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プロフィール
コメント数 3430
性別 男性
自己紹介 監督別鑑賞作品数

成瀨巳喜男 69
溝口健二 34
川島雄三 42
小津安二郎 37
豊田四郎 19
石井岳龍 18
矢崎仁司 12
西川美和 8
山下敦弘 18
今泉力哉 24
フェデリコ・フェリーニ 24
ミケランジェロ・アントニオーニ 16
ピエル・パオロ・パゾリーニ 16
ルキノ・ヴィスコンティ 18
ロベルト・ロッセリーニ 15
ジャン=リュック・ゴダール 38
フランソワ・トリュフォー 24
ルイ・マル 17
ジャン・ルノワール 19
ジャック・ベッケル 14
ジャン=ピエール・メルヴィル 11
ロベール・ブレッソン 12
イングマール・ベルイマン 28
アルフレッド・ヒッチコック 56
ジム・ジャームッシュ 16
ホウ・シャオシェン 19
ウォン・カーウァイ 14
ジャ・ジャンクー 9

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1261.  蛇にピアス
原作未読。 いや、既読か未読か、そんなことは映画を観る上では、どうでも良いこと。  見た目以上に、精神的に痛々しい作品。 主人公のルイが、精神崩壊していく様が、実に痛々しい。  吉高由里子は、こういった役の方が相応しいのでは?と思うほどの好演。 それに対し、相変わらずARATAはダメダメ。 実にダメ。  かなりの部分において、登場人物たちの描写が細やかであり、リアルなところも評価できる。  問題は、観た後の気分の悪さ。 良い意味でも悪い意味でもなく、ただただルイの精神状態のことを想うと、どうにもならない憂鬱な気分になる。 こういう生き方をしている人には、同情も憐れみも要らない。 というか、そんなのはなんの効果もない。 ただ傍観するしかない。 そんなやりきれなさが、とても痛い。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2013-01-03 23:58:44)
1262.  厳重に監視された列車
これって見ている最中は何とも思わないのだが、見終えた後、じんわりくるような不思議な魅力を持った作品だ。  監督のイジー・メンツェルの作品は、なかなか見る機会がないので、わくわくしながら鑑賞した。 この監督ならではの不思議な余韻を残す独特の味わいは、他に類をみない。 楽しい作品ではないが、記憶に残るであろう作品。  戦時下で思春期を過ごすとこうなるのかなぁ、と何だか哀愁さえ感じさせるのは見事。 それでいてどの時代の若者にも通ずる、普遍的な思春期の悩みを描いているのがこれまた凄い。
[DVD(字幕)] 7点(2012-12-25 23:07:53)(良:1票)
1263.  ポリー・マグーお前は誰だ
当時のフランスにおけるモードファッションやマヌカン(ファッションモデル)を題材に描いた、ドキュメンタリー風味漂う実験的な作品。  『勝手にしやがれ』を模倣したかのようなつくり、ひたすら当時の流行を追うだけの展開に辟易させられた。 本作なりの、ちょっとしたアート性を感じられたのが救いかな。  当時のモード界そのままをむき出したかのような内容であり、当時の当事者たちが笑えるほどマジにつくっちゃってるのが、また別の意味で楽しいかも。
[DVD(字幕)] 3点(2012-12-25 23:05:52)
1264.  赤線地帯 《ネタバレ》 
溝口健二監督作品の中で、現存するものは全て鑑賞してきた。 そして、最後に私が観ることにしたのが、溝口健二の遺作である本作だ。  溝口健二の過去の重厚な作品に比べると、軽い仕上がり。 現代劇ゆえか、晩年からくる衰えゆえか、はたまた意図的なものか。 原因たるは知る由もない。  京マチ子、若尾文子、木暮実千代らが名を連ね、実に豪華キャスト。 脇役陣も層が厚い。 しかしながら、群像劇的というか、それぞれの登場人物達の掘り下げが浅いというか、やや散漫な印象を受ける。  そんな中、浦辺粂子は意外なほどの存在感。 沢村貞子や進藤英太郎もベテランの味を十二分に発揮していた。  東京最強の赤線地帯、吉原をリアルタイムで描いたという点で、貴重な作品だ。 それも「売春禁止法」が制定される直前、まさに吉原が風前の灯火な状態であり、そこで生計を立てている人々の混乱が、実にリアルに繊細に描かれている。 実際に吉原で遊んでいたか、よっぽど吉原について入念に取材しない限り、描けなかったのでは?と思うほどの、リアルな描写とセリフの数々。 吉原という街の全盛期を知る上でも、この上なく興味深い内容となっている。  個人的に「売春禁止法」に関して言及すれば、制定されたことは実に残念なことである。 放置すれば、勿論、社会の悪がはびこってしまうことは勿論分かっている。 しかし、こうした規制法がどんどん増えていき、日本は時代が進むにつれ、面白くなくなっていった。  こうした規制をかけることは、社会的に言えば正論であるが、一方で、日本をつまらなくする。 私は批判を覚悟で、「売春禁止法」に断固、反対する! いや、もうとっくのとうに遅い話だが。  現代で言えば、監視社会がそのテーマに該当する。 街のいたる処に監視カメラが設置され、人々の暮らしは常に監視下におかれ、つまり、「何も悪さのできないつまらない社会生活」が日に日に構築されている。 これを正論一言で、「犯罪抑止に役立つから素晴らしい!」と言ってしまえば簡単である。 だが、本当にそれでいいのだろうか? こうした命題を本作は歴史を超えて、観る者に訴えかけている。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2012-12-23 22:32:58)
1265.   《ネタバレ》 
ブレッソンの『バルタザールどこへ行く』やベルイマンの『処女の泉』を彷彿とさせる様な、凄まじく美しいモノクロの映像。  物語をいくら真剣に追っても、どうにも解釈にいたらない。 おそらく、美しい映像を感覚として捉えるべき作品だろう。  作品全体に関して言うと、どうにも暗ったいおはなし。 夜のシーンも多いが、内容もどんよりと暗い。 そして登場人物が暗い表情をしている。 決して楽しいとは言えない。 だが、例えば美しい絵画を鑑賞する際に、笑顔とか楽しさって必要だろうか? そう考えると、この暗さは必然か? いや、正直、よく分からない。 だが、この作品の映像が美しいということだけは分かる。 いや、感じる。
[DVD(字幕)] 6点(2012-12-22 01:20:38)
1266.  スイッチ! ~短篇.jpルーキーズ第2弾~
「短篇.jpルーキーズ」というWEB発信の作品を集めたオムニバス。 その第2弾。  このシリーズ全般に言えることは、残念だが、それほどレベルが高くはないということ。  この手の日本映画オムニバスって、結構な数あるのだが、このシリーズはレベル的に下の部類に入る。  もちろん好みの問題もあるだろうが、全体的に在り得ない設定、、、なんていうかファンタジー要素が強い。 そこに焦点があてられていて、なんだか逃げ道的なものを感じてしまう。 つまり、このシリーズ全般、本格派とは言えない。  一つの作品の尺が10分ちょっとという短さも一因の一つなので、全くダメと、一言で切り捨てられない部分もあるにはあるが・・・
[DVD(邦画)] 4点(2012-12-12 00:58:25)
1267.  神様の言うとおり ~短篇.jpルーキーズ第1弾~
邦画オムニバス。 非常にチープでマイナーな、邦画オムニバスだ。  全作品がリンクしている、いや、リンクしているかどうか微妙なところだが、その作品のまとめ方がファンタジー入っているのが残念。  恋愛色の強いオムニバスなんだから、何もこんなファンタジーにしなくても・・・  一つ一つの作品は、まあまあ観れるので、まあまあってことで。
[DVD(邦画)] 4点(2012-12-12 00:57:32)
1268.  ポルトガル、ここに誕生す ギマランイス歴史地区
錚々たる顔ぶれの監督が揃ったオムニバス映画。 目当ては、ヴィクトル・エリセ監督の作品だったが、不発。 代わりに、しぶとくアキ・カウリスマキ監督の作品が、自分の中では最上位にきた。  しがないバーテンダー。 セリフなし。 しかしその分、動きと表情で饒舌に語る。 これがまた、男の哀愁が存分に感じられて、なかなか良かった。  他の三つの短編は微妙なところ。 監督の名前負けしているのは確実といったところだが、これだけのメンツが揃うと、さすがに観に行かないわけにはいかない。 それが映画ファンの心境というものだろう。
[映画館(字幕)] 6点(2012-12-12 00:56:36)
1269.  サヨナラの恋 《ネタバレ》 
昼メロっぽいし、チープっぽさ、都合の良さも否定はしない。 しかし、非常に感動できる恋愛ドラマ。  一人の若き女性が、二人の男性の間で揺れる恋心を丁寧に描写している。 丁寧に描写されているからこそ、強引な展開でも最後は納得できてしまう。 隠れた、恋愛ドラマの秀作だ。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2012-12-12 00:55:33)
1270.  1000の瞬き
「恋と偶然の出会い」を描いた映画。 レオン・ライがかっこいいので、それだけで満足しなければいけないのか、それとも内容まで厳しくつっこまなければいけないのか・・・ それは人それぞれだろうけど、この「偶然の出会い」とやらが、やけにしつこいのが問題かも。 父と息子のつながりを描いた部分は、なかなかの味わい。 恋愛映画として観るより、親子愛を描いた映画として観た方が感動するかもしれない。
[ビデオ(字幕)] 5点(2012-12-11 00:01:46)
1271.  適齢三人娘 《ネタバレ》 
川島雄三監督らしいユーモアが、随所にみられる。 惹かれあう男女が、やがて結ばれるまでの顛末を描いている。  お互いが、お見合いの話を持ち出され、それぞれが替え玉を使ったことによって起こる、少々、面倒なストーリー。 喜劇としては、やや複雑な人間関係が邪魔をして、少し疲れたことは否めない。  川島作品としては、無難なレベルの作品だろう。
[映画館(邦画)] 5点(2012-12-01 18:31:03)
1272.  夢のまにまに
映画美術を仕事としてきた木村威夫自身の、人生を投影したかの様な内容。 決して面白くはない。 浅野忠信もチョイ役なのが悔しい。  その中で唯一、長門裕之の熟達した演技はさすがの一言で、孤軍奮闘といった感じ。 他は全てダメダメの、老いきった映画。
[DVD(邦画)] 2点(2012-11-29 23:39:51)
1273.  夢を召しませ 《ネタバレ》 
私が今までに鑑賞した多数の川島雄三監督作品の中でワースト。  歌劇団が出ずっぱりで、やたらにウザイ。 男役の女がウザイ。 うるさい、そして疲れる。  川島雄三作品の中には、体力を要する作品が多いが、本作は単に「疲れた」だけだった。
[映画館(邦画)] 1点(2012-11-28 17:22:31)
1274.  昼下りの情事
ビリー・ワイルダーは、とにかく巧い! ただし、内容が二人の恋愛関連話一本槍なのが、たまにキズ。 だけど、このキズというかクドさが、好きな人にはたまらないはず。 とにかく、恋愛模様満載なのだ。  若き少女が、初恋の相手に選んだのは、長身で二枚目とはいえ、50代のオッサン。 しかも遊び人。 この組み合わせ、男にとっては、羨ましさを通り越して、怒りさえ感じてしまう。 逆に、この年代の男なら、希望を感じるのかな? いや、人によりけりか。   とにかくけしからん恋愛絵巻!
[DVD(字幕)] 6点(2012-11-25 00:57:11)
1275.  カリートの道 《ネタバレ》 
この映画から学んだこと。  ●出世する為には、仲間を裏切ればよい。 ●最期まで味方でいてくれる人間は、自分を愛してくれている女性のみ。 ●冒頭で結末を見せてはいけない。  以上。  
[DVD(字幕)] 7点(2012-11-24 00:18:03)
1276.  呪怨<OV>(2000) 《ネタバレ》 
確かに気味が悪い雰囲気は漂っているが、ホラー映画として怖いかといえば、怖くない。  おそらく“恐怖”というものの感性に関して、世代の違いがあるかもしれない。  私の子供の頃は、とにかく心霊写真が怖かった。 だから、本作よりも『女優霊』の方が怖い。 『女優霊』は、心霊写真を動画化したような趣向を持つ映画だからだ。  『リング』と比較すると、『リング』に何度もしつこく出てくる古井戸の画像が怖すぎるので、やはり本作の方が怖くない。  よって、ホラー映画として怖くないので、失格(笑)。
[DVD(邦画)] 2点(2012-11-22 17:21:45)
1277.  乱暴と待機
4人の登場人物から成る物語で、舞台も非常に限定されている。 物語のほとんどは、古びた平屋で展開される。  そこに暮らしている男女は、恋人同士でもなく、家族でもない。 とても複雑な動機と成り行きで、二人は5年もの間、暮らし続けている。  その近くに引っ越してくる夫婦。 夫は無職でだらしなく、妻は腹ボテで怒りっぽい。 その夫婦が、先述の二人と絡み、物語はこれら4人を主軸にして進んでいく・・・  とても複雑で、不思議な人間関係が構築されている。 良い言い方をすれば奥が深い、悪い言い方をすれば分かりづらい。 これは好みの分かれる作品に違いない。  私的には、どれも理解に苦しむ登場人物達ばかりで、理解に苦しみながら鑑賞した末、いつの間にか終わってしまった、という感じ。 特に感慨深いものは感じられなかった。 つまり、ツボにはハマらなかった。 ツボにはまれば、この作品が持つ独特の異空間に吸い込まれたかもしれない。 そう思うと、何だか、恐ろしく潜在的能力の高い作品に感じられる。 いや、気のせいかもしれないが。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2012-11-21 23:50:37)
1278.  666号室<TVM>
何人もの著名な監督に対し、「映画の危機」についてインタビューを試みたドキュメンタリー。 監督は、ヴィム・ヴェンダース。  中でもミケランジェロ・アントニオーニとヴェルナー・ヘルツォークのインタビューが心に残った。  アントニオーニは、おそらくこの作品の出演者の中で一番の高齢であるのに、何度も「時代に対応する」という言葉を発していたのが、非常に興味深い。  まるで今のデジタル化時代をも見通していたかのような発言には、ドキっとさせられた。 いつまでも若さを保っていた秘訣を、そこに感じた気がする。  ヘルツォークは、断じて「映画の衰退など在り得ない!」と主張。 まるで叫ぶがごとく、彼のスピリッツを感じた。 このヘルツォークの盲目たる自信は、彼の作品からも十分に感じとることができる。  一人あたりのインタビュー尺は短いので、それほど重厚なつくりのドキュメンタリーではないが、様々な成功者たちの心の内が聞けて、非常にためになる作品だった。  最後に、「目先のことばかり考えないで、永遠と続く将来のことを考えよう」という言葉。 誰が言ったかわからなかった(名前が表示されないので)が、これもまた心に残る言葉だった。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2012-11-19 20:05:01)
1279.  天使の眼、野獣の街 《ネタバレ》 
冒頭のセリフの無い緊迫したシーンと大げさなBGM。 またこのパターンか、と思った。 そして、香港を舞台にした犯罪モノ。 またこのパターンか、と思った。 こうして斜に構えて観ていたら、いつの間にか引き込まれていく。  理由は、単なる香港クライムサスペンスではなく、そこに人情劇が絡んでいたからだ。 “犬頭(サイモン・ヤム)”と“子豚(ケイト・ツイ)”の子弟関係。 これがとても人情味豊かに描かれている。 特に後半が素晴らしい。 子豚の勝手な行動が原因で、犬頭が頸動脈を刺され、瀕死の重傷を負ってしまう。 子豚を守ったが故の負傷。 それを心配して泣く子豚。 子弟関係の絆がとても良く描かれているが秀逸。 最後の悪役ボス(レオン・カーフェイ)の死に方も粋。  近年の香港映画は信じられないくらいに進化し、洗練された。 古臭いカンフー映画の時代も、それはそれで良かったが、現代の香港映画も、映像・音楽・ストーリーの点で格段に洗練され、独特の魅力を感じる。  余談だが、いくら子弟愛とはいえ、犬頭が子豚の顔や体にやたらにボディタッチする。 スキンシップで励ます。 これは立派なセクハラだ!(笑)  それはそうと、レオン・カーフェイは、マジでかっこいい!! 男の色気漂うダンディズム。 香港ならではの素晴らしくカッコイイ俳優だ。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-11-14 23:35:45)
1280.  春の惑い
原題は「小城之春」。 邦題が悪い。 それはともかくとして、原題の通り、狭くて閉塞的な邸宅の中で巻き起こる、愛情に関わる心理的葛藤を主に描いている。  これって題材として悪くはないのだが、この邸宅内での出来事を、何とか別の方法で解決できそうな気がして、ストーリーの流れに、苛立ちを感じた。  私がそれぞれの人物の立場なら、もっと他の方法を試していたと思う。 例えば、邸宅の夫婦について言えば、もっと早い段階で、冷めきった夫婦関係を解消して離婚をするとか。 それを時代的背景が許さなかったというのならば、仕方ないが。  そして友人の医師の立場なら、再三、若奥様の据え膳を拒否しているわけで、受け入れるつもりがないのだから、早々と邸宅を後にした方が良い。  色んな面で、各登場人物達の立ち振る舞いについて、納得がいかない点が多い。 これを観ていると、物語を面白くするための、作り手側の工作と勘繰らざるを得ない。  繊細なテーマだけに、もっと脚本を繊細に、緻密に作ってほしかった。  それと、物語には直接関係がないのだが、ビデオソフトの画質が悪すぎる。  せっかく撮影担当が、名手のリー・ピンビンなのだから、画質がもっと良ければ、評価も上がったかもしれない。
[ビデオ(字幕)] 5点(2012-11-12 00:28:55)
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