1241. ノア 約束の舟
《ネタバレ》 映像特典で監督が語ってましたけど、13歳の時にノアの箱舟に関する詩を書いたら国連のコンテストで優勝し、それ以来ストーリーテラーの自信がついたんだみたいな話をしていましたので、彼にとってこの聖書のお話は特別思い入れが強いものなんでしょうね。いくつかの国では上映禁止になったそうですが、物語からリイマジネーションして新たな解釈で再構成する野心は認めたいです。ただ、序盤のストーリー説明の映像から中盤までがなんとなく上滑りしてる感があって、かったるく感じちゃいました。悪い人たちが箱船を乗っ取ろうと押し寄せてくるシーンからようやく面白くなり、家族の不協和音が繰り広げられる後半はそれなりに考えさせられます。普通に考えたらノアの箱舟伝説って色々と無理あるよねって思うんだけど、船の建造を「番人」にやらせたりとか、船内に乗った動物達は変な煙で寝かせることが出来るとか、そういう要素でとりあえず乗り越えてます。壮大な話だけど、結局のところ「一人の父親」の生き様の物語なんですよね。正義と慈悲の間で揺れ動くノア。でも、父親としては、その両方が必要なのですよね。だから「人間」なのだ、と。飲んだくれ描写が一人の人間としての悩ましさを現しておりました。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2014-09-20 23:42:16)(良:1票) |
1242. サウンド・オブ・ノイズ
《ネタバレ》 アイデアは良いんですが、ストーリー的にちょっとついていけない、というか吞み込めない点があって、後半ほどより観念的なもんだから、個人的にはもう少し単純に笑わせてくれる映画にしてほしかったなと。最初の手術の楽曲は患者を巻き込んでの演奏が笑えたし、次の銀行での楽曲も皮肉きいてて良かった。ただ、その場で演奏しているというよりはあらかじめ作った楽曲に合わせて映像を撮ってますっていう感覚があって、いまいちライブ感に欠けるんですよね。曲自体はノリノリで聞いてて楽しいけど、もっと巧く料理できるんじゃないかな、ていう気もする。 [DVD(字幕)] 5点(2014-09-13 23:11:48) |
1243. 土竜の唄 潜入捜査官 REIJI
《ネタバレ》 いや~三池節全開という感じでしたね~。彼の下ネタの作風は人を選ぶものなので苦手な人もいると思いますが、個人的には結構好きです。特にあのまぐわっている時に、萎える絵を思い浮かべて長続きさせようとするシーンなんか、まさに三池さんらしいですね。あとは杯をバリバリ食っちゃうシーンとかも良いですね。アホすぎて。ただ後半はちょっと飽きてくる展開でもありました。生田君は体当たり演技していて良かったし、ナイナイの岡村も意外とはまり役だったと思います。何を考えなくても楽しめる簡単なストーリーですが、唯一、堤真一が演じていた良い人キャラのヤクザとの関係性、それが良かったです。 [ブルーレイ(邦画)] 6点(2014-09-10 23:23:08) |
1244. セイフ ヘイヴン
《ネタバレ》 「親愛なるきみへ 」でも思ったのですが、ラッセ・ハルストレム監督の ラブストーリーはほんと良いですね。 語り口が絶妙で、鑑賞してる自分のこれまでの恋愛模様を、 ついつい重ね合わせてしまう。 特に切なさとか、愛してたのになにかの出来事で 別れてしまうとか、そういう展開にぐっときますね。 本作は、刑事だと思っていた人物が実は○○で、 犯人だと思っていた彼女が実は○○というどんでんが 中盤で披露されます。でっちあげで指名手配とか勝手に出来るの?という 疑問はさておき、このどんでんはなかなか巧い。 そしてそれ以上に驚きだったのはラストのもう一つのどんでん。 「え!?」って思わず声が出ちゃった。 これがまた不思議な余韻となってストーリーを終わらせるんだな。 このラストで評価分かれそうな気はするけど、 自分は割とすんなり受け入れられたので7点いれときます。 [DVD(字幕)] 7点(2014-09-09 09:53:22)(良:2票) |
1245. ポール・ヴァーホーヴェン/トリック
《ネタバレ》 上映時間は89分ですが、前半は 製作過程を追ったドキュメンタリーになっていて、 本編は後半から始まるという構成になってます。 最初の5分だけ作っておいて、続きの5分の脚本を公 募して撮影、また公募して撮影を繰り返し映画を 作っていくという今までにない製作の仕方。 普通に考えてかなり面倒で大変なやり方だと思うのですが、 これまでのキャリアや年齢を考えてもなお新しいことに 挑戦しようとするバーホーベン監督の創作意欲には 頭が下がります。 5分ごとに脚本を書いた人が違ってくるはずですが、 ちゃんと一本の映画としてまとまっており、 それでいて興味深いのはちゃんと「バーホーベンらしい」 ストーリーの映画になっているという点です。 もの凄くドロドロした昼ドラをコメディタッチで描いたような 物語で、短いながらもどんでんが重なり飽きさせません。 美女のおっぱいも出てくるし、割とおすすめです。 [DVD(字幕)] 7点(2014-09-08 21:09:38)(良:1票) |
1246. フローズン・グラウンド
《ネタバレ》 実話だということだそうですが、 こういう連続殺人鬼は普段どういうことを考えてるのか。 その人となりは気になるものですが、 本作は犯人にはスポットがあたっていません。 頭がいい、という点は描かれてるのですが、 なぜそんな異常な人間になったのか、そのへんは わからずじまい。 本作でスポットが当てられてるのは、 刑事さんと娘の関係、そして二人の心境。 かつての出来事があり、刑事さんは娼婦をどうしても助けたい、 そして娼婦は、今まで誰も信じることが出来なかったけど 今度こそは誰かを信じたい、そういう二人の思いが描かれる。 なので、「犯人は誰か」というサスペンス映画ではなく、 犯人は最初からわかっていて、それよりもこの二人の 葛藤を描く人間ドラマというスタンスであります。 意外と良かったのはジョン・キューザックですね。 こういう役回りは初めてなんじゃないと思いますが、 いつもの二枚目感が全然なくていかにも変質者っぽい オーラを出して巧かったです。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2014-09-08 19:52:03)(良:1票) |
1247. リベンジ・フォー・ジョリー 愛犬のために撃て!
《ネタバレ》 個人的にはとても楽しめました。 殺された愛犬のために復讐するという話なのですが、 ハリーにとってはただのペットではなく、 完全に伴侶そのものなんですね。 大切なパートナーが無惨に殺されたら、 そりゃ怒りに震え上がるのも無理はない。 でもジョリーは犬ですから、ワンちゃんとの思い出を 語ったりそのために人を殺しまくる様が 実におかしみあっていいのです。 冷静に見ると、誰これかまわず殺しまくってるわけではなくて 相手から攻撃してきた奴をやっつけるという一定のルールを 保っているようなので、なんとなく許せちゃう。 ハリーとセシルはいってみれば掛け合い漫才みたいなもので、 犯人を捜す上でこれまた漫才トリオ(事務所の人たち)やら 夫婦漫才(結婚式の二人)なども出てくるという、 そういう不条理漫才劇なんだと見ることも出来ます。 犬のためにそこまで!?というところから始まって、 終始「変な人たちによる面白会話と妙な世界観」に笑わされる 良質なコメディ映画に仕上がっていたと思いますよ。 [DVD(字幕)] 7点(2014-09-08 19:39:44) |
1248. ビューティフル・クリーチャーズ 光と闇に選ばれし者
《ネタバレ》 パッケージだけを見て、「トワイライト」っぽい 映画なのかと思って観たのですが、 イメージとは少々違いました。 まぎれもなくティーン向けではあるのですが、 トワイライトよりは全体的に地味。 VFXもたいしたことなく、少なくとも 目に楽しめるような内容ではありません。 主人公とヒロインにしても、お世辞にも 美男美女とは言えず、華がない印象。 魔術師と人間が別個の存在して語られていて、 それもなんかいまいちピンとこないというか。 魔術師ってなんなんの?とずっと思いながら見ていました。 彼を守る為に自分の存在を忘れさせ、 最後にまた思いだす展開は良かったですけどね。 [DVD(字幕)] 5点(2014-09-08 19:38:14) |
1249. エージェント:ライアン
《ネタバレ》 可もなく不可もなくの平凡な映画でした。テンポは良く緊張感もあったけれども、アクションが地味で派手さがない。個人的に気になったのは、ガールフレンドがひょっこりやってきちゃって、そのまま敵との食事に顔を出させる展開。さすがに強引だろと思うし、向こうは顔知らないんだから、CIAの女性とかを連れてきて相手役させるのが普通じゃないのと。まぁフィクションなのであまり突っ込むのもアレですが、ストーリーそのものはまさに定番を踏んでる流れで意外性がなかった。久々にケヴィン・コスナーが光っていたことだけが収穫か。 [ブルーレイ(字幕)] 5点(2014-09-01 19:26:07) |
1250. 僕は友達が少ない
《ネタバレ》 それなりに独創的なストーリーは評価しますが、後半のバーチャル世界になってからちょっとついていけない点もありました。特に、肉が夜空に語りかけるところで唄いだす展開とかおもわずずっこけちゃいました。唯一良かったのは志熊理科ちゃん役を務めてた子の体当たりな恥じらい演技かな。 [DVD(邦画)] 5点(2014-08-31 17:29:52) |
1251. 半落ち
《ネタバレ》 見終わった感想は、樹木希林て、ほんと演技派だなぁ、、、って。梶の守りたかったもの。それは自分の大切な思い出、かなぁ。だから、それを決める権限はあなたにはない!ていうのはその通りなんだけど、でも彼の気持ちもわからんでもない。なんせ高齢化社会だもんね。人事じゃない。 [地上波(邦画)] 5点(2014-08-30 23:16:44) |
1252. ラッシュ/プライドと友情
《ネタバレ》 やはりロン・ハワードは素晴らしいなストーリーテラーですね。性格的にも、レースに対する挑み方も全く正反対の二人。ひよっこの時から宿命のライバルだった二人とのことで、序盤はそんな二人のいがみ合いといいますか、言い合いが度々あって、それを傍観する感覚でそれほど面白味は感じなかったのですが、ニキが生死の境をさまようほどの大事故にみまわれる展開からぐっと面白くなるわけです。彼の火傷、そして肺への手術シーンなど、凄くリアルで痛々しい。そしてまた心配する妻。いやがおうにも、ニキと妻に感情移入しちゃいます。んで、あれだけの傷を負ってもすぐにレースに復活するわけですね。これが凄い。彼の負けん気とか、闘争心の凄さ、それはもう相当なものですよね。復帰した彼の顔を見て表情が変わるハント。そしてニキに失礼な質問をした記者をボコボコにするシーン。もうね、ほんとぐっときたね。それまで、単に言い合ってただけに思えたのに、あの事故で二人の関係に変化が生じる。真のライバルであり、狂おしいほど嫉妬する関係であり、かけがえのない親友となる。ニキはレース中、妻の顔が思い浮かびリタイアしたけど、悔いはないという言葉に嘘はないでしょう。今まで見たレース映画で一番良かったです。 [ブルーレイ(字幕)] 8点(2014-08-30 22:26:04)(良:1票) |
1253. LEGO ムービー
《ネタバレ》 LEGOの映画化ということで興味本位で拝見しました。レゴのカクカク感を表現したフルCGアニメということかな?凄く良く出来てます。特に海や水や煙なんかの表現がレゴらしさを出してて面白かった。それから、「くもりときどきミートボール」の監督コンビというだけあって、もの凄くテンポが速い。気抜いてたらすぐ置いてかれそうなノリと密度の濃さであります。声優さん大変だっただろうなぁ。後半になって人間の世界とシンクロする展開も意外。バットマンやスーパーマンをはじめとした色々な映画キャラも登場し、それぞれのファンもニンマリものでしょう。笑かしてくれるシーンも度々あり、個人的には頭に車輪つけて自分がタイヤ代わりになるシーンが凄く笑えた。 [ブルーレイ(吹替)] 6点(2014-08-29 18:12:15) |
1254. 荒鷲の要塞
《ネタバレ》 いや~、エンターテイメントですね~。戦争映画じゃなくて、一種のスパイアクションですわな。とにかくドイツ軍が弱いのなんのって(笑)。個人的に好きなのはロープウエイの上で格闘するシーンかな。ハラハラと楽しませていただきました。 [地上波(吹替)] 7点(2014-08-28 23:16:44) |
1255. ラスト・ワールド
《ネタバレ》 オリジナリティは認めたいと思います。こういうタイプの作品は他になかったですし、映像的にも粗なく作られていて、シェルターの内部デザインも印象的でした。哲学における実際の思考実験を映像で見せる序盤から引き込まれ、誰を生き残らせるのか、見る者にも考えさせる展開で「お、これは傑作かも」と思いました。しかしながら、思考実験が2回目、3回目となるごとにもはや論理ではなくなり、この話の着地点も結局は恋愛に終止してしまいました。これはちょっと残念。感情でなく論理的に考えろといっていた先生が実は~という流れでどんでんを生みたかったんだろうけど、個人的には硬派なドラマ展開で貫いてほしかったな。まぁ、見て損はない映画です。 [DVD(字幕)] 6点(2014-08-26 20:11:16) |
1256. トラック野郎 度胸一番星
《ネタバレ》 「トラック野郎」シリーズは一度も見たことがなく、本作は5作目とのことですがシリーズ通して初鑑賞。いやぁ、なんか無茶苦茶ですね(笑)。よく言えば自由奔放。うん、主人公がトラック野郎だから、ストーリーそのものも無軌道でいく、ということなのかな。しかし、友の為にトラック爆走させて市場に魚届ける終盤の直球っぷりはぐっときましたね。あと思ったのは若い頃の片平なぎさって可愛かったんだなと(笑)。今の武井咲ちゃんとかに似てますね。それから、新潟を中心とした当時の日本の風景も興味深く楽しめました。 [地上波(邦画)] 5点(2014-08-23 23:39:53) |
1257. LIFE!(2013)
《ネタバレ》 一番良かったシーンは、やっぱりデヴィッド・ボウイの名曲シーンかな。使い方が巧いなぁって。くだらない妄想の度にクスッと笑かしてくれる。ショーン・ペンはちょい役だけど、良い役柄でしたね。ある種の達観者みたいな。ライフ紙の表紙になる写真が明らかになったときも、いゃぁ巧いなと思いましたね。単に「新しいことにチャレンジしよう」的な映画なのかと思いきや、いけ好かない経営者に対するラストの台詞や表紙でもわかる通り、これまで地道にやってきた、彼のような普段は日の当たらない人たちに対する賛美みたいな、そういうメッセージが込められてるのね。字幕でみたので吹き替えの出来は知りません。6点献上。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2014-08-23 20:22:55) |
1258. アメイジング・スパイダーマン2
《ネタバレ》 前作よりも楽しめましたね。テンポも良いし、時折ユーモアを交えつつ、アクションは満載。そしてなにより、ストーリーが割りかししっかりしていたし。特に、仲の良かった友人と敵同士になる、その苦悩と葛藤が巧く描かれてましたね。これまでの映画のせいか、スパイダーマンって中身がスカスカなイメージしかなかったけど、本作を見て「あ、こういう人間ドラマが込められてるんだな~」ってわかった気がします。原作に忠実なのかな?ヒロインが亡くなるという展開も意外だったし。スパイダーマンの、ヒーローとして抱える悩み、一人の男として抱える悩み、そしてまたそれを乗り越え立ち上がっていく成長、終盤はそれがちゃんと描かれていて伝わりました。 エレクトロの悪役としての魅力もきちんと備わってました。一言で言えば電気マンですわな。なかなか格好いい。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2014-08-22 23:05:43) |
1259. 永遠の0
《ネタバレ》 左派系の人が色々文句言ってたので、どんだけ右寄りなんだろうと思って観たら全然違ってました。というかこの主人公、いたるところで「死んじゃ駄目だ!」って絶叫していて、まるで戦後民主主義の申し子みたいな人じゃないですか(笑)。原作は読んでないから大きなことは言えないけど、映画としての感動ドラマの難しさみたいなのものが出てますね。文章だと違和感なくても、映像にするとなんか臭く見えちゃう。戦闘シーンのCGは悪くなかったし、岡田君の演技も悪くなかったと思います。特攻についてですが、やっぱり当時の状況を考えると、日本は戦争に全力を傾注してたわけですよね。対してアメリカなんかは、戦争中も国民は皆裕福に暮らしてたわけです。日本は国の存亡かけてる状態にまでなっちゃってたから、ああいうことになったわけでしょ。テロと同じとか美化だとかいうよりも、特攻のような悲劇を繰り返さないようにするには、国として強い経済基盤を維持すること、民主主義が機能すること、それが一番だと思いますね。 [DVD(邦画)] 6点(2014-08-22 21:28:15)(良:3票) |
1260. なんちゃって家族
《ネタバレ》 なかなか楽しませてもらいました。アメリカのローカルネタはわかんないけど、下ネタは私の好物なので、ほぼ全編に渡って繰り広げられるお下品ネタはずっと笑いっぱなしでした。序盤のほうの、現地の警官の下りが好きだなぁ。フ○ラのおねだりに、実は男のほうが~ときて、そんで息子にやらせようとする流れが最高でした。それからキスを教えてる最中に意中の女の子が入ってくるシーンかな。ベタな流れだけど、あれは笑わずにはいられないよね。本作の見せ場はやはりジェニファー・アニストンのストリップシーンでしょうか。この女優さんがこんな役をやるなんて驚きであると同時に、いい意味で一皮むけたなぁと。それに負けず劣らずの衝撃だったのが、息子のタマ○ンが膨れ上がるシーン。普通、モザイクかけるでしょ?でも、2回ぐらい映ったよね?アレが。日本でもあのシーンが劇場で流れたのかと思うと、なんともいえない喜びを感じる。やはり自分も変態なのだな。 [ブルーレイ(吹替)] 7点(2014-08-16 20:51:30) |