121. 聖なる犯罪者
《ネタバレ》 犯罪者が悔い改めて、新天地で神父になる。 善良な町人たちの教会。 しかし、そこにはある事件を経て、痛みのある町だった。 神父は、その事件への深入りすることで、自らの改心を行う。 ある事件の真相は? そして、町がその痛みを乗り越えようとしたとき、 神父の犯罪の、まだ未解決の落とし前が降りかかってくる。 事態は、意外な展開に・・ 最後まで目をそらすことのできない展開だ。 [DVD(字幕)] 7点(2024-07-29 21:53:25) |
122. シン・ウルトラマン
《ネタバレ》 大真面目にウルトラマン。 最初のウルトラマンも放映当時は、我々は子どもだったが、 その頃の大人たちも、今の我々が本作を見て感じる違和感を感じていたのだろうと思うと、 何やら発見がある。 話が二転三転していくとこが子供だましじゃない。 つまり我々が円谷プロからもらったプレゼントを、二〇〇〇年代の子どもたちにも プレゼントしている。 ここからどんな子どもが生まれるか・・ 会話が面白い。 吹き出してしまうくらいの笑いのセンスがある。 真面目過ぎる人が見ると、怒り出してしまうかも・・ [DVD(邦画)] 7点(2024-07-27 21:19:23) |
123. DUNE デューン/砂の惑星 PART2
《ネタバレ》 ヴィルヌーブの新作。 彼のSF映画のメカは、機能美のセンスである。 2001年宇宙の旅からはじまってる。 そこが世界観にリアリティをもたらしている。 デヴィッドリンチの頃は、監督のセンスにもたらされるものが大きかった。 (アメコミの影響もあるか?) カーペンターSFやバーバレラとか、そんな楽しいセンスの宇宙船とか スクリーンに溢れてる頃だった。 今は違う。ハイビジョンに耐えられる、本物の未来機械志向だ。 ヴィルヌーブ本作で一番興味があったのは、砂虫に乘って、 軍に侵攻するとこ。 リンチ版では、マンガチックなシーンで、 それが後の風の谷のナウシカの王蟲につながるのではないか? マンガチックは漫画を生む。 果たして、ヴィルヌーブの機能美メカは何を生むのだろうか? 感心したのは、砂虫の描写がヴィルヌーブらしく、彼の美意識内で処理されてる。 リンチでも思ったのだが、いかに伝説通りだろうと、 他の世界から来た、帰るところのある者に従うのは、 ちょっと砂の民が純朴すぎる。 都会に出れば、詐欺にすぐ引っかかるって話だ。 さて、砂の惑星、実はリンチ版はストーリーのほんの一部である。 まだまだ続く、この伝説SF古典をまさか、ヴィルヌーブは 全部、映画化? 次作からストーリは知らない。 その意味でも楽しみだ。 [DVD(字幕)] 7点(2024-07-21 22:57:48) |
124. 冬薔薇(ふゆそうび)
《ネタバレ》 令和版、「傷だらけの天使」といった感じか・・ 醒め切った監督の視線の先には、 断崖絶壁の花が咲いているだけである。 チンピラの先は、ヤクザしかない。 最後の、主人公の姿は、ヤクザになったという感じなのか・・ 阪本順治監督は、ヤクザが悪だとは言い切らない。 一つの生き方として、我々の前に示してくれる。 生徒に手を出した従妹の後始末をヤクザに頼んでたり、 チラチラ見える、あの世界の近さ。 エンターティメントとして、安全地帯にはいない監督の 描く世界は、日本映画として、突出して見える。 [DVD(邦画)] 7点(2024-07-21 22:49:25) |
125. いとみち
《ネタバレ》 田舎のポーッとした女の子がメイドカフェで働く。 ここで「昭和」の映画なら、田舎娘が風俗でどう苦労するかが 丹念に描かれてるとこだが、令和の今は違う。 仲良く仕事に居場所を見つけていく。 最初はスイングガールの三味線版かと思いきや、違った。 この主人公のいとの三味線は、聞かせる本格的なものだった。 ラストのメイドの姿の女の子が、足をひらいて、きばって 三味線を弾く。 監督はこれを描きたかったのかなぁ・・ とにかく津軽弁が聞きづらい。 とくにいとちゃんの津軽弁はハングル語みたいだった。 [DVD(邦画)] 7点(2024-07-21 22:45:31) |
126. 少年の君
《ネタバレ》 観ている側のハートが痛くなるほどの、純愛を見せつけられる。 優等生の女の子とチンピラの純愛。 日本の映画でも、ここまでの純愛映画は観たことがない。 それは親に見はなされた小さな二人の子どもが、どこよりも強い 愛で結び付けられる。 セックスなどない、ピュアな関係で、ここまで強い絆が 生まれることに、汚れている自分のハートが、締め付けられた。 他の国は恋をするとすぐ寝るが、そんな文化の国は嘘っぽくすら感じられる。 二人を見守る若い刑事もいい。 若い二人の愛を少し羨ましくも思い、大人の対応で、 二人にとって本当によい解決策に導く。 いじめが背景の映画。 いじめられて、追い詰められて、純愛にすがるしかなかった女の子。 チンピラもすぐ寝るとかしない、本当にこの女の子の気持ちを 組んで、そこに自分の人生すらかけてもいいと思う。 もう泣ける。 孤独な男女の愛でもヒットするのに、 ここでは孤独な男の子と女の子の話だ。 「小さな恋のメロディ」のような甘さはない。 孤児のような二人の男の子と女の子の話だ。 日本の「誰も知らない」が、こんな愛にならないのが、日本だ。 大抵、どちらかは裕福な子だ。 男女の子ども、両方が孤独という、この状況。 中国はやばいのか? 勝ち誇る中国だから、描けたストーリーかもしれない。 でも観終わった後、アメリカ映画のラブロマンスは嘘に見えてくる。 中国でこの映画ができたことに、色々考えさせられる。 [DVD(字幕)] 7点(2024-07-21 22:42:35) |
127. 御誂治郎吉格子
《ネタバレ》 江戸を騒がせた鼠小僧。 大阪に潜伏していたのだが、女との出会いから、 そのスキルを活かすことになるという話。 いいよね。 上方の女の情が、江戸の時代劇とは、ちょっと違う。 おきゃんではなく、しっとりとした情感ある女が出てくる。 大河内伝次郎も、最初は突っぱねるが、 クライマックスでの女の行動に、思いをはせるという話。 御用だ提灯が、江戸の時代劇とはまた違う風情。 いいです!伊藤大輔! [インターネット(邦画)] 7点(2024-07-20 00:41:08) |
128. 十字路
《ネタバレ》 おお!このような名画が、YOUTUBEで観られてしまう時代に感謝♪ 映画演出の教科書「戦艦ポチョムキン」と同じころ、 日本ではすでにこんな映画を創っていた! 自分を見失った弟を持つ薄幸の姉。 手に汗握るクライマックスに日本の時代劇の描き切れてない部分を観た気がする。 [インターネット(邦画)] 7点(2024-07-19 01:01:58) |
129. 赤西蠣太
《ネタバレ》 暗い内容の時代劇を軽妙に描くと、後に評価が高まるようだ。 伊丹万作監督の本作もそうだし、山中の「丹下百萬」もそう。 伊丹万作の有名な作品ではあるが、歴史背景を知っておくと、更に面白い。 小生、1度目も無骨な主人公の姿が心に残ったし、名作だと思った。 しかし、2度目は伊達騒動のことを調べてから見ると、原田甲斐と伊達藩との関係、 そしてクライマックスの3月27日甲斐と安芸の斬り合いから、 赤西がこのための幕府(?)からのスパイだったことが分かる。 これは、原田甲斐の政治的立場をさらに理解すると、広間での連判状の一幕の意味がもっと分かるかもしれない。 しかし、伊丹万作は、そこまでは要求しないだろう。 創られた当時は、講談や歌舞伎で、伊達騒動はみんな知ってる話だったことも有る。 今の人が観て、ちょっとついていけないのも無理はない。 が、巨匠伊丹万作のその他の時代劇「権三と助十」を観ても、 ちょっとやそっとではお目にかかれない時代劇の名手であることは確かで、 日本のお話家さんは、観ておかないといけないと思います。 今はネットで手に入るし・・ [ビデオ(邦画)] 7点(2024-07-14 05:50:48) |
130. 市子
《ネタバレ》 見応えあり! あの血の繋がってない妹に下した行為。 そこから、どんどん周囲を巻き込んで、最後はあのラスト。 犯罪者の映画と思って観ると、また違う感想も抱くが、 自分もあの立場なら、と説得力ある演出に思わず嗚咽しちゃう♪ 人生で唯一、幸せだった長谷川君との生活がシミジミ語られて、 コロナ禍で我々を励ましてくれた「にじ」を花ちゃんが鼻歌の 余韻をひくラストでした・・ [DVD(邦画)] 7点(2024-07-08 00:23:44) |
131. 一心太助 天下の一大事
《ネタバレ》 時代劇というと、武士道は死ぬことと見つけたりというくらいだから、 悲壮感漂う内容が多いが、一心太助はいいねぇ・・ 江戸っ子の話だから、斬った張ったが、無い。 漫画ど根性ガエルの世界観に通じるものがある。 侍じゃないから、喧嘩に負けて、悔し涙でやけ酒飲むシーンもあり、 サラリーマン哀歌だよぉ、これ。 クライマックスは、祭りだ、喧嘩だ、の大騒ぎ。 さて、色ボケ役人から、純情カップルは守られるか?最大の見せ場。 興味ある人は、観てください(笑) [DVD(邦画)] 7点(2024-06-29 03:00:24) |
132. ちひろさん
《ネタバレ》 ドラマ性はない。 ただ、こんな人がいたって映画だ。 ちひろさんがいた。そういう映画だ。 糸の切れた風船みたいに、ふわふわと・・ それで周囲の人が幸せになってるから、観音さまみたいな女性。 [DVD(邦画)] 7点(2024-06-23 17:49:34) |
133. 銀平町シネマブルース
《ネタバレ》 映画館が舞台の映画。 良かったです♪愛すべき佳作。 ちなみに、地元ではないのですが、 北九州の映画館が火災にあいました。 その復興の動画があります。(下のURL) https://www.youtube.com/watch?v=Qk6wzXdp_MA 良ければご覧あれ♪ 小出恵介、「風が強く吹いている」は良かったぞ~! 頑張れよ! [DVD(邦画)] 7点(2024-06-20 11:36:22) |
134. ザ・ホエール
《ネタバレ》 終わってみると、ここに肉欲はなかった・・ しかし、苦悩する主人公の容姿は、肉の塊だ。 ここにアメリカ映画の深さを感じた。 健康的ではない。それは確かだ。 アランを放っておけなかったチャーリーが自己過信が過ぎたのだろう。 それも娘の愛ゆえなのかもしれない・・ 男が描けるカタギの女性の姿、ギリギリのとこまで描いたのではないか・・ 舞台劇という、この映画。 会話だけでは伝わらない、神々しさが感じられた。 唸りました・・ [DVD(字幕)] 8点(2024-06-16 23:51:58) |
135. ノン子36歳(家事手伝い)
《ネタバレ》 「残念」な映画である。 でもまぁ、夢を持ってやってきた星野源にしても、 東京で借金をこさえて、昔の女を保証人にしようとした鶴見辰吾にしても、 坂井真紀さまを抱けたのだから、良いではないか・・ 「残念」な世界に、女性の裸は海のように、我々を慰めてくれる。 シミジミ・・ まぁでも、真面目な話をすれば、熊切監督らしい地方映画です。 東京からの出戻り女性の、何とも言えない日々を描いている。 地方からの女性流出とか問題にされているが、戻ってきた女性を そう地方が容易く受け入れてくれるのではないという問題意識も描かれている気がします。 [DVD(邦画)] 7点(2024-06-15 20:54:03) |
136. チィファの手紙
《ネタバレ》 岩井俊二の「ラストレター」の中国版である。 面白いが、やはり女の子のヒリヒリ感を出すには、 舞台が日本の方がいいみたいだ。 中国の女の子は、素朴過ぎて、ヒリヒリ感があるのかどうなのか? ヒリヒリ感とは、自傷行為っぽい繊細さを意味する。 [試写会(字幕)] 7点(2024-06-12 22:56:52) |
137. 怪物(2023)
《ネタバレ》 子どもは純粋無垢じゃない。 こども視点から描くと、彼らの世界は、ドロドロしている。 大人の我々は、それを忘れているだけだ。 子どもの扱いに巧い是枝監督が、その子どもワールドを描く。 観終わると、大人が「怪物」ってことになるのかな・・ 田中裕子の演技が、見事に映画の層を厚くしている。 貫禄です! [DVD(邦画)] 8点(2024-06-09 18:38:36) |
138. キリエのうた
《ネタバレ》 岩井俊二らしい映画。 女の子のヒリヒリ感を描かせたら、まぁ見事。 本作の歌姫は、「Picnic」のチャラを思い出した。 ただ思ったのは、東日本震災は、扱うのは難しい。 日本中の気持ちが沈んだ記憶は、下手な描写では、観る側の心が離れる。 前半は、ジョンカーニーか!?と思うくらい、心踊ったが・・ ラストの演奏会の騒動は、今の日本をよく表してる。 あるべき映画だと思うし、邦画界の力強さを表わしてて、見応えあった。 [DVD(邦画)] 7点(2024-06-04 00:56:28) |
139. 棒の哀しみ
《ネタバレ》 奥田瑛二が刺されて、傷口を自分で縫うとこを見て、 エクスタシーを感じるのか、あるいは癒しを与えるためか、 女性が興奮するとこがスゴイ。 やはり、ロマンポルノの鬼才、神代辰巳は、ディープなエロさを描く。 男と女の性だろうか・・ 痛みをこらえる男を見ると、何かを感じる女性。 まさしく「棒」の哀しみである。 [DVD(邦画)] 7点(2024-06-01 20:13:44) |
140. ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE
《ネタバレ》 面白いですね~ 接戦をものにした贔屓のチームの試合みたいで、爽快な気持ちになります。 まぁ終わって冷静になれば、いつもの娯楽映画だったって感じですけど・・ クライマックスの派手なアクションシーンで観客を思考停止にして、ラストしてやったりと 主人公が勝つ。そして「スパイ大作戦」のテーマ♪ これが007だと、スタイリッシュな終わり方になるんですけど、 このシリーズは愛の勝ちという感じですね。 (シリーズ3作目はちょっと違ってたかな?) でも騙されたくて、続編も楽しみにしてます♪ [DVD(字幕)] 7点(2024-05-26 21:27:17) |