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101.  美しき諍い女
4時間近い大作で、ほとんどが二人だけの男と女の画家とモデルの葛藤の様子が淡々と描かれている。画家という仕事とモデルという仕事、両方の立場からそれぞれの苦悩のようなものが描かれている気がする。ただ4時間近くこの二人きりですので、ドラマとしての盛り上がりに少々欠ける気がしてそういう意味で物足りなさも残るが、つまらなくはない。ただ見るには覚悟が必要かもしれない。間違ってもハリウッド映画的な面白さなどは絶対に期待してはならない。そういう人は見ない方が良い。
[DVD(字幕)] 6点(2009-06-13 21:03:35)
102.  エグゼクティブ・デシジョン 《ネタバレ》 
いや~凄い!スティーブン・セガール!主役であるカート・ラッセルよりもある意味、インパクト大!あんなあっけなくいなくなってしまったのに、完全に脇役なのに、それなのに、それなのに、今までのどのスティーブン・セガールよりも良い。まあ、こう言っちゃ何だけど、間違いなくスティーブン・セガールの出ている映画の中で一番、面白いし、こんなに出番少ないのに、それが最高傑作であるこの俳優、ある意味、本当に凄い俳優だ!この映画、アクション映画としても、普通の映画としても十分に楽しめた。その要因はやはりスティーブン・セガールの退場劇!普通の俳優ならばここでなあ~んだ!となる所がそうならない。スティーブン・セガールのことだから絶対にまた戻って来て、俺は生きてるぜ!というふうになると思わずにはいられない緊張感、別の意味での緊張感、これ、私はDVDでの観賞だから良いけど、もし映画館で見てたら、タイトル言うだけで、舌を噛んでしまいそうだし、何しろやたらと点ばっかりのタイトルで、もう少し言い易い。誰にでも覚え易く、言い易いタイトルにして欲しい。色んな意味でハラハラする映画です。ところであの美しいスチュワーデス、ハル・ベリーだったのか!それにしても主役のカート・ラッセル、凄く可哀想です。だって、主役なのに、友情出演、直ぐにいなくなってしまうスティーブン・セガールばかりやたら語られるなんて、本当に可哀想です。と言いながらも私も何だかスティーブン・セガールのこときり書いてるなあ!まあ、色々と突っ込み所も満載だけど、一級の娯楽作品として楽しむことが出来たので8点ということでこの映画についての感想を終えたいと思います。
[DVD(字幕)] 8点(2009-06-11 22:13:09)(笑:1票) (良:2票)
103.  ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア 《ネタバレ》 
人はいつかは必ず死ぬ。その「死」について前向きに考え、ただひたすら自分達の希望、夢に向ってひた走る二人の男の姿がとにかく微笑ましくて良い。それがこの映画をけして、暗くならずに悲壮感だけ漂うものにはしていない。死ぬ前に一度も見たことのない海を見たいと願う男とその夢に付き合うもう一人の男、この二人、病院で自分達の命はもう残り僅かだと知らされる。そんな二人が出会い、ただ海が見たい。それだけの為にとにかく突っ走る。「死」を描こうとするとどうしたって暗くなりそうな所がまるで無いのが良い。何一つとして説教臭さも無ければこの主人公の姿には悲壮感よりも「死」よりも「生」、今を一生懸命行きようというものが描かれていて見ていて気持ち良い。気持ち良いと言えばこの二人に終始、振り回されぱなしのマヌケな二人のギャング、このマヌケぶりも可笑しい。ボスからの大切な車で少年を引いてしまった後の少年へバナナを差し出すというアホぶり、マーチンとルディと一足遅れで銀行強盗に入ったり、その後も振り回され続けるギャング二人に銃を浴びせられ、車の後ろで隠れるマーチン、ルディの姿に、銃なんかでは死んではいけない。どうせ死ぬのなら好きな海を見て、死のうではないかという温かい視線もこの映画全体から感じられる。ラストの海を前に倒れるマーチン、その横で一人、海を見つめるルディ、この二人の姿に天国は待っている。海が二人を待っているとでも言ってるようで、正しく天国へのドアが叩かれた瞬間を見た気がした。
[DVD(字幕)] 8点(2009-05-14 21:29:59)(良:1票)
104.  あの、夏の日 ~とんでろ じいちゃん~
大林宣彦監督による新尾道シリーズの一つとして公開当時、ガラガラの映画館で見たけど、他の尾道シリーズに比べるとどうしても見劣りしてしまいます。特別面白いとは感じなかったけどまあ、つまらなくはなかったし、大林宣彦監督らしいのどかな風景を観ることが出来て良かったとは思ってます。それと私もあの変な呪文がいつまで経っても頭に残って、離れません。
[映画館(邦画)] 6点(2009-05-07 22:48:33)
105.  カンゾー先生
開業医は足だ!って?えっ?やっぱり足より腕でしょう!すいません。そんな捻くれた見方しか出来ず申し訳ない気持ちでいっぱいです。それにそんなに足が速いなら医者になるよりも陸上選手にでもなった方が良いと思うんだけど?でも、あれか?陸上選手じゃ大した金にもならないし、やはり医者の方が金になって食っていけるだけ良いのかもしれない。う~ん?やはり私は変な見方しか出来ないのか?まあ、それでも海外でも国内でもやたら絶賛されて賞を獲得した「黒い雨」や「うなぎ」よりは楽しめたし、好きだし、それに何と言ってもこの映画公開当時まだ新人だった麻生久美子のナイスなお尻を拝見することが出来たので良しとしたい。
[ビデオ(邦画)] 6点(2009-02-22 18:46:00)
106.  ブロードウェイと銃弾 《ネタバレ》 
そういや、ウディ・アレンの映画って今まで一つも見てなかった。何だかいまひとつ、見ようて気にはなれなかった。ところが、ここでの皆さんの評判がとても良い。これはちょっと見てみようかと思うてな訳で中でもこれが一番、良さそうだし、平均点も高い。おまけにギャング映画の要素も感じるとのこと、面白い。噂通り面白かった。まず何と言ってもテンポが良い。またどのキャラも面白い。個性的な奴ばかりなのが良い。落ち目な主人公にやたらハテンションでイカレまくりの女だったり、用心棒役の人も脚本家としての才能を発揮と意外な才能ぶりで笑わせてくれたり、またこの映画、ブロードウェイの内面と知られざる裏側、一面も見せてくれていて、興味深く見ることが出来た。これを機に他のウディ・アレン監督の作品も見てみようかと思う。
[ビデオ(字幕)] 8点(2009-01-24 11:16:17)
107.  居酒屋ゆうれい
うわっ!平均点低いなあ!しかし、私はこの作品好きです。日本人に生まれてきて良かったと思えるいかにも日本的な雰囲気、あのセット、そして、何といって主演の二人、萩原健一と山口智子の人情味溢れる夫婦、そのコミカルさの中にある夫婦としての絆のようなものに、また、そこに集まってくる人達のあの楽しそうな顔付き、更に忘れてはならないゆうれい役の室井滋のゆうれいも見ていて楽しい。こういう心温まる人達が集まる居酒屋、その雰囲気などどこをとっても日本映画ならではの人情ものに仕上がっていて私は好きです。こんな居酒屋だったら、こんな気持ちの良い人達の集まる居酒屋だったら、例えゆうれいが出てこようが私は気にしないと思う。この映画はとにかく出ている人達が皆、本当に楽しそうに演じているのが良い。「居酒屋」と「ゆうれい」という組み合わせの妙、どこをどうとっても日本映画らしい映画!こういう人情話、喜劇がもっと見たい今日この頃、見るからにさほどお金はかかってないのは解るけど、金などかけなくても面白い映画は撮れるんだよという監督の気持ちも伝わってきて、そういう所も含めて好きな作品でもある。
[映画館(邦画)] 8点(2008-08-11 20:23:00)(良:2票)
108.  フランケンシュタイン(1994)
これ、確か劇場で見てるはず。何だかホラーてよりは恋愛もの、それも悲しい話だったような気がする。ヨーロッパ映画ぽい雰囲気を感じるし、なかなか見応えのある作品になってた記憶があります。ところで、デニーロ!仕事選べよ!普通じゃない人間を演じても凄いのに、今度は人間ではなくフランケンシュタインとは、人間じゃない怪物を怪物らしく怪物的な演技とメイクで見せるデニーロの化け物ぶりは、正に仕事の為なら役を選ばない。何かこの作品あたりからやたら色んな作品に出るようになった気がするけどギャンブルで負けて借金でもしてんのかな?て言いたくなるぐらい、本当に仕事を選んで欲しいと思わずにはいられません。
[映画館(字幕)] 7点(2008-07-23 23:03:51)
109.  はるか、ノスタルジィ
大林宣彦監督の作り出す世界は舞台がどこであろうと、この監督の描く少女への想い、大人が大人に成り切れないもどかしさ、人の心の中には必ず少年だったり、少女だったりと、いつまでも子供の気持ちというものが観てとれる。自分の過去と現在、人が人として生まれてきた以上、絶対に切って捨てることの出来ない過去と現実、それを大林宣彦監督らしい美しい映像で見せてくれる。この映画もそんな大林映画らしい美しさを感じる。映像の美しさ、久石譲の美しいメロディ、尾道がセピア色ならばこの映画の舞台となっている小樽は透明感のある色合い、空気というものを感じる。大林宣彦監督に小樽てだけで少なくとも半分以上の点数を与えたくなる。この映画を単なる中年親父の妄想と言い捨てるのは簡単かもしれない。大林映画に出てくる少女は少女のまま歳を取らないのが大林映画の基本である。「転校生」の小林聡美、「時をかける少女」他の原田知世、「さびしんぼう」の富田靖子、そして「ふたり」にこの作品の石田ひかり、大林宣彦監督の映画に出てくる少女はどこか一貫性というものを感じるし、また大林映画独自のミステリアスな感じも悪くない。これはけして、笑いや涙、感動を誘うような映画ではないと思う。文学的な香りを味わう映画だと思う。こんな大林映画も私はあっても良いと思うし、好きです。
[DVD(邦画)] 8点(2008-06-13 21:47:46)(良:1票)
110.  菊豆/チュイトウ 《ネタバレ》 
チャン・イーモウ監督の作り出す映像美は本当に凄い。いつもながら色使いの上手さ、赤、青、黄色と巧みに使いこなすその映像センス、これだけ赤、青、黄色の三色を上手く使いこなせるのは他には信号機ぐらいです。おっと、信号機のことよりもこの映画について触れないとまずい。コン・リー演じる菊豆がいたぶられる場面のあの美しさ、女性が男に暴力を受ける場面など本来は醜くて汚い、グロテスクなものなのに、この場面なんて何と言う美しいシーンだ!さほど多くは見たことがないので、よく解らないけど、下手なアダルトビデオのレイプシーン、SMシーンよりもずっとずっと美しく感じるから大したもんです。それも偏にコン・リーという女優の持っている美しさ、外見的なものだけでない内面的な美しさと両方とを持った女性としての美しさと感情的表現における演技力あればこそ見られる美しさ、女性が虐められる場面でこんなにも美しいのを私は今まで見たことがあったか?自分がやがて夫となる男に覗かれていることを知った時のあの表情の素晴らしさ、コン・リーあっての映画であることは少なくとも間違いないと私はこの映画を見て感じました。最後に二人の間に生まれてきたあの何とも憎たらしいガキといったらまるで何だか亀○兄弟でも見ているようでして、いや、本当に何だかあの息子の面構えといい、暴力的ふるまいといい、坊主頭な所までそっくりだ!それにしても本当にどの場面においても映像美が美しいのには流石、チャン・イーモウ監督だと思いました。
[ビデオ(字幕)] 7点(2008-05-31 11:16:45)
111.  活きる 《ネタバレ》 
「活きる」というまずはこの邦題を付けた人に私は素晴らしい。感謝の気持ちでいっぱいになる。どんな厳しくて、貧しい中にも人間として生まれてきた以上、精一杯生きる。生きること、それがすなわち「活きる」ことにも繋がる。この映画で描かれている人間の生活、苦難にも立ち向かわんとばかりに一生懸命な人々、博打でボロボロになりつつある駄目な夫を支える妻、コン・リーの厳しさと優しさとの両方がきちんと描かれている。それも偏に主演の二人の演技力があればこそ観ていて伝わるものがある。娘の結婚を祝う場面での二人のあの優しそうな笑顔、表情、そして、そんな二人の表情につられるように周りの人間も同じく表情が和らいでいて何だかとても優しいこれこそ人間の温かさ、チャン・イーモウ監督の心の温かさを見せてもらっているようです。それにしても駄目な夫を演じているグォ・ヨウがどんどんと素晴らしい父親へと変わって行く様子を見事に演じ、更にはそんな夫を支えるコン・リーの演技は凄い。やはりこの人、今、アジアでナンバーワンの女優さんだ!コン・リーの凄さ、素晴らしさについて少し語らせて貰いたい。どんな役でも見事に演じきる。そして、何よりもオーバーな演技、自分を良く見せようとか、私は女優なんだよ!どうよ?美しいでしょ?みたいな所を全く見せつけない。抑えた演技、それは日本で言うならば高峰秀子という女優に当てはまる。表情にしても滅多には変えずに、ここぞという時のみ、表情を変えて演技する。中国版、高峰秀子です。なんだかんだと色々書いてみたが、これは正しくタイトル通り「活きる」映画!コン・リーの逞しさ、強き母こそ人間のそして、世界共通の母のあるべき姿ではないでしょうか!
[DVD(字幕)] 8点(2008-04-05 11:51:05)(良:1票)
112.  ナイト・オン・ザ・プラネット
これは間違いなく良い映画だ。この映画を言葉で表すとしたら「全人類が同じ時を過ごせる映画」正に奇跡の空間!住んでいる場所、人種こそ違っても、全ての人間が同じ地球上で生きている。人間の持っているものを全て温かく包んで見せてくれるこの映画、誰が何と言おうと、私は大好きだ!人間が好きになれるし、心優しい気持ちにもなれる。そして、この映画は特に夜遅くに見るのが最高です。観終わって部屋の窓を開け、星空を見上げるとそこには地球上の全ての人の微笑んでいる表情が眼に浮かぶ。素晴らしい。
[DVD(字幕)] 9点(2008-01-11 18:09:23)(良:3票)
113.  ラヴソング 《ネタバレ》 
ラヴソングって、何だかタイトルだけを見ると何や、甘たるい恋愛ものかと思っていたらとんでもなかった。何と言う心憎い演出でストレートに泣かせてくれる。やるな!香港映画!こんなにも素晴らしい映画が香港映画の中にあったとは知らなかった。この映画、冒頭のあのモノクロの駅のシーン、この最初のシーンを最後になって、もう一度繰り返されるのだが、それが物凄く効いてきます。同じ頃、香港へと出稼ぎにやって来た若い男女二人の十年越しの愛、遠回りであったものの、二人の恋が実ったことを表すシーンが映像と共に迫ってくる。作品のスタイトルとしては完全なメロドラマである。この映画の中でも何度となく流れてくるテレサ・テンの歌声と映像、そして、そんなテレサ・テンの死を知らせるニュースを街頭テレビで見ている二人が見せる表情が素晴らしい。二人の思いがここに象徴されている素晴らしいショットだ!このシーンについて語らせてもらうと、もう、二人が抱き合ったりしなくても愛し合っていること、二人の恋が実ったことが伝わるのだ。下手な映画、例えば今の日本映画だったら、ここでぐたぐたと言葉を交わしたり、抱き合ったりするものだが、この映画はそういうことをしていない。そんなことなどしなくても十分、二人が十年越しの愛を実らせたことが解る素晴らしいシーンだ!ここで終わりと思わせておいて、ラストにあの冒頭の駅のシーンを持ってくるというこの何とも気の効いた心憎い演出!マギー・チャンのラストの微笑みは、いつまでも頭から離れなくなりそうです。
[DVD(字幕)] 9点(2008-01-02 10:40:09)(良:3票)
114.  プリティ・リーグ 《ネタバレ》 
ベースボール!それも女性達が主人公というその発想が面白い。野球は何も男だけのものではないのよ!女にだって、野球が出来るんだよということを見事に証明して見せている。そして、何よりも出演者全員がはつらつとしてしていて見ていて気持ちが良い。第二次世界大戦の影響でアメリカ国民の男達は戦争に出ている。そうなると国民的スポーツである野球を誰が守る?そう、女しかいない。野球好きの女達、そうでない人も皆で野球という国民的スポーツを守るしかない。そこで女子プロリーグの誕生となるのだが、その過程もその後のドラマも女性達が見事に輝きを放っている所が本当に楽しく見られる。女子リーグを見事に立ち上げて去っていくキャプテンの姿に何とも言えない哀愁とでも言うのか?言葉では表すことの出来ない何かを感じられずにはいられなかった。この映画、単なるスポーツ映画の枠を超えた人間ドラマとしても見応え十分!ラストの回想シーンでの彼女達の顔、そして、そこに生まれる再会のドラマ、これは間違いなく女性達の女性達による女性達が輝いている爽やかな映画だ!あっ!トム・ハンクス演じる酔いどれ監督も良い味を出している。野球好きなら間違いなく楽しめると思うし、そうでない人が見ても楽しめるのではないでしょうか!いずれにしても、見ていて気持ちの良い映画です。こういう映画、好きです。
[DVD(字幕)] 8点(2007-10-28 21:53:52)
115.  紅夢
赤!赤!赤!正しく紅という文字が映画のタイトルにあるように本当に赤い色の持っている魅力、色にはそれぞれ不思議な魅力があるけれど、この映画だとその赤が本当にゾクゾクとするぐらいの恐ろしさ、そして、エロスを感じられずにはいられないわけです。何と言ってもあの赤提灯の不気味なことと言ったら下手なホラーやサスペンスものを見るよりも恐ろしいほどのこの赤提灯!部屋の外と中にそれぞれ吊るされている赤い提灯もただ吊るしているだけならちっとも恐くはない。しかし、赤い所に青い映像を持ってくるだけで、これほどまでに恐ろしさが強調されるわけでして、部屋に飾られている不気味な顔をしたまるでメキシコのプロレスにでも出てくるようなマスクマンのようなあの飾りといい、とにかく恐い。麻雀をしている後ろであの顔が写される時の何とも不気味な事。流石、この監督、色を強調し、色で全てを語らせ、人間の心理状態まで見せてしまう。凄いとしか言えません。そんな映像を捉えるカメラもこれまたロングショットを巧みに使って見せることでより色の持っている不思議な魅力と人間の心情というものを浮かび上がらせるテクニック、とにかく色がこれほどまでに見事に人間の心理状態を言葉による説明などではなくて、映像だけで伝えて見せる。今の日本映画に見習う点が山ほどあるような気がします。そんな映像の中で繰り広げられる女と女の嫉妬、プライドが生み出す壮絶なまでの戦い、見ていて本当に恐かった。コン・リーの抑えた演技が女としての戦い、やるせなさみたいなものが伝わってきて、中国映画のレベルの高さを見せ付けられたようなそんな気も致します。
[ビデオ(字幕)] 8点(2007-10-06 16:03:18)
116.  ソナチネ(1993)
北野武監督の映画には常に死が付きまとう。これにしてもそうで、少ない台詞と映像の力で見せる。この辺が他の日本のタレントや芸人が撮るどうしようもない作品とは明らかに違う。多くを語らない。しかし、映像だけで迫る力強さがある。この映画が凄いのは、暴力映画によく見かける。付きまとう暴力的な描写が少ないこと。そして、主演の北野武にしてもやたら感情を剥き出しにするわけでもなければ、何か凄い爆発を見せるわけでもなく、ただただ静かに、不気味に笑っているようなあの顔付き、人間の心の中には常に暴力があるんだよ!それを感情的にしないことで、返って不気味さを増す。そんな静けさこそこの映画の恐ろしいところです。好みで言うならば「キッズ・リターン」が北野武監督映画では断然だが、恐ろしさという意味ではこれこそ北野武監督の中でも一番だと思うぐらい本当に見ていて恐いそんな雰囲気を最後まで感じたし、間違いなくこれも監督北野武の代表作として挙げられる作品だと思います。
[映画館(邦画)] 8点(2007-09-13 19:33:50)(良:1票)
117.  ウェディング・バンケット 《ネタバレ》 
男同士の愛、つまりゲイの世界を描いている作品にありがちな嫌らしさ、偏見的な視線が無いのがまずは良い。息子が同性愛者であることを知っても、それでも以前と変わらずに息子に対しても同姓愛の相手にも偽装結婚の相手の女性に対しても全てを受け入れた上で優しく接する母と息子が同性愛者であることも知っても知らないふりして、何もかもを受け入れようとする父の偉大さ、登場人物全員が皆、一つの家族として繋がっているかのような温かさを感じるこの作品、アン・リー監督の持っている優しさが伝わる良い映画です。あのラスト、手を大きく広げる父親の後ろ姿に父としての偉大さを見ることが出来た。普通、こういうテーマを描こうとすると同性愛者に対しても相手に対してもどこか冷たい感じで描きがちな所をこの監督は優しく描いているのも好感が持てて良い。
[DVD(字幕)] 8点(2007-08-25 17:41:04)
118.  八月のクリスマス(1998) 《ネタバレ》 
これは良い。初めて韓国映画で良いと思った。今まで韓国映画を観て良いと思ったことは一度もない。韓国映画ではあるけど、これはどこから見ても韓国映画というよりは昔の日本映画、日本映画全盛期の頃の映画、例えるなら小津監督の映画のような雰囲気、恋愛映画だけど、キスシーンすらない。それでも下手な恋愛ものよりもずっとずっと伝わってくるものがある。この映画が素晴らしいのは何よりも余計な台詞がないこと。全てを語らない。映像に余韻があること。例えば一つだけ例を挙げると自分の人生の終り、死が近づいている主人公が愛する女性が働いている所を喫茶店の窓越しに見て、窓ガラスに手を置いているあの場面、見られている女性の方は相手の青年に見られていることに気づいていない。気づかずに青年の前から去っていく彼女、このシーンには台詞で語らずに映像で語ることの素晴らしさ、映画ならではの映画が持つべき本来の形が見える素晴らしいシーンです。そんな素晴らしい余韻の残し方にこれはどこから見ても正しく映画!ラスト、死んでいった青年の写真館の前で青年に撮ってもらった自分の写真を見ている彼女、何と切なく悲しい映画だ!二人の言葉には出させなくても二人がお互い惹かれあっている様子が全て台詞ではなく、説明も省き、映像だけで見せる。素晴らしい恋愛映画だ!
[DVD(字幕)] 9点(2007-08-16 11:22:58)(良:1票)
119.  東京上空いらっしゃいませ 《ネタバレ》 
なんて可愛いんだ!牧瀬里穂演じるユウの健気なこと、なんて純粋なんだ!自分が交通事故で亡くなってしまったことをちっとも受け入れようとしない中で中井貴一のマネージャーの住むマンションの部屋の中、一人で活き活きとしている姿に、そして、二人並んで撮った写真に自分の顔の映っていない姿を見て、そこで初めて自分が本当に死んでしまったのだということを受け入れる姿に、もうそっから最後まで泣けて泣けて本当にヤバかった。既に皆さんが書かれているように別の自分の姿として、ハンバーガーショップで働く場面も素晴らしい。それにも増して、折角、アルバイトで貰ったお金を中井貴一演じるマネージャーの為にと使ってしまう姿と自分へのご褒美に歯ブラシを買うなんて、駄目だ!本当に泣けて、泣けて仕方ない。他にも中井貴一と二人で夜空を見上げ、打ち上げられる花火を見ているシーン、そこでユウ(牧瀬里穂)の言う台詞がこれまた涙を誘う。「わたし、今の自分が一番、好き」自分の生まれた時のまだ0歳の頃から順に自分の年齢を言うシーン、中井貴一以外の仕事関係者には死んでいる筈のユウが幽霊としてまだ生きているということが解らない。交通事故の原因となった笑福亭鶴瓶の白雪の眼の前に姿を表して言う「東京からいらっしゃいませ」、あの場面の何とも言えない気持ちの良さ、あの場面は本当にスカットする気持ちの良いシーンだ!単なるアイドルものかと思っていたらとんでもなかった。牧瀬里穂の演技が下手とか駄目とかそんなことはどうでも良いぐらいに私は感動してしまった。こういう作品に対して、色々とケチを付けたがる頭のお堅い映画評論家がいそうだが、こういう映画を観ても何とも思わない。楽しめない。素直に見れない人は物凄く可哀想だと思う。牧瀬里穂が見せる笑顔の素晴らしさ、見ていて本当に気持ちの良いそんな映画です。
[ビデオ(邦画)] 9点(2007-08-13 09:37:50)(良:1票)
120.  橋の上の娘
これまたいかにもフランス映画、どこをとってもフランス的な香り、そして、パトリス・ルコント監督らしい雰囲気の作品だと観ていて思わずにはいらない。何ともエキゾチック、怪しい雰囲気で見せる作品、露骨なシーンなど無いのにこのゾクゾク感は何なんだ?話としてはそれほど特に面白い話でもないのに、何故か引き込まれる。やはり映像が良い。雰囲気が良いからだろう!モノクロの特色がよく生かされていると思える。男と女の感情表現の描かれ方がどこかアメリカ映画とは違うし、日本映画ではこうはならない。
[DVD(字幕)] 7点(2007-05-11 23:08:17)
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