121. ローズマリーの赤ちゃん
散々引っ張ったわりにクソみたいな終わり方。音楽も演出も良いとは思えず、ミア・ファローの痩せ方が不気味なだけ。なんてか弱い主人公なんだ。見ていてイライラする。もうこんな奴が主役を張れるような時代は過ぎた。いいことだ。 [DVD(字幕)] 4点(2016-03-06 21:11:55) |
122. ヘイトフル・エイト
《ネタバレ》 タランティーノの誠実なところは勧善懲悪を徹底しているところだ。『遊星からの物体X』や『エクソシスト』へオマージュを捧げ、相変わらずのムダ話と清々しくなるような残虐描写で観客の心を掴んで離さない。配役の妙も評価したい。ティム・ロスとカート・ラッセルの起用はそれ自体に意味がある。意味するところは『レザボア・ドッグス』と『遊星からの物体X』と本作に共通する点が多いということだ。密室サスペンス。誰も信用出来ない。敵の姿が見えない。『物体X』の音楽を担当したエンリオ・モリコーネはマカロニ・ウエスタンとの橋渡しも果たしている。ただ単に俳優としての脂質のみでキャスティングしないところがタランティーノの映画らしくて好感が持てる。 で、物語はどうかというと、正直言って『デス・プルーフ in グラインドハウス』以降の作品中最も満足度が低かった。サミュエル・L・ジャクソンは底抜けにカッコ良い。過去最高のサミュエル・L・ジャクソンだと思う。しかし、ミニーの家にいた連中がいまいち活躍しないのが不満だった。せっかくいいキャラクターをしていたティム・ロスが活躍したのは序盤だけ。マイケル・マドセンは最初に脚本を渡された3人の俳優のうちの1人なのに影が薄かった。8人の重要人物のうち、輝いていたのはマーキス・ウォーレン(サミュエル・L・ジャクソン)、デイジー・ドメルグ(ジェニファー・ジェイソン・リー)、クリス・マニックス(ウォルトン・ゴギンズ)、ジョン・ルース(カート・ラッセル)の4人だけ。つまり、馬車に乗っていた4人だけだ。マーキス・ウォーレンが敵対する勢力に限ればドメルグだけ。ジェニファー・ジェイソン・リーの『エクソシスト』演技がギラギラとした輝きを放つ一方で、その他は影に隠れてしまった。『レザボア・ドッグス』とは異なり、彼らは敵のはず。もっと活躍の場が与えられても……これはない物ねだりだ。ただでさえ上演時間は3時間近い。彼らにも活躍の場が与えられるような事になれば、4時間を超える映画になっていただろう。私の結論は、8人は多すぎたということだ。タランティーノの8作目の映画という事実が『H8teful Eight』というタイトルロゴのポスターが製作されるほどゴリ押しされた結果なのか?タランティーノは10本映画を作ったら引退するとほのめかしている。そのことへの強い意識が8人の悪人を生み出したのなら、思い上がりではないかと思う。『8 1/2』みたいにタイトルどまりにすればよかったのだ。 不満はあるが、面白いことに変わりはない。もう1回くらいスクリーンで観たいと思えるほど魅力的な映画だ。ただ、『ジャンゴ』や『イングロリアス・バスターズ』のように手放しで絶賛できる映画ではなかった。 [映画館(字幕)] 7点(2016-03-04 23:44:27) |
123. これらのいやな帽子
チャップリンの失敗作みたい。グリフィスにコメディの才能はなかったんですね。 [インターネット(字幕)] 3点(2016-03-03 00:19:36) |
124. 崖の上のポニョ
宮﨑駿が自らの快楽を追求した結果がこれかよ!昔の映画のほうが遥かに見ていて気持ちよかったし、心に残ったよ。「子どものため」の映画が「子ども向け」の映画に成り下がるとこうなってしまうんですね。宮崎は本作で諦めたんでしょう。もう俺はダメだと。本作がなければ『風立ちぬ』がなかったかもしれないわけで、その点では評価していますが。 [DVD(邦画)] 3点(2016-03-02 23:57:12) |
125. 時をかける少女(2006)
みんな大好き『時かけ』ですが、私は細田映画がいまいちピンと来ません。本作もそう。ピンと来ない理由は面白いと思えないからという点に尽きます。 [DVD(邦画)] 5点(2016-03-02 23:54:59) |
126. セブン
デヴィッド・フィンチャーの美的センスが溢れる傑作。俳優陣の演技も素晴らしいし、話運びのカッコよさは『ファイトクラブ』のはるか上。とにかくかっこいいんですよ。暗い画面やカット割りに構図も何もかもが。 [DVD(字幕)] 9点(2016-03-02 23:53:53) |
127. ゼロ・グラビティ
3Dで見たかったなあ…3D時代の3Dだからこそ表現できる映像がウリの映画は映画館を所有してる人じゃないといつでも楽しめるDVDやVODの利点を活かせないよ [DVD(字幕)] 6点(2016-03-02 23:52:22) |
128. 幕末太陽傳
フランキー堺の魅力が詰まった傑作。駄作も多い川島雄三の最高傑作にして日本映画史に残るコメディ映画だ。なによりも脚本が優れている。群像劇のお手本にするべき。いくつかの落語から話を持ってきたからか、演出もどこか落語っぽい。名人の演じる落語を聞いている時の脳内映像を映画化したらきっとこんな感じなんだろう。初期の日本映画は落語からの影響が強かったが、もう落語から教わることはないと言わんばかりのクオリティの高さ。幻のラストシーンが実現していたら伝説の一本になったに違いない。 [DVD(字幕)] 8点(2016-02-25 14:32:39)(良:2票) |
129. ラ・ジュテ
私はどうしても伝説のクソゲー『Plumbers Don't Wear Ties』のことが頭から離れなかった。こんな産業廃棄物とは比べ物にならないほど美しいフォトモンタージュ映画映画なんだけどね。しかし、『アルファヴィル』を見た時のような退屈さが襲いかかってきて、最後まで見るのが辛かった。30分にも満たない映画なのに。退屈さを紛らわすために『Plumbers Don't Wear Ties』の司会者やケツ毛の濃い主人公を思い出したりするともう全く別の映像体験に……。 [DVD(字幕)] 6点(2016-02-25 14:24:27) |
130. マチェーテ
ロバート・ロドリゲスにこういう映画を撮らせたら右に出るものはいないね。すげーバカバカしくてすげー面白い。 [インターネット(字幕)] 7点(2016-02-25 14:21:10) |
131. スタンド・バイ・ミー
映画といえばこれ!という人が山ほどいる超人気作。食わず嫌いをようやく食べてみたのだけど、想像していたほど郷愁を掻き立てられはしなかった。上映時間を90分未満に収めるテンポの良さと少年時代の不安定な心境や環境への不満をよく表現できていることは素直に褒めたい。 [インターネット(字幕)] 7点(2016-02-25 14:19:47) |
132. 炎上
どう表現したらいいのかわらかないけど、鑑賞中、終始これじゃない感があった。市川雷蔵にこの役は合っていないのではないか、市川崑にこの題材はあまり向いていないのではないか……。一言で言えばハマらなかったということか。仲代達矢の憎たらしい演技と音楽は素晴らしく、これだけのために観るのも悪くない。 [インターネット(字幕)] 6点(2016-02-25 14:17:38) |
133. スタンリー・キューブリック ライフ・イン・ピクチャーズ
《ネタバレ》 キューブリックの映画はすべて見ている!大ファンだ!という人の価値観さえも変えてしまうようなドキュメンタリー。完璧主義者の秘密主義者だと思っていたけど、意外とそうでもないらしい。最も偉大な映画監督の素性を知ることができてとても満足しています。そして、チェスを勉強したくなります。 [DVD(字幕)] 7点(2016-02-25 14:14:53) |
134. 東京流れ者
芸術的な映画だと思うが、鈴木清順には他にも面白い映画がたくさんあるし、本作を進んで評価する気にはならない。 [DVD(邦画)] 5点(2016-02-25 14:12:52) |
135. ある殺し屋
《ネタバレ》 話が展開していくにつれてどんどん面白くなっていき、クライマックスで大爆発する。古今東西のフィルム・ノワール映画の中でも上位に位置する映画に間違いない。市川雷蔵は器用な人だ。小料理屋の主、パーティに招かれた芸能の師匠、常に冷静なプロの殺し屋。仕草や表情に違和感がない。特に芸能人としての立ち振舞は梨園出身の俳優でもなければ演技できないだろう。いや、演技ではなく素の仕草なのかもしれない。中村獅童や市川海老蔵に、雷蔵の本作での演技ができるだろうか?不出生の映画スターとして一世を風靡したのには理由がちゃんとあった。今の俳優にはない魅力が。 [DVD(邦画)] 7点(2016-02-25 14:10:54) |
136. ユージュアル・サスペクツ
まんまと騙された。万人におすすめできる娯楽作だ。ケヴィン・スペイシーの恐ろしさを痛感させられた。 [インターネット(字幕)] 8点(2016-02-25 14:06:27) |
137. 6才のボクが、大人になるまで。
《ネタバレ》 3時間にも及ぶ上映時間が全く長く感じないのは、登場人物ならびに役者の12年間を切り取った映画だからなんだろう。 パトリシア・アークエットの老け方はVFXじゃ表現できないよ。フィクションとドキュメンタリーの融合、モキュメンタリーとは全く別。フィクションとドキュメンタリーが文字通り融合している。こんな映画を作ろうと思ってもできるもんじゃない。完成したという事実だけで賞賛に値する。しかも物語が面白いときた!ダメな父親と離れ離れに暮らす子供たちの交流は応援したくなって仕方がないし、別れた夫婦の関係性の微妙な変化、老いていく母が抱える悩みは他人ごととは思えない重みがある。どんなによくできたドラマでも本作ほどのリアリティは存在しなかったのだ。本作は尊い。 [DVD(字幕)] 9点(2016-02-25 14:04:38) |
138. この国の空
戦時中の東京が舞台なのに誰も死なないどころか、血の雰囲気を一切感じさせない不思議な映画。二階堂ふみと長谷川博己の存在感は唯一無二だと再認識させてもらったが、話にはいまいち乗りきれず。荒井晴彦が一番やりたかったのは「わたしが一番きれいだったとき」の映画化なんだろうな。この詩の悲しさを表現しきれなかったのがすべてだと思う。ラストのクローズアップは否定も肯定もしないけど、テロップは余計。 [DVD(邦画)] 6点(2016-02-25 13:58:09) |
139. コラテラル
《ネタバレ》 お前本当にプロの殺し屋かよと思ってしまうような突っ込みどころもあるけど、トム・クルーズの悪役ぶりがとてもハマっていて楽しい。白髪がとてもお似合いだ。ジェイミー・フォックスの小市民感もユーモラス。マイケル・マンのかっちょいい演出もキレているように思う。しかし、プロの殺し屋とは思えないチョンボの数々がリアリティをそぎ落としてしまっているのが本当に残念だ。『ヒート』のデ・ニーロに通じるところがあるな。 [インターネット(字幕)] 7点(2016-02-25 13:53:42) |
140. トレーニング デイ
《ネタバレ》 素晴らしいの一言。これほど多くの出来事がたった1日の間に起きているなんて。時間経過を忘れさせるテンポの良さには敬服する。デンゼル・ワシントンがノリノリで悪役を演じ、イーサン・ホークを楽しみながら翻弄しつつ悪態をつく姿はもはや微笑ましい。デンゼル・ワシントンのインパクトがあまりに強すぎるために彼の演技を見る映画だと勘違いされそうなものだが、実はイーサン・ホークの通過儀礼を追いかけた映画だ。デンゼル・ワシントンの甘い罠に引っかかり続けた結果、この日の朝と夜では全くの別人に変わってしまう。彼の今後を予想することを拒否するような終わり方も良い。彼らの関係は『その男、凶暴につき』のビートたけしと芦川誠のそれに似ている。 [インターネット(字幕)] 9点(2016-02-25 13:50:38) |