101. スター・ウォーズ/最後のジェダイ
《ネタバレ》 このサイトで、高得点と低得点の両極端に振れる評価をみて、一体どういうことなのかと、とても興味深く鑑賞しました。なるほど、旧作に思い入れのある人ほど、ルークおよびジェダイの扱いに文句を言いたくなるのはわかるけど、そこは冷静に、創造には破壊が伴うもの、ということで特に問題があるとは思いませんでした。問題は、フィンとローズの無駄なエピソードの存在と、盛りあがったところで、ハイ次のシーンへ、という、編集のマズさだったと思います。また、SW史上最大のレジスタンスの危機が、なんと駐車違反で訪れるという、脚本家の知能指数を疑わせるような設定もどうかと思いました。 三部作の2/3を過ぎても、相変わらず魅力的な感情移入のできるキャラクターが不在というのも心配です。誰が、レイ・ポー・ベン・フィン・ローズ達のキャラクターグッズを欲しいと思うのでしょうか?(女の子なら、レイはいけるでしょうけど、男の子向けは皆無ですよね)ディズニーにしては珍しく、その面で失敗してます。さて、この苦境を、最終作で挽回可能なのでしょうか?私の興味は既にそちらに向いています。 [映画館(字幕)] 4点(2017-12-27 00:20:12)(良:1票) |
102. ジャスティス・リーグ(2017)
《ネタバレ》 最悪の終わり方をしたBvSでしたが、本作でだいぶまともな路線に戻してくれました。劇場でかかるトレーラーの他は、一切の情報を仕入れずに観たので、彼が再登場するとは思っておらず(最初にキャストのところで俳優の名前を見たときも、回想シーンで登場くらいかな?と思ってました)、素直に喜ぶことができました。アメコミヒーロー多しといえど、やはり最強の称号は彼に与えられるべきものでしょう。それゆえに、敵も含めて、他のスーパーパワーの方々の影がだいぶ薄くなってしまうのは仕方がないところですが。 例によって続編を示唆する終わり方でしたが、もう無理に作らなくても・・・と思います。 [映画館(字幕)] 6点(2017-11-25 19:26:07) |
103. ローガン・ラッキー
《ネタバレ》 ルパン三世もびっくり(いや、それではルパン三世の作者たちに失礼か)のご都合主義満載の犯罪計画に、意味不明&回収されない&されても大して面白くない伏線のオンパレードで、呆れてしまいました。(例:健康ドリンクを売っているレースチームのオーナーと、復帰したドライバーのくだり。)しまいに、分裂症かと思われるどんでん返し。娘の歌声を聴く主人公→反省したのか???→実は×××→ラストの主人公らの集まるバーには●●●が・・・なんだそりゃ。この映画で、一つだけ価値があったのは、カイロ・レン役のせいで私の中では最低俳優になっていたアダム・ドライバーが、結構いい味を出す役者であることが分かったことだけです。 当方にとってソダーバーグって、オーシャンズ11を見たときに合わないと悟って、実はそれ以来食わず嫌いしていた監督なんですが、その時の判断はあたっていたようです。 [映画館(字幕)] 2点(2017-11-21 00:45:52) |
104. ブレードランナー 2049
《ネタバレ》 まあ、前作だって美術とか雰囲気が評価されてカルトムービーにこそなってはいるが、全体的には見せ場の少ないモサッとした作品でした。今作もそのあたりは見事に同じ雰囲気にしてますので、やっぱりモサッとした映画になってます。 レプリカントと人間(当方は、断固としてデッカードは人間であると主張します)の子供が生まれているってのは、設定としてはやりすぎと思いました。ストーリーにも無理があったと思います。デッカードの娘の記憶を移植したレプリカントKが、たまたまそれに関する捜査を担当するってのは不自然だし、レプリカントを繁殖させたいというのが悪役側の行動原理であれば、その具体的方法論は異なるであろうけども、大局的にみればレプリカントレジスタンスの人たちの目的と合致しているとしか思えないし。つまり、娘の存在を隠し通さなければならない理由を持っているのはデッカードだけのはず。当方、何か勘違いしてますか? 原作ファンとしては、デッカードが飼っていた犬は、電気犬であってほしかったし、それを示すようなシーンがほしかった。途中で出てくるのがミツバチでなく、電気ヒキガエルであればなお良かったのですが。 力の入った作品であるのはよーくわかるのですが、これではヒットが難しいのも納得。 [映画館(字幕)] 5点(2017-10-28 19:31:41)(良:1票) |
105. バリー・シール/アメリカをはめた男
《ネタバレ》 主人公バリー・シールは、どう見たって中南米の麻薬マフィアと同じレベルの悪党か、あるいはCIAの立場を利用しての悪事を働くような男なので、それ以上の卑劣漢です。やっていることも麻薬の密輸であり、どの角度から見ても、ヒーローどころか、アンチヒーローですらない。そんな人物に、トム・クルーズをキャスティングしてしまったのは完全に失敗と思います。もっと悪役が似合う役者であるべきでした。 「アメリカをはめた男」の副題は日本で勝手につけたものでしょうが、映画の内容とはあってませんね。だまされました。立場を利用して私腹を肥やした男が、相応の最後を迎えた、という全く爽快感のないストーリーです。 あと、ドキュメンタリータッチを志向したのか、始終カメラがぶれまくるのもあまり好感できません。 [映画館(字幕)] 5点(2017-10-21 17:31:53) |
106. アウトレイジ 最終章
《ネタバレ》 結局、全編通して木村のための復讐劇であり、それにしてはあまり関係のなさそうなエピソードが物語のきっかけであることにバランスの悪さを感じました。これなら、あのラストシーンから直接始まるというストーリーにして、大友が韓国で身を隠しているなんて状況にしなかった方が良かったのでは?時間が経ってしまって、俳優陣がそれぞれかなりお年寄りになってしまい、それもできなかったかもしれませんが。 また、ベタ過ぎかもしれませんが、木村のことを思い出すような回想シーンを入れてもよかったのかもしれません。 新たな登場人物で、魅力のある人がいなかったというところで、点数的にはビヨンドから一つ落ちるかな。 でも、こんなアウトレイジな映画なのにお客さん結構入ってましたよ。みんなこのシリーズが好きなんだなあ・・・ 迷惑もハローワークもあるかい!が一番ツボにはまりました。 [映画館(邦画)] 6点(2017-10-09 17:46:36)(良:1票) |
107. ダンケルク(2017)
《ネタバレ》 キャスティングの際に、監督クリストファー・ノーラン(N)とマーク・ライランス(R)、トム・ハーディ(H)の間にこんな会話があったのではないかと推測。 N「やあ、マーク。今度の私の新作に出てくれないか?君にぜひ演じてもらいたいピッタリの役があるんだ」R「へえ、どんな役だね?」N「国のために命を賭けることを厭わない信念の人さ。自分の使命を果たすためには、たとえ家族が犠牲になろうとも、涙一つ見せない気骨のある親父を演じてもらいたいんだよ」R「・・・なんだか、この前演じたスパイ役と寸分違わないキャラクターに聞こえるんだが・・・」N「だから言ったろ。君にピッタリだって」 N「やあ、トム。また次も私の新作に出てくれよ。君にピッタリの役があるんだ。今度は、ダークナイトとは違って、完全にヒーローの役だよ」H「へえ、どんな役なんだい?」N「窮地に陥った友軍を救うために孤軍奮闘する、英国空軍のエースパイロットさ」H「おお、いいねえ!・・・(脚本を読んで)・・・なんだよ。最初から最後までコクピットで座っているだけかい。おまけにずっとマスクをかぶりっぱなしじゃないか!」N「だから言ったろ。君にピッタリだって。また今度も、眼だけで語ってくれよ。期待してるよ!」 [映画館(字幕)] 6点(2017-09-14 00:38:59) |
108. スパイダーマン:ホームカミング
《ネタバレ》 完成度の極めて高いライミ版1作目を超えろったって難しい話なんですが、それにしても、このシリーズはリブートするたびにつまらなくなってしまう。今作なんて、ほとんどアベンジャーズかアイアンマンのスピンオフ状態で、主役の存在感の薄いこと薄いこと! ピーターの大事な人の父親が敵役に回るのも様式美みたいなもんですが、今回はそれもストーリー上、大して意味がない感じでしたね。 一番盛り上がったのは、ラスト近くでグゥィネス・パルトロウが登場したシーンでした。 [映画館(字幕)] 5点(2017-08-18 00:30:46)(笑:2票) |
109. トランスフォーマー/最後の騎士王
《ネタバレ》 ストーリーのとっちらかり具合は、シリーズ随一です。中盤まで、誰が何のために何をしようとしているかがちっともわからない状態です。そんな状態なのにもかかわらず、全編通して観るとどう考えても不要な少女のエピソードが序盤はやたらと幅を利かせているし。 そもそもこのシリーズの登場人物は、人間であれオートボットであれ、会話の途中で必ず余計な事をしたり、まぜっかえしたりするので、ストーリーをまともに説明してくれる人がいなくてイライラします。・・・でもこの感覚はどこかで・・・そう!小学生の息子とまじめな話をしようとしている時の感覚です!そもそもトランスフォーマーはそういう精神構造の人向けのものと割り切って楽しむのが正解。 今作では、ロボット秘書コグマンのふざけっぷり、シモンズとバートンの電話でのおバカなやり取り、ヴィヴィアンの母親たちの下世話な会話などなど、ギャグは一作目を彷彿とさせるほど豊富で、私は終始大笑いでした。アンソニー・ホプキンスの老体をおしての大活躍にも拍手せざるを得ません。 ただ、前作のレビュー時も書きましたが、(操られていたとはいえ)オプティマスに、人間に向かって「I'll kill you」とか言わせないでほしいなあ。でも、その後に決め台詞の「I'm Optimus Prime!」を連発してくれて、これにはしびれました。これを聴くためだけに見に行ってるようなもんです。 決して出来の良い作品とはいえませんが、私は前作ロストエイジよりはこちらの方が好きかな。なので、同じ点数にします。 そうそう、もうひとつ。こういう映画では、人類絶滅の危機に対して、間一髪のところでヒーローが活躍して回避する・・・ってのが常套ですが、今回はなんと何百万人と犠牲者が出てしまっていて、全く間に合ってません。まじめにとらえたらとんでもないことですが、あまりにばかばかしい設定に、この映画で一番笑ってしまいました。これじゃ、例の鋼鉄の男の設定と同じで、次回作もオートボットは人類の敵とみなされちゃうな。 [映画館(字幕)] 8点(2017-08-17 00:28:59) |
110. ハクソー・リッジ
《ネタバレ》 この映画は実話である、ということで、結局あらゆる感想・批判が出来ないことが最大の難点になっちゃいます。 主人公の故郷での描写が、冒頭の兄弟喧嘩のエピソードと、奥さんにかかわることを除くと殆ど描かれないので、彼が頑としてライフルに触れない理由というものにそこまで感情移入ができず、それでもなおかつボランティアであることにも納得がいかないのです。後でとってつけたような説明が出てきますが。でも、実際にそういう人がいたんですとなると、「そうですか」というしかなく、何の反論もできず。 だめ押しで、最後のご本人登場です。ひたすら彼を称賛する映画なのですかね?これ。それならわざわざリアリティたっぷりの劇映画にする必要があったのかな?ちょっとピンとこない。 日本軍敗北時の腹切りのシーンは全く要りません。映画のバランスを悪くしてました。 [映画館(字幕)] 5点(2017-07-25 01:14:00)(良:1票) |
111. カーズ クロスロード
《ネタバレ》 予告編を見て勝手に、事故で再起不能と思われる怪我を負い、絶望して引き籠るマックイーンが、周囲の人に叱咤激励され、己のアイデンティティーを取り戻し、勝てる見込みのないレースにそれでも復帰するまでの過程を描く男のドラマ・・・を予想しましたが、子供向けにそこまでシリアスにはしないわな、やっぱり。全体的には楽しく観たのですが、クライマックスでのドライバー交代(正確な物言いではないですが)をOKとしてしまうシナリオには無理があります。それなら素直に、最後のトレーニングでの敗北→レースエントリー時の引退決意&世代交代、で良かったんではないでしょうか? 選択肢なく吹き替え版を見てたのですが、エンドロールの歌を「カッコええなー。誰の歌?」と思って聞いてました。最後に奥田民生と判明。ああ、昔好きでよく聞いてたわ。すっかり忘れていたけど、好みは変わらないのね。この歌、一緒の回で観ていた見知らぬ小学生たちが、口ずさみながら劇場を出て行きました。小学生の心に響く中年のロック、すごいです! [映画館(吹替)] 6点(2017-07-25 00:51:58) |
112. LOGAN ローガン
《ネタバレ》 ヒュー・ジャックマンによるローガン=ウルヴァリンの集大成という部分で感慨深い作品ではあるが、過去作品をすべて無視したようなあまりにも絶望的な状況設定に、最後まで気分が乗りきらなかった。 私にとってローガンの人物像は、第一作X-menでの、一度放り出したローグをピックアップするシーンと、学園を飛び出して泣き崩れる彼女に肩を貸すシーンで完成されてしまっており、今作の終盤までの偏屈男ぶりが、むしろちょっと違和感ありました。 それにしても、ヒュー・ジャックマンは良い俳優になったものです。今後はどんな役に挑戦するのか楽しみ。 [映画館(字幕)] 7点(2017-06-11 22:03:41)(良:1票) |
113. 美女と野獣(2017)
《ネタバレ》 良くできたリメイクだと思います。ミュージカルシーンも比較的違和感なく実写化されていました。少しだけエピソードと歌が追加されてますが、基本的にはかなりオリジナルに忠実。せっかく魅力的なヒロインを使っているのだから、もう少し時間を使って話を膨らませてもよかったのではないかと思いました。 [映画館(字幕)] 7点(2017-05-10 00:34:50) |
114. キングコング: 髑髏島の巨神
《ネタバレ》 力作ではあったけど、ストーリーが平板で盛り上がりどころを欠いた感じかな。コングが得体のしれない凶暴な怪物でしかない前半の方が面白く、原住民のエピソードにより島の守り神であることが分かってしまう後半は尻すぼみ。 主人公の傭兵役の人も、登場のシーンでは相場以上の報酬を要求するなど、アウトロー感あって期待できそうなキャラクターだったのに、実際の振る舞いはただの英国紳士でしかなく、影が薄かったのが残念。 逆に、「シカゴ」では存在感がまるでなかったミスター・セロファンは、大変目立ってました。「不名誉より死!」 [映画館(字幕)] 6点(2017-04-16 20:03:59) |
115. パッセンジャー(2016)
《ネタバレ》 ストーリーの中心は、恒星間宇宙船内における孤立無援の状態でのサバイバルと、ハードSFっぽい設定なのですが、細かいところの設定がどうにもぬるくて、残念な感じでした。おまけに、ラストはほとんどおとぎ話になってしまいました。 私が脚本家であれば、宇宙船の修理後、オーロラには無理やり睡眠薬を飲ませるでも何でもして、コールドスリープに入れさせるという風にしますけどね。そうして、80数年後に目覚めたオーロラが、他のパッセンジャーズに、知られざる英雄譚を語るという・・・どうですかね、こういうの? [映画館(字幕)] 5点(2017-03-25 22:30:18)(良:1票) |
116. モアナと伝説の海
《ネタバレ》 予告を見た限りでは、必ずしも自分好みの映画ではなさそうだな、とは感じていたのですが、最近のディズニーを完全に信用しているので、迷いなく映画館に直行しました。 ポリネシアを舞台にしたロード・オブ・ザ・リングというスリリングなストーリーを軸に据え、レイダース、ゴジラ、リトルマーメイドのパロディをちりばめて笑いを誘い、ココナツ(?)の海賊やカニ(?)の化け物やテフィティの姿等、豊かなイマジネーションに溢れた、贅沢な一作でした。ヒーローのマウイが全くヒーローらしくないのも良い。マウイのタトゥーには、アラジンのジーニーのイメージが被りました。 主題は、意思あるところに道は開ける、というシンプルなもの。それでも、主人公が一度ならず壁に突き当たっては克服していく様をしっかりと描いています。 これだけほめて7点と言うのは、今作についていえば日本語吹き替えのミュージカルパートが、主題歌を除くとあまりうまく翻訳できていないように感じられたからです。近所の映画館では選択肢がなく吹き替えで観たのですが、1日1回でよいから字幕版も上映してもらいたいものです。 [映画館(吹替)] 7点(2017-03-15 01:02:38) |
117. アサシン クリード
《ネタバレ》 (ゲームが原作であることなど、全く知らずに観た感想です) 序盤、思ったことは「こりゃ、TIMEやトランセンデンスと同じトンデモSF系映画だわ。観るんじゃなかったかな」でしたが、それでも脇役にまでしっかりそろえた豪華俳優陣と、周りの世界を小バカにするマイケル・ファスベンダーの心情に自分の気持ちを重ねることでなんとか辛抱して見続けていたところ・・・暴力性は人間性の本質であるとか「真実に盲信する世界に真実はない」やら「法と秩序が支配する世界で許されないことは何もない」(うろ覚えです)とかいうような、妙に深い哲学的なテーマが顔をのぞかせ、中盤には「こりゃ、インディアナ・ジョーンズとダ・ヴィンチ・コードを合わせたような新ジャンルの傑作の誕生か!?」というくらい期待が膨らみました。 んがしかし、終盤の研究所での反乱あたりから話はグダグダになり、最後は陳腐なダーク・ヒーローの誕生で終わってしまいましたとさ。いやー、実に惜しい!もう少し終わり方がしっかりしていれば、と思わずには居られませんでした。 もうひとつだけ文句を。アクションシーンの編集が下手で、何が何だか分からないシーンが多すぎです。 [映画館(字幕)] 6点(2017-03-10 00:52:23) |
118. ラ・ラ・ランド
《ネタバレ》 冒頭、なにげなく「Winter」から始まるこの映画。その時は何とも思ってませんでしたが、主人公らの心境に合わせて「Spring」に変わった瞬間から、先行きが暗いことが分かってしまい、なんとなくブルーに。中盤以降はミュージカルシーンも減り、エマ・ストーンの迫真の演技も相まって、全く高揚感がなくなってしまいました。できれば、素直にSpringから始まるラ・ラ・ランドを見たかったなあと思いました。 以降はくだらない超個人的感想。エマ・ストーンって、ジョディ・フォスターとめちゃくちゃ印象が被るんです。本編中盤以降に、ヒロインが絶望感を漂わせる表情が、どうにもレクター博士に追いつめられるクラリスに見えてしまって、余計に鬱になってしまいました。 いや、いい映画だと思うんですが。 [映画館(字幕)] 7点(2017-03-01 00:04:48) |
119. ドクター・ストレンジ
《ネタバレ》 キャストがなかなか魅力的なこの映画。この俳優陣を使うなら、素直に、両手に大けがを負って挫折した腕は立つが傲慢な外科医が、周囲の人々の助けによって失意のどん底から立ち直り、片田舎か離島の小さな診療所の医師として復活するまでを描くというような、ベタだが王道のヒューマンドラマにしたほうがよっぽど良い映画になった気が。 あ、その場合は監督はバリー・レビンソンかピーター・ウィアーあたりで。 [映画館(字幕)] 5点(2017-02-09 00:50:00) |
120. マグニフィセント・セブン
《ネタバレ》 現代の映画表現においては、「善玉が悪人をやっつける」という図式は成立せず、どう取り繕っても「善玉が悪人を殺害する」になってしまう。(既に四半世紀も前に「許されざる者」で示されていることだが)おまけに、主役の7人がそろいもそろってアウトローぞろいのため、最初のガンファイトでは、奇襲をくらってばたばた倒される敵側のほうが気の毒に思えてしまうほどだった。 今回の7人は、戦う理由が殆ど個人の胸の内だけにあり、そのため本来主役であるべき街の人たちとの関係はほとんど描写されない。C.プラット演じるファラデーのキャラクターは好感が持てたので、例えばお得意のカードを利用して、街の子供たちとの交流を描くなどすれば(つまりチャールズ・ブロンソン的な役柄にする)、最後の決死の突撃のシーンでもっと盛り上がったのになと思いました。 [映画館(字幕)] 6点(2017-02-04 09:10:00) |