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【製作年 : 2000年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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101.  アイアンマン 《ネタバレ》 
荒唐無稽なヒーローものはかっこよさがすべて。そういう意味では合格点。この監督は見せるべきところを心得ていますね。天才エンジニアが敵に捕らえられて、洞窟の中で二人でトンカチやりながらアイアンマンを完成させるのはいくらなんでも不可能でしょう。設備がないのに核融合のリアクターの小型化にも成功しているわけですし。監視している敵が気づかないわけないですよね。(まあ、原作がそうなっているのでしょうね)その野暮ったいデザインに脱力、続けて鑑賞する気を失ったほどです。しかし、それも洗練されたデザインのものが完成してから一変しました。完成へのプロセスを丁寧に紹介しているのに好印象。イラクで敵兵をあっさり倒すシーンなどよかったです。最大の敵が身内にいたわけですが、これもありがちですね。(秘書による機密書類のダウンロードシーンは、他の映画で何度見たことか)あの年寄りが中に入っていると思うと萎えます。もっと精悍な人物にすべきでしょう。最後、敵を倒すために核融合施設を爆発させるのはむちゃすぎます。アイアンマンの知恵と装備で倒さなきゃだめですね。 しかし、主人公が酒、博打、女好きで、疲れた顔しているという設定はどうなんでしょうかね。秘書との恋愛も中途半端のままですし。(秘書はスタークの遊ぶ女の世話もしているので、真の恋愛に発展しずらいですね) 昔の「ロボコップ」を思い出しました。最後にブラック・サバスの「アイアン・マン」が流れたときには苦笑するしかありませんでした。確信犯ですね。
[DVD(字幕)] 7点(2009-03-10 09:45:23)(良:3票)
102.  男たちの大和 YAMATO 《ネタバレ》 
戦艦大和は不幸のイメージがつきまといます。建造されたとき、山本五十六が「こんな時代遅れなものを作っても仕方がない」というように語ったというエピソードが残っています。時代はすでに空母、戦闘機中心の戦術に変わってしまっていて、敵戦艦と接近して水上戦を行う機会がまずないわけです。 唯一活躍できたのがレイテ沖海戦ですが、そのシーンは短いエピソードとして挿入されているだけでした。(その後の”謎の栗田ターン”なども期待して観ていたのですが、カットされていました) 最後の天一号特攻作戦も、作戦といえないほど稚拙なもので、わざわざ轟沈されにゆくようなものでした。そのあたりの部分はあまり説明されてなかったように思います。日本の被害は、戦艦大和、軽巡洋艦1隻、駆逐艦4隻、戦死3,700名。アメリカの被害は、艦載機損失10機、戦死12名。これだけをみてもいかに無謀な作戦だったかがわかると思います。 片道燃料しか積まなかったというのは伝説で、実際には往復の燃料を積んでいます。 (悲劇的といってもまったく活躍できなかった、同型戦艦、武蔵、信濃よりめぐまれていますが…) さて映画の感想です。邦画にしてはVFXの出来がよく、戦争シーンは迫力がありました。 人間模様もきめこまかく描かれていますね。タイタニックと同じ、回想ものとしたのも、現代に先の戦争の意義を問いかけるものとして成功しています。ただヒロインと芸者さんを広島の被爆で死なせたのはあざとい気がしましたが。戦争で犠牲になったから尊いとか、むだ死にだったとかいうのではなく、戦争そのものが悲劇なわけです。その中でどれだけ人間を描けるかが評価の分かれ目となるわけですが、この映画はまず合格点があげれるでしょう。演技もおおむねよかったですが、若いときの神尾役だけは間が抜けていて、他の人がやったほうがよかったでしょう。
[DVD(邦画)] 7点(2009-01-06 10:57:08)(良:2票)
103.  DEATH NOTE デスノート the Last name 《ネタバレ》 
どこをどうとってもチープ感がぬぐえない映画。 安っぽいセットに、安っぽい演技のオンパレード。 それに死神のCGもお粗末そのもの。 典型的なダメダメ邦画…、といいたいところだが、ストーリーのよさがそれをカバーしている。 エルとライトの知恵くらべが秀逸で、ラストまで緊張感を持続させているのだ。第二、第三のキラを登場させたところが面白いし、わざと記憶を無くしたり、死神の性格まで考慮して策を講じているところがすばらしい。 ただ、冷静に考えれば、エルは自分の名前をデスノートに買く必然性はなかったし、ライトも父親を殺そうとする必然性はなかったのだが。 あと、海砂は無罪放免っていうのはどうしたもんかね。証拠は十分あるのにね。 ライトは二週間以上拘束されているのにひげが少ししか生えないな。 十分楽しめる映画でした。
[DVD(邦画)] 7点(2009-01-06 03:06:18)
104.  デス・レース(2008) 《ネタバレ》 
ミスター”アドレナリン”こと、ジェイソン・ステイサムも貫禄がついてきましたね。 妻を殺され、無実の罪に陥し入れられ、無法地帯と化した監獄に送り込まれる。 生き残るためには”デス・レース”に出て勝つしかない。 「誰が何のために妻を殺したのか」という謎を主人公がどう解くか、が脚本のポイント。 本編では「おいおい」といいたくなるくらい、真相が、簡単に露呈してしまう。 ここを2転、3転されて、サスペンス色を濃くだせば、傑作に仕上がっていたかもしれない。 レース・シーンは迫力があった。 が、機関銃やロケット弾を使うのはやりすぎではないだろうか。 ナビ嬢は、お色気は十分あったが、演技に真剣味が足りない。 生きるか、死ぬかのレースという臨場感が出ないのだ。 最大の問題はラストシーンだ。 極悪所長は、フランクを殺せと命令しているのに、刑務所職員は、ダミーを生け捕りにする。 そして所長はコーチにあっさりと殺られる。 爆発物が刑務所のセキュリティーをかいくぐって所長のところに届くはずがない。 それにコーチが所長を憎んでいたというシーンはなく、やはり主人公が復讐をしないとカタルシスを得ることができないだろう。 B級アクション・ムービーとして十分楽しめるものになっている。 
[映画館(吹替)] 7点(2008-12-13 22:51:52)(良:1票)
105.  まぼろしの邪馬台国 《ネタバレ》 
民間の考古学研究家である宮崎公平著「まぼろしの邪馬台国」の成立をめぐっての物語。 主演の吉永小百合、竹中直人、ともにいい味をだしています。 若作りの吉永小百合にも慣れました(笑) 邪馬台国の謎解き部分はあっさり描き、宮崎公平の人間性や家族、事業のことに重点が置かれています。 考古学に興味がない人でも充分楽しめると思います。 宮崎公平は盲目ですが、盲目であるが故の視点から邪馬台国を解き明かす「まぼろしの邪馬台国」はミステリを読む面白さがあり、名著です。  
[映画館(邦画)] 7点(2008-11-13 17:21:44)
106.  スピード・レーサー 《ネタバレ》 
「マッハ、Go!Go!Go!」の実写版。 映画の予告を見た時点では全く興味がなかったが、「マッハ、Go!Go!Go!」が原作であることを知り鑑賞した。 ユーモアをたっぷり取り入れ、全編ポップな極彩色で彩られている。 サルを含め、レーサーX、家族など原作の登場人物を忠実に再現している。 音楽もだ。 ストーリーは練りこまれており、しっかりしている。 死んだ兄、レースをめぐる不正、家族愛などをからめ、 一度のレースでは勝負がつく単純なものではなく、何度もレースを繰り広げる。 時速800キロという驚異のレースは見もの。
[映画館(字幕)] 7点(2008-07-16 18:53:40)
107.  クライマーズ・ハイ(2008) 《ネタバレ》 
終始緊張感が持続し、見ごたえのある映画でした。 フィクションといいながら、実際にあった飛行機事故の生々しい記憶があるので、それに負うところが大だと思います。 記者の仕事っぷりはたっぷり堪能できますね。 他社とのスクープ合戦をしながら、毎日締め切りが夜12時とか1時ですから、大変です。 実際の事故のときは、遺体確認場所である体育館が修羅場となったのですが、その場面はカットされています。 事故現場は再現されていても、遺体は見せません。 また遺族はおろか、泣く人の姿も描かれていません。 そこがちょっと肩透かしです。 事故を知らない人にとっては悲惨さが伝わりません。 それで、精神的におかしくなり、事故で死んだ記者に感情移入できないのです。 主人公堤の家庭問題がサブストーリーですが、よくわかりませんでした。 最初はてっきり堤の子供が飛行機に載っていたのかと思いました。 そうではないけど、子供は仲たがいをして親には会いにこない関係になっている。 母親はかつてパンパンをしていて、新聞社社長の愛人だという。 それらがうまく消化されていない印象です。 監督は何をいいたかったのか? そもそもあんな独善的なセクハラ社長はいないでしょ。 現代の話は一切カットしてもよかったと思います。
[映画館(邦画)] 7点(2008-07-12 21:51:45)(良:2票)
108.  ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛 《ネタバレ》 
第一章は凡作だった。 ただ人間というだけで英雄となり、戦いもつまらない白兵戦のみ。 が、第二章は大人の鑑賞に堪えれる内容になっている。 悪玉、善玉のキャラが立って、ストーリー性がぐんと増している。 戦いの複雑な展開だけでも見る価値がある。  
[映画館(字幕)] 7点(2008-06-11 22:29:48)
109.  パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド 《ネタバレ》 
沢山のキャラをだして無難にまとめていますね。愛に裏切られ、悲しげなオルガンを弾き、女神に呪われたジョーンズが最も印象的です。 鳥、猿、犬の桃太郎動物キャラもいい味出してます。厚化粧のマダムチャン船長はひどかったけど。 箱、鍵、コンパスの小道具もうまく活用しています。 最も心躍るシーンは戦闘中の二人の結婚式シーンだけど、なぜ急にあんなシチュエーションで結婚を申し込むのか不明のまま。 冒頭に絞首刑シーンが出てきて、ここで歌われた海賊の歌が海賊評議会を開催するきっかけになったらしいですが、これもよくわかりません。 悪人キャラのベケット卿が迫力なしで、最後「すべては会社の利益のため」と称して大砲を撃たず自滅するのも意味不明です。 最強の怪物クラーケンをどうして殺した?殺さずとも活用できるだろうに。ジョーンズがずっとそうしてきたじゃないか? 死から蘇るという設定に問題あり。生命の重みがなくなり、緊張感がなくなります。 エリザベスの父は「寿命だ」でおわりですか? そもそもスパロウを死から再生させようと提案したのはカリプソ。どーして? カリプソは呪縛を解かれ本来の女神の姿に戻るとおもいきや姿が大きくなったあと、大量のカニに変身して海に沈んだね。そして怒りで嵐と渦巻きを起こすのみ。迫力がないなあ。ジョーンズとの恋はどうなったの? バルボッサ船長、復活したあとはいい人になってる! ヒロインのエリザベスがスパロウを騙して殺したり、正義役のウィル・ターナーが父親のために裏切り行為を働いたりするので、あまり感情移入ができない。 だから見終わって爽やかな気分になれないんだなあ。 キャラは首尾一貫していないとダメでしょ。ファミリー向け映画なのだから。 海賊長や海賊船をあれだけだしといて戦闘させないのはどうしたことか? 海軍の船も沢山残っており、数的には優位なはずだが。 おっと、今回スパロウ船長はあまり活躍しなかったね。
[DVD(字幕)] 7点(2008-05-12 09:02:18)
110.  ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃 《ネタバレ》 
◆ゴジラの大きさ、強さ、怖さが良く描けている。バトルの見せ方がうまい。飛ばされた怪獣に人間が吹き飛ばされるシーンや自衛隊が粉砕されるシーンなどは、などは最高級のできばえ。怪獣特撮にかけては申し分ない。ただし安直なCGはいただけない。 ◆使い古された中古怪獣に新キャラをつけても所詮は二番煎じ。モスラもギドラも何度登場させたら気が済むのやら。東宝の商売上の姑息さとアイデアの枯渇を感じる。 ◆「大和の国を守る聖獣」といいながら、無軌道な行動をする若者達がまず犠牲になる。ゴジラの犠牲になるのならともかくも、こんなことでいいのでしょうか。怪獣の吐いた糸で繭に包まれた状態で遺体で発見されるというニュースがあったが、それを見せてもらいたかった。 ◆ゴジラには、太平洋に眠る日本の英霊とアジア、米国で亡くなった人たちの霊魂が宿っている。だから白目で、通常兵器は効かない。原子力潜水艦を襲ってパワーアップ。日本を襲うのは、人々が戦争で死んでいった多くの人の叫びを忘れているから。理屈に合っているようで合っていない。ゴジラは一般に言われている核で巨大化した恐竜の生き残りで良いではないか。結局最後は通常兵器で自爆したし。怪獣映画に霊魂などを持ち出すからややこしくなるのだ。 ◆石には古代大和民族の霊魂が詰まっている。石に封じ込められた霊魂を解放し、大和怪獣たちに憑依させて復活させようとするのが「護国聖獣伝記」の著者の伊佐山老人。それで聖獣が復活するのだが、その伊佐山が亡霊だったとはどういうことか。 ◆キングギドラは成長途中ながら、モスラの鱗粉を吸収し、完全体に成長。でもたいして強くなっていない。あとは海中での戦闘でよく見えない。そこへ石が落ちてきて完全覚醒?とってつけたような展開。理屈はともかくかっこよく撮れてればいいのだが。ギドラに関しては不合格。 ◆バラゴンはゴジラの強さを際立たせるための「噛ませ犬」。でも存在感があった。 ◆ヒロインと自衛隊員の父との愛情などの人間ドラマ部分は良く描けているだけに残念。父親は生還するが、物語の流れからして彼の犠牲なくしてはゴジラを封じ込めることはできないと思う。多くの犠牲を描きながら、彼だけ何故生還できたのだろうか。 ◆由里が墜落するシーン。頭から落ちるのに手をつかまれる。
[ビデオ(邦画)] 7点(2008-04-20 05:28:40)
111.  スターダスト(2007) 《ネタバレ》 
大人のファンタジーですね。 主人公が愛と勇気をもって壮大な目標に向かって進むのではなく、 こじんまりとした動機で、いきあたりばったりに行動してゆきます。 愛をかちとるファンタジーでもあるのですが、あれあれ途中で相手が 変わっちゃったよ。 王になる物語にしては試練が少なすぎます。 主人公はいい人であり、終始受身で、活躍するのは最後の剣での戦いのみ。 だから影が薄い。 ヒロインの人間のほうは途中から関係なくなるし、 流星の君のほうもキャラがぱっとしない。 若さに対する執念がづよい魔女だけよかったかな。 美しさとおそろしさを兼ね備えて実に魅力的です。 次々と殺される王子たちが死後の世界から見守っているのは 新しみをかんじました。 凄惨さがなくなり、ほっとします。 このストーリーで退屈せずに見れるのは、CG技術のおかげですね。 日本のおそまつなCG技術で作ったらお粗末な作品になっていたでしょう。  
[DVD(字幕)] 7点(2008-04-17 19:04:21)(良:2票)
112.  テラビシアにかける橋 《ネタバレ》 
家でも学校でも居場所がない少年。 転向してきた少女も友達が作れないタイプ。 最初はいがみあっていたけど、いつしか友達になる。 想像力豊かな二人は、近くの森で、自分たちだけのファンタジーの世界を作り上げる。 同時に家でも学校でも、周囲との関係が改善されてゆく。 そこへ少女が事故死。 少年は喪失感に打ちのめされるが、最後には立ち直る。 「友達が大切にしていたものを大切にしろ」という父親の言葉で 死を受け入れることができた少年。 ファンタジー映画とおもって鑑賞したので肩透かしでした。 あんな友達はほしいなと思いました。 友人の死を正面からとらえた骨太の作品です。
[映画館(字幕)] 7点(2008-03-13 12:12:54)
113.  ダイ・ハード4.0 《ネタバレ》 
アクション映画としては合格点。 あまり言及する人はいないが、マクラーレンは知恵者です。 知恵とアイデアでつねに敵の裏をかき、勝利し、生き残ってきました。 この作品では、それが失われているのが残念です。 頭を使う場面は、相棒が活躍してしまっているんですね。 もうひとつ、ダイハードシリーズでは肉体の痛みを見せることにより 感情移入させることに成功していました。 しかし、この作品では、マクラーレンも敵もスーパーアクションをこなしてており 普通の人間ではない、まるでアンドロイド同士の戦いのようです。 これではリアリティに欠け、興ざめです。 またF-35との戦闘は、味方から攻撃されるており、マイナスポイント。 頭をからっぽに鑑賞できないわけですね。 悪役も中途半端。 極悪非道の人物に見えないので、怖さがでません。 最後があっけない、あっけない。 もっと粘らないとだめですね。 お金を奪うのが目的なら、なにもあんな派手なことはする必要はなく、 銀行からハッキングでもすればよかったのです。 あんな大人数は必要ないでしょう。 それに最初に協力したハッカーを殺す必要はないし、ましてや殺害に5人も差し向けるなんて不自然。 武器やヘリコプターをもっているので、相当のお金持ちのはずですが。 たまには貧乏人、一人ぼっちで、知恵で勝負するタイプの悪役をみたいものです。 マクラーレン同士が対決するような。 あ、そうそう、マクラーレンがヘリコプター運転しちゃだめでしょう。 地道にバイクなどで疾走しなくては。
[DVD(吹替)] 7点(2008-02-08 16:26:25)(良:1票)
114.  ウォーター・ホース 《ネタバレ》 
戦争で亡くなった父親の死を受け入れられない少年が、一日で大人に成長するという 伝説の動物ウォーターホースを出会うことで成長してゆく物語。 ファンタジーの形式をとりつつも、戦争の愚かさを描く映画にもなっています。 ネッシーの偽写真とからめる必要はなかったでしょう。 ウォーターホースが餌を食べる場面も必要なかったでしょう。 ファンタジー色が薄まってしまいます。 ラストで別の少年がウォーターホースの卵を見つけますが、これも不要。 大人になったウォーターホースが巨大すぎて感情移入しにくいです。 とはいえ、少年のこころの成長+ファンタジー+反戦映画の意欲作とみなし7点献上。  
[映画館(字幕)] 7点(2008-02-07 22:13:36)
115.  悲夢(ヒム) 《ネタバレ》 
ジンが夢の中でとる行動を、赤の他人であるランが期せずして夢遊状態で行ってしまうという怪異な所縁で結ばれた二人の物語。 ジンは昔の彼女Aに未練があるのでAの夢を見る、ランは昔の彼氏Bを毛嫌いしているが、夢遊状態でBと逢引する。AとBは付き合っているが心は通わないという関係。精神科医の診断は、二人は一人で、二人が愛し合えば解決する、白と黒は同色であるというもの。二人を知恵を出しあって、ランが夢遊状態にならないようにするが、遂にランがBを殺してしまう。罪の意識に苛まれたジンはもう眠らないと決意するが、睡眠欲には勝てずに飛び降り自殺する。同じ頃、ランが病院で首吊り自殺する。ランは蝶に姿を変え、ジンの死体の傍らに飛んでいき、二人は眠るように横たわる。 幻想物語なので多義的解釈を許すが、全てが夢の中の出来事であるという解釈も可能だ。夢の入れ子状態。 そもそも、他人の夢の通りに行動してしまうというのは超自然現象であり、現実には起こらない。精神科医の診察室も病院らしくない。人物同士が、日本語と朝鮮語と違う言語でも違和感なく通じるのは、夢だからであり、同時に夢と現実は同じという示唆である。ジンがいつも黒服、ランがいつも白服なのは、二人は表裏一体という意味だが、夢の中だからと考えた方が自然だ。ランが蝶に姿を変えるのは、現実と夢の区別がつかない「胡蝶の夢」の故事にちなむ。二人は戸惑いながらも、少しずつ愛を育んでいくが、「どんな夢でも、もう恨まない」というランの言葉で愛が成就した。究極の愛は自己犠牲である。だからジンは自殺し、ランも後を追った。二人は、ロミオとジュリエット。Bがランの自殺を幇助したのは、二人の気持ちを理解し、二人の幸せを願ったからだ。悲劇で終る夢だから題名が「悲夢」なのである。ジンが篆刻師で、ランが服飾意匠師なのは、印鑑を紙に押すと文字が逆転し、服を変えれば別人に見えるという暗喩。独創的な着想には感心するが、見せ方がぎこちない。より幻想的な演出が好ましい。ジンが饒舌すぎて映画の雰囲気を壊し、究極の愛を演じるには演技力不足である。何より二人が愛し合っているように見えないのが短所だ。徐々に惹かれあっていく、繊細な二人の心の機微が窺えないことには感情移入できない。
[DVD(字幕)] 6点(2014-11-01 16:10:20)
116.  絶対の愛 《ネタバレ》 
恋愛倦怠期にさしかかった恋人同士、ジウとセヒの物語。セヒは、恋人のつれない態度に疑心暗鬼となり、彼が自分に飽きてしまったのではないかと深く憂慮し、起死回生の策として、何も告げずに行方をくらまし、顔を整形手術し、別人スェヒとして恋人の前に姿を現した。スェヒの期待した通りに事は進んで二人は恋人関係になるが、ジウがまだセヒを愛していることが発覚し、過去の自分に嫉妬した彼女は、自分はセヒだと正体を告げる。驚愕したジウは惑乱し、錯綜の果てに、自分も整形して別人になろうと失踪する。ジウを一心不乱に探すスェヒだが、ジウの姿は見え隠れするものの、本人には出会えない。そんな中、ジウらしき男が交通事故に遭って死亡する。錯乱状態に陥ったスェヒは、整形外科医の勧めで、再度整形手術を受けて別人になろうとする。 原題は「TIME」。どんなに深く愛し合った恋人同士でも、時の経過と共に恋の新鮮さは減じてゆくが、それを潔しよしとせず、別人になることで愛情を取り戻そうという話。現実には元恋人であれば、いくら顔を変えても、声や口調が同じならすぐに本人とばれてしまう。特に房事での艶声は変えられないだろう。映画では、掌を合せることで相手を確認しようとしているが、まどろこしい。ちょうど小道具に使えそうな掌の彫刻があったから、思いついた発想だろう。掌は温みがあり、恋人の暗喩として最適である。その掌の彫刻が、満ち潮で海に半ば浸かっている景色で、恋の終わりをを表現している。対照的に、セヒが過去の自分と別れを決意する場面では、自分の写真を足で踏みつける。大木をジウとスェヒが蹴りつける場面が二度出て来るが、大木は年輪を重ねることから時間の象徴であり、二人が時間を憾む気持ちを表現している。小道具の使いかたは巧みで、映像表現技法の冴えはみられるものの、あまりにも現実離れした話なので、心は動かない。こういった内容の話であれば、時代を未来にし、整形して超絶美人に変貌するような設定にすれば良い。それなら誰もが納得し、興味が湧くだろう。物語は冒頭と最後がつながる円環構造となっているが、意味がない。ちょっとした仕掛けで観客を煙に巻こうとしただけかもしれない。時間が円環することと、作品の主題とが結びつかないからだ。
[DVD(字幕)] 6点(2014-10-29 20:18:41)(良:1票)
117.  リアル・フィクション(2000) 《ネタバレ》 
日常における現実と虚構、映画における現実と虚構の問題を扱った作品。・不愉快な事や理不尽な目に遭っても不平や不満は口にせず、ひたすら忍従忍辱し、表面上は平静を装っている自分と、感情を剥き出しにして憎憎しい相手を抹殺することを想像する自分と、どちらが本当の自分か?映画は役者が演じる虚構であるが、役者にとっては演じることが現実であり、出来上がった映画もまた現実である。人が夢を見ているときは夢が現実であるように、観客が映画世界に浸っているときは映画の世界が現実である。映画は現実と虚構の境界が曖昧である。その面白さを実験的に表現した作品。主人公の画家が似顔絵を描くが、本人に似ているかどうかは主観による。本人にとって似ている絵は現実で、似ていない絵は虚構。絵を破った女は虚構を破ったわけだが、画家にとっては破られた絵は現実。矛盾が生じる。画家は女に誘われ、舞台に入りこむ。舞台で演じられる演劇は虚構だが、役者の誘導によって、もう一人の自分と出会う。理性を拭い去った、暴悪で凶猛な自分。虚構と現実の境界が曖昧になる。映画の中に男を撮影する女が写り込み、その撮影した動画が時折挿入されるという入れ子構造になっている。女の撮影した動画こそが現実とも考えられるが、男は女を殺してしまう。現実には殺人は行われないので、女も虚構だと知れる。絵を破った女、恋人、刑事、軍隊仲間、暴力団らに対して復讐が行われるが、復讐が終わって戻ってくると、現実は元のまま。全ては虚構だった。そこに暴力団と市民の騒動があった後、カットの声がかかり、エキストラやスタッフが混入する。観客はここで虚構から現実に戻される。蛇、薔薇、肉はそれぞれ、凶暴な自分、虚飾、堕落の象徴であり、相変わらず小物の使い方が秀逸だが、実験映画としては凡庸である。斬新なものはない。早撮りに拘泥するより、映像表現に拘泥すべきだった。より幻想的に、より意識下に訴えるような独創的なものであれば、主題と似つかわしい表現となっていただろう。手振れの粗い画像など陳腐でしかない。観客に、意識下に隠れている本当を意識させるような、一種の恐怖に似た体験を起させない限り、成功したといえないだろう。映画はあくまで虚構であり、観客の反応こそが現実なのだ。
[DVD(字幕)] 6点(2014-10-21 01:16:54)
118.  悪い男 《ネタバレ》 
ガラスは傷つきやすい心の象徴で、同時に凶器でもある。ハンギは何度も怒りにまかせてガラスを叩き割り、ガラスで刺された。これは心が傷ついたままということ。マジックミラー越しに見ることは、傷ついた不安の心で見ること。ソンファがミラーを破ったとき、心は癒され、二人の魂は結ばれた。男は女を思い遣って出逢いのベンチで別れた。海に入水する女は、ソンファが過去を捨て去ったことの象徴。シーレの絵は、恋愛願望の象徴で、女は体を求める恋人ではなく、魂が結び付く真の恋愛を欲していた。顔の欠けた写真は、結ばれた男女の象徴で、女には、未来に誰かと結ばれる予感があった。それがハンギと分かったとき、写真のパズルが完成した。現実と虚構の入り混じった独特の表現方法だ。男の心は深く傷ついており、もはや底辺でしか生きられない。言葉を発しないのは、意志を伝えられないことの象徴。男は、女が穢れ、自分と同じ底辺にまで堕ちないと愛しあえないと思っている。女は男を憎んだが、男が死刑判決を受けた時、男が自分のことをずっと見守っていてくれたことに思い当たり、男を愛していることに気づいた。手下のジョンテだけが二人の気持ちを理解しており、殺人を名乗り出て、男を救った。キューピット役である。ハンギは手下のミョンスに刺殺されたのか、蘇生したのかはっきりしない。その後の展開が無理算段なので、死んだと考える方が合理的だろう。二人の魂が共同で夢を見ているという解釈だ。二人が目を合せないのもその証左。結ばれた二人は売春稼業で暮らす。これが、二人にとって最も自然な形、底辺としての暮しだ。女は男と同じで言葉を発しなくなっている。色彩に意味があり、白が純潔で、赤が穢れ。トラックは赤い幌で覆われる。女を売春婦にして純愛を完成させるという奇想天外な恋愛幻想劇で、絵力や演技力があり、ある程度成功している。底辺の男が高嶺の花と結ばれるところに妙味がある。しかし、女優に華がなく、退屈だった。綺麗な花が落ちてこそ見甲斐がある。男を一瞬にして魅了する美しさが必要条件。平凡な容姿では成立しない。映像表現には長けているが、脚本が甘い。女が売春宿に沈められる過程で、親や警察が出て来ない。自首してすぐに死刑実行。女が男の愛を知るには、自己犠牲が必要で、女を守るために刺されるような事件が欲しい。とってつけたような悪徳警官。ナイフは埋めずとも海に捨てればよい。
[DVD(吹替)] 6点(2014-09-14 04:32:48)
119.  キング・アーサー(2004) 《ネタバレ》 
有名な「中世のアーサー王伝説」ではなく、その伝説の雛型となった、まだイギリスがローマ帝国の支配下にあった時代の騎士達の創作物語。 騎士達がローマ帝国の傭兵だったという仮説を基に、騎士達が南進してくるサクソン人を駆逐して、アーサーがブリトン人とピクト人(ウォード)の王となる話。「時代考証はそこそこに、ただ話が面白ければよしとする」という製作姿勢なので、内容は粗雑となる。 ランスレットが傭兵となる場面で始まり、「語り」も彼だが、彼は途中で死んでしまう。生き残ったものが語るのが当然と思うが。 アーサーはペラギウスの弟子で「人は皆自由に生きる権利がある」などと近代的な思想の持ち主。異端を許さず、師を死に追いやったキリスト教に怒りを感じている。 アーサーの両親がウォード人に殺されたので、彼等に対しては強い憎しみを持つ。故にウォードの族長マーリンからサクソンとの共闘を持ちかけられても拒絶した。しかし、最後はいつの間にか、当たり前のように共闘している。この辺りは説明不足だ。作品は騎士達がサクソン人を駆逐する話だが、史実ではサクソン人がイギリスに定着して、中世になってアーサー王伝説を作った。つまりアーサー王伝説を作った人たちを否定するような内容になっている。矛盾は感じなかったのだろうか。氷河での戦いだが、氷が割れそうなら、氷の厚い川の端を通ればよいだけの話。誰だってそうすると思うが。騎士が遠矢でサクソンに味方する裏切り者を射殺するあたりから漫画的になってくる。裏切り者が木の上にいるとどうして知ったのか。 バドン山の戦いで、敵方の罠を察した族長が先遣隊を送り出すが、案の定全滅させられる。しかしその後、何の対策も立てないで全隊を突進させる。よくわからない展開だ。指関節を折られて衰弱しきっていたグィネヴィアが、急にアマゾネス化して勇猛な女兵士に変貌して、言葉を無くした。戦いに勝利し、アーサーとグィネヴィアが結婚して大団円だが、結婚式はストンサークルの中でというおまけつき。ストンサークルはケルト人以前の古代の遺跡だが、アーサー王伝説にも登場するし、見栄えがよいので使用したのだろう。政策姿勢がよく表れている。真面目に史劇に取り組むつもりは最初からないのだ。
[DVD(字幕)] 6点(2014-09-03 16:35:47)
120.  アルゴノーツ 伝説の冒険者たち(TVM) 《ネタバレ》 
ギリシア神話を基底とした旧作「アルゴ探検隊の大冒険」をリメイクしたTVミニシリーズを再編集したもの。ビデオ版は120分、DVD版は180分「完全版」。ビデオ版にて鑑賞。TV版ながらVFXの質は高めで、テンポもよく、有名俳優が目白押しなので観て損はない。 旧作では、人間は神々の恣意によって踊らされる存在であることが強調されていたが、本作では神々の登場は最小限に抑えられていて、人間による冒険譚として落ち着いて観れる。もっとも半神ヘラクレスが同道して大活躍するが、実に人間臭く描かれているので感興を削がれることはない。ただ短縮されているので、神が突如登場するなどの混乱はみられる。 神話では王道である貴種流離譚。高貴な血筋を引く者が、何らかの理由で両親や国から遠く離れた場所で暮らしていたが、やがて冒険や旅を通じて、本来の自分の地位、姿を取り戻すというもの。 本作品では弟の反乱により王が殺され、王の子のジェイソンは親衛隊長によって辛うじて城を脱出し、半獣人の国に住んでいたが、あるとき記憶を取り戻し、冒険の旅に出る。旅の目的は、何でも夢が叶うという黄金の羊毛を獲得すること。旅の仲間は、ヘラクレス、泥棒、驚異的な視力を持つ青年、元親衛隊長、野獣をも宥める音楽を奏でる楽士、ジェイソンを慕う幼馴染の女など多彩。クリーチャーは怪鳥ハービー、火を吐く巨牛、通る船を沈める島、骸骨剣士、羊毛を守るドラゴンなど、一部旧作と違っている。黄金の羊毛を守護する女魔術師がいるのだが、ジェイソンに恋をして味方につき、最後には結婚するところが目新しい。 ところで人間の夢を何でも叶えるという究極の宝であるはずの黄金の羊毛だが、最後になってどんでん返しがあった。ジェイソンが唐突に、「毛皮に魔力はない。みんながあると思い込んでいただけだ。そんなものに頼らず、運命は自分で切り拓け」などと言い出すのだ。肩透かしをくらうこと請け合いである。伏線が全くないのだから。無事王位に着き、結婚して、めでたし、めでたしの大団円で物語は終るが、中途半端な印象はぬぐえない。あえて黄金の羊毛の能力をちゃらにするのなら、何らかの事情で能力が失われたとすべきだろう。
[ビデオ(字幕)] 6点(2013-06-12 02:21:33)
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