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プロフィール
コメント数 1305
性別 男性
ブログのURL https://www.jtnews.jp/blog/20066/
ホームページ http://w.livedoor.jp/mushokamondai/
年齢 51歳
メールアドレス gurugurian@hotmail.com
自己紹介 ♪わたしの小さい時 ママにききました

 美しい娘に なれるでしょうか

 ケ・セラ・セラ なるようになるわ

 さきのことなど わからない


 大人になってから あの人にききました

 毎日が幸福に なれるでしょうか

 ケ・セラ・セラ なるようになるさ
 
 さきのことなど わからない


 子供が出来たら そのベビーがききます

 美しい娘に なれるでしょうか

 ケ・セラ・セラ なるようになるわ
 
 さきのことなど わからない ケ・セラ・セラ~


(2010.4.16記)


現在、ダイエットちう。腹筋、割れてるでー。




力を入れると。

(2011.8.28記)


↑ホームページのリンクを「朝鮮学校無償化問題FAQ」に張り替えました。特に「パッチギ!」ファンは、見てね。




これからもよろすく。





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121.  WEEKEND BLUES ウィークエンド・ブルース
内田けんじ監督の「運命じゃない人」が面白かったのでこちらも観てみました。これは2002年度ぴあフィルムフェスティバル入賞作だそうですが、面白かったー!フィルムではなくビデオ作品なので、最初のうちは映像のショボさが気になっていたのだけれど、その分小気味のいいカット割と、役者(とは言っても全員監督の友人でアマチュアの人ばかりなんだそうな)の持ち味を生かした演出でカバーしているし、そのサスペンスフルな展開にいつの間にか引き込まれてしまったそれに、単にプロットの面白さだけでなく「気弱男の悲哀」も描かれていて、しみじみ心に残る作品でした。あくまで好みで言えば「運命じゃない人」よりも好きかも。ところで、DVDに収められていた監督インタビューによると、この作品は「冷蔵庫の中にある材料を見てからどんな料理を作るか決めるように、できる事(出演できる人間や使えるロケ地)を前提に脚本を書いた」のだそう。むー、新人(てかこれを撮ってる時はまだアマチュア!)とは思えない手堅さ。与えられた条件の中できっちりエンターテイン(観客を“もてなす”)することの出来る、新しい職人監督さんの誕生か。嬉しいねえ。
[DVD(邦画)] 8点(2006-04-15 17:41:59)(良:2票)
122.  海底二万哩
「ソイレント・グリーン」が面白かったので、もうひとつフライシャー作品を、と思い観たのですが、いやー面白かった。ノーチラス号のかっちょ良いフォルムとか、円谷やハリーハウゼンにも負けてないような巨大イカの迫力(あのクチバシカチカチ、怖かった~。船員一人位食われちゃうかと思って)も凄かったけど、潜水艦という閉鎖的な空間での緊張感が心地好かった。てゆうかコレ、一応反戦的なメッセージも入ってはいるけど、実はネモ船長(と彼に従う船員)って「すげースケールのでかい引きこもり」でしょ(笑)。そんな、ちょっと狂気入ってる男と、一応(?)常識人である博士たちとの心理的駆け引き。博士が段々ネモ船長寄りになる中、助手(ピーター・ローレ、キモ可愛い♪)とネッドは何とか逃げ出そうとしてるんだけど、だんだん誰が正しいのか、誰に感情移入すればいいのか分からなくなっちゃう所が楽しい(“楽しい”っていうとちょっと違うかな。何かこう、揺さぶられる感じ)。こんなん、ディズニーで作っちゃうフライシャーって(今更だけど)すげー監督さんだったんだなーと思う。マキノとはちょっと違う意味で、ただただ、面白い。 
[DVD(字幕)] 9点(2006-04-12 17:58:13)
123.  釣りバカ日誌
このシリーズ、若い頃は嫌悪感があったんすよね。何と言うか、そのヌルさとか、オヤジ慰撫慰撫な感じがダメだったんだけど、自分がオヤジになってきてるからかなあ、改めて観てみたら結構楽しめてしまった。西田・三國コンビが画面に出てるだけで安心して観られるし、石田えりのみち子さんもキュートだし(願わくば、「合体」シーンの暗転は、もう少し後に伸ばして欲しいけど、でもそれやっちゃったら松竹じゃなくて“にっかつ”になっちゃうしね笑)。戸川純とヤバセバビじゃなかった山瀬まみの二人も、ちょっとすっとぼけててオフビートな感じが良かった。ところでこれが製作されたのって、ちょうどバブル真っ盛りの時期なんですね~。日本中がアワアワとバブってる時期に、こういうスローライフ的なものを出したのっていうのは、案外先見の明があったのかも。
[DVD(邦画)] 8点(2006-04-12 17:36:24)
124.  次郎長三国志 第六部 旅がらす次郎長一家
ども、大先輩です(そんなプレッシャーかけちゃイヤ~ん笑)。僕も実はこれを一番最初に観ました。前半はシリアスというか、ひたすら悲惨な兇状旅(人を斬っちゃったので指名手配になってて、んでお上から逃げてる)。人目を避けて旅を続けるも、至る所に人相書きが出回っていて心落ち着く暇もない、せっかく匿ってくれそうな場所を見つけても厄介者扱いされ、長居は出来ずまた旅に、男を上げた次郎長親分とその子分も髪はボサボサで見る影もなく、おまけにお蝶は体を悪くしてどんどん弱っていく・・・という、かなり絶望的な状況。子分たちがメソメソと泣きじゃくる中、兄貴格の大政が「馬鹿野郎、姐さん(お蝶)が心配するじゃねぇか・・・笑え・・・笑うんだよぉ」と皆を叱り、無理矢理笑い声を上げさせて、病身のお蝶を聞かせる。第一部のレビューで「ヘタレのやせ我慢の美学」と書いたけれど、その真骨頂がこのくだりに現れている(それにしても、この作品のお蝶を演じる若山セツ子は本っ当ぉ~に美しい。病床で皆に語りかけるシーンで、彼女の顔に光が当たっている所は、幼い少女のようでもあり、菩薩様のようでもある)。そしてもうひとつの見所が後半で登場するお園(越路吹雪)の名演技。彼女が「権現様」に亭主の無事を祈り、そしてお蝶の回復をせがむシーンは何度観ても(って二回しか観てないけど)楽しくて、可愛くて、いじらしい。そして・・・と、これ以上書くとネタばれになっちゃうけど、ともあれ、本作もマキノの「笑って、泣いて」が存分に堪能できる作品。個人的には第八作「海道一の暴れん坊」の次に好きです。 
[映画館(邦画)] 8点(2006-04-12 17:23:37)
125.  次郎長三国志 第五部 殴込み甲州路
さあさあ来たぜ来たぜ、殴り込みだぁワッショイワッショイ!第四部では割とほんわかムードだったのが、ここで一気にテンションが上がる。この次郎長三国志シリーズ、他の作品での喧嘩のシーンは結構地味で、普通ならじっくり時間をかけて斬り合いを見せ盛り上げるだろうと思われる所でも案外サラッと流してしまう。僕にとってはそれがなかなか新鮮でもあり、ちょっぴり不満でもあったのだけれど、今回の喧嘩は見(魅)せるよ魅せちゃうよ!人質になったお仲さんを救うため、少ない人数で甲州へ殴り込む次郎長一行。数の上では圧倒的不利、普通に考えりゃ勝てるわけが無い、しかーし!行かねばならぬのよ、やらねばならぬのよ、それが男なのよ、男の喧嘩は圧倒的不利な方が燃えるのよ(だって、次郎長一家が数人を大人数でボコボコにするのなんて、観てて楽しくないじゃん、ねえ?)!うりゃあ!とりゃあ!ほりゃあ!というわけで、盛り上がりまっせ~♪あ、そうそう、クライマックスではそんな風に盛り上がるけど、しっとりした前半部分も忘れちゃいけない。お千ちゃん(鬼吉と綱五郎が惚れてた茶屋の娘)の祝言の日、率先して盛り上げる鬼吉と綱五郎、でも実にみっともなく、未練たらたら。その夜、久し振りに酒を断っていた次郎長親分が久々に酒を口にして大いに酔っ払う。そこで語られる親分とお蝶さんの馴れ初め。ここが実に、何と言うか、良いよ。このように前半軟派に、後半は硬派にビシッと決めるこの作品、単品でも楽しめる快作ですばい。
[映画館(邦画)] 8点(2006-04-12 16:56:41)
126.  次郎長三国志 第四部 勢揃い清水港
ゼイゼイ、はぁ~やっと第四部、、第四部、はねぇ、ゴメンナサイ、実はシリーズの中ではちょっと印象が薄かった。決してつまらなかったわけじゃないのだけれど・・・僕はこのシリーズ、東京の映画館で一日二作ずつ上映してるのを観に行ってたんですけど、結構強行軍だったので、これ観てた時はかなり疲れていたかもしれないです。今回は、石松と三五郎が、悪い奴に騙されて困っている力士一行を助ける為に相撲の興行を打つお話。それと新たな子分として漁師のせがれ、三保の豚松(加東大介)が加わる所が見所、かなあ。次の「毆り込み甲州路」が起承転結の「転」だとすると、この作品は「承」みたいな感じで、ちょっと地味な印象でした。また観る機会があれば違う印象かもしれないけどね。
[映画館(邦画)] 7点(2006-04-12 16:28:02)
127.  スヌーピーの大冒険
ジャック・タチと並ぶ「のんき」の大家、シュルツおじさんの名作。マジメに観れば、哲学的な、コムズカシイ解釈もできるのかもしれないけれど(例えば、“NO DOG ALLOW~”の部分は人種差別の隠喩である、とか)、そんな事はカンケーなく、のほほ~んとGOING MY WAYするスヌーピーとウッドストックに、ただただ心和まされます。
[ビデオ(吹替)] 8点(2006-04-06 15:44:30)
128.  マリといた夏
これ、レンタル屋さんで「何か“いー感じ”のアニメ(つまり、無意味にメイド服着てたり、語尾に「~にょ」とかつけたりする女の子とかが出てこないやつ)ないかなー」と思って見つけた作品。かなり良かったっす。CGも使ってるけど素朴なタッチで、ちょっとカレル・ゼマンぽい感じもしたし、あの浮遊感はジブリの影響を感じさせるし、鑑賞後の深い余韻が心地良かったです。あーそれと、「好きな異性についつい意地悪しちゃう」ってのは、日本でも韓国でも同じなんだなーと思った。
[DVD(字幕)] 8点(2006-04-06 15:39:43)
129.  運命じゃない人
うーん、面白かった。脚本はもちろん巧みなんだけど、何つうのかな、それを鼻にかけてないというか、いかにも奇をてらいましたというのでもなく、「新進気鋭の作家でござい」みたいなところもなく、ごく自然に「面白いものを作りたかったので面白いものを作りました」って感じなのが凄い。話の内容も、ひねってはいるけれど、シニカル過ぎず、甘過ぎず、心地良~い「塩梅」。役者さんもそれぞれ適役だし(出番は少ないけどレストランでコーヒー入れに来た店長さんとヒロイン(?)の乗るタクシーの運転手さんも良い味出してたな~)。こういう新人監督さんがポコッと出てきちゃうんだから、まだまだ日本映画も捨てたもんじゃないよね。
[DVD(字幕)] 8点(2006-04-01 17:49:38)(良:2票)
130.  ソイレント・グリーン
つい先日亡くなったフライシャー監督の作品を今まで観た事がなかったので、今更ながら鑑賞(そういえばチャールトン・ヘストン出演作も初体験。あ、「ボウリング・フォー・コロンバイン」は除いて、だけど)。冒頭の、今観ると全然未来っぽくないテレビを見て、低予算B級SF映画なのかな?と思ったのだけれども、観ている内に何だかグイグイ引き込まれてしまった。何つーか、独特の空気感、重さ、暗さ、生々しさがあったなー。民衆の暴動シーンのホコリっぽさとか人の命が非常に軽く扱われている世相とか良く描かれてたと思うし、C・ヘストン演じる主人公の刑事が夜の街を走り回るシーンとか、迫力あった。あと冒頭の、ちょっとザ・バンドっぽい曲とラストのクラシックの曲の使い方とか、あーそれに健全に不健全(?)なお色気シーンも良いねえ。オチを前もって知ってて観ても十分面白かったけど、これ公開当時予備知識なしで劇場で観たらインパクト凄かったろうなー。
[DVD(字幕)] 9点(2006-03-31 19:04:47)(良:1票)
131.  次郎長三国志 第三部 次郎長と石松
さぁさぁやって参りました、今回は石松と追分三五郎、そ・し・て我らが姐御、投げ節のお仲さんの登場だよ~ん!さて、前作のラストでチョロッと顔を出した石松が、女がらみのいざこざが原因でやくざに追われる三五郎を助ける所から始まる本作。石松は「ドモ」で純情な不器用男、それに対する三五郎は「勝手に女の方が俺に惚れちまうんだ」と言い放つプレイボーイ。この好対照な凸凹コンビが揃って壺振りのお仲さんに惚れてしまう。何でかって?そりゃあ、気風(きっぷ)も良いしセクシーだし、惚れない方がどうかしてるって!壺振りシーンの艶やかさ、そして入浴シーン(!!!!!)の妖しさ・・・あーん、もぉどーにでもしてくれぇ!しかも憎い事にこのお仲さん、酒に酔うと惚れっぽくなって、しかもその事を覚えてないという・・・そーゆーの、一番純情男が傷つくんだぞチクショウ(個人的に経験アリ)!・・・と浮かれっ放しでいてもしょうがないので一応「レビュー」的な事も書いておくと、この作品で(及び他のシリーズ作でも)特筆すべきは時折登場する「歌」の存在。石松とお仲さんが二人酒を飲んで盛り上がるシーンでは「♪惚れていて~惚れていていて~惚れないフリを~していて惚れて~」なんていう歌が正に「口をつついて」出てきたかのごとく自然な感じで歌われたりするのだけれど、時にキャラクターの心情が込められ、時に物語の展開を暗示しているこのような歌が、実に心地良い。それと、歌と同じ位重要なのがストーリーとは直接関係ないような一見「無駄」なセリフの豊かさ、楽しさ。これはいっぱいありすぎて、どれを紹介したら良いのか困ってしまうのだけど、特に登場人物がぼやいたり、弱音を吐いたりする時の独り言が良い(個人的に一番好きなのが第六部で登場するお園さんが夫の無事を祈って「あなたと私はもう長いことご近所付き合いしてるんだから、小さいバチで勘弁して下さいよう」と“押切り権現様にお願いする所の台詞)。こういうのを「無駄」と言ってしまえばそれまでなんだけど、でも何つうのかな、そういう「無駄」が一杯ある余裕、というか空気感みたいなものが、このシリーズを実に豊かで、楽しいものにしてるんだと思うんだよねえ、上手く言えないけどさ。
[映画館(邦画)] 8点(2006-03-31 18:42:04)
132.  次郎長三国志 第二部 次郎長初旅
さぁ、第二部だ、初旅だぁ!!さてさて前作「次郎長売出す」レビューで、「“ヘタレのやせ我慢”の美学」と書いたけれど、それが如実に現れるのがこの作品でござる。旅の途中の次郎長一行は兄弟分の佐太郎とその妻お徳の世話になる。かつては料理屋を繁盛させていた佐太郎だが、根っからの博打好きが災いして今じゃその日の飯にも事欠く有様。それでも佐太郎は一行を精一杯もてなそうとし、お徳はそんな佐太郎のため、着物を質に入れてまで酒肴を用意する。そんな二人の心意気に打たれ、少ない酒で酔ったふりをする次郎長一行・・・泣けるじゃあございやせんか、粋じゃあございやせんか、ねえ旦那?さらに重要なのが、このシリーズにおける「男と女」の描き方。これはおそらくマキノの女性観を反映しているのだろうけど、この佐太郎とお徳のように、大体作品に登場する男たちは粋がってはいるけれどロクデナシ(てか、みんなやくざものだしね、基本的に)、それを支える女たちは気丈でしっかり者であることが多い。これはこの作品に登場するもう一組の若きカップル、増川仙右衛門とおきねも同様で、しばしの別れを惜しんで駄々をこねるおきねに仙右衛門は「いじめるない!」と泣き言を言う。こういうの、田嶋陽子先生とかに言わせれば「だから男はダメなのよっ!」と怒られちゃうかもしれないのだが(もしそうなったら「そそそそうなんですぅ、ダメなんですぅ、ごめんなしゃ~い」と謝るしかないよね)、でも多分、男たちはそんな自分の弱さを自覚している。だからこそ、「外」に向かっては粋がっていても決して女(女房)には頭が上がらない、「すまねぇなぁ、、」とひたすら頭を下げるのだ(アラそこのお父さん、どうしちゃったの?別にアナタのことを言ってるわけじゃなくて、映画の中のハナシですよん)・・・なんて事言ってる間に、ありゃそろそろ字数がヤバイのかな?まだまだ書き足りないけど、冒頭の次郎長・お蝶の婚礼のシーンも美しいし、何たってラストにゃ石松っつぁんも登場するし、見所満載だぜい!さぁお次は投げ節お仲さんの登場する第三部「次郎長と石松」でいっ!あにさん、ついてきとくれよっ!
[映画館(邦画)] 8点(2006-03-28 17:56:20)
133.  JSA
これは構造としてはメロドラマなのかもしれないし(ただし軸は男女の恋愛ではなく男同士の友情だが)、突っ込めるところがないわけではないけれど、それにしてもこの状況は、重い。そんな重い現実を背景にしつつも、ユーモアを交えた間口の広い作品に仕上げた技量と底力には素直に脱帽します。<ここからちょっと、とりとめのない余談、てか独り言>この作品で象徴的に映し出される、韓国と北朝鮮の間の分断線を見ながら、「線」という物についてちょびっと考えた。人間は混沌とした世界の中で、物事に名前をつけ、「分類」する事によって知性と秩序を獲得した、筈なのに、自らが生み出した概念に過ぎない「線」というものに何故人は縛られ、踊らされてしまうのだろう(映画の中にも「人間には二種類しかいない。アカと、アカの敵だ」つってた軍人さん、いたよね。もっと一杯いるっつうの)。「○○人だから」とか、関係ねぇじゃん。「向こう側」の人と話しただけで極刑って、バカじゃねぇの?と思いつつ、実は日本に住んでいる自分だって、色んな概念に囚われたり縛られたり、してるんだけどねぇ。うーむ。
[DVD(字幕)] 8点(2006-03-27 16:28:35)(良:1票)
134.  吹けば飛ぶよな男だが
いかにもお涙頂戴な話ではあるし、緑魔子は千秋(実じゃなくて、ココリコ遠藤の奥さんの方)みたいだし、正直小沢昭一の活弁風ナレーションは無い方が良いと思ったのだけれど、なべおさみ演じるチンピラ三郎が良かった。下っ端ヤクザ(犬塚弘)や、三郎に「このド淫売!」と罵られながらも心の奥底でつながっているトルコ風呂の女将(ミヤコ蝶々)の描き方はいかにも森崎東らしい。も少し山田色が薄ければ良かったかな、と個人的には思う。
[DVD(邦画)] 7点(2006-03-25 15:33:30)
135.  アラバマ物語
他の方も言及されていますが、2003年アメリカ映画協会でアメリカ映画ヒーロー第一位に選ばれたのが本作の主人公。てなことでバリッバリの差別告発社会派ドラマかと思いきや、良い意味で裏切られました。大恐慌時代のアメリカの田舎町における日常が子供の目を通して淡々と、しかし陰影を湛えて描かれていて、派手さはないものの観た後深い余韻が残りました。余談ですがこの作品で何度も繰り返される印象深いメロディ、あれって「この森で、天使はバスを降りた」の音楽に似ていた気がするのですが気のせいでしょうか?そういえばこの作品の「ブー」と「この森~」の「ジョニーB」のキャラクターにも似通った点が多いように思えました。
[DVD(字幕)] 9点(2006-03-25 14:27:10)
136.  渋谷物語
この作品のモデル・安藤昇は極道の世界から映画俳優に転身した、異色の経歴の持ち主で、多くの映画に主演し、また彼の「現役時代」を元にした映画も数多く作られている。加藤泰の「懲役十八年」で彼を知ってから、色々な意味で興味があったので、この自伝映画には結構期待してたのだけれど・・・うーん。そもそも僕がやくざ映画を好んで観るのは別にやくざが好きだから、ではなくて、そこに人間や、時代や、社会が深く掘り下げられて描かれている(作品もある)から、なのだけれど、、この作品では「やくざ」は描かれていたかもしれないが、「人間」はあまり描かれていなかったように思う。安藤昇という人についてちょっと調べてみると、その行為の善悪は別として、とても人を惹きつける人であったようなのだけれど、村上弘明演じる安藤昇には、そういう広い意味での「魅力」が殆ど感じられず、なぜ彼が人を惹きつけ、勢力を拡大したのか、その中でどんなことを考えていたのか、という事が見えてこない。それに時代や社会との関わりの描き方も及び腰というか遠慮がちで、(少なくともある時期までは日本の社会と有機的に結び付いていた存在である)「やくざ」がどのように日本の復興と関わってきたのか、とか、或いは政界や映画業界とどのようにつながっていたのか、というような事も申し訳程度にしか描かれていない。同情的に見れば、安藤をはじめ関係者の多くが存命の為、ある程度フィクションとして描くしかなかったのかもしれないけれど(ちなみにこの作品には「日本の与党第一党」も登場するのだけれど、例によってというかやはりというか、その名称は「民自党」)・・・言いたくないれど、やはり実話を描く時の遠慮のなさという点では、日本映画はアメリカ映画にまだまだ敵わないのだなあ・・・と思うとちょっとがっかり。そもそも、現代の邦画に笠原和夫を期待してはいかんということか・・・。 
[DVD(邦画)] 5点(2006-03-25 14:02:33)
137.  ゴジラの逆襲
こちらのレビューを読んで「これは典型的な“ダメ続編”かな?」と思っていたのですが、そんなに悪くなかったです。確かにツッコミ所はあれど、少なくとも後年のゴジラ作品に比べれば、まだ作り手の熱意や気概が感じられました。「あの“ゴジラ”の続編」ではなく、B級特撮映画として見れば、十分過ぎる出来栄えではないでしょうか。それと、これは個人的な事ですが、最近東宝版「次郎長三国志」のリバイバル上映を観た者としては小泉博や山本廉ら次郎長一家と再会できたのも嬉しい。時代劇の常連名悪役である沢村宗之助が普通の現代人(北海道支社長)をやっているのも楽しいし、何より若山セツ子の演技がビデオ・DVDで気軽に観られる数少ない作品(今の所)という点でも価値はあると思います。てことで若干点数甘めですが・・・。
[DVD(邦画)] 8点(2006-03-22 14:19:03)(良:1票)
138.  関東テキヤ一家 喧嘩仁義
則文・文太コンビが「トラック野郎」以前にタッグを組んだシリーズものの二作目(本当は待田京介と共演している一作目が観たかったのだけれど、近所に置いてねぇでやんの)。トラック野郎シリーズファンとしては結構期待してたのだけれど、う~ん、まだ鈴木則文のオリジナリティが完全に確立しておらず、それまでの仁侠映画のパターンを踏襲しただけのような印象。コメディっぽい所はあるけど文太自身はいかついキャラクターだし、それにテキヤの口上があまり上手じゃないのもちょっと物足りない。せっかく冒頭で新幹線と大阪万博を出していたのだからもっと「新しい時代」と「それに取り残される人々」の対比を強調して描けば良かったのになあ・・・と思うと残念です。
[ビデオ(邦画)] 5点(2006-03-22 14:06:40)
139.  かごや判官
戦前に長谷川一男(林長二郎)主演で撮られた、コメディタッチのサスペンス風時代劇。冒頭で殺しの現場を捉えていたカメラが上に移動して垣根を飛び越え、野次馬を映し出すなど、カメラワークに工夫が多いのに感心した。ただ、コメディタッチなのに若干テンポが悪く、「もしマキノがこの作品を監督してればなあ」とか、思わないでもない。ところでこの作品、劇中で何度も「無実の罪で拷問されるなんて・・・」とか「お上のあやまちは、お咎めなしなんですかい!」といった台詞が、割と強調されて出てくる。それで思い出したのだけれど、この作品が出た頃ってあの悪名高い治安維持法があった頃だったのだ(ちなみに同法で検挙された小林多喜二が拷問の末獄死したのが公開二年前の1933年)。そうやって観てみると・・・なるほどねぇ。戦前の映画って色んな意味で侮れんな。
[ビデオ(邦画)] 6点(2006-03-22 13:57:56)
140.  次郎長三国志 第一部 次郎長売出す
<独り言>↓あれ?…せっかくトリオ漫才できると思ってたのに、これじゃ「ミナミハルオでゴザイマス」てゆえないぢゃん(淋)。ま、それはそれとして・・・この作品、どこから語れば良いのやら、というかマキノ作品を「語る」事にどれだけの意味があるのか…とか思ったりもするのだけれど、何とか未見の人にも興味を持って頂けるよう頑張ってみま~す。んーと、僕がこのシリーズを通して感じたのは、「ヘタレのやせ我慢」の美学。このシリーズにおける次郎長一家の面々は、例えば後に高倉健などがよく演じていたような超人的強さを持つやくざとは違い、皆それぞれ欠点・欠落を抱えている。親分次郎長からして、人は良いものの酒を飲むと我を忘れて喧嘩してしまうような奴だし、法印は坊主くずれ、元侍の大政も槍の達人で一家の中では兄貴格だが、実は武家の窮屈さを逃げ出している(それまで兄貴然としていた大政が元の女房ぬいと別れるシーンで初めて見せる破顔の表情が素晴らしい)。つまりは皆が、本来いるべき場所からはみ出してしまったアウトロー・落伍者であり、どちらかというと「強さ」より「弱さ」が強調されている。しかしそんな居場所を無くした彼らが寄り添い、慕い合って一家を形成していく。ここで言われる「男を上げる」「名前を売る」は決して単なる虚勢や売名ではなく、行き(生き)場を失った者達が何とかして自分の存在を肯定しよう(させよう)とする「闘い」なのだ。だからこそ彼らは自分の弱さを必死に押し殺し「粋」であろうとする。そんな彼らが、自らを鼓舞する言葉、それこそがあの「ワッショイ、ワッショイ!」なのだ…って、ありゃりゃ~、。また文章が変な方向に行っちゃったよ。つまりさあ、良い映画なんだよ、愛おしい映画なんだよ!個人的に一番愛しいのは、鬼吉が「俺の棺桶だぁ!」つってでっかい桶を背負って喧嘩相手に口上言いに行く所。それにそれに、虎三も楽しいし、お蝶さんは可憐だし、まだまだ言い足りないぞ!って事で続きは第二部「初旅」で!あそれ、ワッショイ、ワッショイ、ワッショ~イ!
[映画館(邦画)] 8点(2006-03-22 13:29:58)
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