1361. トップ・シークレット
《ネタバレ》 私のツボは、留置場の「20分間」と、見上げたらただのブーツだったってとこ。ZAZのギャグって、そこそこ面白いんだけど、前振りとか落とし方をもう少し丁寧にやれば、もっと爆笑できるのにといつも思う。それにしても、ヴァル・キルマーのインチキっぽいアイドル歌手のはまりぶりはなかなか新鮮でした。 [DVD(字幕)] 6点(2008-05-19 02:18:54) |
1362. ゼア・ウィル・ビー・ブラッド
《ネタバレ》 最初の15分間で、下積み時代の孤独な発掘作業をすべて表現している手腕は見事。また、その後も、画面内に余計なものを登場させず、ひたすら荒涼たる平原での地味な発掘をじっくりと見せてくれる。ダニエルの表現力、存在感は、いささかも低下することはなく、150分以上ほとんど出ずっぱりながら、テンションがまったく途切れていない。他方、ポール・ダノは良い俳優だとは思うが、ダニエルとの完全一騎打ちバトルというのはさすがに荷が重かったのではないか。主人公の静かなる狂気に対抗し、これを裏打ちするためには、神父もまた別な方向からの狂気を示していなければならないが、そこまでは遠く到達していなかった。 [映画館(字幕)] 6点(2008-05-06 04:43:07) |
1363. ヴェロニカ・ゲリン
《ネタバレ》 このような強靱な意志と前向きな目的のある主人公をケイト・ブランシェットに演じさせれば、それだけでつまらなくなるわけがありません。警察や勤務先で何か言われたときにさっと切り返すときの表情もいいし、撃たれたり殴られたりしたときの弱気オーラの表現も見事です。ただ、93分はいかにも短すぎですね。特に序盤の進行がえらく速く感じます。ケイトももっといろいろ演技したかったのではないでしょうか。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2008-05-03 02:22:20) |
1364. 風の前奏曲
《ネタバレ》 ラナートって観光ついでに見たくらいの印象しかなかったのですが、これほど激しくダイナミックな楽器だったんですね。また、大戦下では国策として伝統芸能が否定されていたなんてことも描写されていて、勉強にもなります。ただし、主人公がラナートの名手であることはよく分かっても、それによってどういう生き方をしたのかというところまでは踏み込まれていないため、伝記映画としては足りない感じがします。功成った後の絶頂期にどういう生活をしていたのかという描写が欲しいところでした。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2008-04-28 00:26:51) |
1365. バーディ
《ネタバレ》 主演2人の熱演のおかげで作品のテンションは保っているが、構成としては病室でのやりとりと昔の回想が交互に繰り返されるだけで、そのまま一直線にラストに向かっているので、結末も何となく予定調和的に見えてしまう。あと、心を開かせる手段としてボールを用いる余裕があるのであれば、そもそも鳥を用いることは考えなかったのだろうか、という素朴な疑問も感じたりする。ただし、閉塞的な病室で延々とやりとりを行う(しかも一方当事者は黙ったまま)という描写の手法は、84年当時としては珍しかったのではないかと思う。 [DVD(字幕)] 6点(2008-04-21 02:28:48) |
1366. once ダブリンの街角で
《ネタバレ》 挿入曲の数々や演奏シーンにはさすがに説得力がありますが、作品の内容がそれに寄りかかりすぎていて、むしろ何かのアルバムの長編PVを見ているような感じもないではないので、映画として高い評価はできません。なんですが、ラストのいかにもアイリッシュな切ない閉じ方はやはり強力だったので+1点。それと、邦題どおりにダブリンの街角の光景の数々が存分に見られるのもいいですね。 [映画館(字幕)] 6点(2008-04-20 04:27:38)(良:1票) |
1367. 黙秘
《ネタバレ》 事件の真相というのはそんなに大きな裏があるわけではないのですが、時系列の凝った交錯や、ダニー・エルフマンの雰囲気満載の音楽のおかげで、印象的な作品となっています。また、メイン州(キングの故郷だったんですね)の寒々とした風景の数々も、作品の内容によく合っています。ただし、J・J・リーは、こういう陰に満ちた役はちょっと苦手なような感じですね。あと、邦題はもう少し何とかしてほしかった。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2008-04-20 04:12:22) |
1368. ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ
楽曲、パフォーマンス、音楽による表現力は文句なし。なんだけど、それ以外の部分が音楽の添え物みたいな感じなので、その部分は減点。ただし、ロックを自分でやろうと思う人は見ておくべき作品。精神を削って魂を込めた音楽でないと人を感動させることはできないということを、よく知っておいて下さい。 [DVD(字幕)] 6点(2008-04-07 23:25:38) |
1369. ゴッドファーザー PART Ⅱ
《ネタバレ》 現在のパートが妙に緊張感に欠けるなあと思っていたのですが、キューバのシーンや公聴会のシーンは、もう少し刈り込むべきでしたね。ロスとの対決も、終わりそうで終わらない割に締め方は妙に乱暴です。他方、過去のパートは、引き締まってはいますが、不遇時代に重点が置かれすぎで、ビトーが「のし上がっていく過程」をもう少し見たかった。ただし、いずれについても、入国のシーンにせよお祭りのシーンにせよ、ちょっとしたところでもきちんとセットやエキストラにこだわっているところは素晴らしく、作品に重厚感を与えることに貢献しています。 [DVD(字幕)] 6点(2008-04-07 01:19:24)(良:1票) |
1370. 誰にでも秘密がある
《ネタバレ》 最初見たときはつまらないと思っていたのですが、再見したらなぜか面白かった。ビョンホンのやることなすことが都合よくホイホイ決まっていくのが楽しい(まあ、それもラストの伏線なのですが)。三女がギャルっぽくて魅力なしなのはマイナスですが、チェ・ジウ姐さんの真面目っぽい雰囲気はいい感じですし、長女の人妻の色香と戸惑いもなかなか。あと、弟はまだしも弟の彼女はいらなかったんじゃないかと思いますが、ラストの一言をどうしても入れたかったんですかね。ただそれでも、弟パートはもう少し短くできたと思います。 [DVD(字幕)] 6点(2008-04-02 00:26:58) |
1371. 欲望の翼
《ネタバレ》 台詞も場面のつながりもすごく不明確であやふやだし、各キャラクターも決して確立されているとはいえないのに、見終わったときには全体の世界が頭に残っているという不思議な作品。各登場人物は、何か大きな展開が待ち受けていそうに見えて、結局はほとんど何も起こらずに元の世界に戻っていく。実はものすごくリアルな作品ではないかと思う。マギー・チャンが途中から出番がないのと、カリーナ・ラウがやたらきんきんうるさいのが難点。 [ビデオ(字幕)] 6点(2008-03-25 00:24:58) |
1372. ノーカントリー
《ネタバレ》 スリリングな設定に反してやたら単調でダラダラした作りなのですが、後から考えるとそこが独自の世界として印象に残ってしまう困った作品。音楽と台詞を極力削った静寂あふれる雰囲気に5点、アントン・シガーの強烈なキャラに+1点。 [映画館(字幕)] 6点(2008-03-20 23:01:43) |
1373. 復讐するは我にあり
《ネタバレ》 前半の緊張感は文句なし。特に、最初の2人の殺害で、1回ではすぐに殺害に至らずに抵抗され、必死になってもみ合う描写が、生々しい現実感を与えている。緒形拳の演技は、殺人者と詐欺師の両方の性質を持ち合わせている主人公を全力で表現していて、彼のキャリアの中でも出色だと思う。なんだけど、途中から延々と浜松のシークエンスが続き、緊張が薄れてしまいました。実際の事件では、浜松の後にもいろいろと起きているし、何よりもこの事件で劇的なのは、熊本で11歳の少女に正体を見破られて逮捕される部分でしょうに。そこを改変してどうするの。それが一番残念です。 [DVD(邦画)] 6点(2008-03-20 05:24:48)(良:1票) |
1374. レイジング・ケイン
《ネタバレ》 サスペンスとしてはまったくどうということもない内容なのだが、中盤では得意の長回しが炸裂したり、アンタッチャブルのセルフ・パロディみたいなシーンもあったりして、そこそこ楽しい。また、ここでのアイディアを後の「スネーク・アイズ」とか「ファム・ファタール」できちんとバージョンアップしているデ・パルマはやはり偉い。 [DVD(字幕)] 6点(2008-03-18 02:09:09) |
1375. 危険な年
《ネタバレ》 スカルノ末期のインドネシアという場所の設定はなかなか興味深く、またそれなりによくまとめて描写していると思う。ただし、途中で主演扱いかと思うほどリンダ・ハント視線の描写になったり、シガーニーが中盤から急に出番が減ったりなど、視点が今ひとつ不安定なのが惜しい。 [DVD(字幕)] 6点(2008-03-18 02:03:49) |
1376. クィーン
再現モノとしてはそれなりによくできていると思います・・・が、それによって何が描きたかったのかは結局不明。多分、王室の威厳・伝統と国民意識の変化の衝突というのが最大のドラマの要素になるのでしょうが、この主人公がそれまでの人生でどのように考え、行動してきたのかというのが突っ込まれていないので、首相とのやりとりにも迫力が伴いません。また、メインの葬儀の前後も妙にあっさりとすまされています。テーマは明確に一本に絞り込まれており、とても分かりやすい作品ではあるので、点数はちょっと甘め。 [DVD(字幕)] 6点(2008-03-14 02:36:43) |
1377. ラストキング・オブ・スコットランド
せっかくの素材の割にストーリー展開は平坦だし、演出もありがちパターンが妙に目につく(ケイの家に走るのに障害が起こり、何とかクリアしてたどりついたらケイがいなくなっている、とか)。また、アミンを対象としていながら、彼の政策の推移や国民との関係の変化なども描き切れているとはいえない。しかし、この作品のインパクトは、何よりもフォレスト・ウィッテカーの何かが憑依したような強力演技に尽きる。ただ怖いだけでなく、何もしない(表面上は)ことによる怖さ、笑顔による怖さ、にじみ出る迫力による怖さを、十分に表現している。そして、彼の登場時間は結構長いから、そこに注目するだけでも時間一杯に楽しめる。 [DVD(字幕)] 6点(2008-03-12 03:31:48) |
1378. いつか眠りにつく前に
これだけのキャストを揃えておいて、悪い内容になるわけがないですね。やはり、一番の見所は、クレア・デーンズの安定した演技と存在感でしょう。10代の頃に比べて、目や口元がきつくなってしまったのは残念でしたが、良い女優さんになりました。それ以外の俳優陣もいい仕事をしているのですが、ただし、描写の対象として、現在の部分で、それまであの親子がどういう親子関係で、どういう最期を迎えようとしていたのかがあまり見えてこないのが少々物足りない。それがあれば、回想内容ももっと重みを増していたと思いますが。 [映画館(字幕)] 6点(2008-03-02 04:06:09) |
1379. 男と女(1966)
《ネタバレ》 レストランでの子供2人を含めた食事シーンとか、優しさと丁寧さに満ちたベッドシーンとかはとても良い。他方、回想シーンはやたら長い上にとっちらかってて、かなり邪魔なのです。途中までは、一種の前衛作品なのかと思ってしまったくらいでした。それでも、突出した良いシーンのおかげで見た後の印象は悪くないのでこの点数。 [DVD(字幕)] 6点(2008-02-18 02:53:13) |
1380. 陽のあたる場所
《ネタバレ》 ドラマの形としては悪くないというかある種の基本型なのですが、主人公がどれだけどん底の環境から這い上がってきたのか、令嬢との結婚にどれだけの重みがかかっていたのか、その辺が画面から見えません(台詞でさらっと語られるだけ)。このタイトルだったら、当然その辺を期待してしまいます。逆に、裁判以降は変に引っ張りすぎ。物語としては、逮捕の時点でほとんど終わっているわけですから、あとは5分でラストまで行ってもいいはずです。このバランスの悪さが残念でした。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2008-02-18 02:37:34) |