101. ザ・ロック
よくあるアクションシーンを適当につないだだけで、長ーい予告編みたいな映画です。何かが爆発して、だれかが撃ち殺されてれば迫力あるだろ!!と押し付けてくるような、安っぽい映画です。そもそも、あっさり侵入できちゃうアルカトラズのどこが「難攻不落」なんでしょう?怪しげな老人(?)のコネリーも、結局単にバリバリマシンガンを打ってるだけで、この人がアルカトラズを脱出した人かどうかなんて、どうでもいい設定でした。スローモーションのしつこい使い方も、あまりにも安直な演出で、こんなので手に汗握ると思ってるなら、ひどい勘違いです。ケイジが演技でがんばってるのが、浮きまくっててかわいそうなほどでした。 [映画館(字幕)] 3点(2007-06-17 02:21:57)(良:1票) |
102. 大列車作戦
フランケンハイマーは、こういう「足」を使ったアクション映画を作らせると、ほんとうまいですね。フルスピードのカーチェイスも、ミサイルばりばりの空中戦もなくて、トロトロ走ってるだけの汽車と、ひたすら走って追い続けるランカスターぐらいしか出てこないけど、逆にリアルなスピード感に満ちていて、なんとかして列車の進行を遅らせないといけないという状況を実時間で体験しているような不思議な迫力があります。今作ったら、派手なぶち壊しアクションと比べて、地味すぎて、客受けしないと思いますが、古典として充分楽しめると思います。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2007-06-16 02:15:22)(良:2票) |
103. 天空の城ラピュタ
欠点も色々ありますが、とにかくパワフルな展開と、それを自然な流れに見せてしまう良く練られた演出がピカ一だと思います。最近の作品は、イメージ先行で、細かい人物描写や舞台設定が荒っぽいですが、この作品では、手抜きのない感じです。空から少女が降ってくる場面で、弁当の缶(?)を慌てて置くところや、鉄砲のタマ切れに気づいてポケットから次のタマを出すところなど、いちいち演出の密度の濃いのがうれしいですね。エンディングの別れのシーンも、サラッとしていて、それでいて余韻たっぷりなのが好きです。 [ビデオ(邦画)] 8点(2007-06-16 02:01:34) |
104. 戦場のアリア
《ネタバレ》 戦争映画は、「戦争のおろかさ」以上に何を描けるかが勝負なわけですが、この映画は、どの国にも偏らない描写がとても自然で、単なる群集劇ではない戦争ドラマにしたという点で成功していると思います。全員が単純に仲良くなってしまう「お涙ドラマ」でもなく、微妙に立場の違う人物たちを上手に織り込んであって、淡々としている割には深いドラマになっています。ただ、休戦に至る背景に、宗教や西洋文化の影響があるので、しょうがないといえばそうなのですが、心情的に理解できないところも多く、夢中になれるものではなかったです。 [DVD(字幕)] 5点(2007-06-10 00:45:47) |
105. ニューオーリンズ・トライアル
《ネタバレ》 だまし系の映画としては、最悪の出来でした。裏の事情を全部観客に隠し通してるだけで、「夢落ち」に近いぐらい、ずるい作り方だと思います。これでいいなら、どんでん返しの映画なんて、簡単に作れるなぁと思ってしまいました。それに、そもそもの裁判自体が、復讐を正当化するほど、偏った裁判とも思えないものなので、がんばって悪役をしたてようとしてるシーンが多いですが、かなり無理があります。エンディングで、ホフマンに納得顔をさせてごまかそうとしても、こっちは納得できません。おかしな逆転劇にするよりは、陪審員の立場についてもう少し突っ込んだストーリーにしたら、おもしろくなりそうだったので、残念です。好きな俳優がたくさん出てたので、観て損したとまでは思いませんでしたが。 [地上波(吹替)] 3点(2007-06-10 00:23:18) |
106. シュレック2
1作目に比べると、怪物がちょっとすなおなキャラクタになりすぎていて、毒がないので、深みのないものになってます。猫も、何だかいつの間にか仲間になってて、特に活躍するでもなく、中途半端な役で終わってしまいました。 [DVD(字幕)] 5点(2007-06-10 00:09:02) |
107. シュレック
怪物のちょっとさみしげなキャラクタが生きていて、お笑いに走りすぎることなく、うまくまとめているので、最後まで楽しめました。 [DVD(字幕)] 7点(2007-06-10 00:05:25) |
108. ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還
たいくつな映画(以下、2作目に同じ)。想像してたとおり(またはそれより微妙に安っぽい)映像を延々と観させられるだけで、エピソード間に有機的なつながりがないのでは、雰囲気に酔うことすらできませんでした。気が付くとサムがいつの間にか主人公扱いになってるのも、製作側の迷いが出ていて、苦笑させられます。 [DVD(字幕)] 0点(2007-06-03 02:13:48) |
109. ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔
たいくつな映画でしたね。異形のキャラクタが次々登場すれば、わくわくできる観客ばかりではないということでしょうか。決して、ファンタジーが嫌いなわけじゃないので、そういうお約束的なファンタジーの要素ばかりに頼らずに、もう少し工夫があれば、もっとずっと魅力的な映画にすることはできたと思います。主人公チームが、大した理由もなく、めちゃめちゃ強くて、どんな場面も全くピンチのように感じられない展開が、子供向けのマンガみたいなのも、ちょっと鑑賞に耐えませんでした。 [DVD(字幕)] 0点(2007-06-03 02:04:36) |
110. ロード・オブ・ザ・リング
典型的な「あばたもえくぼ」映画でした。何の前提も思い入れもなく観ると、単なるベタベタ特撮実写版RPG映画以外の何ものでもなく、古典の本格的な映像化をしたことのほかに「あばた」でないところを見つけるのは難しそうです。特に、旅のシーンが、あまりにもロケっぽすぎて、長旅のイメージが全く演出できてないところがひどい。…と思っていたら、続編を観て、この1作目がまだましだったことに気づくわけですが。 [DVD(字幕)] 2点(2007-06-03 01:46:02) |
111. 普通の人々
学生のころ観て、いろんなことを考えさせられ、また、勉強させられた(と自分では思う)、深ーい映画です。人間というものは、自分の気持ちをなかなか自分でも理解できないものだけど、すなおになって現実を見つめれば、理解できないものではないのだな、ということを教わったように思います。母親のキャラがムカつく人が多いだろうと思いますが、彼女のムカつくいろんな態度は、他の人の言動に連動したものであって、彼女自体が悪人なのではないのだと理解すれば、ムカつかなくすることが可能なのだと思います。息子のコンラッドや父親のカルビンも映画の最後にそのことに気が付いたので、自分から母親への態度を変化させることができたのでしょう。ただ、自分の気持ちは理解できても、その先で人間関係まで良くできるとは限らないというところが、ちょっと悲しい現実なのでしょうけど。 [地上波(吹替)] 10点(2007-06-03 01:25:34) |
112. キリング・フィールド
人間ドラマとしては、演出が荒っぽいので、あまり登場人物に思い入れはできないのですが、映画の後半、ほとんどセリフらしいセリフのない逃亡シーンの緊迫感は尋常じゃありませんでした。観ている自分も一緒に逃げてるような気分になってしまいます。そして、ラストの曲は余計でしたが、まさに「The号泣」というシーンで、それだけでも記憶に残ってしまった映画です。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2007-06-02 19:19:37) |
113. 遠い夜明け
描かれる歴史的な事実は置いておいて、主人公とビコが静かに語り合うシーンなどが、置かれている状況と強烈に対比されていて、映画全体は静かなトーンなのに、すごい緊張感があって、すばらしいです。内紛もの(?)は、テーマがテーマなだけに、商業映画として作るのは難しいと思うのですが、うまくサスペンス映画の要素もとり入れて、成功していると思います。エンディングの、青空の中を飛びすぎていく飛行機の長いカットが映画の内容とともに、忘れられません。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2007-06-02 19:02:20) |
114. ホテル・ルワンダ
《ネタバレ》 主人公をヒーローとして扱っているけど、その行動のほとんどが身内のためのものなので、ひどくギャップを感じました。ラスト、逃げる人で一杯のバスを止めてまでして姪っこを助けに行くシーン、感動的な場面で終わらせたかったのかもしれないですが、とても利己的な行動に見えてしまって、興ざめでした。無理してドラマを作らなくてもいいから、ドキュメンタリー調にまとめたほうがいい作品になったのに、と残念です。密告しにいく悪役のホテルマンのキャラクタにも無理がありましたね。映画としての出来も、「キリング・フィールド」や「遠い夜明け」のような印象的な演出はなかったです。 [DVD(字幕)] 5点(2007-06-02 18:41:16)(良:1票) |
115. ザ・ファーム/法律事務所
エリート意識丸出しの主人公に思い入れができず、どんなにピンチになっても、人ごとにしか感じられませんでした。ポラックだから、映画館に観にいきましたが、これ以降は彼の作品に興味がすっかりなくなりました。 [映画館(字幕)] 3点(2007-06-02 02:29:04) |
116. アイ,ロボット
何の魅力もない映画でした。ロボット映画とウィル・スミスと聞いただけですぐ想像できる程度の内容以外には何もありませんでした。何度も同じアニメを観たがるような子供向けの映画ですね。(レンタルビデオ屋で「これもう観たじゃないの!」と親に怒られている子供をよく見かけることを思い出しました。) [地上波(吹替)] 2点(2007-06-01 07:17:41)(良:1票) |
117. 時をかける少女(2006)
《ネタバレ》 良く出来た作品でした。シナリオがよく練れていて、押し付けがましいドラマの展開もないし、主人公のキャラクタも一貫していて、後味スッキリです。時間旅行モノ特有のバタバタした感じもうまく誤魔化していて、1本の映画としての完成度が非常に高いと思いました。ただ、未来から来た彼の事情の説明を省略しすぎていて、別れの切なさがもうひとつ足りない感じが。彼が何を犠牲にして過去に残っていたのか、そしてなぜ結局帰らなければならなかったのかが伝わってこないし、どんなところに帰っていったのかも分からないので、ラストの主人公の、未来を見つめるような表情にも深みが感じられません。ラストは無理やり恋愛ドラマにしなくても良かったのでは? [DVD(邦画)] 8点(2007-05-26 21:06:14) |
118. 紅の豚
《ネタバレ》 悪役が出てこないので、全体にまったりしていて、少々緊張感が足りない分、評価は減点、ラストの決闘がどうでもいいボクシングもどきになってしまったのにずっこけて、さらに減点。でも、映画的には、工場からの脱出シーンや、ジーナが少女時代の記憶をよみがえらせるシーン(セリフがないのがいい!)など、よく練られた演出がたくさんあって、楽しめました。この作品を境に、宮崎アニメは、子供だましの「異形アニメ」になってしまったことを考えると、歴史的には貴重かも。 [映画館(邦画)] 7点(2007-05-26 20:41:35)(良:1票) |
119. アメリ
この映画の感想を言葉で表現するのは難しいです。DVDを借りてきて、連続して3回観てしまいました。こんなことは初めてです。「こんな女いるもんかーっ」って思いながら、全く不快感がないんですよね。最初から最後まで、憎めない映画です。(この「憎めない」感がこの映画のツボなのかもしれない) [DVD(字幕)] 10点(2007-05-18 23:59:15) |
120. ミッドナイト・ラン
《ネタバレ》 ストーリー自体はどこかで見たようなものなのに、細かい気の利いた演出の連続で、こんなにもおもしろい映画になるんですね。微妙な表情・しぐさの使い方や、しつこくない伏線の張り方が見事で、映画的な楽しさが満載されています。FBIのバッチを盗んだあとのおふざけポーズとか、ハンドルにサングラスを置いて「アロンゾとおれだけに分かるジョーク」と言う場面、ああいうシーンをここまでサラっと自然に見せるのはほんとに難しいと思います。そして、一番好きなのは、ラストの別れのシーンで、デニーロが振り返ると、さっきまでいたデュークがいなくなっていて、それを見て微妙な表情を浮かべるデニーロ、あの一連のカットの、余韻のあるエンディングは、短いようで長かったドタバタ劇が終わりを迎えたことの、一種独特なさみしさがほんとに良く描かれていて、何度見ても、悲しくもないのに泣けてしまいます。過去最高のエンディングかもしれません。笑い・泣き・ドッキリを露骨にねらった娯楽映画の多い中で、「大人の」娯楽映画だと思います。 [ビデオ(字幕)] 10点(2007-05-18 23:47:44) |