1281. 若草の頃
《ネタバレ》 「オズの魔法使」で素晴らしい歌声を聞かせ、世界中の映画ファンにジュディ・ガーランドの名を知らせ、そんなジュディ・ガーランドが五年後の当時、若干22歳という若さでありながらも更に見事な歌声と素晴らしいダンスを披露しています。これは間違いなく彼女の代表作の一つとして記憶されるべき傑作です。まずは何と言っても最初に馬車に乗ってやってくる所からして、もう何という可愛さ、テニスのラケットを片手に家の中に入ってくる時のあの可愛さ、そんなジュデイ・ガーランドの美しい歌声が最初から最後まで全編に渡って流れてきます。セントルイスの自宅に招待された大勢の人達とのダンスシーンの優雅なこと、あのダンスシーンだけでも鳥肌が立ちました。これこそ正しく良きハリウッド映画の香り十分のミュージカル映画としての楽しさ、とにかく観ていて本当に楽しくなります。そんな楽しいこの映画、やはり映像美も素晴らしい。窓から入ってくる光の反射の美しさ、サンタクロースが来るのを待ちわびている健気な妹とそんな妹思いの優しきジュディ・ガーランドをはじめとする家族達、音楽の楽しさと家族の絆の大切さを素晴らしい音楽と映像に乗せて見せる素晴らしさ、何とも優しさに満ち溢れたこれまた素晴らしい映画だなあ!と観終わって良いもの観たそんな気がします。これ、絶対にDVD欲しくなる。もう、欲しくて欲しくてたまらん!絶対に買います。これでジュディ・ガーランドの出ている作品を見たのは「オズの魔法使」「イースター・パレード」に次いで三本目だけど、今の所、この三本、どれも私の中では傑作だと自信を持って言うことが出来ます。 [ビデオ(字幕)] 9点(2007-05-05 16:09:33)(良:2票) |
1282. あした晴れるか
《ネタバレ》 ここ最近、芦川いづみ目的に川島雄三監督作品以外での芦川いづみばかり観ている。勿論、そうなると自然に石原裕次郎を観る機会も増える。そんな二人の作品、最近見たこの二人の映画ではこれが面白さという意味では一番面白かった。新聞社で働く石原裕次郎演じる一人の青年とそんな石原裕次郎と共に行動する芦川いづみ、更にはバーで働く一人の女との駆け引き、男と女との壮絶な戦い、石原裕次郎が撮った写真をめぐり、やくざまで出てきて(巻き込んで)の何ともハチャメチャな展開と言葉の応酬が面白い。石原裕次郎と芦川いづみの喧嘩ばかりしてはいてもそんな喧嘩がどこか楽しくて良い。二人の上司が君はどんな子が好きなのか?常に眼鏡をかけていて、いつも不機嫌そうな芦川いづみとエリザベス・テイラーとを比較するという何とも比べにくいなあ!エリサベス・テイラーも良いけど、私は断然、芦川いづみです。そうだなあ?芦川いづみをハリウッド女優に例えるならどちらかというオードーリー・ヘプバーンかナタリー・ウッドだと私は勝手にそう思っている。とにかくこんな不機嫌そうな芦川いづみでもやはり可愛くてたまらん。 [ビデオ(邦画)] 8点(2007-05-04 11:04:51)(良:1票) |
1283. お嬢さん社長
川島雄三監督作品に美空ひばりが出ているというのがとにかく凄い。びっくりである。川島雄三監督作品としては特別凄い作品でもないし、喜劇としてもかなり物足りないが、美空ひばりの歌の上手さ、歌手としての美空ひばりがどれだけ凄かったか、この映画を見れば解るぐらいとにかくこの若さでのあの歌声の見事さ、そんな美空ひばりがひょんなことから社長になってしまって、あれよこれよと色々あっての大騒動てな感じの内容で、川島雄三監督の持ち味の才気はほとんど感じられないが、それでも相変わらずこの時代の描写などの上手い部分も見えたりと、まあ、そんな感じで物足りないけど、見て損のない作品にはなっていると思います。 [ビデオ(邦画)] 6点(2007-05-03 15:01:08) |
1284. 若い川の流れ
これまた時代を感じるなあ!しかし、それが返って好感の出来る作品になっていると見終わって思いました。同じ会社で働く男と女、石原裕次郎と北原三枝の会話、やりとりが何とも微笑ましくて良い。パジャマ姿に着替え、眠ろうとしている北原三枝に対して電話でとても失礼なことばかり聞く石原裕次郎、お互いの強気な性格が繰り出す馬鹿なやりとりも許せてしまいます。あまりにもベタな作りにはなっていてるものの、そのベタな展開も見ていてもちっとも嫌な感じがせず、またこの作品の中でも芦川いづみが可愛い。なんて可愛いんだろう!作品の出来、完成度では「陽のあたる坂道」には及ばないけど、これもまたなかなか楽しめる仕上がりになっていると思います。 [ビデオ(邦画)] 7点(2007-04-30 12:03:25) |
1285. あじさいの歌
おっと、これもまた「陽のあたる坂道」「乳母車」同様、同じ石坂洋次郎原作による映画化なんですね。今回もまたしても芦川いづみが素敵!もう、なんて言うべきか?本当に可愛い。まるでタイトルのあじさいのような華やかさ、あっ!そういやこの映画の中で芦川いづみが着ていた洋服の色も紫色でどこかあじさいの花のようでした。もう、なんかここんとこ芦川いづみのことしか書いてないような気がする。だって、本当に可愛いんだもん!話自体は大して面白くもないし、でも、こんなにも可愛い芦川いづみが見れるだけでも私は見て良かったと思う。 [ビデオ(邦画)] 6点(2007-04-29 22:02:52)(良:1票) |
1286. 素浪人罷通る
伊藤大輔監督の戦後最初の作品てことらしいけど、出てきそうで、ちっとも出てこない阪妻、出てきたあ!と思ったらその後の話の展開の速さといい、移動カメラによる撮影、時代劇でありながらも刀を抜かない主人公、こんなんで良いのか?これじゃちっとも面白くないよって思っていたら、やはりそこは一味も二味も違う。画面に阪東妻三郎が出てくると一瞬にして、只ならぬ雰囲気とオーラが感じられるのだ。その辺りがいかにも阪東妻三郎て感じで、今の日本映画の俳優とは大きな違いだ!阪東妻三郎の表情と台詞回しの凄さときたら特に最後は凄い。あの顔つき、本当に凄いです。阪東妻三郎の出てくるまでが長いのが不満ではあるけれど、なかなか見応えのある作品にになっていて楽しむことは出来た。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2007-04-29 16:25:33) |
1287. 霧笛が俺を呼んでいる
いやあ、参った。参った。ここまで完全にパクッているとは、なんていやあ、言いのかな?どこかで見たことのあるシーン、満載!撮り方からストーリー展開に台詞まで何もかも「第三の男」のパクリ!これだけパクりまくれば、ある意味、笑って許すしかないです。しかし、あの名作と比較なんてしたら駄目!いくら真似してみても全然駄目だし、明らかに欠点だらけで、突っ込み所だらけの中でやっぱり芦川いづみが良い。こういうどこか影のある芦川いづみも私は好きです。本来ならもっと低い点数にするべき作品なのだが、なんだかんだ言いつつもまずまず楽しめたので良いことにしておきたいと思います。芦川いづみの魅力に1点プラスしての6点です。 [DVD(邦画)] 6点(2007-04-29 10:45:56) |
1288. 乳母車
本来ならドロドロした内容なのにそれを感じさせないのはイチにもニにも、芦川いづみの可愛さと新珠三千代の美しさ、この二人の嫌味というものがまるでない女性像があればこその清潔感のある作品になっている。冒頭のいきなり白い水着で現れる芦川いづみの笑顔に石原裕次郎もどっかへ消えてしまいそうなほどの芦川いづみが可愛くて可愛くて、何かもう芦川いづみを見ているだけで癒される。話そのものは本当にどうしようもない暗い話なのに、あっ!男優陣ではなんてたって、宇野重吉が良い。駄目な父親を演じていてもその駄目さが嫌味に思えないのが良い。 [ビデオ(邦画)] 7点(2007-04-28 17:19:58)(良:2票) |
1289. 銀座の恋の物語
《ネタバレ》 何だか出演者の顔ぶれだけを見ると(見てしまうと)銀座の恋の物語てよりは葛飾の恋の物語って感じがしてしまいます。浅丘ルリ子にちょとしか出てこないけど、意地の悪そうなおばさんて感じの三崎千恵子に後半になって出てくるお医者さん役の下条正巳て、何だか寅さんシリーズみたいだよ!リリーにおばちゃんとおいちゃんの三人が一つの作品の中に出てくる。それだけで寅さんシリーズを思い浮かべてしまった。おまけに石原裕次郎の役名が伴次郎だから良いものの、これが寅次朗だったらと思うと、何か違うことを想像せずにはいられない。それはさておき同じ監督で同じ石原裕次郎と浅丘ルリ子競演による「憎いあんちくしょう」よりは二人のキャラクターに好感出来て良かった。この映画のタイトルにもなっている音楽の使い方もなかなか良い。記憶を取り戻す浅丘ルリ子の演技にこの当時、まだ二十代前半とはとても思えない演技力というものを感じる。前半よりも後半、浅丘ルリ子が事故により記憶を失ってからのドラマの方が私は好きですし、楽しめた。 [ビデオ(邦画)] 7点(2007-04-28 13:52:13) |
1290. 陽のあたる坂道(1958)
《ネタバレ》 うわ~なんてメチャメチャ可愛いんだ!芦川いづみ最高!勿論、石原裕次郎も生意気な弟に振り回される役目、芦川いづみ演じる妹の足のケガは自分のせいだとばかりにあの生意気な弟を庇う兄を見事に演じていて好感が持てるし、またそんな石原裕次郎に色々嫌がらせさせられたり、それでも耐えて忍んで石原裕次郎演じるこんな男に想いを寄せて女としての優しさと哀しさの両方を演じている北原三枝も素晴らしい。特に表情が何とも素晴らしい。それにも増して芦川いづみですよ。なんて可愛いんだろう!あんな可愛い子に朝の7時に外苑前で待ってますなんて手紙もらったらそりゃあ、外苑前だろうが、国会議事堂の前だろうが、上野動物園だろうが、あたしゃどんなに早起きしてでも会いに行きますよ!本当にそのぐらいとにかく芦川いづみが可愛い。可愛いなんてもんじゃない。可愛すぎる。参った!本来ならば、暗くて陰気な物語であるはずなのに、出演者の演技と素晴らしい表情のおかげで爽やかな気持ちになれた。そうそう、それと寅さんファンの私にとっても初代おいちゃん役のあの森川信さんが寅さんシリーズ以外で観られる作品としても貴重な作品てことで、いずれにしても3時間以上もある長い作品なのに長さなど感じずに観ることも出来た。それとジミー小池て名前聞いて、ジミー大西を思い出してしまった。ジミー大西、今、何してんのかな?ちきしょうめっ!こんな近くで芦川いづみの顔を見れるジミー小池こと、民夫が羨ましいこと。あぁ、私も芦川いづみと踊りたい。 [DVD(邦画)] 8点(2007-04-23 21:42:44)(笑:1票) |
1291. 青春怪談(市川崑監督作品)
あれ?まだ書いてなかったっけ!自分で新規登録お願いしておいて書いてないとは、これはいかん!いかん!てことで、観たのはもう1ヶ月以上前だと思うのでかなり忘れている部分があるわけでして、おっと!ん?6点!結構、厳しいですねえ!とは言うものの、そんな私も特別凄い作品だとは思えなかったし、確かにいのうえさんのおっしゃる通り、北原三枝の眉間のしわは気になった。でも、これはこれでそれよりも芦川いづみのなかなかお眼にかかれないレオタード姿が観れる作品ということで、かなり大目に見たいと思います。それとこの作品は話そのものは大した話じゃないけど、三橋達也の相変わらずな駄目男ぷりが見ていて微笑ましかった。色々と欠点はある。むしろ欠点の方が多いぐらいの作品だと思うけど、嫌いではないし、結構、好きだったりもします。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2007-04-21 20:54:22) |
1292. ロッキー・ザ・ファイナル
《ネタバレ》 「ロッキー・ザ・ファイナル」このタイトルを初めて聞いた時、いや、もっと遡ればこの映画を製作されると聞いた瞬間から私の中ではもういい加減にしてくれよ!前作で終わったんじゃねえのか!と何しろ前作があまりの酷さにかなりショックを受けていた者として、もう二度と観るものか!て思っていた。しかし、この映画の評判の良さに嘘やろ!てぐらいに考えていたものの、公開が近づくに連れ、やはり気になってこれは映画館で見なくてはならない。映画館で観なくては絶対に後悔するという思いが膨れ上がり見てきました。いやあ、これこそ私の好きなあの第1作「ロッキー」なんだと見ていて涙が止まらなかった。ロッキーの愛妻エイドリアンの死、そんなエイドリアンのお墓の前で並んでいるロッキーとエイドリアンの兄、ポーリーの二人の姿にその瞬間からやばい!涙が出そうで必死に泣くのを堪えていた。ロッキーのエイドリアンへの想い、優しさと記念すべき最初の作品で見られた懐かしい映像、風景、ロッキーが飼っていた亀、エイドリアンと心通わせた思い出のペットショップに二人が初めてデートしたスケート場、フィラデルフィア美術館にあの例の肉のサンドバックに同じく生卵の一気のみ、どれもが本当に懐かしくてこのシリーズのファン、特に1作目を愛する者にはたまらない映像がそれだけで涙を誘う。世間からはもう良い歳して今更何をと笑われ、愛する息子からも冷たい眼で見られそれでも夢を捨てずに愛するボクシングの道へとカンバックする主人公の姿にあれだけ父を嫌っていた息子も父親を応援する。倒れても倒れても喰らい付く、ロッキーの姿に涙なくして見れなかった。クライマックスのボクシングシーンで流れるエイドリアンをはじめとする今は亡きトレーナーで育ての親であるミッキーや1作目と2作目で戦った後、親友となり第4作目でロシア人ボクサーに試合で殺されたアポロの姿、とにかくロッキーファンにとって泣かずにはいられない映像、シーン満載で最後の最後に素晴らしい完結作となるものを見させてもらった思いでいっぱいです。最後にもう少しだけ言わせて下さい。「ロッキー」ファンなら、かつて一度でも「ロッキー」を愛したことのあるファンならこれは絶対に映画館で観るべき作品です。ロッキー・バルボア!フォーエバー! [映画館(字幕)] 10点(2007-04-20 22:27:04)(良:2票) |
1293. 皇帝円舞曲
うん!面白いことは面白いんだけど、ジョーン・フォンティーンがちょっとおばさんぽく感じてしまい、残念です。話そのものよりも俳優の演技と会話、やりとりで見せる作品ではあると思うし、犬も可愛いし、それに音楽の使い方、オーストリアのアルプス山脈の景色の美しさといい、見応えのある作品ではあるけど、ビリー・ワイルダー監督の作品の中では特に凄いとも思えず、普通に楽しめるぐらいの作品てのが私の感想でございます。 [ビデオ(字幕)] 7点(2007-04-19 21:18:53) |
1294. 喧嘩笠(1958)
大川橋蔵と大川恵子のダブル大川の恋模様を中心に展開されるどことなく切ない話の中にもマキノ雅弘監督らしい明るい雰囲気を醸し出していて良い。でも、何か物足りない。相変わらず殺陣のシーン、祭のシーンにしても登場人物の配置、描き方にしても色々と工夫されているものの、全体の印象としてはどうだろう?このぐらいの事はマキノ雅弘監督なら出来て当たり前!次朗長親分をはじめとする次朗長仲間達も出てきて嬉しいけど、ちょっとダラダラしている気がしてならない。つまらなくはないが、凄く面白いとも言えない。マキノ雅弘監督作品としてはやや平凡、普通の出来のような気がした。 [ビデオ(邦画)] 6点(2007-04-18 21:27:06) |
1295. 続・与太郎戦記
《ネタバレ》 いやあ、笑った。笑った。フランキー堺、この人、本当に見ているだけで楽しくて楽しくて、好きだなあ!そんなフランキー堺演じる主人公、前作以上のハチャメチャぶりが大いに笑える。憲兵隊に呼び出され、スパイになるためにと訓練させられ、伴淳演じる部隊長の浮気相手と結婚させられることとなり、そんな話の中で見せるフランキー堺の演技と伴淳とのやりとりがとにかく可笑しくて可笑しくて、後半は笑いぱなしでした。軍隊の話で、ここまで笑わせるのはこれは出てくる俳優、演じている俳優の演技の力がかなり大きく、フランキー堺ファンの私にとっては前作も面白かったけど、それ以上に笑わせてもらいました。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2007-04-17 21:42:00) |
1296. 与太郎戦記
《ネタバレ》 何と馬鹿馬鹿しい作品なんだろう!フランキー堺の演じる落語家上がりの二等兵が軍隊の中で落語を披露したり、また夜中に覗きをしてみたりと、とにかく戦争というものをここまで馬鹿馬鹿しく描く所はいかにも日本映画って感じがして楽しめる。フランキー堺の芝居だけでその場が喜劇と化してしまう所なんてどこか渥美清と似ている。同じ軍隊の話でも野村芳太郎監督、渥美清主演の大傑作「拝啓、天皇陛下様」に比べると作品の完成度、泣きとい点でも完全に劣るものの、この徹底した馬鹿馬鹿しさは日本人しか描くことは出来ないだろう! [CS・衛星(邦画)] 7点(2007-04-16 21:39:32) |
1297. 満願旅行
《ネタバレ》 フランキー堺を追い掛け回す団令子にフランキー堺の母親役のミヤコ喋々、いずれも相変わらず笑わせてくれるし、見ていて楽しい。お見合いすることとなったフランキー堺を邪魔しようとしする団令子と弟役の森田健作のコンビネーションの抜群さも良い。この作品はフランキー堺をはじめとする俳優達の演技を見て笑う。それがこの作品の一番正しい見方だという事を前提として、所々突っ込みたくなるシーンもあったり、特にあの山小屋のシーン、チャップリンの「黄金狂時代」のパクリは笑えるけど、やりすぎの気もする。そうそう、最後の方でほんの少ししか出てこない伴淳も良い味を出しているということを忘れるわけにはいかない。 [ビデオ(邦画)] 7点(2007-04-16 19:08:32) |
1298. 無宿
高倉健と勝新太郎、二人の唯一の共演作品というだけで昔の日本映画ファンならそれだけでも見て損は無いし、見るに値する作品になっている。お互いがお互いの持ち味、魅力を上手く引き出している。二人が並ぶだけで絵になる。今の時代には無い男が男に惚れるそんな健さん事、高倉健と勝新太郎、二人が一人の女を助ける為に力を合わせる。助ける女がこれまた、梶芽衣子であるのだが、この女優の演技、眼の演技に男なら誰しもなんとかしてあげたくなるぐらい魅力的です。梶芽衣子を見ていると一度でいいから渥美清との共演、寅さんシリーズでのマドンナとしての梶芽衣子を見たかったと感じずにはいられなくなります。そんな中で作品の雰囲気がヨーロッパ映画的なのは、あの名作「冒険者」と似ているからで、この作品から伝わる昔の日本映画が持っているヨーロッパ映画と共通する文学的な匂い、そこに私は惹かれます。ラストの余韻も含めこういう映画がもっと見たいと思うし、作られたら良いのにと思う。 [DVD(邦画)] 8点(2007-04-15 11:51:47)(良:1票) |
1299. 座頭市の歌が聞える
このシリーズの第1作目の適役を演じた天知茂、再び登場てだけで、何となく嬉しい。けど、話としては、全体的にこじんまりしていてちょっと物足りない。相変わらず勝新の座頭市はどことなく飄々としていて、面白いし、殺陣の場面にしてもなかなかの出来なのだが、話そのものがそれほど面白いと感じないのがマイナス材料!まあ、けして、悪い出来ではないけし、それなりに楽しめるけど、やっぱりどこか物足りない。 [DVD(邦画)] 6点(2007-04-14 22:20:46) |
1300. 櫻の園(1990)
《ネタバレ》 人には必ず心のどこかにある淡い思い出というものがある。男も女もそれは同じ!この映画はそんな淡い思い出を瑞々しい感性で描いた秀作です。この映画の舞台となっている女子校では毎年桜の季節に合わせて行なわれるチェーホフの有名な小説「櫻の園」の舞台劇を描いたもので、学校創立の記念の一つである大きなイベント、校舎の窓から照らされる光りの反射の美しさ、少女達のまるで楽園のようなその空間、その全てがとても解り易く、丁寧に描かれていて、男の私から観ても女子校って、きっとこういうもんなんだろうなあ!てふうに思えるその描き方、少女達の心の揺れ、どのシーンにしても本当に美しい。演技劇の部長を演じている中島ひろこ、そんな部長に同姓としてのあごがれ、いや、もしかしたらそれ以上に本当に好きな気持ちというものを持っているつみきみほ演じる不良の杉山、更に中島ひろこ演じる部長志水に好意を持たれる女子高生倉田を演じた白島靖代、更には後輩役の宮沢美保、いずれも素晴らしい。どの人物にしても女子校ならではの、女子校にしかおそらくないような雰囲気を見事に演じきっている。これだけでもこの映画は素晴らしいと言えるし、これは本当に見事なまでの少女達の心の揺れを描いた群像劇だと自信を持って言えます。中島ひろこと白島靖代の二人が並んで写真を撮るシーンの美しさ、監督の中原俊監督は男でありながらもよくこれだけ女子高生の気持ちというものが解るもんだと感心させられてしまいます。毎年、この季節になると何故か見たくなるそんな作品でもあります。 [DVD(邦画)] 9点(2007-04-11 20:05:37) |