 20:19:10) |
119. 私をスキーに連れてって
《ネタバレ》 見ているこっちがこっぱずかしいぐらいのバブル映画。 登場人物たちは妙に元気でノリノリ、後半にかけてご都合主義のオンパレード。バブル時代を青春で過ごした先輩たちには、さぞぴったりくるおしゃれ映画だったんだろうね。 でも観終わったあとは悪くない。ユーミンの曲にのってスキー場へ行きたくなるから不思議なもんである。 ストーリーもここまでやってくれれば逆にすっきりするし、何より原田知世がこれだけ可愛く写っているのは他にないと思う。若干違和感はあるけど、社長秘書のお姿も拝めるし、実姉も出演しているのは貴重。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2022-02-22 19:44:31) |
120. 聖の青春
《ネタバレ》 イチ将棋ファンであった私は、当時の鬼気迫る勝ちっぷりと、A級在位のままの死去という村山氏の姿を映像をリアルタイムに覚えている。 だから彼の人となりを見てもらうには、映画ではなくドキュメンタリーを鑑賞すれば良い。この作品はあくまで脚色をされた装飾作品だ。 そんな建前は置いておいて、役作りに励んだ松山ケンイチと東出名人がモノマネとしてうまく表現している。特に東出昌大のほうは、対局姿がもう羽生に見えて仕方がないほど作りこまれていて、大いに笑える。 あのころの将棋界は棋士たちに人間らしい個性があって、とても楽しかった。この映画でもいろいろな脇役たちがいるが、棋士たちをはじめ関係者がよほど指導したのであろう苦労が垣間見れて良い。しかし、ナナダンではなくシチダンと読むのが通例だし、2時間以上あって、長い。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2022-01-17 05:57:08) |