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プロフィール
コメント数 346
性別 男性
自己紹介 「昔は良かった」という懐古主義ではなく
「良い映画は時代を超越する」事を伝えたく、
 昔の映画を中心にレビューを書いてます。

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121.  旅情(1955) 《ネタバレ》 
いきなり暴言から始まる事をお許し願いたいのだが、私はこの映画におけるロッサノ・ブラッツィの役柄が大嫌いだ。不仲であるとは言いながら妻帯者、でもって「ビフテキが食べたくてもお腹が空いてたらラビオリを食べなさい」ってそこまで自分の下半身に忠実になってどうするねん!そこにマイナス点を入れる事にした。…ところがそれ以外は本当に名作。ベニスの街を映し出すショットの見事さ=主人公ジェーンにとっての「夢の世界」であったんだな、という点に物凄い説得力を感じてしまうし、小道具の使い方/カメラやくちなしの花などは印象深い。何より当時47歳のヘップバーンがアラフォーのハイミスを演じてしまって全く違和感を感じさせない、その存在感(恋へのよろめき・揺らめきを感じる)・演技力の素晴らしさは今の映画界には不在なのだなぁと思う。そして監督リーンの作品がやっぱり自分にとって一番映画が「総合芸術」だと感じさせる。多少の贔屓目がどうしてもついてしまうのでこの点数。【(2018年9月追記):上の方のレビューを拝見し、カトリック教会そして信者の、離婚に関する考え感覚に付いて私失念しておりました。何とも恥ずかしい限り...とはいえやっぱりロッサノ・ブラッティの役柄は苦手なのでこのままに。日々これ、勉強ですな。】
[映画館(字幕)] 8点(2016-05-09 13:44:00)
122.  濡れ髪牡丹 《ネタバレ》 
面白さ、という点で「濡れ髪」シリーズ最終作のこの作品が私は大好きだ。それは京マチ子のツンデレぶり(私はこの映画で彼女がめちゃくちゃ魅力的である事を知った)もさることながら、雷蔵コメディの最高傑作という点に尽きる。前作群における雷蔵の立ち位置は本郷功次郎や川崎敬三を導く「出来る」男で2.5枚目位の立場。だがこの作品における彼は完全に3枚目なのが素晴らしい(「~は免許皆伝の腕前であ~る、ウン!」なんて素敵な笑顔だろうか!)。剣術の達人にも関わらずもろ肌脱いだ京マチ子に気が動転しコテンパンにやられる様や、甲州流早駆けを駆使して飛ぶように去ってゆくところも(時代劇らしからぬ早回しカットの連続で)間の抜けた感があって面白い。多分雷蔵さん自身の素はこんな明るい人だったんだろうなぁと思わせる「明暗含めた役者としての幅」に感服させられるのだろう。ちょっと高めだけどこの面白さにいい点つけちゃおう。本格的時代劇を求める人には?だがいいんだ、楽しければ!機会があればぜひ。
[映画館(邦画)] 8点(2016-04-20 18:29:38)
123.  離愁(1973) 《ネタバレ》 
第二次大戦初期ドイツ軍のフランス侵攻が激化する中、疎開の為汽車に乗り込んだフランス人の修理工とユダヤ人であるドイツ女性との一抹の恋。とにかくラストシーンの素晴らしさにつきる。列車での疎開そして別れから3年後、男はレジスタンスとして捕えられた女との共謀を疑われナチスの秘密警察に呼び出される。彼女を「知っている」と認めたら彼もまた死刑になるのは自明の理だ。秘密警察の係員(ポール・ル・ペルソン=隠れた名演)に知らない旨を伝えたはいいが係員は彼女を呼び出し対面させる事で揺さぶりをかけてきた...。でラストは皆様のご想像通りなのだが、知らぬ存ぜぬが出来なかった男の想いそして彼を守る為に必死に抑えていた感情が崩れ号泣する女、ジャン・ルイ・トランティニアンとロミー・シュナイダーの演技とその心情を表す効果音やカメラワークがベタだけどいいんだよなぁ。「旅愁」「旅情」「哀愁」同じようなタイトルの作品多いけど混同しないように。機会があればぜひ...にもかかわらずDVDはもちろん廃盤。おいおい~。(追記:2016年にTSUTAYAの「隠れた名盤発掘コーナー」シリーズで待望の復刻。機会があれば)
[映画館(字幕)] 8点(2015-08-02 17:56:05)
124.  冬構え<TVM> 《ネタバレ》 
山田太一+笠智衆コンビによるNHKドラマ三部作の二本目は、人生の晩年に付きまとう「老いと孤独」に対してどうしたら「冬構え」できるのか考える一本。自死する場所を求め遺書を携え東北を彷徨う老人だが、私が思うにこれは彼にとって死への旅程ではなく「老齢に向き合う=生きてゆく為の活力を再び見いだす」為の確認作業ではなかったか。ふとした事から知り合う寒村の老人(藤原釜足)が呟く「人間生きてることが一番ええって言えと。だけども生きてることが一番だと、そんなことは言えねぇ...」ほんとうそのとおり。ただ絶望の内に終わらせるよりも今日よりも違った景色が見えるかもしれない明日に懸けてみるというのも悪くはないのではないか、そう実感したであろうラストの笠の笑顔に救われる。それにつけても笠智衆+沢村貞子/小澤栄太郎/藤原釜足だよ...今のTVドラマではまったく望めない、「本当の」演技だよねこれ。NHKオンデマンドでも視聴可能なので機会があればぜひ。
[地上波(邦画)] 8点(2015-06-19 16:46:26)
125.  ご冗談でショ 《ネタバレ》 
マルクス兄弟の、世の中の常識や権威主義に対し痛烈な皮肉をもって対応するこのスタイル(植草甚一先生曰く「シュールレアルな喜劇の出発」)、現在の風刺劇やコメディに多大な影響を与えているのは間違いありません。ただ字幕から情報を得なければならない我々にはチコやハーポのボードヴィル芸はともかく、グルーチョの風刺がわかりづらいのが難点。という訳でソフト会社は格安ビデオを販売するだけでなく、ちゃんとした解説書を付け加えてだしましょう。…話がそれました。なんといってもこの作品の白眉は大学教授グルーチョがヒロインと陽光下、アヒル池で舟遊びをしている際に歌う「Everyone Says I Love You」。ウディ・アレンがオマージュとして取り上げるのもむべなるかな、というほどの幸せに満ちてます。ま、最後はヒロインを池に叩き落とした挙句、浮き輪を求める彼女に対してトローチを投げつけるという期待通りの行動を見せつけますが。ボードヴィル時代の作風をそのまま踏襲している「ココナッツ(29)」「けだもの組合(30)」「いんちき商売(31)」と比べ、比較的屋外撮影を多用するようになったこの作品の名声こそが、彼らにとって三弾飛びで言う「ステップ(ジャンプはもちろん「吾輩はカモである(33)」)」的成果を遂げた作品なのでしょう。多少甘目なのですがこのシーンで+1点。 
[ビデオ(字幕)] 8点(2013-11-04 15:20:49)
126.  乱れ雲 《ネタバレ》 
司葉子の魅力大爆発、邦画屈指のスーパー・メロドラマ。監督成瀬の演出力は遺作となったこの作品に至るまで高い水準を維持していた事を実感している。社会的・心情的に疎外感を味わっている男女が結びついていく様を細かく丁寧な演出情景を積み重ねていく事で「事故未亡人の女と加害者の男のよろめき」という、ともすれば安っぽい話にリアリティを感じさせるのは並みの監督では絶対に上手くはできない。またその作品世界を構築しているスタッフの仕事、特に武満徹の音楽と各役者の配分(浜美枝・中村伸郎・加東大介・浦部粂子・左卜全)には心地よさを感じる。ラスト15分の演出、一線を越えようとした二人が結局結ばれずに終わる流れが素晴らしい。別れに至るまでの心情描写がいいのだ。温泉宿へ向かうタクシーが踏切で立ち往生する=危険を暗示する踏切の「警報音」そして超えてはならない「線路」/バックミラーでチラ見する運転手=事故未亡人と加害者がつながる、という事への世間体からの「視線」/窓辺で聴く救急車のサイレン=男が以前交際していた女との別れの情景の再現、など。こういった不安が積み重なった上での帰結であったこと強調したい。でなぜこの点数か、マイナス2点①最良で最善の演技なのだが「罪の意識に苛まれる若手エリート商社マン」に加山雄三がしっくりこない、という点②温泉宿に向かう前の事故現場シーン。このショットを入れたことで観客は「この恋愛が偶発的な要素で駄目になってしまった=話を収束させる為のご都合主義」を感じてしまいかねないから。この点は「見せない」演出を貫き通して欲しかった。  
[映画館(邦画)] 8点(2013-09-10 00:45:16)
127.  チェブラーシカ(1969) 《ネタバレ》 
私も暗くて色あせた色彩が印象的な本家カチャーノフ版(あわせて初回上映時のDVDの方→ジブリが提供している現行版ではない)を取る。キャラクターの可愛さが先に目につくが、大人になればなるほど寂しげな音楽・各キャラクターの哀愁感溢れる姿態(=特に第一話におけるチェブラーシカ、電話ボックス内の仮住まい。)にやられっぱなし。日本人スタッフ中心に作成された最近のリメイクもその点理解し、頑張っているが「寂しさ」は感じられても「哀愁」の域まで届いてないような気がするのはロシアの風土・文化との相違によるものか。そんな中で文化的なずれを物ともせず、チェブラーシカを完璧に演じきった大谷”ピカチュウ/チョッパー”育江さんの神がかり的、と形容しても良い吹き替えは絶品。日本の声優の技量はホント凄いや。
[DVD(吹替)] 8点(2013-09-09 00:29:47)
128.  さくら隊散る 《ネタバレ》 
ロードショー時に高校生だった私はまったく無知のまま映画館に行ったが、頭をぶん殴られたような衝撃だった。再現フィルムにおける、原爆症で苦しみ亡くなってゆく者たちの様子は実体験者の証言をそのまま再現したものなのであまりにも辛く、スクリーンを直視できなかった。「原爆被害と原爆症の恐ろしさ」という主題に隠れているが、私が思う本作のポイントは「戦時下における演劇界への弾圧/苦難の歴史」。全演劇団体は内閣情報局によって昭和16年に発足された日本移動演劇連盟に強引に加盟させられ、従わない俳優には国内での演劇活動を行う事を禁止する処置を取られてしまった。表向きは「国民生活の精神高揚を目指す為」であったが、実際は政府の言論統制の一環であり「時勢にそぐわない」ものは徹底的に公安局から弾圧・検挙されていたという事実。滝沢修・小沢栄太郎・宇野重吉・杉村春子・河原崎国太郎(物凄い面子だこりゃ)らが語るその経緯は淡々とした口調なだけ、その苦労がすぐに想像できてしまう。丸山定夫と夢を追っていた若者たちは苦しい状況の中で演劇を続けてゆく事に喜びと一抹の希望を持ち、さくら(櫻)隊として地方巡業をしていたのだろう。そこへ昭和20年8月6日がやってくる。広島県出身の新藤監督はその映画人生で戦争が引き起こす悲劇と、その害悪に対して常に糾弾してきた気骨ある方。そんな意図を風化させないためにこの映画は若い人にこそ見て、感じてもらいたい。それが戦争で被害を受けた方・苦しんでいる人への我々の世代が出来ることなのだと信じている。
[映画館(邦画)] 8点(2013-08-02 14:18:28)(良:1票)
129.  華岡青洲の妻 《ネタバレ》 
世界初の全身麻酔手術の成功を支えた嫁姑の物語=それは女としての確執から生まれた偽りの「美談」であった。監督増村・脚本新藤なので高峰秀子と若尾文子(様)のバトルはもちろん凄まじい。ただそれ以上に私には華岡青洲を演じた市川雷蔵が印象に残り、極私的彼の演技ベストファイブに入れても良いと思う。『夫に尽くすという事・理想的な妻/母であるという事は時として夫の「我が侭/エゴイズム」に女性がしたがっているだけであって、そこには女性としての幸せや生きる意味はない=女性に隷属を強いる男の狡賢さ』という(私Nbu2が考える)有吉佐和子原作小説の主題を見事に体現している演技だから。リメイクにおける竹脇無我や三浦友和、最近の谷原章介は単に「麻酔研究に情熱を燃やす医学者」華岡青洲であって、そこに雷蔵が示した「理想や成功の為に妻や母を犠牲にしたエゴイスト(しかもそういった嫁姑の協力に甘えている?という感を出すのがまた凄い)」華岡青洲は、見えない。母親於継の死がナレーション(補足:杉村春子は文芸座でこの於継役をもち役としてます。)のみで片づけられたのも青洲の名声にとっては小事でしかない+女主人の座を得た様に見える加恵も最終的にはそんな小さな扱いで終わってしまう、という意図を込めてるのでしょう。うだうだと書いてしまいましたが少なくとも最近のリメイクよりはこっちの方が迫力等上。機会があればぜひ堪能してほしいのし!
[映画館(邦画)] 8点(2013-06-13 21:39:33)(良:2票)
130.  メル・ブルックスの大脱走 《ネタバレ》 
ルビッチ「生きるべきか死ぬべきか」のリメイクである本作、なかなか良くできている。オリジナルのジャック・ベニー+キャロル・ロンバートよりもメル+アン・バンクロフト(実際の夫婦)の方が役者としての幅=ロマンス/ドタバタへの対応力がある分だけ安心して見ていられる。私はオリジナルを10点としているのだがその違いはルビッチの「艶笑」喜劇が好きであるというそれだけのこと。ドタバタコメディを求める人にはこちらの方が良いはず。もともとはナチスドイツに対するプロパガンダ映画として制作された、と聞いているので、ユダヤ系アメリカ人のメル・ブルックスがこの題材を取りあげたこと自体彼の頭の良さを表しているのではないだろうか。「シンドラーのリスト」に負けないくらい批判・主張が出来ているし加えて洒落っ気があるというのはたいしたもんだ。
[ビデオ(字幕)] 8点(2012-12-12 19:25:44)
131.  カリフォルニア・ドールス 《ネタバレ》 
映画史において「遺作」というのは基本がっかりな物が多い中、これは数少ない「観て損はない遺作」に入れても良いアルドリッチの一作。「漢」の映画を撮り続けた彼にしては扱った素材が女子プロレスというのは?であり、御都合主義でありきたりなストーリーではあるけど最後は胸熱く心躍るいつもの「アルドリッチっぷり(根性あふれるどつきあいを自分はこう呼んでいる)」に楽しくて仕方がなかった。殴られ蹴られ泥だらけでポロリもありの根性入れまくりの主演女優、ドールズ2人もさることながら2人のマネージャーを演じたフォークの演技が素晴らしい。そしてアルドリッチの演出もちゃんと彼彼女らの侘びしさや苦しみを丹念に描写しているので(個人的にはリノの超豪華なホテルでのカジノでドールズ2人がスロットに興じるシーンがつぼ)、ラストのタイトルマッチへの盛り上がり=勝って成功をつかむ、という展開に説得力がついてくると思う。あと日本の女子プロレスリングテクニックは世界一で有ることを知らしめた(最後にこれが効いてくる)ミミ萩原+ジャンボ堀コンビにプラス1点。2015年初ソフト化は、めでたい。ウィ!ウォン!ドールズ!
[映画館(字幕)] 8点(2012-11-28 15:12:47)(良:2票)
132.  罠(1949) 《ネタバレ》 
「好きな洋画男優をあげる」という映画ファンのいつもの遊び。私にとってロバート・ライアンは絶対に入る俳優。どちらかといえば肉体派の俳優であるにも関わらず、知性があるというのか/胸に秘めた苦悩や悲しみ・狂気がちゃんと滲み出ているそのたたずまいが大好きです。「十字砲火」「危険な場所で」「拳銃の報酬」「最前線」「狼は天使の匂い」「ワイルドバンチ」皆良いが、今回はこの映画。もともとボクサー経験のあった彼ではありますがバート・ランカスターでもカーク・ダグラスも、ましてやチャールトン・ヘストンなぞはこんな陰のある、味わい深い役はできません。そしてロバート・ワイズの職人ぶりが遺憾なく発揮された名作であります。スコセッシはこの映画がお気に入りで「レイジング・ブル」にも影響を与えたフィルムだとか。ああなるほど!
[ビデオ(字幕)] 8点(2012-03-25 14:59:58)
133.  肉体の冠 《ネタバレ》 
フランス映画が生み出した幾人もの名匠・名監督の中で、私にとってベッケルはたまらなく大好きな一人。監督としての器や世界観だけなら師匠ルノワールの方が上かもしれないが、映像作家としての技量(アクション/日常の穏やかな描写=緩急付けたメリハリのある描写で写し出すところとか)・出演俳優の魅力を存分に引き出しているという点では間違いなく彼の方が上手い、と個人的には思っている。でこの作品。芋みたいなレジアニ、ぽってりなシニョレをここまで魅力的な美男美女に描き出した事自体(特に愛する事を知ったシニョレの表情はまさに官能的)凄いのだが、緩急使い分けた描写=シニョレをのせた船が水面を走り、隠れ家にいるレジアニを尋ねるその美しさ/刑務所からの逃亡劇~親分を射殺するまでの緊迫感あふれるアクションそして断頭台のラストシーンまで、テンポのある語り口で見せてくれる彼の作風にしびれっぱなしですわ。「穴」「モンパルナスの灯」にも負けず劣らずな名作だよ、これは。
[ビデオ(字幕)] 8点(2011-08-21 22:00:32)
134.  0課の女 赤い手錠 《ネタバレ》 
私にとって杉本美樹はまさに青(性?)春の女優であった。友達は皆、「夕ニャン」を見て「毎度お騒がせします」で中山美穂にときめいていた時に、自分は年を偽りエッチ映画館に入って一所懸命に東映ピンキー・バイオレンスを堪能していたのだった。(今にして思うとすごいおけべ野郎である。)彼女よりも美しい、グラマーな女優はたくさんいた。だか自分が彼女に惹かれたのは全身全霊で(裸つき)役に取り込む真の「ど根性」。それはどんな漢よりもたくましく、かっこよかったのだ。そんな彼女にどこまでも、ついて行きます!だったわけだ。で彼女の最高傑作は間違いなくこの一本。ある意味周りのキャストにも助けられた感はあるが、本来は可愛いキャラクターの彼女が「女番長」シリーズで築き上げた「日本のクール・ビューティ」路線はここに行き着いた。たしかに彼女は大根だったかもしれない。だがここまで上手い大根はない!とめちゃくちゃ矛盾している文章を書いてこのレビューを終わりにしよう。ここまでお付き合い下さいまして、有り難うございました。  
[映画館(字幕)] 8点(2011-07-18 23:09:42)(良:2票)
135.  地獄の英雄(1951) 《ネタバレ》 
彼の作歴上では「サンセット大通り」に負けず劣らずけれん味溢れた一本だと思う。特に寂れた町に集まる・散らばる群衆を描いた一連のシーンははっきり言って馬鹿馬鹿しいくらい大げさな表現に終始してしまっていて可笑しい。(ま、その位「真実を見抜けない」愚かな大衆を描いている=アメリカ人ではない監督ワイルダーの視点を感じるのだけど)あとは俳優カーク・ダグラスの凄い「目力」を堪能しよう。息子マイケルにもその資質は引き継がれている。が眼にいろんな感情がこもっている分、やっぱりお父さんの方に迫力を感じる。下の方も書かれているがそこまで悪漢を演じていた彼が改心するに至る流れが弱すぎる事、あとは彼以外の俳優に魅力が足りないのがちょっと惜しいかなという気がするが、この主題に関しては制作から50年以上経った今でも理解・共感出来るはず。隠れた佳作。
[DVD(字幕)] 8点(2011-06-05 17:03:31)(良:1票)
136.  紅夢 《ネタバレ》 
現在の彼の作風は妙な「あざとさ」ばかりが目について正直好きではないのだが少なくとも「秋菊の物語」「活きる」くらいまでは抑えた表現もありの、まさに「緩急を使いわける映像」にとても関心させられた記憶がある。そんな彼のキャリアの頂点は今のところこの一本。古い屋敷にうつる紅い提灯の怪しげな美しさや閉鎖的な空間の中で女性達が繰り広げる狂わしい程の怨念(20代の自分にとってあの紅い色=子宮から流れ出る経血を感じてました。お恥ずかしい)、最後主人公に起こった悲劇等内容的にも見応えある話だがこれは「見せない(もしくはポイントのみ見せる)」彼の演出の巧さを堪能すべきと思う。あえて説明しない=観客の想像力にまかせる事で強い印象に残る演出もあるのだ(こんな事言いたくは無いが、余計な説明の多い変に長い映画のなんと多い事か)。主人公が迎える悲劇的な最後に至るまでの展開が性急すぎるかなとは思うが機会があればぜひ。てか監督イーモウと女優コン・リーの黄金コンビ、DVD発売の機会が無いというのは如何なもんでしょうか。
[映画館(字幕)] 8点(2011-04-25 23:13:18)
137.  平成ジレンマ 《ネタバレ》 
それぞれの「ジレンマ」を感じてしまい、やりきれない気持ちで映画館を出た。解決策は何も見えてこない。進むべき道がわからないまま(傾いたヨットやスクールの壁に開いた穴、『協調性を養う為の』オカリナの音が強い印象を残す)苦しんでいるスクール生。自らの教育理念たる「体罰=必要な事」が思うように出来ない・学校教育下の問題を受け止めているだけで根本的な解決策が取れない=「こんなこと、やりたくない」とぼやいている校長戸塚。ニートや引きこもりが年々増え続けてゆく中で受け入れ体制も、これといった方針もとれないまま「ゆとり」教育を続けている行政。そんな状況を見つめつつ表層的な事実のみ伝えているだけのマスコミ。どうしたらよいのだろう?そういった鬱屈たる思いを抱えながら、社会の現状を見つめ直し他人事ではなく「自分達の」問題として胸にかかえてゆく事が大切と思う。もとはTV用である以上映画としては落ちるところはあるけれど、TVドキュメンタリーの置かれている立場(劇映画に比べて制作予算/宣伝も、そして発表する機会も少ない現状=良作が埋もれてしまいがち)や「映画館での上映」という新しい試みに対して何とか光があたってもらいたいという意味を込めてこの点数にする。いまのところ関係者に配慮してソフト化の予定は無いとの事、機会があれば是非。しかしこの思い、上手く文章に出来ないな。これもジレンマか。
[映画館(邦画)] 8点(2011-02-20 16:38:46)(良:1票)
138.  アパートの鍵貸します 《ネタバレ》 
隣人とは仲良くしておこう。という一言で片付けていいくらいの都合良すぎる話と思う。ただここは役者・演出・脚本の三拍子がそろっている分あざとらしさ、嘘くささが感じられないのが上手いところ。ワイルダーの手にかかれば割れたコンパクトも、テニスラケットもシャンパンも帽子もひからびたパスタでさえ魅力溢れる小道具に早変わり!「蛍の光」がこれほど印象的に使われている映画はない、という事もあげとこうかな。ラブコメディの古典。
[映画館(字幕)] 8点(2010-12-26 19:01:10)
139.  赤い天使 《ネタバレ》 
監督増村と若尾文子(様)コンビは次の「華岡青洲の妻」で終わりを迎えるが、この作品でやること全てやりきったのでは無いか、という位の日本映画史上に残る「ド変態映画」。彼女にとって「身体を求める事」は常に死と隣り合わせであった状況下での生きている証であり、「身体を与える事」は血塗られた看護婦として残された最後の仕事・奉仕であったという厳しさ。敵の大群が攻め込んでくる中軍服コスプレプレイをしている、という時点でどうかしているのだが下手に裸を見せるよりも物凄いエロティシズムを感じてしまうのは自分だけか。戦場下で「人間性」など無意味である(バケツに無造作に突っ込まれた足や手の残骸!)事をうたいあげたこの作品は増村にとっての「反戦映画」なのだろう。ただHなシーンはともかく戦場/病院の描写、きっつーい。とりあえず増村+文子(様)コンビの映画は年代順で鑑賞すること、切に願います!
[映画館(邦画)] 8点(2010-09-12 19:25:52)
140.  ある日どこかで 《ネタバレ》 
「主人公が余命幾ばくもない事/偶然見かけた美人女優のポートレートに惹かれ調べてゆく内に実は過去に...」という設定にした原作の方が話の流れとしては自然なのではないかな、と思うのだが「映像化」という意味ではとても上手く出来ていると思いますよこれ。ジョン・バリー+ラフマニノフの音楽・俳優の演技(役者リーブはこの映画で100年後の映画ファンに名を残す演技をした。断じてクラーク・ケントの人では無い)、主人公が惹かれたポートレートの裏話。そしてそしてラストシーン。もちろん原作も彼女との結びつきを暗示して主人公はあの世へ向かうのだが、「絶対このようにして彼らは再会している!そうに決まっている!!」とばかりに映像として具現化されちゃうと、「時を越えて二人は永遠に結ばれたんだ」という思いが湧き出てたまらないんですよね。初見は大学生。ヌーベルバーグだなんちゃらと言ってた頃には甘っちょろい話だと蛇蝎の如く嫌っていたくらいだが、今なら言えよう。新しい波、どっか行け~! 愛しい皆様と観賞下さい。
[ビデオ(字幕)] 8点(2010-08-14 11:23:36)(良:2票)
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