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121.  適齢三人娘
川島雄三監督、これは良いねえ!さっき観た「夢を召しませ」がどうにもつまらなかっただげに余計に面白く観ることが出来た。やはり川島雄三監督にはこういう活気のある喜劇が合っている。いきなり訳もなく婚約を解消されることとなる姉を持つ妹を演じている津島恵子が抜群に良い。この映画の津島恵子の何という美しさと可愛さ、健気な姿が見ていて気持ち良い。彼女の演技のおかげで本来ならばドロドロとした雰囲気になりそうなところを全くそうさせず、むしろ、川島雄三監督らしいこの監督の持ち味でもある軽快さ、テンポの良さで見せる。これは川島雄三監督の映画としては知名度は低いかもしれないけど、こういう作品こそ是非、DVD化して全国のレンタル屋さんに並ぶことを願いたい。それにしても川島雄三監督の作品って他の監督さんに比べるとDVDはおろかビデオにすらなってないものが多過ぎる。外れも多いけど、このように面白い作品を山ほど撮っている監督の作品を何故、DVD化しない?川島雄三観ずして、日本映画を語るなんてことは私には出来ない。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2008-02-10 20:55:34)
122.  銀座化粧 《ネタバレ》 
やったあ!やっと見れたよ。長い間、探しに探し求めていたこの映画のDVDをようやく見つけることが出来たので買ってきた。これは成瀬巳喜男監督の映画の中では比較的、知名度は低いのかもしれないし、地味と言えば地味ではある。例えるなら川島雄三監督の「とんかつ大将」や同じ銀座が舞台の「銀座二十四帖」のような知名度は低くても心に残る。そんなタイプの映画だと思います。例え地味であっても、しかし、やはり上手い。相変わらずこの監督の映し出す風景の素晴らしさ、銀座の街並み、昔の銀座の感じが本当に見ていて漂う素晴らしさ、時折流れる三味線の音、夜中に店にやって来る花やお土産を売りに来る子供達、この時代は今とは違って子供も大人と混じって働かなければ食べてはいけないというようなものが伝わってきて、やはりそういう描写にしてもこの監督さんは時代背景やその時の何気ない雰囲気作りというものの描き方に毎度ながら感心させられる。田中絹代のいかにも昭和的な雰囲気漂う女将さんぶり、更には何と言っても香川京子!香川京子が画面に出てくると、それだけで周りの雰囲気も和らぎ、そして、見ていても心がほっとする。あの笑顔、口元のゆるんだ時の顔付き、どれもこれもたまりません。 また他にも田中春男が他ではなかなか見られない真面目な男を演じているのも新鮮だし、三島雅夫にしても川島雄三監督の「雁の寺」のあのスケベ坊主からはとても想像の出来ない普通のどこにでもいるような親父さんを演じているのも「おかあさん」同様に新鮮さを感じる。いずれにしてもこれまた成瀬巳喜男監督らしい時代を映すことに関して上手い一本になっていると思った。
[DVD(邦画)] 8点(2008-02-03 10:51:10)(良:2票)
123.  女中ッ子 《ネタバレ》 
東北は雪国秋田県から東京へとやってきた女中とその家族達との交流を描いた人間ドラマ!何と言っても主役である女中を演じてみせた左幸子の初々しさに尽きる。馴れない都会での生活、言葉使い、しかし、けして挫けることなくひたすらに頑張る姿は見ていて、頑張れ!とつい応援したくなるし、応援せずにはいられない。住み込みとして世話になる家族の中で一番の問題である下の息子とのやりとり、犬を飼ってることを親には知られたくなかったのがバレた弟を庇いながらも時には厳しく、また優しさを見せていじめっこから身を持って助ける姿、あのかけっこのシーンなんて本当に見ていて気持ちが良い。左幸子の演技とは思えない素晴らしさが子供にも伝わる。そして、見ていて私にも伝わってきました。
[ビデオ(邦画)] 8点(2008-01-27 12:15:48)(良:1票)
124.  猫と庄造と二人のをんな
うわぁ~噂には聞いてはいたけど、こりゃ、何という豪華な顔ぶれ!森繁久彌に三木のり平、山茶花究と日本を代表する名喜劇役者が勢揃い!更に演技力抜群の山田五十鈴に浪花千栄子、そして、そして、そんな豪華な顔ぶれの中にあって、香川京子!こんなアクメ顔の香川京子、全編のほとんど水着姿で思い切り笑ってるあの顔、なんなんだ!あたしゃ、もう、見ていてクラクラしっぱなし!そんな香川京子の身体を撫で回す森繁久彌めっ!くそう~羨ましいぞ!にじばぶさんが書かれてるけど、これは人間の本質を捉えていて、人間と猫との大きな違いを喜劇役者達の名演技で見せてくれる。人間なんて、いかに愚かな生きものなのだろう!この映画を見ると理性というものを抑えきれない人間のだらしなさ、まるで川島雄三監督の喜劇でも見ているような感覚に陥る。それにしても香川京子ですよ。あの顔、たまらんわ!あの大きな口に噛み付きたくなる。森繁久彌が何とも羨ましいたらない。
[ビデオ(邦画)] 8点(2008-01-01 12:12:03)
125.  石中先生行状記(1950) 《ネタバレ》 
石坂洋次郎原作、成瀬巳喜男監督による三つのお話からなるオムニバス映画!でもって、舞台は東北は青森の田舎町、もう、これだけでこの映画の興味が沸いてしまう。日本で一番好きな川島雄三監督の故郷である青森ってだけで、何だかそれだけで良いのだ!一つ一つの話がどれも面白く見られる。第1話の木匠久美子って女優さん、初めて見る気がするけど、とても元気はつらつ、リボビダンDて感じで良い。どんな感じや?第2話の池部良と杉葉子が互いの父親のことで喧嘩してしまい、仲直りするシーンも良い。石中先生に秀一(池部良)のことを君はどのくらい愛しているのかね?て聞かれてこのぐらいと両手いっぱいに広げて見せる杉葉子の演技も微笑ましくて良い。二人の父を演じている藤原釜足と中村是好も良い味を出してます。そして、最後のお話、これは何と言っても若山セツ子の初々しさに尽きる。本当に笑顔が素敵です。勿論、三船敏郎も黒澤映画では見れない。別の意味で良い雰囲気を醸し出している。それでもやはり一番は若山セツ子!最後の方で三船敏郎と並んで歩きながら二人一緒に「青い山脈」を歌うところなんて、こんな演出をする成瀬巳喜男監督、原作者であって、タイトルにある石中先生でもある石坂洋次郎へのオマージュと感じることの出来るシーンを描く辺りは人間としての優しさを感じる良い場面だ!いずれにせよ、これまたほのぼのとして、良い気持ちにさせられるそんな作品を見せてもらった思いでいっぱいになりました。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2007-12-09 10:13:07)
126.  にあんちゃん
「黒い雨」以降の今村昌平作品には興味も感じなければ惹かれるものがないのたが、この頃の今村昌平作品はどれも良い。これなんか、えっ?今村昌平作品なの?て疑いたくなるほど心温まる作品になっている。この監督独特のしつこさ、ねちっこさが苦手な人にもこれは安心して奨められる。ある炭鉱の話の中で見せる兄弟達の演技に、更には周りの人たちのなんと良い人たち、見終わってああ、明日も頑張ろう!なんかそういう励ましの感じられる作品です。それにしてもやっぱりこの頃の若い長門裕之は桑田圭佑にそっくりだ!
[ビデオ(邦画)] 8点(2007-11-28 21:40:38)
127.  東京暮色 《ネタバレ》 
小津監督の映画の中でも好き嫌いで最も評価が分かれる映画ではないでしょうか!小津映画の特徴であるユーモアラスな会話がここではあまり見られない。しかし、相変わらず画面を通して、見ているこちらにも何かを訴えているようなそんな語り口を感じることが出来る。小津映画史上、最も暗い。まるでホラー映画のような冷たさ、寒さを感じる。のどかな日常の中に見える家族への問い、結婚して家を出たものの、夫と上手く行ってない姉(原節子)にそして、男に騙されて妊娠してしまった妹(有馬稲子)とこの姉妹、二人の終始怒っている顔付き、不機嫌そうな態度、その一方で妻に逃げられた父(笠智衆)と父だけでなく二人の娘まで捨てて別の男と逃げた妻を演じている山田五十鈴の演技が素晴らしい。娘からはああだこうだと散々なことを言われつつ、母親としての辛さを見事に演じ、人生の辛さとは何かを訴える。又、一方では二人の娘達がいなくなった後、一人だけの生活をするこことなった父(笠智集)の背中が語る一人暮らしの生活の寂しさ、哀愁、ラストの笠智衆演じる父のあの姿は本当に人生とは何か?一人暮らしとはこれほど苦しいものなのか?という寂しさがにじみ出ていて泣けてくる。これほど暗く重苦しい小津作品は他にはないと私は思うが、これだけ暗い内容にも関わらず音楽はどこか喜劇っぽいのは、やはり小津監督という監督さんは喜劇の監督さんだとこの映画を見て感じることも出来る。好き嫌いはともかく小津監督らしい人生に対する問いかけ、家族とは何か?そういう内容にこれもまたやはりどこから見ても小津映画!私はやはりこんな暗くて重い作品でも支持致します。
[DVD(邦画)] 8点(2007-11-05 19:49:06)(良:1票)
128.  ヘッドライト 《ネタバレ》 
フランス映画を代表する二人の俳優、ジャン・ギャバンとフランソワーズ・アルヌールの「フレンチカンカン」コンビによる大人の恋愛映画です。人間の刹那さ、やるせなさ、哀しみ、そして人としてどう生きるべきか?この映画ではそういった要素が描かれています。フランス映画を見るといつも思うのは哀愁漂う雰囲気作りが本当に上手い。ハリウッド映画にはない独自の静けさ、悲しさみたいなものが素晴らしい音楽と心に染み入る。親子ほど歳の離れた二人が愛し合うという話そのものは古く感じるし、また派手さがない分、退屈に感じる人もいるかもしれないけれど、人間の深い愛情を本当に二人の好演によって見せる辺りはいかにもフランス映画です。ジャン・ギャバンの背中から感じる男の哀愁、そして、フランソワーズ・アルヌールの女性としての哀しみ、ラスト、霧の立ち込める中、トラックに乗って去っていくジャン・ギャバンが何とも言えない男の悲しさを表しているようで、本当に切なくてやるせないそんな映画として、いつまでも心に残りそうです。
[ビデオ(字幕)] 8点(2007-10-21 11:47:40)(良:1票)
129.  恋人たち(1958)
これは正しくフランス映画!どこをどう取っても、どこから見ても明らかにフランス映画です。こんな美しく官能的で甘いムード溢れる映像美、フランス映画でしか味合うことは出来ません。そして、映画が映画であるためのお手本とでも言えるような映像を写すカメラワークの美しさにはただただため息があふれんばかりの本当に美しい映像の世界!大して面白い話だとは思いませんが、それでも映像だけでこれほど酔わせてしまうその力というものの大きさ、これこそフランス映画ならではだと思います。男と女二人だけの描写、ラブシーンのあの何とも甘いムード、光と影のコントラストの絶妙なまでな映像美、けしてCGでは表現することなど出来ない映像の美しさを見せ付けられているような気がして、二人が水辺のボートの中で抱き合ってるシーンの映し方、これが下手な監督、下手な映画、例えば今の邦画だと大抵の場合は男と女が抱き合う所などただ裸になって抱き合うだけで、それも何もかも見せてしまうものの、この映画ではそういうことはせずに暗い夜のあの映像の中で何が起きているのか?という想像させる力を見ている側に対して与える。これこそ映画の基本!この監督さんはその映画的、文法をよく解ってらっしゃる。それにしてもジャンヌ・モローの恐ろしいほどの美しさ、女性の男への愛とは、何か物凄い女の恐さと情熱みたいなものを感じられずにはいられないそんな映画て気がしたのと同時にフランス映画って、やはり恋愛ものを撮らせると世界で一番上手い。そんな気がこの映画を見ると感じる。
[ビデオ(吹替)] 8点(2007-10-17 21:48:21)
130.  女の園 《ネタバレ》 
日本映画史に名を残す二人の高峰、W高峰、三枝子と秀子の競演に久我美子、岸恵子とこれまた凄いメンバー、更には名優、阪妻こと阪東妻三郎を父に持つ、これまた父同様、名優と言っていい、田村高廣の俳優デビュー作品らしいこの映画、なんやタイトルからは想像を絶するドロドロした内容も2時間以上という長さも全く感じないままどんどんどんどん物語に引き込まれていく。どこまでも徹底して嫌な女を演じている高峰三枝子の凄まじさ、そんな下で自分達の自由を奪おうとする厳しい制度に対して、真っ向から構えて見せる女達、高峰秀子、久我美子、岸恵子、いずれも素晴らしい。特に高峰秀子が素晴らしい。神経をすり減らしていくあの姿は見ていて何とも哀しい。こういう役を演じるとこの女優は本当に上手いと改めて感じたと共に作品全体に漂う正しく「女の園」に相応しいこれは女達の心の葛藤を鋭く描いている。木下恵介監督の時代を読み取る力を見せ付けられた思いです。これも間違いなく木下恵介監督の代表作の一つと言えよう!
[ビデオ(邦画)] 8点(2007-09-23 13:19:52)(良:2票)
131.  警察日記
森繁久彌も三國連太郎も本当に上手い。そして、また警察姿もよく似合う。そんな二人がとても優しき人間味に溢れる警察官を好演している。東北の田舎町ののどかな風景も観ていて何だか癒される。特に凄い出来事が起こるわけでもなく、ただただ町の住民と触れ合う姿を描いているだけなのに、やかましい音楽で何か訴えようとする今の邦画にはない何かがこの作品を観ると伝わってくる。映画にうるさい音楽など不要ということがよく解る。この映画の中で描かれている警察の日常、働く姿など、今の警察にはない。感じられない優しさが見られる。子役の一人、二木てる美の上手さには驚きが隠せない。弟の別れのシーンで見せる切ない表情なんて、本当にお見事としか言いようがない。
[ビデオ(邦画)] 8点(2007-09-17 20:20:47)
132.  めし
相変わらず成瀬巳喜男監督の描く世界には人間が生活している空気というものがあって良い。ごく当たり前のことのようだが、そういう当たり前のことを描くのには余計な描写やうるさい音楽や無駄な台詞はいらない。流石はこの監督はその辺のことがよく解っている。平凡な暮らしをしている夫婦の間に東京からやってきた夫の姪が入ってくることで二人の関係がどこかおかしな方へと進んでいく中で、原節子の見せる表情がこの作品のピリピリした空気に合っている。この映画は空気を感じて見せる映画だと思う。あの綺麗な空の下で生活している夫婦の感情を「めし」というタイトルで表すなんて、いかにもこの監督らしい。それにしてもどうしてこんなにも女性の心理を描くのがこの監督は上手いんだ?いつもながら感心させられる。
[DVD(邦画)] 8点(2007-09-01 12:50:32)
133.  夫婦善哉
原作を読んだことのない私としては、とても面白く観ることが出来た。森繁久彌に淡島千景、そして、大阪とくりゃあ、つまらないはずがない。二人の会話、間の撮り方、そして、何よりも演技の素晴らしさがあればこそ成り立つ作品です。話としては湿っぽいものの、二人の演技の上手さのおかげで見応えたっぷり!森繁久彌の駄目さ加減が絶妙な上に引き立つ淡島千景のはかなさ、哀しさみたいな部分、どう考えたってあんな男とはとっとと別れてしまった方が良いに決まってる。それでも離れられない女のどこか哀れな気持ち、それを淡島千景が身をもって尽くす姿はとても魅力的です。これ、川島雄三監督の作品にも似たようなのがあるけど、あちらに比べると最後までしんみりしたまんまな所は大きな違いを感じるものの、ラストの余韻の残し方も上手い。それにしても森繁久彌、やはり上手い俳優だ!森繁久彌を観ずして、日本映画は語れない。 <追記>2009年11月10日:本日森繁久彌さんの死という悲しいニュースを聞いて本当に寂しい。悲しいです。そんな森繁久彌が単なる喜劇役者でない上手さ、喜劇だけでなくこういうドラマでも素晴らしい演技をやれることを証明して見せた作品である。ここに名優、森繁久彌さんのご冥福をお祈りしつつ、もう一度、この映画をはじめとする森繁久彌主演映画を全て見直したい。そして、一人でも多くの方に、今まで日本映画なんてと日本映画を馬鹿にしてきた人達にも日本にはこんなにも凄い俳優がいたんだということを知って欲しいと思います。
[DVD(邦画)] 8点(2007-08-08 21:16:03)(良:1票)
134.  最高殊勲夫人
増村保造監督と若尾文子のコンビと言えばどちらかというとドロドロしていて、重い雰囲気のものが多いというイメージを多くの人は思うだろう!しかし、今作はそういうドロドロした重苦しさが抜け、良い意味で気軽にそして、皆に奨められる内容になっている。若尾文子に振り回される男達のどいつもこいつも本当にアホな奴!そんな男のアホな一面をコミカルに楽しく描いているのも良い。脇を固める俳優の中ではやはり船越英二が抜群に良い。船越英二の慌てぷりを観ているだけでも楽しい。この監督の灰汁の強さが苦手という人もこれは安心して楽しめると思う。それにしてもこの映画の若尾文子も異常な程の可愛さ、どの男も彼女にメロメロになってしまうのも納得です。
[DVD(邦画)] 8点(2007-07-22 15:03:21)(良:1票)
135.  銀座二十四帖 《ネタバレ》 
さて、さて親戚に借りて来てもらった「風船」に引き続き勢いに乗って川島雄三監督のこの作品も鑑賞!で、個人的には「風船」より私はこっちの方が好みです。タイトルにもなっている銀座の街並み、風景、昭和三十年代の銀座とはこんな感じたったりするのかなあ?と何だか観ていてそんな雰囲気を十分に感じることが出来た。森繁久彌のナレーションと歌声、やはりこの人「喜劇・とんかつ一代」でも披露しているように歌もなかなかのものです。そんなこの映画、いかにもフランス的な何ともお洒落な雰囲気十分の見応えのある内容に私は満足です。あの名作「第三の男」のパロディも面白かった。そして、相変わらずこの監督の描く女性像、映し出す女性の魅力的なこと!川島雄三監督は女を撮らせても上手い。月丘夢路の異常なまでの美しさ、北原三枝にしても若くて元気で魅力的です。あっ!もう一人、浅丘ルリ子演じるルリ子も可愛い。大した話でもないとは思うのに、これだけ面白く見せることが出来るのは、やはりこの監督の才能の証であると言っても良いだろうし、これは川島雄三監督にしては爆発的なものは無いにせよ、私は十分、楽しむことが出来たので良いと思います。
[ビデオ(邦画)] 8点(2007-07-16 23:04:59)(良:1票)
136.  抵抗(レジスタンス) 死刑囚の手記より 《ネタバレ》 
これはまた一つ面白い脱走ものの映画を見つけた。絶対に脱走不可能と言われたドイツ軍占領下の収容所における一人の男が脱走を図るまでの模様がじわりどわりと描かれています。全編のほとんどがクローズアップで撮られているのだが、この映画では脱走する為の色々な工夫が緊張感を持って描かれています。安全ピンで繋がれた手錠を外そうとしたり、バックに流れるモーツァルトの音楽がなかなかの効果をもたらしていて、何だかまるでその場に自分が放り込まれているような凄い描写によって、主人公と一体化するような心理的恐ろしさというものが生まれるほど白黒の画面構成も見事です。ただ、あまりにも暗い内容なので「大脱走」や「ショーシャンクの空に」といったようなアメリカ的な開放感、爽快感はないので爽快感のみを求める人には向かないかもしれませんが、見て損はない作品になってますし、アメリカ映画との違いを比べて見るのも悪くはないのでは! まあ、いずれにせよよく出来た映画であることだけは間違いありません。
[ビデオ(字幕)] 8点(2007-05-27 19:03:17)
137.  SOSタイタニック 忘れえぬ夜
まずは「タイタニック」と聞いて、何を思い浮かべるか?ほとんどの映画ファンは真っ先に監督ジェームズ・キャメロン、主演にレオナルド・ディカプリオとケイト・ウィンスレットの二人といった作品を思い浮かべることでしょう!そんな作品の遥か昔に同じタイタニック号沈没の悲劇を描いた作品がこの作品でして、ジェームズ・キャメロンが撮った「タイタニック」の様に安易な恋愛ものを取り入れ、そして、多くの大金と物凄いCGなどこの作品には一切無縁のこれこそ本物のタイタニック号の悲劇を描いてる作品です。確かに映像的には劣るかもしれないし、それはただ単にCGなどによる映像の迫力に劣るというだけであって、作品の持っている力強さと迫り来るメッセージでは明らかにこちらの方が数段、上です。特に凄いのが、この作品はどれもが本物のセットで撮影しているのではというぐらい今みたいに特殊技術なんかなくても一つ一つのシーンが丁寧に撮られているのが観ていて分ります。白黒ならではの白黒だからこそ迫り来る恐ろしさがここまで上手く描かれているし、下手な恋愛ものといった余計なものが無いので好感も持てます。死を目前にして、最後まで最善を尽くそうとする人たちの姿と一人一人が生き抜くためには何をすれば良いのか?といった人と人とが協力することの大切さをドキュメンタリー風に描いていることで、更にこの映画の持っている悲劇というものを一層、浮かびさせる本当に観ていて恐い映画だと思いました。
[ビデオ(字幕)] 8点(2007-05-26 16:50:59)(良:2票)
138.  陽のあたる坂道(1958) 《ネタバレ》 
うわ~なんてメチャメチャ可愛いんだ!芦川いづみ最高!勿論、石原裕次郎も生意気な弟に振り回される役目、芦川いづみ演じる妹の足のケガは自分のせいだとばかりにあの生意気な弟を庇う兄を見事に演じていて好感が持てるし、またそんな石原裕次郎に色々嫌がらせさせられたり、それでも耐えて忍んで石原裕次郎演じるこんな男に想いを寄せて女としての優しさと哀しさの両方を演じている北原三枝も素晴らしい。特に表情が何とも素晴らしい。それにも増して芦川いづみですよ。なんて可愛いんだろう!あんな可愛い子に朝の7時に外苑前で待ってますなんて手紙もらったらそりゃあ、外苑前だろうが、国会議事堂の前だろうが、上野動物園だろうが、あたしゃどんなに早起きしてでも会いに行きますよ!本当にそのぐらいとにかく芦川いづみが可愛い。可愛いなんてもんじゃない。可愛すぎる。参った!本来ならば、暗くて陰気な物語であるはずなのに、出演者の演技と素晴らしい表情のおかげで爽やかな気持ちになれた。そうそう、それと寅さんファンの私にとっても初代おいちゃん役のあの森川信さんが寅さんシリーズ以外で観られる作品としても貴重な作品てことで、いずれにしても3時間以上もある長い作品なのに長さなど感じずに観ることも出来た。それとジミー小池て名前聞いて、ジミー大西を思い出してしまった。ジミー大西、今、何してんのかな?ちきしょうめっ!こんな近くで芦川いづみの顔を見れるジミー小池こと、民夫が羨ましいこと。あぁ、私も芦川いづみと踊りたい。
[DVD(邦画)] 8点(2007-04-23 21:42:44)(笑:1票)
139.  魔像(1952)
流石、阪東妻三郎!お見事という他ない一人二役、しかもいずれも阪東妻三郎という日本映画を代表する名優にしか出すことの出来ないオーラ、身体全体からひしひしと伝わってくる優しさと共に突如暴れ出す狂乱ぶりの凄さ、そんな一人二役にそれぞれ関わっている二人の女性、山田五十鈴と津島恵子の正反対な性格の持ち主でありながらもどちらの女性もこれぞ日本の女性像というべき女性像を見事に演じていて、とても良い印象を残します。作品全体、ユーモアが効いていてとても面白く、特に阪東妻三郎の丹下左膳のパロディぶりは何とも笑える。こういうユーモアのある時代劇、私は好きです。
[ビデオ(邦画)] 8点(2007-03-20 22:55:16)
140.  リリー 《ネタバレ》 
元みかんさんじゃないけど、私もこの映画、ずっと観たくて探しに探して、やっと見つけた時の感動、喜び、期待通り、良いもの観させてもらいました。まずは何と言ってもこの映画の主人公であるリリーが本当に可愛いい。それは見た目だけの可愛さではなくて、一人の女性としての可愛さ、この映画を観れば解ってもらえると思います。とにかくリリーの可愛さ、これは男なら誰もが心からなんて可愛い。健気な心の持ち主なんだと応援したくなること間違いなし!少なくとも私はこの映画のリリーは応援してあげたい。そんな気持ちにさせられました。女性が観てもリリーの可愛さをきっと解ると思う。ピンク色の洋服にエプロン姿でレストランで仕事をしている時のリリー、お客さんに対して、飲み物や食べ物を運ぶリリーのおどおどした姿も可愛いじゃありませんか!仕事中に眼の前で行なわれているマジックショーが気になって、仕方のないリリー、そんなリリーの表情、またリリーが仕事をクビになった後の話も見方によってはかなり幼稚に見えるかもしれないけど、そんなことよりもリリーが出合った人形達との交流によって生まれる愛情、これこそ本当の人間愛、みんなで歌う主題歌「ハイ・リリー・ハイ・リリー・ハイロー」の曲の素晴らしさ、作品全体のこの雰囲気、どれも観ていて楽しい。そんな作品です。それにしてもこの映画、私も含めてもたったの五人しかコメントがないなんて、残念だなあ!もっと多くの方に観て欲しいのに!
[ビデオ(字幕)] 8点(2007-02-10 10:41:16)
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