Menu
 > レビュワー
 > 目隠シスト さん
目隠シストさんのレビューページ[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2285
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 お世話になっております。
只今『真・女神転生VV』攻略中のため新規投稿お休みしております。
2024.6.28
とりあえず1周目クリアしたのでぼちぼち投稿再開しています。
2024.7.19


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(評価分)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
評価順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
6162636465666768697071727374757677787980
81828384858687888990919293949596979899100
101102103104105106107108109110111112113114115
投稿日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
6162636465666768697071727374757677787980
81828384858687888990919293949596979899100
101102103104105106107108109110111112113114115
変更日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
6162636465666768697071727374757677787980
81828384858687888990919293949596979899100
101102103104105106107108109110111112113114115
>> カレンダー表示
>> 通常表示
1301.  ヒトリマケ 《ネタバレ》 
かつて日本版も放送され、世界各国で人気を博しているTVバラエティ『サバイバー』のフォーマットに『ライアー・ゲーム』のエッセンスを加味したような本作のゲーム『ヒトリマケ』。アイデアは悪くありませんが、脚本が力不足でした。展開は淡白で面白みに欠け、結末のサプライズも弱いです。投票に勝つための戦略性もほとんど見受けられません。そして何より、本作を通じて何を伝えたいのか分らなかった。ゴッドタンキス我慢選手権で芸人の素の感情を演出した手腕を本作でも期待したのですが、不発に終わったようです。また本職外の芸人俳優を大挙起用したことも、作品の質の低下に繋がっています。スピードワゴン井戸田潤と安達祐実をあのような配役で共演させた“オモシロ”は買いますが、それだけが見所では物足りないです。エンドクレジットで確認できる“友情出演”の数は、おそらく映画史上最多でしょう。
[DVD(邦画)] 3点(2010-03-05 18:26:08)
1302.  ハンサム★スーツ 《ネタバレ》 
(モロバレあります。ご注意ください。)塚地のドタバタよりも、北川の女心に興味津々でした。塚地に愛を告白された北川は、一旦はその申し出を断ります。両思いだったのに何故?それは自分の美しい容姿ではなく、中身を見て欲しかったから。そこで彼女は一計を案じます。別人のブスに成りすまして、改めて彼に近づく。もし不細工な自分を受け入れてくれたなら、それは中身を見てくれた証。でもよく考えれば変な話です。北川と大島は、塚地にとっては別人。単純に北川への想いを断ち切り、大島を選んだだけのこと。それって北川にとっては寂しい事じゃないのかな。さらに引っ掛かるのは、真相を明かしても塚地は怒らないであろうという彼女の目論み。“中身が同じならブスより美人がいいでしょ”という価値観が透けて見えます。“容姿は関係ない”という割には不遜な考え方では?女心はワカランです(と言うより、鈴木おさむがワカラン)。恋愛物語として釈然としない。ではどうだったら腑に落ちたかというと、大島ブスーツを脱いだとき森三中の村上が出てくれば良かったんですね。それなら掛け値無しに、見た目より中身です。どんでん返しとしてもアリ。でもそんなラブストーリーは見たくない(苦笑)。それにしても塚地は不甲斐無い。もし自分が塚地だったら北川にこう言ってやりますよ。「俺は本気で君に惚れたんだ。容姿とか性格とか問題じゃない。人を好きになるってのは、その人を丸ごと好きになることなんだ。人の気持ちを値踏みする君には分らないだろうね。北川も大島もどっちも愛していたけど、サヨナラだ」くぅ~ッ、言って見てえ~(元18KIN今泉風)。でも絶対言わないです。だって美人とお付き合いしたいんだも~ん。
[DVD(邦画)] 5点(2010-03-02 19:41:20)(笑:1票) (良:1票)
1303.  インモラル -凍える死体- 《ネタバレ》 
重苦しい雰囲気のサイコスリラーを予想していたのですが、ノリは意外なほど軽かったです。手分けして聞き込みをするのに、誰が何処を受け持つかの打ち合わせは無し。危険を察知していながら、敵に背後を取らせるボンクラぶり。犯人も小物でした。ちょっとシリアスなTV2時間刑事ドラマ。演者のレベルはオリジナルビデオ級です。パッケージとタイトルから受ける淫靡な要素も含めて、過度な期待は禁物です。以下余談。メインの4人の女性警官のうち赤井英和の娘が出ているのですが、これが何というか存在感が無い。プロポーションは抜群ですが、顔の印象が弱いのです。髪型も含めて地味な女を演出したものと推測しますが、この華の無さは女優をやるにはキツイのでは。
[DVD(邦画)] 4点(2010-02-27 20:26:58)
1304.  ヴィヨンの妻 ~桜桃とタンポポ~ 《ネタバレ》 
大谷の小説の一節に在るように、タンポポは“純情”の象徴。地を這い、風雨に耐え、一輪の花を咲かせる。それは健気に尽くすサチの姿に重なります。坊やにあげるように言われて貰った桜桃を、子供に遣らずに口にする父と母。桜桃は、“自分勝手”あるいは“欲望”といった意味合いでしょうか。大谷の生き様に似ている。タンポポと桜桃、純情と自分勝手、サチと大谷。両者は対照的です。でもこれらを区別する事に意味はありません。「健気な人だ」「あいつは身勝手だ」は、人の性質の一面を切り取ったに過ぎない。大谷ほど純情な男はいないし、弁護士に体を差し出したサチの行為は身勝手です。椿屋夫婦も、旋盤工の若者も、弁護士も、情婦も、みんなそう。純情で、そして身勝手者。それが人間の本質だと思う。だから、みんな苦しむのです。そんな中で際立つのは、やはりサチの存在感。痛々しくて観ていられないと思う反面、眼に焼き付けなければいけないとも思いました。その引力の源は彼女の覚悟。損得勘定は勿論、道徳さえも関係ない。其処に理屈はありません。その決意こそが愛だと思う。社会的背景を考慮すれば、当時の女性にはそういう生き方しか無かったとも言える。でもそれ以上に、自分は男女の性差を意識します。「私たちは、ただ、生きるしかないのよ」そうつぶやくサチ。最悪を受け入れる強さに、男は畏怖するのです。どう足掻いても男は女に勝てないことを知る。ラストはそっと手を握る男と女。番の桜桃のようでもあり、2人で一輪の花のようでもありました。松たか子は、彼女のキャリアの中では間違いなくベスト。浅野忠信がこんなに上手いとは思わなかった。脇を固める役者は芸達者揃いで文句なし。ただし、広末涼子だけは例外。演技力もさることながら、乳を見せなかったのが大問題です。サチと弁護士との情交を一切見せぬ演出を際立たせるためにも、大谷と彼女の濡れ場は艶かしい方がいい。必要な乳はケチったらダメ。広末よ乳を出しなさい。乳を出しなさい。大事な事だから2度言いました。
[映画館(邦画)] 8点(2010-02-24 18:25:21)(良:1票)
1305.  光る 《ネタバレ》 
2人の主役AYAと麻子について。AYA役の浜田文子は、日本人ルチャドールのパイオニア、グラン浜田の娘という業界のサラブレッドであり、設定同様日本女子プロレス界のビッグネームです。さらにフリーランスの期間があり、あまり好敵手に恵まれなかった印象もあります。つまり現実の浜田文子と劇中のAYAは境遇が似ているのです。その事を踏まえてみると、彼女の言動が妙に納得できました。自尊心が高く身勝手。そして世間知らず。実際の浜田文子がどうかは知りませんが、プロレスラーのイメージサンプルとしては合っている。もう一人の主役、麻子の方はドラマパート担当。観客は彼女に感情移入して物語に臨むことになります。ところがこちらの出来が良くない。妹の難病設定は無理矢理だし、親父の立ち位置はあやふや。麻子自身の想いも伝わって来ません。その結果、彼女の人生のドラマと試合が重ならず、もどかしい思いをしました。現役女子プロレスラーも俳優陣も演技力が不足しており、観ていて辛かった。その粗を隠すためにモノクロ映像にしたのではないかと勘繰りたくなります。白黒からカラーへの切り替わりは、主役2人が“光った”証だと思いますが、あんなしょっぱい試合で満足出来るなら、プロレスラーを辞めたほうがいい。試合シーンは映画のクライマックスとしても、純粋にプロレスとしても、つまらないものでした。大好きなプロレスを扱った映画ゆえ好意的に捉えたかったのですが、今回は無理でした。ごめんなさい。そして残念です。
[DVD(邦画)] 2点(2010-02-21 19:59:34)
1306.  制服サバイガール II 《ネタバレ》 
前作の不満“仲村みうは何故脱がないのか?”が、僅かながらも解消されている点が、本作唯一の長所です。それ以外は全ての要素で前作を下回りました。もうアクションでもサバイバルでも、何でもない。B級バイオレンスがチープ過ぎて、ギャグっぽく見えてしまうのは珍しくありませんが、本作のようにはっきりおふざけモードに逃げているのは意外と少ないかもしれません。それも一つの楽しませ方ゆえ否定はしませんが、どうせやるなら徹底して欲しい。手裏剣一つで人の頭を切り落とす度胸とセンスがあるなら出来るはずです。とりあえず全員の乳首に真っ赤なお花を咲かせてみませんか。話はそれからで。(余談)まさかずきゅーぶりっくさん、どうもです。それにしても、Ⅰでズッコケたはずなのに懲りずにⅡを観て、さらに感想まで書いているレビュワーさまの勤勉さには頭が下がります。今のところ、2作連続レビュー率100%。案外、愛されるタイプのバカ映画なのかもしれないですね。
[DVD(邦画)] 2点(2010-02-18 18:58:15)(良:2票)
1307.  制服サバイガール I
「エロ・グロ・ナンセンス」には違いないのですが、どの要素も薄いです。C級グルメは健康度外視。味が濃くてナンボです。化学調味料で舌がヒリヒリしたって、辛過ぎて偏頭痛がしたって、味が濃ければオカズにはなるんです。そういう意味で、本作はその価値を見失っていると感じます。バイオレンス描写は『水戸黄門』レベル。血しぶきは大幅カットのECO仕様。お子様と地球には優しいかもしれませんが、スプラッターホラーを期待している観客には優しくない。特撮で経費を節約した分、おっぱいポロリのサービスでもあるかと思いきや、パンチラひとつありゃしない。仲村みうなんて、ずっと服を着たままでした。江頭がスーツを着込んでいるくらい奇妙な光景です。植物ゾンビに物理攻撃は効かない設定なのに、頑なに武器を手放そうとしない主人公たちも意味不明です。いや、これはナンセンスだからいいのか。どうもⅡに続きそうなエンディングですが、本作以上に評価が悪い次作を見るべきかどうか迷います。なんて言いつつ、もう観ちゃてるんですが。
[DVD(邦画)] 3点(2010-02-15 19:25:29)(良:1票)
1308.  ブタがいた教室 《ネタバレ》 
新任教師の理念とヤル気、そして行動力は素晴らしいと思います。でも教育者としての技量は不足していました。彼が目指したのは、ブタの飼育を通じて命の大切さを知る“生きた”教育。最初の躓きは、子供たちに仔ブタの名づけを許したことだったと思います。愛玩動物としてペットを飼育することと、食用の家畜を飼育することは違います。まず押さえておくべき前提の確認を怠ったのは先生のミスでした。心の防波堤を知らない子供たちは、ピーちゃんに強く感情移入してしまいました。二つ目のミスはピーちゃんの行く末を子供たちの自主的判断に任せたこと。結果、“下級生に引き継ぐ”という無責任な選択肢が出てきてしまいました。もし多数決で引き継ぐことに決まったら、先生はそれを許したのでしょうか。おそらく、彼は「子供たちが決めたことだから」と、その決断を受け入れた気がします。言い方は悪いですが、これは先生の職務放棄です。ピーちゃんを助けたいなら、卒業生か先生自身が飼育し続けるのが筋です。自身の労力と痛みを回避して他者に責任を委ねる発想は、飼えなくなったペットを捨てることと大差ありません。子供たちに答えを出させるのは構いませんが、”何でもあり”は間違いです。ガイドラインを設定するのは先生の役目でした。最初から最後まで、この試みは不出来だったと思います。でも、先生を責める気にはなれません。その理念は悪くありません。もし自分が子供たちの親だったら、先生の至らぬ部分を責めるのではなく、フォローしたいと思いました。それにしても、校長は偉いです。公務員は波風立てることを嫌います。それは教師とて同じ。面倒を厭わず、『百害あって~』の一利に賭けた校長先生は、教育者として尊敬できます。苦情を申し出た母親たちを説得し、先生には責任の所在をきちんと把握させました。こういう上司の下だと、能力のある部下は伸びます。子供たちには、気の毒な事をしたかもしれませんが、忘れられない1年間になったことでしょう。何年後か、あるいは何十年後か、この経験の本当の価値を子供たちは知ることになるのだと思います。(以下おまけ)自分が小学5年生の頃、祖父の家で飼っていた鶏を潰した事がありました。老いて、卵を産まなくなった為です。締めてさばく所まで、鮮明に記憶しています。肉も食べました。衝撃的な体験でしたが、不思議と納得していたのを覚えています。今思うと、周りの大人が平然としていたからなのでしょう。子供は大人の様子をよく観察しているものです。
[DVD(邦画)] 7点(2010-02-12 18:25:26)
1309.  彼岸島
物語の導入部を観て思い出したのは、名作アニメ『ガンバの冒険』です。仲間を救うために殺人鬼の住む島へ乗り込む設定がよく似ています。でも決定的に違うのは悲壮感の有無です。本作にはまるでありません。もちろん『ガンバ』だって子供向けアニメ。ノリは軽い。ですが、根底には並並ならぬ決意が秘められていました。それが物語の厚み。ハナからピクニック気分で死地に赴く主人公たちに感情移入など出来ません。漫画が原作ゆえ、設定にリアリティを要求する気はありませんが、登場人物の心情に真実味は欲しいと思いました。役者はみな(上手いかどうかは別にしても)真面目に演技をしていただけに残念です。壮絶な世界観を再現する気構えが無いのならば、この原作に手を出してはいけなかった。ソードアクションはまずまず。邪鬼(オニ)は1体だけでなく、原作同様、様々なバリエーションが見たかったです。
[映画館(邦画)] 5点(2010-02-09 20:46:43)(良:2票)
1310.  容疑者Xの献身 《ネタバレ》 
(ネタバレ含みます。未見の方はご注意ください。なお原作は未読です。)石神の行動が理解できません。彼のアリバイプランは、DV夫の遺体隠滅が絶対条件。それなら最初からDV夫の遺体の始末だけで済む話ではないかと。殺人そのものを無かった事にするのが、最も合理的な遣り方です。石神が要らぬトリックを弄しているように見えるのはマイナス。彼の自己犠牲の価値も失われます。謎解きミステリーに過度なリアリティを求める気はありませんが、犯人の行動に理由付けは欲しい。より大切なのはトリックの実行性ではなく、必然性と考えます。ミステリーとしては物足りないです。ただし石神と花岡靖子のドラマ部分は見応えがありました。堤も松雪も流石の熱演。とくに靖子の心情が興味深かった。石神への感謝と謝罪の念は当然のこと。彼の好意に甘えて罪を逃れようとした気持ちも理解できます。自分はともかく、娘だけは守らなくてはいけないから。でもそれが、本当の意味で娘を救うことになるのか。何度も自問自答を繰り返したはずです。その間も主導権は石神に握られている。負い目は人を動けなくします。彼女たちは刑罰の免除と引換えに、生き方を決める権利を失いました。極めつけは石神の身代わり出頭。しかも彼は自分たちの為に新たな罪を重ねたという。もう娘云々ではなく、靖子自身の心が耐えられない。だから彼女は出頭した。石神の献身は一切の見返りを求めていません。でも純粋であるが故に花岡親子を苦しめた。もし石神が靖子の恋人だったら、あるいは娘の父親だったら。彼の“好意”は受け入れられたかもしれない。彼女らは献身の見返りに、石神へ愛情を注ぐことが出来るのだから。結局、靖子は石神の想いを拒みました。その謝罪の言葉は、石神の耳にこう聞こえたのではないか。「あなたと私たちは他人です」。これが石神の嗚咽の正体だと感じました。
[DVD(邦画)] 6点(2010-02-06 19:27:15)(良:4票)
1311.  口裂け女0 ~ビギニング~ 《ネタバレ》 
映画『口裂け女』は秘かなお気に入りシリーズ。2作目は近年の邦画ホラーでは上位に食い込む秀作だと思うし、評判の悪い1作目も結構楽しめたクチ。そこで3作目となる本作。「シリーズ最高傑作」というキャッチフレーズに若干以上の不安を覚えたものの、DVDパッケージの美少女に釣られて鑑賞しました。しかし悪い予感ほど当たるもの。残念ながらシリーズワーストの出来でした。とくに期待していた都市伝説の解釈部分がサッパリでした。「私キレイ?」「100メートルを○秒で走る」「ポマードと3回唱えると助かる」等のオイシイネタをまるっとスルー。幽霊・怨念系のありきたりなアプローチにガッカリしました。中心となる筋立ても散漫で分り難く、役者のレベルも総じて低い。0に斜め線が入った「ビギニング」マークは、口裂け女の顔を簡素に図案化したものと推測していましたが、登場する口裂け女のビジュアルとリンクする訳でもなく…。久々にトホホなホラーでありました。トホホラー。
[DVD(邦画)] 3点(2010-02-03 19:12:50)
1312.  アバター(2009) 《ネタバレ》 
“アバターはイチローである”。自分は本作をそう結論付けました。『アバター』は言わずもがな最新3D映像が最大のウリ。その圧倒的な画力によって観客は異郷の惑星パンドラを体感します。世界の美しさに息を飲み、スピード感溢れる極上のアクションに酔い痴れます。本当に素晴らしい。ただ、脚本は普通だと感じました。良くも悪くもない。ナヴィたちは人間に比べて遥かに優れた能力と豊かな文明を有しています。主人公じゃなくても生まれ変わりたい。ミイラ取りが特上ミイラになっただけの話です。命を賭した主人公にその資格はありますが、冷静になれば結構身勝手ではないかと。ナヴィ=アメリカ先住民族と見立てられる設定ですが、ナヴィ=クジラと見ることも可能です。だとすれば主人公は、某エセ環境保護団体と変わらない。同種族間の侵略行為と異種族間の闘争では意味合いが全く違います。意思疎通が可能な人間とナヴィの関係は、丁度その中間くらいと捉えるのが正しい気がします。主人公の微妙なスタンスを把握しておかないと、人間が一方的に悪いと感じてしまう脚本なので注意が必要だと感じました。心情的にはナヴィを応援したいですが、主人公には最後まで人として生きて欲しかった。ただし、鑑賞中はそこまで思考が回らない。映像の感動に引っ張られて、物語も非の打ち所が無いように感じてしまう。ここで冒頭の結論に戻ります。イチローは国民的ヒーロー。それは彼がプロ野球選手として活躍したからで、人間性は関係ありません。本来は。でも現実にはそんな区別はなく、人間イチローが丸ごと素晴らしいと評価される。もちろん評価は総合点ですから、得意分野で点数が稼ぐのは構わない。本作の評価もそれと同じと考えます。世界興行収益の記録を塗り替え、観客を劇場に呼び戻した本作の功績は絶大です。この人気を一過性の流行に終わらせるか、映画復興の呼び水と出来るかは、後発の映画に懸かっている。ただし視覚効果のインパクトは必ず薄れます。爆発力があるほど、飽きられるのも早い。3D特需の今こそ、求められるのは良質な脚本だと思います。
[映画館(吹替)] 8点(2010-01-31 19:25:51)
1313.  Happyダーツ 《ネタバレ》 
スポーツ感動系ドラマのお約束を踏襲しているため、それなりに纏まっています。ただしポイントがずれている気がします。主人公はダメOL。仕事はいい加減、私生活は不倫でグダグダ。彼女がダーツを通じて何を学ぶか興味があったのですが、「天職を見つけた」「本当の恋をした」以上の価値は見出せませんでした。人生が良い方向へ転換したのはおめでたいですが、別にダーツじゃなくてもよかったと思います。これではいけません。ダーツに必要な「集中力」「精神力」で彼女が人間的に成長しなかったら、この題材を扱った意味が無いと思うのです。ダメOLがダメなままでは情けないです。結果的に会社を辞めるのだとしても、まずは一人前のOLになること。遊び呆けた挙句に、仕事を投げ出したように見えたのはマイナスでした。特訓シーンはスローイングの反復練習に終始します。実際そうでしょうが、エンターテイメントの味付けが欲しいところ。ぶちまけた大量のボールペンを投げて片付けるとか、コピーで集中力を養うとか。OL業とダーツの練習を上手く融合できたら面白かったかと。困ったときの「汗」、恋心を表す「ハート」など、マンガチックな記号を用いた演出には、残念ながら疑問符が付きます。場当たり的でセンスが悪いです。また真剣に演技をしている女優さんにも失礼です。一番残念だったのはクライマックスのトーナメント決勝。あの決着のつけ方はナイと思います。真面目に観ているこっちがバカみたいでした。主演「逸見えみり」というヌルさが、そのまま作品に表れていました。自分はハッピーダーツよりハッピーターン(お菓子)の方が好きかな。小ボケ失礼。最後に如月さんについて触れておきましょう。強烈なルックスで主役を喰った巨漢女。本当にあんな感じのアイドルプレイヤーがいるのだとしたら……ダーツ界、恐るべし。
[DVD(字幕)] 5点(2010-01-28 19:57:27)
1314.  トウキョウソナタ 《ネタバレ》 
母親はオープンカーを「屋根がなくなっちゃった車」と称しました。それはこの家族の状態に似ている気がする。父親はリストラで職を失った。家計を支える収入が途絶えるのは、家屋で言えば屋根が無いのと同じ。雨ざらし、風さらし。大切な家財を守れない。でもそんな事実に家族はみな目を背けてしまう。屋根が無いのを認識するのは怖いから。でも容赦ない風雨に心と体は荒んでいく。限界を迎えた黒須家は悲惨な最期を遂げました。佐々木家も危うく同じ轍を踏むところ。でも彼らはその前に逃げた。散り散りになって。母が漆黒の海の彼方に見つけた光は何だったのでしょう。この先にある希望の象徴?でも目を離した隙に消えてしまう。何とあやふやなものを頼りに、私たちは今まで生きてきたのか。全てを諦めた彼女が口にしたのは「今までの人生が全て夢だったらそんなにいいだろう」。期せずして同じ頃、夫も同じく「やり直したい」と。長い歳月と、膨大な労力を払ってきた大人にとっては、これまでの生き方を否定するのは耐え難いこと。絶対に口にしたくない“本心”を吐露したとき、2人の心は一度死んだのだと思う。黒須よりも彼らは弱かったのかもしれない。でも弱さを認めたからこそ再生できた。バラバラになったから、また集うことが出来た。生き様を肯定したまま命を絶った黒須、人生を否定して生き延びた佐々木。その差は僅か。もし強盗が入らなかったら、大金を手にしなかったら、彼らは走り出していただろうか。この物語は少しも他人事とは思えませんでした。父に自身を重ね、体を硬くして観入りました。もちろん自分もかつての子供。息子たちの戸惑いも判ったし、母の想いも想像できました。痛くて、苦しくて、ずっと泣きそうでした。終始この調子だったら、最後まで観られなかったかもしれない。ですから、役所教官の運転教習に笑わせてもらったのが救い。重苦しい物語ほどユーモアが欠かせません。ソナタは、2つの主題を対比的に用い、主題の提示・展開・再現の3部で構成される器楽形式。コンダクター黒沢清の、家族再生のソナタが心に響きました。
[DVD(邦画)] 9点(2010-01-25 20:56:58)(良:4票)
1315.  2012(2009) 《ネタバレ》 
崩壊する住宅街、巨大ビル群、そしてランドマークの数々。家が一戸つぶれても結構なインパクトなのに、それが連鎖するのですからもう大変。大海原に大陸プレートが引き込まれていく様など圧巻の一言。これほど見事に文明を壊すとは恐れ入りました。恐怖を通り越して、ある種の爽快感さえ感じる大崩壊劇でした。さらに素晴らしいのは、アクションに娯楽性が存分に加味されていること。車が行過ぎる傍から崩れ落ちていく道路。火山弾と爆煙を掻い潜り飛ぶ飛行機。アニメ等ではよく見かけるシーンですが、実写だと荒唐無稽過ぎて意外と敬遠されがち。実際リアリティなんてありません。でも徹底してそんな場面ばかりだと、これまた快感になってくる。もう何でもやっちゃって頂戴って感じ。自分の中の「想像の幅」が広がりました。これぞスペクタクル。これぞパニック映画。極めて正しいCGの使い方を見せていただきました。脚本は一貫してバカなのですが、悪いとは思いませんでした。助かるために必要な権力と財力が無い主人公は、人脈と運と必死さで勝負した。この世は不平等だけど、嘆いていても仕方が無い。死に物狂いで道が開けることもある。希望のある結末だったと思います。なお、個人的にはどうしても助けたいキャラが2人いました。一人はゴードン医師。主人公一家結束のダシに使われたのは可哀想。頑張った彼には助かって欲しかった。そしてもう一人、強烈キャラのロシア人大富豪。『エンジン・スタート』は笑撃の名台詞でした。彼もまた助かるに足る人間力の持ち主だったと思います。こういう映画は劇場で観なくてはダメだと痛感しました。満足度の高い映画でした。
[映画館(字幕)] 9点(2010-01-22 00:15:22)(良:1票)
1316.  秋深き 《ネタバレ》 
「オッパイを失うくらいなら死んでもいい」ではなく、「どうせ死ぬならオッパイを残しておきたい」が一代の気持ちだと受け取りました。彼女は自分の死期を悟っていた気がする。手術でボロボロになって寺ちゃんを悲しませるより、治癒の希望を夫に抱かせたまま死にたいということ。ブラを焼き捨てたのは生還出来ない事を知っていたから。自らの選択のケジメでもある。胸が痛みます。自分は当初、「オッパイを切らないで頑張ってみたい」という一代の言葉を、寺ちゃんは鵜呑みにしたのだと考えていました。その結果、狂って暴走したのだと。だから腹が立った。少しでも長く彼女の傍に居てやれ。一刻も早く手術を受けるように説得しろ。殴って目を覚まさせてやりたかった。でもラストの寺ちゃんの顔を見て、それが勘違いだった事に気づきました。あれは悔いのない人間の顔。彼はちゃんと一代の想いを受け止めていた。何もかも承知で彼女の我侭を許したのだと感じます。それがどんなに辛い決断だったことか。励ましの言葉をかけるのは容易い。でも「無理しないでいいよ」は愛していなかったら言えません。彼は間接的に“このまま死にたい”という一代の願いを叶えたのだと思います。勿論、ガソリンを飲んでも助からないことや、壷がインチキだってことは百も承知。でも、奇跡を願わずにはいられない。それが人の心。後追い自殺だけは許せませんが、彼の精一杯の足掻きを自分は批難できません。終末医療については様々な考え方があると思います。自分自身、当事者になってみないと判らない。でも最期は自分で決めたいと思う。秋深き。冬支度の頃。少しでも穏やかな冬が我が身に訪れんことを、心から願います。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2010-01-19 20:25:16)(良:2票)
1317.  戦慄迷宮3D THE SHOCK LABYRINTH 《ネタバレ》 
劇場でお化け屋敷を体感するアトラクションタイプの映画を想像していたのですが、どうも様子が違う。飛び出るお化け、迫り来る凶器、なんて描写は数えるほど。3Dを意識した陳腐な演出ばかりでも弱りますが、セールスポイントをないがしろにされても困る。“3Dじゃなくても面白い”のは当たり前。“3Dで見なきゃ損”と思えなければ、劇場まで足を運んだ甲斐が無いというもの。残念ながら本作は後者の作品ではありませんでした。では前者の映画かというと、そういうワケでもない。脚本は平凡。演出は拙いです。例えば、主役とヒロインが互いに手を伸ばし合う印象的なシーン。手の位置関係ひとつで、置かれている状況と気持ちを伝えられる。だのに構図は無頓着。天を見上げると降ってくる人の顔!フェイスクラッシュの戦慄が走る衝撃的なシーンなのに、ただのボディプレスに見えてしまうカット割の悪さ。恐怖演出はキレを欠きました。ジャパンホラーお得意の「切なさ」も空振り。人物造形が薄いので、感情移入が適いません。柳楽を筆頭に、ステレオタイプな演技プランも目立ちます。割り増し料金を払ってまで3Dで観るのはちとツライかと。ただ発見はありました。3D映画向きの女優がいるということ。日本の女優なら綾瀬はるか、小池栄子、佐藤江梨子あたり。その魅力5パイ増し、いや5割増しは固いでしょう。
[映画館(邦画)] 5点(2010-01-16 20:52:12)(笑:1票)
1318.  神様のパズル 《ネタバレ》 
学業優秀な母とスポーツマンだった父の血は受け継いでないけれど、ウッカリ屋と頑固な性格はしっかりコピー。最近は髪の薄さも父に似てきて(苦笑)。これが親と照らし合わせた時のわたしの姿。だからどうしたって話ですが、サラカには出来ないこと。自分が何処へ向かうかを決めるため、まず何処から来たのかを確かめたい。巣立ちの一歩。飛ぶためにまず大地を踏みしめます。その土台がアイデンティティ。サラカは誰よりも高く飛ぶ能力を持っているのに、飛ぶ事はおろか立つ事さえままならない有様。危なっかしくて見ていられません。足場を固めるのは子の仕事。でも土台の原料を提供するのは親の役目。それを知る由もないサラカは、独りでもがき苦しんできたのだと思う。その心の痛み、不安たるや想像するに余り有ります。ただ、彼女はツイていた。最悪を避けられたのは、魂の応援歌を歌ってくれる人がいたから。弱っているとき、栄養をくれる人がいたから。母親だって不器用だっただけ。悪い人じゃない。自我を手に入れるのは、自分の力を証明すること?いや、ただ只管に、自分自身を肯定すること。綿貫の腕の中に飛び込んで、彼女は自我を手に入れました。それは“自分の宇宙”を創り出したのと同じ。彼女はもう何処へだって飛んでいける。正直、サラカが『無限』を乗っ取った時はやり過ぎだと思いました。でも綿貫が天井を突破ったとき、見方が変わりました。一線を越えた馬鹿演出が胸に刺さりました。何故スタンドマイクがあったのか?サラカの心に想いを届けるためにマイクが必要だったから。綿貫の滑舌が悪すぎる!けどアイツの気持ちは伝わってきた。初めて三池監督の演出を凄いと思いました。谷村美月のオッパイも、いやいや演技にも感心。市原くんの歌も良かったです。ただ脚本の粗さは目立ちますし、三池映画特有の品の無さも気になります。お世辞にも出来のいい映画だとは言えません。しかし自分にとって愛すべき映画ではありました。
[DVD(邦画)] 8点(2010-01-13 20:18:09)(良:1票)
1319.  芸者VS忍者 《ネタバレ》 
久々に“ちゃんとした”剣劇を観た気がします。カッコ良さに主眼を置いたケレンミ溢れる生身の殺陣。ワイヤーワークを取り入れている辺りは今風か。同じ進化形の立ち回りでも『VERSUS』の坂口拓の殺陣より取っ付き易いのは、慣れ親しんだJAC(現JAE)のアクションが基礎にあるからかもしれません。エフェクトてんこ盛り「なんちゃって剣劇」より、遥かに見応えがあります。主演女優がポスト「志穂美悦子」と呼ばれるのも納得です。ただ不満が無いわけではありません。それは脚本が仕事をしていないこと。復讐劇の真相を明かした以上、父や仇の思惑、主人公の葛藤等、人の心情部分をきちんと処理しなくては無責任です。何故父はわざと弟子に殺されたのか?娘を襲った刺客たちの真の目的は?掘れば深いドラマが隠されているのに勿体無いです。「アクションだけは良かったね」で終わる作品ではつまらない。まずは人間を描くこと。それが基本。人物の魅力がアクションに乗り移ってこそ、感動が生まれます。タイトルから受ける印象は、ツッコミ上等のB級アクション。同監督の『お姉チャンバラ』と同類です。でも違いました。縫製はB級ですが、生地は一級品。この方向性は、邦画剣劇の未来像のひとつと考えます。自分基準の採点では6点ですが、アクションスター候補生、佃井皆美嬢の美脚に+1点のおひねりを。
[DVD(邦画)] 7点(2010-01-10 18:55:24)
1320.  接吻 (2006) 《ネタバレ》 
漆黒の背景に浮かぶ「接吻」の赤い文字。エンドロールをしばし呆然と眺めました。意味が分らなかった。でも改めて彼女に自分を重ねてみると、おぼろげながらその行動が理解できた気がします。以下自分なりの京子の心情の解釈。誤読ご勘弁ください。彼女が坂口に惹かれたのは、彼に共感したから。同じ虐げられてきた仲間。初めて出合った同胞でした。バッシングに立ち向かう私。悲劇のヒロイン。彼女は自らの境遇に酔い痴れます。ところが坂口は控訴すると言い出しました。なんで?世間が私たちを無視してきたように、今度は私たちが世間(司法制度)を無視する番じゃないの?彼女の想いは裏切られた。失意の中、京子は坂口を殺すことを決意します。彼と同じ人殺しの心境を味わうため。当初の計画通り、世間に復讐するためでもある。“2人を殺して死刑に”。それが彼女の新しい筋書きでした。ところが坂口を刺した瞬間、彼女の中の枷が外れた。もうどうなってもいい。錯乱状態の中、抑圧されていた願望が露になります。それは長谷川への愛。本能は彼女に接吻を命じました。交わりたい。一つになりたい。坂口との間で適わなかった同一化を、長谷川との間で成し遂げようとします。思い返してみると、京子が長谷川を意識した台詞は随所にありました。いつも自分を気にかけてくれた人。それが彼の職務だとしても、彼女は嬉しかったに違いありません。それに京子が坂口に傾倒したのは、辛い現実から逃れるための、ある種の逃避行動。一方、長谷川への好意は交流の中で芽生えた自然な感情。縛るものが消えたとき、彼女は自分の本当の気持ちに気づいたのだと思います。京子の去り際の言葉は、戻ってきた理性が言わせた偽り。本心は「助けて欲しい」「愛して欲しい」。以上です。タイトルにすっかり騙されましたが、こういう裏切りなら大歓迎。トヨエツの演技は圧巻でした。小池も及第点以上の出来。女優の素質十分でしょう。今後の活躍を期待します。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2010-01-07 18:23:36)(良:1票)
040.18%
1110.48%
2311.36%
31004.38%
41596.96%
541618.21%
650322.01%
749821.79%
837116.24%
91466.39%
10462.01%

全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS