101. レヴェナント 蘇えりし者
《ネタバレ》 内容がない話を、これだけ見応え十分に仕上げるのだからたいした物です。 長時間も退屈せずに最後まで見れました。とにかく寒い映画だ。まだ寒い間に見て良かった。 こずるい糞野郎のフィッツジェラルドへの復讐がちょっと物足りない感じ。 手負いとは言えグラスの前では手も足も出ないぐらいの力の差でスカッとさせて欲しかった。 想像を絶する濃密な生還劇に比べると、後の復讐劇の部分が少々薄味なので 過酷なサバイバルから生還へと突き動かしたのは復讐への執念と言うより 生きる事への執着に感じてしまい、この話のストーリーの根幹をも薄味にしてしまった。 もっともストーリーに楽しみを見いだす目的の映画ではないのだろうが この辺りで見る人の評価が分かれそうに思えて少し残念。 実話を元に作られたと言うが、どこまで本当なんでしょうかね。 さすがにここまで不死身すぎると、いっそ死んだ方が楽なのではと思ってしまいました。 [DVD(吹替)] 7点(2017-03-24 00:22:53) |
102. 脳内ポイズンベリー
《ネタバレ》 この作品のアイデアや雰囲気は好きなのですが、 ネガティブ池田(吉田羊)と衝動のハトコ(桜田ひより)を見て居ると どうしてもイライラしてしまう。各要素を抽出したキャラクター同士が脳内で言い争う 意図は分かるのだが、どの人格も本来なら主人公のいちこ(真木ようこ)の 分身から出来ている訳なので方向性は違えど、キャラクター的に大きな乖離があるのは かえって不自然な気がするが。女性の頭の中はこんな感じなのだろうか。 序盤は少しコミカルに終盤はシリアスといった感じで展開に応じたメリハリがあれば もっと見やすかったかもしれない。 見るまでは主人公のキャラクターが真木よう子さんにあって居ないかなと思いましたが 違和感は無かったです。さすがですね。 [DVD(邦画)] 7点(2017-03-21 00:57:29) |
103. ヒックとドラゴン
《ネタバレ》 過去に見て面白かったと記憶している作品。しかし時間が経ち記憶から消えているので 続編を見てみようと思う事もあって改めて見直しましたが改めて見ても凄い完成度ですね。 バイキング1年生だった奴らがピンチでいきなりいとも簡単にドラゴンに乗る所はまぁ致し方ないかな。 最後のペットと言うのに違和感を覚えると言う意見も多く自分も聞いた時に 少しオイオイとは思いましたが、ドラゴンからすれば人間がペット。でいいんじゃないかな。 憎まれ口や立場や考えもまた人それぞれありながらの共生だろうと思うので。 人間社会も色々な奴がいて色々な考えがあって、それでも理解しあう気持ちがないと平和はないから 言葉尻を捕まえてそれら全てを否定する気にはなれない。それだけの完成度だと思うよ。 [DVD(吹替)] 10点(2017-03-19 23:40:07) |
104. 桜、ふたたびの加奈子
《ネタバレ》 子供を亡くした人の悲しみは他人では推し量る事ができないのだが もし子供を亡くしたらこうなっちゃうのでしょうか。 例えば震災などで家族を亡くしちゃった人とかの事を考えると胸が締め付けられますが。 ただ物語の完成度でいうと高いとは思えなかった。 最初に知り合った女性の娘を加奈子の生まれ変わりと思いたい気持ちが痛いが 本当の生まれ変わりは、その友達の子供の男の子だったって、ちょっと都合良すぎというか。 輪廻が仮にあったとしても、星の数ほど人類が居る中で、そんなに近場で出会えますかね・・・ とか言うのは野暮なのだろうか。犬が導いてくれたと言う事にしたとしても。 最後、広末を救ったのが加奈子だったというのも不要な演出のような。 霊が電話って。とか思ってしまう。 ちなみに終始音楽がワンパターンで不快というか、場面にあってないと 思って居たら佐村河内守さんのようで。というか新垣さんかな? ゴーストライター騒動がありましたが今回初めて聞きました。 物語を単なるホラーで終わらせずちゃんと着地させた所は良かったです。 [DVD(邦画)] 3点(2017-03-19 21:25:07) |
105. 風切羽~かざきりば~
《ネタバレ》 四流の脚本と演出に加えてお遊戯会レベルの演技力のくだらない映画 自分にとって最後まで見る価値の無い映画と言う事は鑑賞を開始してすぐに分かりましたが、 ここに悪評を書くために、あえて最後まで見たような物です(笑) 感情や背景の見えない親の暴力シーンに、事ある事に叫べばいいと思って居る主人公。 施設の人も平然と主人公の事を悪く言うという安易すぎる設定。 現実の児童虐待は不幸すぎて痛ましく直視できない事だが この映画で描いて居るのは、虐待を受けた子供達が常識の無い協調性がなく 暴力的で他人の親を人を殺して埋めた上に人を平然と踏みつけたあげく 君のことは忘れないと感傷に浸りながら自分の親の元には戻るという。 おふざけが過ぎるの領域かと。中学二年生が考えたシナリオならまぁ納得しなくもないが 大の大人が大金かけて真面目に作った映画だと思うと何とも悲しいね。 [インターネット(邦画)] 0点(2017-03-18 01:12:43) |
106. シカゴ(2002)
《ネタバレ》 つい先日見たばかりなのにレビューを書いて居ない事に気がついた。 というか見た事も忘れかけていた映画です。内容は悪くない、自分の夢や理想の実現為に、 他人に取り入り寄生し踏み台にする為にキュートで上品で、か弱いが、 その仮面の下は、計算高く、したたかで下品で利己的。かと思えば感情に勝てず 冷酷な事も、とんでもない醜態を晒すなど、他人から見たらとんでもないバカな事をする。 そういった複雑な女性と言う生き物を良く表せていると思うのだが・・・。 今ひとつ心に残らなかったのは、雰囲気が肌に合わなかったからでしょうかね。 [DVD(字幕)] 5点(2017-03-17 09:30:47) |
107. 罪の余白
《ネタバレ》 虐めの自殺に親父が真相を追求する映画。ある意味、物語としてはありがちなのかもしれない。 ただ、主犯とも言える木場咲と警察のふてぶてしい態度に胸くそが悪くなる。良い意味で。 木場咲役の吉本実憂は美人だが棘がある様子を見事に演じているからこそだろう。 酒に溺れかけた親父が覚悟を決めて、酒を捨て始めた時には、さあ、ここから反撃開始だ、 この悪ガキに、いかなる鉄槌が下るのだろうかと期待が高まってしまった。 この作品こそ湊かなえの「告白」のように容赦なく子供の非力さを教え打ちのめして欲しかったが。 そうはならなかったのが残念。心理学者なのだから、そこをもう少しそれを生かした展開になれば もっと良かったかもしれない。もう少し証拠が出てくるとか証言を得られた設定にして 心理的に追い詰める、あるいは自ら自滅させるような仕掛けがあれば最高だったのだが。 あのラストではなぜ少女が内野聖陽の家にのこのこ来た理由にならないし ここまで証拠を残さないように気を遣い計算高く、したたかな女があんなミスをするとは思えない。 衝動的になるように仕向けたようにも見えないので絶妙のタイミングで録画を始めた意味が弱い。 最後に、どんな打ちのめされ方でスッキリ終わらせてくれるのか期待が高まって居ただけに惜しい。 そんな印象でした。ただ盛り上げ方は良く最後まで一気に見ることが出来ました。 [DVD(邦画)] 7点(2017-03-17 01:22:30) |
108. ユージュアル・サスペクツ
《ネタバレ》 あえて話を分かりにくくしている演出はどうかと。 この話は二度見ないと分からないだろうと言う前提はあり 前半で違う結末を想像させるトラップがあるものの結末を知っても驚くほどの意外性が無く、 前半も退屈な為あえて二回見て深く知ろうとまで思わない。 自分にとってはあまり楽しめない凡作だったかなぁ。残念。 [インターネット(吹替)] 5点(2017-03-13 23:28:40) |
109. 海を感じる時
《ネタバレ》 40年近く前の原作を今の価値観で批判されるのは原作者には気の毒かもしれませんが。 ただ古いだけの映画でした。内容も1時間程度で終わる話の密度で退屈。 もっとも最初の30分も見ればこの映画が、この後もこういう物だと言う事が 分かった上で最後まで見たのですが。今映画化した意味がよく分からなかった。 もうちょっと挑戦しても良かったんじゃないかなぁ。 [インターネット(吹替)] 2点(2017-03-13 23:26:36) |
110. ズートピア
《ネタバレ》 物語にそつが無くなかなか楽しめる出来だと思います。 コミカルでいてテーマもハッキリし脚本も良くできていて大人から子供まで見やすい仕上がり。 非の打ち所がない・・・のだけど、でもちょっと物足りないのはなぜなんだろうか。 「差別はいけない事だ、してはいけないんだ」それで差別が無くなるのなら とっくの昔に差別など無くなっているはず・・・だからテーマこそ綺麗に見えるけど、 それがどこか絵空事に感じてしまうからかもしれない。 人間を登場させず動物や機械を擬人化して描く方法は子供向けだからと言われれば、 そうなのだろうと思いますが、こういうテーマだと正直ちょっとあざとい気がしなくもない。 堅苦しく考えるつもりはないけど動物に人間の価値観を当てはめモラルや正義を 考えると言うのも少しどうなんだろうかと。(まぁミッキーからして擬人化は ディズニーの基本なので、これに文句があるなら最初から見るなって話なのかもしれませんが) もっとも、この物語のように動物たちが人間のような道徳感のある生き物に 進化や変化したとしても今の時代に差別のようなテーマを扱うのならば話や表現に深みが欲しかった。 体の大きさ、力の強さ、気配りの細やかさ、計算高さ、様々な特徴や個性がある事を 生かす事は差別とは言わないが、生まれながらウサギだから○○はできないだろうと 決めつけだけで排除するのは差別に当たるだろう。 それについてこの映画は間違えた事は言っていないが、そこで終わっている気がする。 現実の人間の世界では、そんなに単純ではない。差別を逆手に取る者もいる。 実力の無さなど正当な理由で排除された場合でも、自分がマイノリティーの立場なら 排除された時点で差別されたと主張し不利益を排除するどころか 不当に利益を得ようとする者も少なからず居るだろう。 差別を無くそうと声高に叫びながら一方で、差別される側は大変だから 優遇されるべきだと言う姿は報われないマジョリティの目には不公平に映る事だろう。 このような存在が差別を無くす事を困難にしている現状から世間は目を背けている気がする。 今から時代において差別について扱うなら、「差別はいけません、無くしましょう」等と言った 過去、散々語り尽くされた事ではなく、そこから一歩も二歩も進んで欲しい。 不当に差別されていると主張する側と、差別を楯にし不当な利益を得るな、と感じる側。 そして扱いにくい問題だからと考えない、関わらない人々がいて、それぞれが 折り合いをつけて新しい道を模索しようとするには、各々が何を考えなければならないのか。 難しい問題ですがそこに焦点を持って行けない間は、差別根絶の糸口すら掴めないと思います。 子供にあわせて作るを意識しなくても子供はいつか大人になるので。 その時に意味が分かればそれでいいのではないだろうか。小難しい話になればつまらなくなるだろうが そこはディズニー。業界の巨人には世界に影響を与えるだけの力がある。もっと挑戦して欲しい。 [DVD(吹替)] 7点(2017-03-13 23:22:56) |
111. アイズ(2015)
《ネタバレ》 映画の雰囲気作りは良くできていると思う。役者経験の少ないアイドルをホラー映画に 出すという定番のパターンではあるが、他のアイドルに比べて良く演じれていると思う。 内容的にはミステリ部分を違和感や不快感で目隠しをし恐怖を増長させる演出なので、 そこであわない人は見るのも苦痛な映画に感じるでしょうが、 話が終盤にさしかかり解明されてくることで靄が晴れるような作りになって居るのだけど まぁ結末を知るとなんじゃそりゃとツッコミ所も多い所がちょっと残念。 ただ日本今までのホラー映画の中では良い方の出来だと思います。 [インターネット(邦画)] 5点(2017-03-13 23:20:33) |
112. そこのみにて光輝く
《ネタバレ》 失礼を承知で言うなら「しょーもない作品」の一言である。 各役者の演技力、菅田将暉演じる拓児の憎めないキャラクター、そして池脇千鶴のヌード。 ただそれだけで支えられて居るだけ。残念ながら内容が何もない。 これが社会の底辺の物語ですとでも言わんばかりの設定にして、 あなたたちとは違う世界の物語を感じ取りなさいとでも言いたいのか。 山で人を殺したって、あんなチェックもろくにせずに発破ってただの殺人ですわ。 まぁ現時的には過失致死罪でしょうが。 綾野剛は自身の贖罪も行えない癖に安っぽい倫理感と愛を振りかざして やってる事は一家を崩壊に導いてるだけ。 結末も描けず放り投げて、後は皆さんのご想像にお任せしますの放り投げの シャットダウンエンド。こんなのが、なんちゃら賞みたいなのを取るから邦画は進歩がないし こういう映画を素晴らしいと言う風潮に辟易しますわ。 いや、もちろんこういう映画の存在意義まで否定するつもりはないが評価に見合わないのか、 他にこの作品を越える物が本当に無かったのかと思うと嘆かわしい。 こういう作品は沢山ある作品の中に埋もれてこそ輝く。 神輿にのせて皆で担ぎ立てるような物では無いと思って居るので この作品のファンならびに関係者には申し訳ないけど酷評させて貰いました。 [インターネット(邦画)] 4点(2017-03-10 01:18:27) |
113. 曲がれ!スプーン
《ネタバレ》 サマータイムマシン・ブルースをもう一度と言う事で作ったのだろうか。 そこかしろに見覚えのある物が。テーマと雰囲気は良かったのだけど、 残念だけど脚本の密度がスカスカで。あの内容だったらあと30分ほど 短くした方が良かったんじゃないかな。 またこの映画ではエスパーの演劇色が濃くなりすぎて軽くて見やすい反面、 ドラマ性が無く話に深みがないんですよね。 エスパー達のコントを減らして長澤まさみの方の話を広げて ドラマ性を高めた方が良かった気がしますね。 クライマックスのサンタを飛ばすアイデアは良いけど、もうちょっと エスパー達が団結して夢のある演出に出来なかったかねぇ。 エスパーの能力縛り設定を緩めて、もっと能力を上げて 最後は長澤まさみ自体を夢の異世界につれて行くぐらいの方が良い気がします。 あれじゃ風船で出来たサンタが強風で飛ばされてるみたいで・・・。 その後にこれが夢の世界ですと子供のスナップが多すぎてなんかめんどくさい。 ただ、酷評されるほど酷い内容ではないものの「まぁこんなもんか」と 見終わった後に思ってしまうような映画でした。 [インターネット(邦画)] 5点(2017-03-05 23:56:09) |
114. 恋人たち(2015)
《ネタバレ》 「いかにも」キネマ旬報ベスト・テン1位って感じの作品でつまらなさですね。 無駄な場面に無駄なセリフにて構成される映画の為に一つ一つのシーンが長い。 それに加えて狙いすぎのカメラワーク。ババァの放尿シーンや脇毛を誰が見たいのかと。 通り魔に奥さんを殺された旦那は気の毒に思うが、そこで描いたのはドラマではなく ただのリアルである。ドラマのように世間や犯人などに勇敢に戦う訳でもなく 平凡な人材が大きな流れに取り込まれるいくだけだ。奇跡を起こしたり 世間と戦ったりできる強い人間は、ほんの一握りの人達で現実は世間の大きな流れには抗えない。 それが世の中で起こって居る現実だ、ほらリアルだろうと言われたらその通りだが 私にはこの映画でそれを表現した事に今ひとつ意義を感じられなかった。 他の話も広い世界にはそういう人も居たり出来事もあったりするだろうね。とは思うが、 それ以上でもそれ以下の感想もなく残念ながら心を揺さぶるだけのメッセージは受け取れなかった。 過去の実体験や現在置かれている状況から描かれた主人公たちに、真相心理のどこかで 共鳴する物があるなら共感的理解を自然と引き起こすような効果があるでしょうが 映画の芸術性よりも技術力が高い物の方が好きな自分にとっては、 物語の善し悪しを脚本のこだわりだったり、練りだったり凝り具合で判断してしまいます。 そうやって作り手側が深く描いた映画は好きだけど、 逆に表層をなぞる事で、見る側に深く感じさせる事が目的の映画は 受け取り側の共感に触れず深掘れなかったったらそれで終わり。 そう思って居る自分には合わない映画でした。 [インターネット(邦画)] 3点(2017-03-02 01:49:44) |
115. スウィングガールズ
《ネタバレ》 コメディの部分が上滑りが酷くて見るに堪えない。 バカ騒ぎするだけでなく頭の中までバカの女子高生の見本市。 中古で楽器を買って頑張ったメンバーと それまで遊びほうけてブランド物売って新品の楽器で戻った生徒の 実力差がないとか悲しすぎるでしょ。 [インターネット(邦画)] 4点(2017-02-26 14:48:41) |
116. オブリビオン(2013)
シナリオ的に問題もなく。娯楽作品として十分だと思います。 ただ面白いはずなのに何かが足りない。そんな気がします。 改善しようとスパイスを足せば濃くなりすぎそうだし これ以上のひねりもいらない。そういう印象で、 この話はこれでポテンシャルを引き出し切っているのかもしれません。 [地上波(吹替)] 6点(2017-02-23 13:00:55) |
117. 海月姫
内容としてはテレビドラマでありそうな物を2時間に詰め込んだ感じでしょうか。 こう書くとつまらなさそうですが、そんな事はありません。 劣等感を持つ個性的なキャラクターを配置して問題が起こり力を合わせて問題解決するという ありがちなパターンと言ってしまえば身も蓋もないですが起承転結にブレが無く良い映画です。 女装が女装を越えて居なくてどう見ても男だろ・・・気がつかないわけ無いだろ・・・ と言う野暮な突っ込みはしないでおくとして。 残念なのは演出方法も近年のテレビドラマのようなアニメチックなCGを多様して 演出が安っぽい所でしょうか。漫画ですとデフォルメした表現は効果的でしょうが 実写で石のように固まる部分を、実際にCGで石にしちゃうって安易な方法は 役者さんの演技の幅を狭めてしまうと思うのですがね。 また、オタク設定が一昔前のオタク像というか、ステレオタイプのオタク像?とでも 言うのでしょうか、過剰演出によって一見個性的には見えるのですが 様々なキャラクタが全員同じような味付けで個性が生かされていないし 背景が描かれて居ないのでトラブルのシーンなどでも感情移入しにくく メンバーの団結感が高まりが弱い気がしますね。 こう書くと酷い映画のように思えますが、今時の漫画原作ならではなのでしょうか? キャラクターにとことん嫌な奴は出てこないし汚い部分がなく安心して楽しめる映画です。 ある種定番の雛形ですので類似の映画が沢山ありますが そのなかでも、なかなか楽しめる方の仕上がりになっていると思いますよ。 深く心に残る映画ではないかもしれませんが力を抜いて気軽に楽しむのに丁度良い映画です。 [インターネット(邦画)] 7点(2017-02-23 12:55:22)(良:1票) |
118. ヒメアノ~ル
《ネタバレ》 予備知識ゼロで見てしまった。 前半40分ぐらいまでは面白く見られたのでそういう映画だと思ってお気楽に見てた。 幸せの絶頂の向こうに佇む森田からのタイトルを見るまでは・・・怖い。 色々突っ込み所はある、用意周到に逃げ回るキャラではないのに捕まえられない、 警官が殺されて銃を奪われているのにしばらく気がつかない警官の無能さ。 無差別に近い殺人が繰り返されているのに緊急配備もされないであるとか諸々。 しかしもうそんな事はどうだっていいのかもしれない。 ひたすら怖い。今までも狂気でグロテスクな作品も見てきたが これほど怖いと思った作品は無かったかも知れない。まず怖いと思うのは 表現が直接的で痛々しいのもあるが、それ以上に怖いのは誰でも被害者になり得る恐怖だろうか。 あれほど酷いイジメはともかくとして自分の学生時代を思い出すと 風の噂なども含め多かれ少なかれ思い当たる節がありはしないだろうか。 虐めて居たあいつ、傍観していたしていたあいつ、いじめられていたあいつ。 今どこで何をしているのだろうかと頭をよぎってしまいはしないだろうか。 自然とどこかで自分を重ねる事でより近くで見ているような臨場感が恐怖をかき立てる。 そして本当に怖いのは森田は感情が表に出すぎる事もなく感情が外から見えない事。 これには森田剛君の配役が良かった。そして演技・演出もたいした物だと思った。 どこにでも居そうなヤワな青年だが心が死んで居る様を見事に演じていると思う。 狡猾で暴力的で強いタイプやサイコパスの話にありがちなIQが高くて利口な人間では無い。 森田がパチンコ屋で15万勝ったが、その帰り絡まれ、あっさりその金を奪われる (その描写はないが以後金がない事がその事実を物語っている)その弱さは今までの 殺人鬼とは少し違うと言う事を想像させる。 「人は皆不満なんだ、不安や不満が無いと生きて行けない、だから君は変じゃない」と ムロツヨシが浜田岳を諭すシーンからこの話が始まる。 人は概ね幸せを求め生きている。より良い生活の為に働き、欲求を満たすために恋人を作り 生きた証を残す為に結婚して子供を作って死んで行く。この社会にある漠然とした 幸せと言う価値観が自分とは別の世界の話になった時、生きる事の喜びや死への恐怖に 意味を見いだす事が出来なくなるだろう、森田には不満も不安もない生も死にも興味も執着も無い。 まして社会にも他人にも自分も。もはや空虚で何もない心は他人が考えて理解できる物では無い。 なぜなら空っぽでそこに心がないから。 森田の一連の行動は、性の対象は求めても単純な快楽殺人でも暴力的な衝動でもない。 社会の雰囲気が作りだした価値観に縛られた側から森田を見ても 彼の行動は理解も想像もできない、うかがい知る事が出来ないものなので 人間が理性で押さえ込んだ本能的に持つ暴力的な衝動や性的衝動の直接的な恐怖よりも もっと深くて暗い直視できない恐怖に、ただただ怯えるだけだ。 そしてこの話の質が悪いのは、ただ怖いだけではなく様々な感情をぐちゃぐちゃにかき乱してしまう。 もしイジメを助ける奴がいたら、いや、そもそもいじめが無かったら・・・ 森田にも違う人生があったかもしれない。 だがそんな事は正当化される理由にもならない。同情の余地さえも踏みにじる残虐性。 そもそも森田にとって違う人生や幸せとはなんなのだろうか。 見終わった後も捕らえどころのない嫌な余韻を残す映画でした。 本来ならこのようなバイオレンスで気を引くような作品にはあまり高得点は 付ける気がしなかったりするのですが、この作品にはそれだけの力とメッセージがあった気がします。 一つ残念な所は佐津川愛美さんの脱ぎっぷりが中途半端な所でしょうか(笑) 中途半端にしか脱げないなら脱がないで良いかな。自身か事務所か監督の判断かは分かりませんが。 せっかくここまで拘った作品なのに行くなら行ききって欲しかったですね。 [DVD(邦画)] 8点(2017-02-22 00:50:34)(良:1票) |
119. オール・ユー・ニード・イズ・キル
言いたい事は書き尽くされてる気がするので一言。結構面白かったです。 [地上波(吹替)] 6点(2017-02-21 12:34:17) |
120. 白夜行
雰囲気は悪くないのですが。重いのは雰囲気だけで中身が薄かった気がします。 勘のいい人なら、かなり最初の段階で犯人が誰か事件の概要も何となく予想がつくのでしょう。 私のような者でも最初の30分ぐらい見たところで、いくつかの類似作品などからでしょうか。 確証はないものの犯人が予想できてしまい、なぜそれに至ったのかの 確認作業と言った所でしょうか。残り時間が長く感じます。 中盤~終盤は明らかに、もう皆さん犯人分かってますねと言う躰で話が進んで行くので そういう意図で作って居るのでしょう。 ミステリー導入なのだがいつのまにかサスペンスに変わって居るような作りになって居るのは 見せ方として面白いとは思うけど。それが映画として良かったかと問われると・・・。 単純な話の上に枯れ木をいくつか置くことによって見えにくくしているだけなので ミステリー部分は楽しめないし、サスペンス部分もミステリー要素を残してしまって居る分 隠しているためか緊張感や恐怖感を引き出せていない。ラストシーンも、心理描写が軽薄な為に なぜそうしたのか、なぜそこまで肩入れするのか感情移入が全く出来ない。 せっかく重厚な雰囲気だったのに最後の最後で安っぽいドラマを見せられたかのような印象で残念でした。 [DVD(邦画)] 4点(2017-02-21 10:26:31) |