101. 恋人よ帰れ!わが胸に
ジャック・レモンとウォルター・マッソーの役どころがピタッと決まったコメディーで、仕掛けは地味なんですが楽しめました。それと、ブーン・ブーン・ジャクソン役の黒人俳優がすごく人が良さそうで可愛かったですし、ジャック・レモンとの絡みもよかったですよ。難点は邦題。原題のThe Fortune Cookieは「おみくじ入りクッキー」。どう考えればこの邦題になるのか不思議です。 [DVD(字幕)] 7点(2007-01-06 22:36:08) |
102. ショコラ(2000)
いい話なんですよね。ただ、私にはヨーロッパの田舎の村に巣くう因習がよくわからないので、その因習からの解放というテーマも今ひとつピンときませんでした。完全なシリアスでもないしコメディでもなく、どっちつかずになってるかな。まあ、あまり力まず淡々と観ればいいのかもしれないけど。ビノッシュとレナ・オリンの組み合わせは「存在の耐えられない軽さ」以来ですが(私が観たのは)レナ・オリンの方が老けてますよね。ビノッシュの顔立ちはあまり老けを感じさせなくて得だなあって変なところに感心してしまいました。・・・ところでレスリー・キャロンはどの人だったのだろうか?気がつかなかった。くやしぃ~~。 [DVD(吹替)] 6点(2006-12-28 21:40:22) |
103. スライディング・ドア
予備知識無しに見たのですが、面白かったです。この運命の分岐作品の長所は、1)2つの世界の弁別が容易なこと、2)2つの世界の切り替えが自然なこと、3)2つの異なった運命が背中合わせで、しかも寄り添うように進行すること、4)最後に2つの世界をどのように一致させるかとそこへの期待感を見る者に抱かせること、です。作品中のエピソードは単純ですがそれだけにわかりやすく、楽しめる作品に仕上がっています。脚本家が、紙に一本の線を引いて、それをある点で2本の線に分岐させ平行線を描き、その2本の線を再度一本にまとめる。その線の上にエピソードをレイアウトしていったかの様にわかりやすい本作品は、教科書にのせてもいいような佳作でした。パルトローの自信のなさそうな、おどおどした演技もなかなか珍しくて良かったですよ。 [DVD(吹替)] 7点(2006-12-28 21:39:33)(良:1票) |
104. ネットワーク
現在でも、視聴率稼ぎのためのトラブルは大変な問題です。また、放送会社のM&Aにしても、日本でもついこの間も起こりそうになりましたよね。ピーター・フィンチのようなテレビ出演者って、男女を問わず日本にも複数いて視聴率稼いでますよね。このように、30年の年月を越えて未だ古めかしくならないテーマを映画化したシドニー・ルメット監督は素晴らしいなあ、と思いました。 [地上波(字幕)] 7点(2006-12-28 21:36:44) |
105. 大空港
70年代の災害もののはしりだとか。この後、ポセイドン・アドベンチャー、大地震、タワーリング・インフェルノ等が製作されたと聞きます。本作もシリーズ化されたらしいです。今観ると、ややおとなしい感がありますが、グランドホテル形式にのっとって、空港と旅客機の中の空間でそれぞれの人間の人生模様を描いた秀作です。人間を描くには、この程度のトラブルがちょうどいいかと思います。バート・ランカスター、ディーン・マーティン、ジョージ・ケネディー。骨のある男性を中心としたドラマに、うまくジーン・セバーグ、ジャクリーン・ビセット、そしてヘレン・ヘイズがからまってまとまりよく仕上がっています。 [DVD(吹替)] 8点(2006-12-28 21:36:03) |
106. デブラ・ウィンガーを探して
女優を続ける上での、家族を含めたプライベートな困難さを多くの女優さんのインタビューを集めて構成した作品です。ただ、どうしてもインタビューの垂れ流しになっていて、テーマに対してせまっていく方向でうまく構成・編集されていないような感じを受けました。こういうテーマで、インタビューではなくてドラマを映画として作ったら面白かったかもしれません。それに、やっぱり女優さんは役を演じている姿を見るもので、普段の本音を聞く(見る)ものじゃあないなあと痛感しました。現役で主役を張っている女優さんは、インタビューの中でもしっかり女優さんしてましたよねえ。 [DVD(吹替)] 3点(2006-12-28 21:35:15) |
107. ステップフォード・ワイフ(2004)
コメディーとしても、謎解き物としても、全く面白くない作品でした。本作がリメイクで、リメイクされるくらいなんだからオリジナルは良かったのかな?オリジナルがみてみたいです。 [DVD(吹替)] 3点(2006-12-22 22:01:17) |
108. 野性の少年
良きにつけ悪しきにつけ、この種の映画はどうしても奇跡の人と比較してしまいます。あちらは、壮絶な戦いで感動的、本作品はやや平板で記録映画のように進んでいきます。坦々進行するドラマの中にトリュフォーの優しさが込められている。そんな感じを受けました。好印象の作品です。 [DVD(字幕)] 6点(2006-12-22 22:00:15) |
109. この森で、天使はバスを降りた
《ネタバレ》 アメリカの自然は美しいし、軽い謎解きの部分もあり引き込まれる作品です。人物の性格もはうまく描写されています。なのに、全般に説明不足の部分が多くて残念です。たとえばイーライがなぜ母親であるハナと顔を合わせず、あのような生活をするようになったかは全然わかりません。ベトナム戦争の後遺症だとか、あるいは戦線から脱走したとか、なにか理由を説明してもらわないと、最後にパーシーはイーライのために命を落とすのですから。また、ネイハムが最後にみんなの前で詫びてお終いというのも釈然としないですね。どう考えてもパーシーを陥れようとしたのに。原題はただの食堂の名前、The Spitfire Grill。邦題は、この森で、天使はバスを降りた。パーシーが天使だというのなら、人間の罪深さを一身に受け止めて死んでくれたのだ、そう考えるなら、見事な邦題の付け方といわざるをえません。 [DVD(吹替)] 6点(2006-12-22 21:59:19)(良:1票) |
110. 愛の地獄(1994)
《ネタバレ》 ここまで嫉妬の妄想に駆られるとまさに「愛の地獄」だと思います。フランス映画にしては出会いから結婚出産までテンポがいいなあと思ってみてたら、妄想・嫉妬の表現の執拗なこと。これでなにか落ちがあれば(例えば奥さんの仕組んだ罠とか)、サスペンスの良作になるんでしょうけど、結局最後までよくわからないまま終わるという(ベアールは殺されたの、それとも妄想?)、ほんとにフランス映画している作品でした。作品の最後の方は、サイコとコレクター(65)を連想してしまうのですが、それらの名作にはおよんでないですね。 [DVD(吹替)] 6点(2006-12-22 21:58:03) |
111. 愛のエチュード
《ネタバレ》 ロケ地の風景のきれいな作品です。そしてラストはちょっと感激。実際にルージンみたいな人が近くにいたら大変でしょうけど、一度はこういう常識を飛び越えた天才さんに尽くしてみたい気持ちはありますよね。なので、そのような気持ちをこの作品が満たしてくれました。欠点は、ナターリアがあそこまでルージンを好きになってゆく心の過程があまりうまく描かれていなかったこと。大人のルージンはほんとに変わっているのだけれど、子供のころは普通というか賢そうで、そのギャップが不自然だったこと。そして、ヴァレンチノフがなんであそこまでルージンの邪魔をするのかの合理的な説明がなかったこと。ナターリアの口から嫉妬でしょうというような言葉が出るけど、それだけでは説明がつかないと思います。この様な欠点はあるけれど、タトゥーロとワトソンの息もピッタリで、美しい風景とともに楽しめる作品でした。 [DVD(吹替)] 7点(2006-12-22 21:56:30) |
112. 恍惚(2003)
男女3人の人間関係を描くというのはフランス映画の大きなテーマの一つだと思います。この作品の場合は女2人男一人の関係です。ドラマはカトリーヌとベルナール夫妻の描写、カトリーヌとマルレーヌ(ナタリー)の会話が中心となり物語は進行してゆきます。マルレーヌとベルナールの関係は、マルレーヌからカトリーヌに言葉で語られるという手法を用いています。ドパルデューやベアールは彼(彼女)の持ち味を十分に発揮していますし、ファニー・アルダン(とくに表情)がことのほか良いです。映画のプロモではベアールの写真がたくさん使われていますが、主演はファニー・アルダンですね。この一本の作品の中に倦怠期の中年夫婦の関係や、娼婦として働く女性の寂寥感が表現されています。トリュフォー映画のようにわかりやすく、そしてオチがあります。男女三人の関係の最後を想像しながら見るのも楽しいです。わたしは鈍いので、最後までオチがわからなかったです。邦題は、恍惚だとなんのことかわからないですね。原題がNathalieなので「彼女の中のナタリー」位の方が良かったかなあ。 [DVD(字幕)] 8点(2006-12-22 21:40:18) |
113. ニューヨークの恋人(2001)
《ネタバレ》 トロトロになりましたぁ~。現代のバリバリのキャリアウーマンと100年以上前の公爵様のミスマッチな恋。これを実現させるための手段としてのタイムスリップ。時を超えた恋はこれまで何度も映画化されてきたと思いますが、その中のどれよりもかる~い感じの仕上がり。公爵様が給仕をするなんてのもあまり現実味がない。でも、でも、いいじゃないですか。映画は夢を売る商売。レオポルド公爵様には十分夢を見させていただいて、もう身も心もトロトロです。点数も大甘のトロトロです。 [DVD(吹替)] 8点(2006-12-08 22:43:50) |
114. 電話で抱きしめて
メグ・ライアン以外の二人の役割がいまい一つわからなかったです。ウォルター・マッソーは顔は老けてるのに髪の毛はしっかりしていて奇妙だったなあ。ヤアヤアシスターズや君に読む物語のジェームズ・ガーナーの老け顔の方が良かったです。それにしても、マッソー、ニクソンに似てますね。 [映画館(吹替)] 5点(2006-12-07 21:47:00) |
115. 恋は嵐のように
《ネタバレ》 マリッジブルー?の男性が婚約者と結婚するまでを描いた作品なんでしょうが、3人の人物が描き込まれていないし、旅の途中で起こる事件もメリハリ無く退屈で滑ってます。モチーフはよくわかるし、一つ一つのエピソードも面白いのに残念です。コメディにするかシリアスにするか(表現をね)、スタンスをはっきり決めて作って欲しかったと思います。 [DVD(吹替)] 3点(2006-12-07 21:45:10) |
116. 私のように美しい娘
ベルナデット・ラフォンに共感できるかどうかは別として(普通共感できませんよね。お~恐)、ここまでの悪女ぶりを発揮してくれたらかえって気持ちいい。なんかトリュフォーの映画ってプラス1点したくなりますね。 [DVD(字幕)] 7点(2006-12-07 21:44:07) |
117. フライトプラン
予備知識全くなしで見たので、ハラハラ、ドキドキで、結構楽しめました。近くの席に女の子が乗っていたかどうかわからない他人への無関心さ、人間が正常かどうかはまわりの人の合議制で決まる?みたいな不気味さも味わいました。なのでいい点つけさせていただきます。 [DVD(吹替)] 8点(2006-11-26 14:13:52) |
118. 暗くなるまでこの恋を
こんな失敗作に出演させた埋め合わせに、トリュフォーは後年ド・ヌーブを終電車に起用したという記事をどこかで読んだことがありますが、そうでもないんじゃないかなあというのが第一印象。ストーリーはよくありそうなものだけど、さすがフランス映画、いい雰囲気に仕上がってます。とくにド・ヌーブは見事だと思います。「彼女がいると、その場の雰囲気を曖昧にする」と誉められていたのを思い出します。問題はベルモンド。アフリカのタバコ農園持ちのお金持ち、だけど本が好きなインテリ風側面ももつ。これって、設定も含めて黒い絨毯のチャールトン・ヘストンに似てますよねえ。でも、あれはアクション・スペクタクルなのでよかったけど、こちらはかなりな心理葛藤の描写が要求される。そこでは、どうしてもベルモンドの顔ではちょっとねえというのが正直な印象。ミス・キャストか演出不良か。ちょっと残念。すこ~し、小さくまとまりすぎてる感もありますね。ところで、ここのみなさんの評価見て困ってしまった。4,5,6,7,8点と一人ずつ。わたしは、3点か9点しかつけられないのか?はたまた、平均点を変えないように6点か?迷いに迷って素直な気持ちで7点です。全般的には6点かなあと思いますが、ド・ヌーブがいいので+1点です。 [DVD(字幕)] 7点(2006-11-26 14:06:02) |
119. ターミナル
トム・ハンクス、ちょっと苦手。空港内で右往左往なんて退屈よねえ、と思って見ていながら、なぜか退屈していない自分が不思議。これって、空港が舞台の「グランドホテル形式」?そういえば、「大空港」って昔の映画も空港が舞台のグランドホテル形式よねえ。でも、あの映画は結構盛り上がりがあったけど、この映画は平坦で抑揚がないなあ。空港のセット(ロケ?)だけで、あんまりお金かかってないんじゃない、などと思いながらも、なぜか退屈せずに最後まで楽しめて、結構、後味の良い、気持ちの良い映画でした。 [DVD(吹替)] 7点(2006-09-10 20:29:43) |
120. ペーパー・ムーン
はずしたところのないピタッと決まったコメディの傑作で名作です。100分強の中に無駄な描写は全くありません。なので、退屈することなく最後まで楽しめます。120分が主流になっている最近の映画のなかには、最初の20分ぐらいストーリーと無関係な退屈な人物設定や背景設定に費やす作品が多いですが、この作品はストーリーを展開しながらその中で人物設定をしていくという、当然ですが、みごとな構成の作品です。白黒にしたのも、時代の雰囲気が出ていいですね。コメディー部門の作品の中では満点です。 [DVD(字幕)] 10点(2006-09-10 20:28:36) |