121. スイート・チャリティ
《ネタバレ》 言わずもがなミュージカル仕立てで、かつナンだカンだ「半分は歌って踊ってんじゃネ?」てな感じにその面のボリュームが凄いコトも含めて、諸々と元ネタとは雰囲気が大いに違ってると感じるのですね。中で、私が思う最大の違いとゆーのは、根本的な主人公のキャラクター=ナニを一番に求めているか…ってトコロですかね。カビリアは自分の(悲惨な)人生に絶望してるんだと思うのですが、翻って今作のチャリティは「真実の愛」に唯々飢えている…みたいな。それに伴って、それこそアメリカナイズされたアーバンな質感+ミュージカルというごく「エンタメ」な要素もふんだんに加わって、シンプルにとにかく全編「楽しい」って雰囲気には仕上げられてると思うのですよね(⇒別に、チャリティの境遇自体の「悲惨さ」を際立たせたい…というコトではない、と)。でも、だから寧ろ、このラストって(ナンなら元ネタより更に)かなりコッ酷いバッド・エンドじゃない?とも思われたのですよ(逆に)。あの男……個人の信条とゆーのは在るとは思いますが、マジでクソろくでもねーな…と思ってしまいましたよね。。また逆に、だからこそ、其処からチャリティがオーラスに立ち直って来れたのは、前述のアメリカ的な(舞台となる土地そのものが備える)都会感・開放感・進歩性=未来への希望、みたいなモノが在ってこそ(実在してこそ)ではねーか…と⇒だから、たぶんコレ、今今にそのままやってもモ~成立しないかもな…な~んて。 [DVD(字幕)] 6点(2024-02-22 23:32:41) |
122. SF/ボディ・スナッチャー
《ネタバレ》 最近、元ネタの方を観てから今回再見してみると、思った以上に「まんま」なんですねコレ…(⇒でも、大昔に元ネタ知らずに観た時も「古いなァ~!」と思った記憶は在りますケドも…)とは言え、元ネタは80分位なのにコッチは軽く1.5倍の尺には為ってるのでして、そしたらソリャ~こ~なりますよねって感じにグダグダしてますよね。それでもラスト30分位は、筋書き的には大まかには同様ではありつつも時代相応に(ある程度)派手+グロくはなってるので、全く使い道が無いってホドではね~かな~とも思います…ケドも個人的にはどっちかちゅーなら元ネタの方を観た方が好いかな~とも思いますかね。どのみち、アクセスし易い方を観るしか無い様な気もしてますケド。。 一点、元ネタは何となくアメリカの「田舎」が舞台なのですが、コッチはフツーにサンフランシスコが舞台なのですよね…個人的には、そーいう開放的で繋がりの薄い(=隣に誰が住んでるのか知らない…的な)コミュニティを舞台にしてんのも、却って逆効果じゃね?と思ったりもしました。まあ、アメリカだとシスコでも&この時代ならば、今の日本ホドにそーいう感じでもなかった…というコトかも知れませんケドね。 [DVD(字幕)] 5点(2024-02-21 00:53:15) |
123. 湯道
《ネタバレ》 非常に優れた一つのアイデアだ、と思うのですね。こーいうのってこの国には他にも、ホントに&フツーにたっくさん在るのだと思うのですよ(⇒例えばそれこそ、こないだの『PERFECT DAYS』のアレとか、とて)。おそらくそれは、概して単なる技術・知識の体系には留まらず、或いは実践や修行の方法論や数限り無い(成功と失敗の)経験則を含めてもまだ足りない、もっと高次の文化や伝統、場所・人の集まり、価値観・思想・美学、そして更に上のナニか、までをも包含している、それに「道」と付け加えて「可視化」するというやり方は、実にしっくりと分り易く、且つ効果的だと思うのですね。もし失われるくらいなら、とりあえずも~ナンでも「道」って言い張っちゃえば好いじゃんか!な~んて(⇒ジャンルも問わず、集団だろーが個人だろーが、誰かが一生掛けて懸命に極めて・歩んでるモノだったら全部それで好いんじゃねーか…と)。 群像劇とも言える様な言えない様な、確かに少し雑多な印象が冒頭からも強いという作品には見えたのですが、この構成は結局、そーいう非常に多様な側面を持つ奥深きとある概念、を表現するための演出上の仕掛けだったのだ…と思えば、個人的にはソコにもかなりしっくり来たとは言っておきたいです。また実に、ホッコリと文字どおり「温まる」お話の集合であったコトも含めて、心置きなく一点プラスしておきます。 [DVD(字幕)] 8点(2024-02-19 23:57:37) |
124. ゴールデンカムイ
《ネタバレ》 いや~評判に違わず面白いですね!原作等には全く馴染みがありませんが、そんな私でも全然フツーに楽しめましたし、諸々と「彩り」が頗る好かったという印象がありますね。アクションとしても、戦争もの・サバイバルもの・アニマルパニック⇔剣技・銃技・体術、と普通に多彩だったと思いますし、軍・(アナーキーな)脱獄囚・アイヌ、と登場する勢力も様々です。特にそのアイヌの方々に関して、色々な用語や概念の説明とかだって少なからず「箸休め」的に違った面白さを作品中に差し挿むコトが出来ていたと思いますし、映像も(アクション部分が最近の邦画準拠の”思ったより”好い出来であるコトに加えても)また特に「自然の美しさ」を際立たせた様なカットも随所で脳裏に焼き付く様な素晴らしいモノだったと思います。ラスト付近のアクションもキョウビ決して超常現象レベルの要素を入れ込んでいないにも関わらず、かなり工夫して必要に「派手」に見せ付けるコトが出来ていて、コレも優れたつくり込みだったと思いました。続編にも大いに期待します(重ねて、原作未読で映画から先に観るかを大いに迷ったのですが、率直に映画館で観ておいて好かったと思ってます)。 [映画館(邦画)] 7点(2024-02-19 00:05:14)(良:1票) |
125. ボーはおそれている
《ネタバレ》 スッッゴく雑に一言で言っちゃうと、多分「実験映画」系…てヤツかなって思いますよね。結局、筋書きとかテーマだとかってレベルのトコロに一貫性が在るってコトでは(必ずしも)なくって、どちらかとゆーとソレ=一貫性が在るのは、描写の個々の性質・方向性の方のレイヤーだ…とゆーか、要はこの世の森羅万象の中でごく「正視に耐えないモノ」「(全力で)見て見ぬフリを極め込みたくなる様なモノ」を手当たり次第に全部詰め込んだ!(⇒監督の感性の下に!)て方のヤツに見えるのですよ。ソレはまた取りも直さず、全体としても特に諸々の「虚実」が終始綯交ぜで進行し続け+最後まで観てもソレが全く整理も解決もされず+最初から最後までナニが「真実=主人公の(具体的な)現在地」なのかが分からないという、非常に根本的で強力な「不安・不快感」に包まれ続けたままフツーにシレっと終わってゆくコト、であるとか、ホアキン・フェニックス演じる主人公だってコレが余りにも事態対処能力が低いから尚更に感情移入が超・難しいコト、とか、そもそもそんな居心地の悪い時間が(明らかに意図的に)3時間も続くコト、だとかにだって思いっ切り表れて居ると思われるのですよね。人に依っては正直「嫌がらせ」みたいな映画だ…て思うと(私も)思うのですし、ソレって全然的外れじゃあねーよな…とも個人的には思ってますよね。 またごく個人的に、もう一つ例示しておくなら、なんとな~く『ハウス・ジャック・ビルト』と『ファニーゲーム』の中間…みたいなヤツって気もしてます。『ファニーゲーム』ほど「完全に」嫌がらせではない・ケド『ハウス・ジャック・ビルト』ほど明確に所謂「映画」としてつくられても居ない⇒から、絶対に映画として観れないってワケじゃない・ケド所謂「映画」として観れる作品にも+シンプルに摂取可能な(映画的)芸術にもなり切れても居ない、みたいな。まァ私もさっき「実験映画」だとは言っちゃってる以上、いくら摂取自体が難しいモノでもいちおう芸術は芸術だ(=見方に依っては芸術にはなり得るヤツだ)とは言わねばならんのかも…と思ったりはするのですが、だとしても少なくとも私自身は、そのコト自体にも根本的にあまり「価値」を見出すコトが出来て居ないのですよね⇒またまた取りも直さず、根本的に今作のこの「方向性」っての自体に、然程の面白み・興味・共感を覚えなかった…という事情もあります(またすっごくざっくり端的にゆーと、極めて「好きくない」方の映画だったよなコレ…と)。結論、正直、コレを観るんだったら(今なら)『哀れなるものたち』を観た方が好んじゃね?とも(少~しダケ)思ってはしまいますかね⇒コレもなんとな~くではありますケドも、多少その方向性「のみ」に関しては近いトコロも有るカモ…とは。 [映画館(字幕)] 5点(2024-02-18 00:34:22)(良:1票) |
126. 国士無双(1932)
《ネタバレ》 坂本頼光氏の活弁付きで鑑賞。だから、諸々とその活弁の力だ…と言った方が好い気もしなくもないのですが、ソレでもシンプルにメッチャ面白かったですケドね!後に散々リメイク・ドラマ化されてるってコトも踏まえて、コレは流石に(時代的にも)傑作と言って好いコメディなのではねーのでしょーか。偽剣術家の片岡千恵蔵+その他の顔芸に始まり、本物と偽物の対決!におけるドタバタコメディっぷりと言い、あと伴淳のポンコツ仙人とかも(最早)個人的には笑い死にしかけちゃいましたケドね⇒こんなシュールなボケが100年近く前に既に在ったのケ?みたいな…重ねて、正直こーいうのって初体験だったので、その「活弁の力」を映画の評価としてドコまで落とし込んで好いのかってあんまし見当が付いていないのですケド、いったんフツーにこの位の評価にしておきます。観れるなら、観ておいて絶対に損は無いと思いますね。 [映画館(邦画)] 7点(2024-02-18 00:10:26) |
127. ドント・ウォーリー・ダーリン
《ネタバレ》 意図的ではねーのですが、ついこないだ『MEN 同じ顔の男たち』を観てやったと思ったら、ま~た超・似たよーなヤツを観てもーた…てのが最大に支配的な感想ですよね。。示し合わせたワケでは(また)ねーのですが、毎度のコト実際に観る頃には観ようと思った理由を忘れちゃってるモンですから。。そもそも(なんとな~くですが)観始めるまでマジでコメディかなんかだと思ってたし。。 今作は、所謂「ディストピア」系のSFスリラーで、かつその内容・展開運び自体の面に限ればごく非常にコテコテ・典型的な作品だとも思うのですね。しかし、今作が監督二作目というオリヴィア・ワイルドですが(兼任で助演女優もやってますが)、彼女は前作『ブックスマート』でもシンプルな青春コメディに多分に+現代的にまた所謂「ダイバーシティ」な要素を取り入れて、キョウビごく受け容れ易い作品に見事に仕上げていた…というトコロは今作でも引き継いでいます⇒今作では、そのスリラーとしての「恐怖の根源」=ディストピアがディストピアである「理由」の部分を、再び現代的に(フェミニズム的な観点から)アップデートした…というコトかと率直に思えますね。重ねて、お話の内容(⇒どう展開して何処に帰着するか)なんかは観始めて10分でおおよそ見当が付いてしまう…みたいなヤツなのですが、前述のアップデートがしっかりしているコトや、映像の端的な出来の好さ、加えて主演のフローレンス・ピューの(コレまた)出来の好さ、なんかも加味すれば、全然悪い作品ではなかったかな…とは余裕で思える程度の作品だとは思うのですね。個人的には、やや尺は長いかな(=この内容ならもう少し短くても好いかな)とも思ったりしますが、そんな私でも全然フツーに最後まで楽しく観終われたかとは思ってます。お暇なら是非。 再度、フローレンス・ピューはまた中々好い仕事をしていたと思うのですね。実際、ヒーローもので大暴れ!してたりもする彼女ですが、なんとゆーか単純に諸々と「強そう」な女のコに見えるのですわ。だから、その意味でも確実に今作の主役にはピッタリだったな…と(重ね重ね、その件の「アップデート」を考慮したとしても)。 [DVD(字幕)] 6点(2024-02-16 22:12:46) |
128. 薄桜記
《ネタバレ》 うーん、市川雷蔵カッコ好いな~~ちょっと驚きのカラー作品だったのですが、時代的にも相当に古めかしい時代劇映画で、かつ(たぶん時代相応に)色々とコッテコテ!でもありますよね。雷蔵自身も、後に他の作品で観た時よりも、シンプルに遥かに「歌舞伎」寄りの演技をしてると思いました…がソレが何やら実にカッコ好い!凄みに溢れて居る!のですよね。重ね重ね、コテコテに武士の(古~い)価値観丸出しな感じなので、やはり少しダケ「ソコまでせんでも…」みたいなコトも随所で感じられはするのですが、私みたいな小物としては(だとしても)モ~黙るしかない…みたいな凄さが在りますね。殺陣も、オーラスなんか特にそー思いますが総じて好い出来でしたよね(⇒ココに関しては、古い作品過ぎてチャンバラにSEが全く入らないのが結構に違和感ではありましたケドね⇒そーいうのって何年ごろから入り出すんすかね?) とは言え一点ダケ、また肝心な真城千都世さんに関してはやはり率直に今一つ…だったかも知れませんね(まあ多分、ほぼ新人みたいなコトなのかとは思うのですケド…)。ルックスはフツーにかなりの美形で、見たダケなら「綺麗で瀟洒なお姉さん」みたいな感じなのですが、特に序盤は十八九の女のコか!的なキャラの浅さマデが見え透いてしまうホドで。。終盤付近は、流石にちょっと好くなった気もするのですが、もっともっと好くなってくれないと元が取れない…みたいにも(やや)思われてはしまいましたですかね。 [DVD(邦画)] 7点(2024-02-13 23:38:25) |
129. コンパートメントNo.6
《ネタバレ》 旅は人生の象徴・縮図とゆーか、それが非常に分り易く伝わる様な(+それでいてソコまであからさま・押しつけがまし過ぎずにアッサリともして居る様な)手堅い良作だったかと思います。人生は(否応無しに)どこかに向かって進んでゆくモノであって、旅はそれを可視化・具現化する…とでも言いますか(⇒前進・成長や挫折・焦燥、また望む望まざるに関わらぬ人との出会い&別れをも産んでゆく…と)。かなり淡々と進行してはゆくモノの、主人公がフィンランドの人で舞台はロシア、という(端的な)モノ珍しさもあり、私もワリと淡々とスンナリと観てゆけた気がしてますね。重ねて、ユニークと言うよりは⇔手堅いと言った方がしっくり来る様な作品かとは思いますが、十分に楽しめるとは思います。一点、今作は製作も(本国での)公開も2021年で、翌年からのウクライナ戦争は作中の演出には無関係だと言っても好いかとは思うのですが、それでもフィンランドとロシアの歴史的な&現状における二国間関係を鑑みても、ニュートラルに眺めるのが少~し難しくなってしまっている…というコト自体は、やはり少し残念な事象だとは思われますかね。 [DVD(字幕)] 6点(2024-02-13 17:47:26) |
130. 呪いの館(1966)
《ネタバレ》 この作品も、前々からバーヴァの代表作だ…とは聞くダケ聞いては居たのですケド、探しても観る手段が無さそ~かな~と思ってたら⇒なんかサブスクでタダで観れる様になってました。好い時代になりましたよね。 今作は、コテコテなるオカルト・ホラー、かつ時代相応?にかなりオドロオドロしい雰囲気を擁するコトを含めると、まずは60年代当時の(ハマーフィルムに代表される)怪奇映画的質感の正統なる継承…とか、或いはこの後70年代に流行するオカルト映画の萌芽…みたいなモノだとかがヒシヒシと感じ取れるってヤツに思えます。そして流石にバーヴァ最高傑作と称されるダケはあり、雰囲気がのっけから実に好いのですよね~~ロケ地・建物の感じとか、質感自体は前述どおりハマーが(チャンと)つくったこの頃の作品準拠のレベルかとも思いますが、部分的な建物の装飾のゴージャスさなんかはそれ等を少し上回ってたかと思います。お話自体はかなりシンプルで、但しショックシーン自体は(後のイタリアン・ホラーをまた彷彿とさせる様な)鮮やかで凄惨な良クオリティに仕上がってましたですね。且つは何より、最も肝心なるホラー的ポイントゲッター・メリッサちゃんのブキミな有様の凄さ!美少女感は確かにまたビンビンなのですケド、ドコかナンだか不自然でブキミ…と思ったら実は男のコに演らせてるんだそーで⇒な~るほど、だから当然に違和感が在りまくるワケですよね!(実にシンプルで簡単で、かつ効果的なアイデアだな…と感心してしまいましたよね) 一点、冒頭で横死する女性を含めれば、メリッサちゃん以外に大人の女性が計4、5人は登場するってのはちょっと多くない?と思ったりもしますケド、各々比較的演技に凄み・キレも在ったので全然好しと出来ますよね⇒特に、ヒロイン?のモニカちゃんの終盤の狂乱ぶりや、案の定のラスボス・グラプス夫人の(コレもオーラスの)深淵なる狂気、とかも好かったかと。結論としては今なお全然フツーに楽しめるクラシックホラーかと思いますので、この機会に是非。追伸、メリッサ・グラプスって、あの『サイレントヒル』のアレッサ・ギレスピーに字ヅラがソックリじゃねーですか?(まさかの元ネタ?) [インターネット(字幕)] 6点(2024-02-12 10:13:53) |
131. リトル・マーメイド(2023)
《ネタバレ》 前提として、主演女優の選定に関するあまり面白くない議論があった作品なのは(私も)承知しているのですが、観終わって私自身が考慮・検討した限りでは、この事に係る本作中の各種の変更・調整・配慮といったものは、作品の本質的な部分にまで及ぶものではなかったと結論しておりますので、この事が作品に対する(私の)評点に影響を与えるということはありません。 その上で、私自身は、また全然フツーに面白かった・楽しめたと思うのですね。映像面は近年のディズニー水準ド真ん中…みたいな感じとは言え、まずやはり水中の煌びやかなシーンなんかは十二分に爽快で美しかったと思いますし、流石の名曲揃いに流石のロブ・マーシャル監督…ダケあってミュージカル部分の出来もごく行き届いていたと思いましたよ(+特に主演女優さんは中々の歌唱力だったと素直に思いました)。全体の尺自体は(話の内容に比しても)ちょっと長かったかな~とは思いますが、ミュージカル映画だとごく通常どおり…かとも思ったりはします(エンドロールがまたちょっと長めだったりもするので、個人的にはまァ別に…とも)。原作にも比較的忠実っぽいので、ある種・ある意味「無難」と言って好い様な手堅いクオリティの実写化だったかな、と思いますかね。 ただ、私自身はまた正直、アニメ版にはそれほど思い入れが無いって鑑賞者ではあるので、そーいった個々の感情が有る場合は、どーしようもない「違和感」とゆーのはまま生じ得る…てのは理解してる積りです。私自身においても多少、そーいうモノが在ったのだとしたら一つ、今作って妙に「画面が暗い」コトが多かったな…という気はしましたね。特に、アニメのディズニーだともっともっと「明るく楽しく」て感じだったんじゃね?みたいな感覚は比較的強くて、だから今作は(その感覚からすると)明るい・楽しい・元気!とゆーよりは、結構シリアスで・ちょっと「怖さ」も在って・かつナンか活気が無い=大人しい…みたいな質感に寄っちゃってた様にも感じられますね⇒ソコは、個人的には(少しダケ)そーじゃない方が好みだったかな…という気もします。 もう一点、否応無しに(+本来不要で不当なコトだ)とは思えど、またどーしたって主役のアリエル(の一挙手一投足)に観客の視線が集中する様な状況になっちゃってた…とも思うのです。がソレを鑑みた時に、そーいった視線の集中を巧く「逸らす」様な(望ましく目立つ)サブキャラとゆーのがまたちょっと居なかった…て気もしてますかね。この点でもある種「無難」だとゆーか、この場合なら流石に「王子」に関してはもうオーソドックスにした方が好い…てのは状況的にもそーだと思いますが、他も総じてそーだってなるとちょっと…と(コレも少しダケ)モヤっとしてしまうトコロはありますかね。色々と、複雑で高度なプロの検討&判断が在ったモノだとは思うのですケドも…… [インターネット(字幕)] 7点(2024-02-11 23:02:25) |
132. ハウリングIV
《ネタバレ》 まずですね、このつくりをやるなら、フツーたぶん「一作目」なんですよね。聞くと、この80年代の『ハウリング』シリーズには原作小説ってのが在ったみたいで、ソレが1977年の小説『ハウリング』(=多分、狼男伝説を当時のアメリカを舞台にモダナイズした様なヤツ)で実はダンテ監督の一作目がそもそもソレの映像化という建前だったって事情らしーのですよ。でも正直、英語版Wikiでプロット読む限りでも全然違う話になっちゃってるよーでして、んで結論的にはこの四作目がナンとその原作小説の「忠実な」映像化…てコトのよーなのですよね…(⇒ある種の「原点回帰」なのですかね…) …なのですケド、どーしたってシリーズものとして観てるコッチとしては、も~当然「原因・犯人」は割れてもーてますのですから、ソレがいつ出てくるのか・どんな感じのが(今回は)出てくるのか、てコトにしか興味関心が湧かないのに、結局ソレが終盤残り30分までほぼ姿を見せないし・イザ出てきたって別にいつもと同じ感じで出てくるし…(まァ前述の事情があるからある意味当然ではあるのですケド…)そーすると、私個人の結論的な評価としても、ソレこそ本レビューのド初っ端に書いた一文のみで既に事足りちゃったって始末になってまうのですね。。コ~レは流石に…B級ホラーのごくエコノミカルな続編としては最早「ルール違反」って気もしちゃいますですかね…(そーいうの求めてんじゃないっちゅーか…) ただし一つダケ、遂に狼男出現!的なクライマックス付近では、今までとは異なるアプローチによる禍々しいその「変身」シーンがつくり込まれていたりとか、ごく悪魔的な存在として描かれる今作の彼らの「ビジュアル」的な部分のキレ味なんかは比較的良好だと思えたコトとか、加えてオーラスはまた結構シンプルにド派手だったコトとか、コンセプト通り原作に忠実に丁寧に運んで⇒でもオーラスは思い切りハッチャケた!てなコトにも見えました。ソレに関しては却って、続編B級ホラー的にごく正解に近いコトだとも思えましたので、評価としては一旦この位にしておきます。 [ビデオ(字幕)] 4点(2024-02-11 09:08:51) |
133. ハウリングIII
《ネタバレ》 ほほォ……そもそも何故かオーストラリア製作(作中舞台も撮影地もソコ)になってたり、なんちゅーか「ガラッ」と変わってますね(何もかもが)。お話としても、確かに後半は全くホラーじゃあなくなっちゃってますよね。もし仮に、コレって『ハウリング』?それとも『ダンス・ウィズ・ウルブズ』の方?て訊かれたら、個人的には後者の方に近い…と言ってしまいそうな気すらします。ただ、そのワリには、全体のストーリーとしても展開運びとしても、まあまあ好く出来ていた・組立てられていたという感じもするのですよね(私も、その後半は率直に、何故かそこそこ面白く観れてましたよ)。オーラスのおふざけは一旦置いたとしても、ごく個人的にはⅡよりは全然マシだったかと思いますよね。 とは言え、脚本がそれなり…な気もする一方で、逆に技術的な面がかなりイマイチ…というやや珍しい感じであるコトも否めませぬ。端的にまず、冒頭からも編集・繋げ方がクッソ微妙(雑)に思えたとゆーのが、ちょっと許容できないレベルで非常に唐突に場面転換しまくる(から繋がらない⇒カット数も多分足りてない)のとか、殊ショックシーンなんぞは総じて「肝心なトコロだけ抜けてる(多分撮ってない)」てモロ手抜きだったりとか、後半は更に一瞬で何年も時がスッ飛ばされたりとかでチョ~駆足にも見えたりとか、ザックリゆーなら(B級レベルに達しない程度にまで)手抜き・予算カットが甚だしい…って印象ですかね。当然、たまにチャンと撮ってる特撮シーンも、コレはⅠは疎かⅡよりも頭一つ低レベル…てな具合でして⇒ただし、狼人間赤ちゃんのシーンだけは(出産シーンも+その後の成長していくシーンも)ドレも妙にレベル高かったのですケドね。つまり、最初からそもそもホラーにする気が無かった…てな気もしてます(⇒その一貫性や、却って善し)。 非常にどーでも好いコトかも知れませんが追加で一点、この件の調査をする科学者バディのサブの方の俳優さんが、ナンかどーにも見覚えある…と思ったら、オーストラリアのラルフ・コッテリルって『ウルトラマングレート』のグラント隊長じゃねーですか!!懐かしい…(涙が出るホド…) [ビデオ(字幕)] 4点(2024-02-11 08:42:50) |
134. カビリアの夜
《ネタバレ》 『道』はマイベストと言って好い作品なのですが、主演のジュリエッタ・マシーナの魅力の引き出し方、とゆーか彼女の本来のキャラに合っているという感じ自体は、今作の方が上回るかな、という気もします。元々が小柄なので、やはり若くも見えるものの、演者の実年齢として30台中盤~後半…というコトも含め、今作中の役柄としても20代後半~30凸凹という感じでありましょーかね。娼婦役として多少「酸いも甘いも」といった世慣れた感じ(だいぶまろやかな言い方をしてる気もしますが)も踏まえて、やはり役柄としては今作の方が、名優ジュリエッタの「本来の魅力」とゆーのをより大いに感じ取るに十分だったとも思うのです。改めて観直すと、驚くほどに・稀代のコメディエンヌだと言っても好いほどに、優れた喜劇俳優だったのだな…と思いましたよね。口調や表情、所作に至るまでどれも実にコミカルで、本当にどこを切り取ってもホッコリとクスクスと微笑ましく眺めてゆける作品でありました。それで居て、今作は(同時に)高度なネオレアリズモ作品であって、その微笑ましさを取り巻く環境・境遇というのはごく「悲惨」だと言っても好いモノでもある、でもそれ等をまた、このレベルまでの正統なる「コメディ」に仕上げられる・引き上げられるというのが(それこそ)フェリーニの技術と、そして重ねてジュリエッタの素晴らしさだと再認識できたのですね。やはり、紛うコト無き傑作だと思いますね。 時世がら、或いは時代の流れに依るトコロもあるかも知れませんが、ジャンル作品のみならず、最近はこーいう「社会を映す鏡」としてのドラマ作品なんかですら、特にネガティブな状況における描写の「ネガティブさ・過激さ」とゆーのは唯々エスカレートしてゆく一方だ…という気もしたりしてます。それはそれで大いに意味の有るコトではあるのでしょーが、こと劇映画に限るなら、私はやはり今作の方が(質感として)単純に好みですし、何より本質的にアプローチとしてもポジティブである、と思って已まないトコロではありますね。 [インターネット(字幕)] 8点(2024-02-10 10:00:58) |
135. チェンジリング(1980)
《ネタバレ》 さっき観たバーヴァの『呪いの館』で、似た様なシーンが在ったから(また)ちょっと思い出して再見しちゃったのですが、この映画ってやっぱシンプルにかなり「怖い」のですよね。ごく終盤のクライマックスまでは非常にサイレントなホラーで、ソレこそ製作年である1980年以降はめっきり減っていった系統のヤツ…だとも思うのですが、今今に観直しても(逆に)何故こーいうコトになっていってしまったのだろう…と思わざるを得ない、ソコにこそ、今作の(ホラーとしての)技術の高さ・真似の出来なさが凝縮されて居る…とも思うのですよね。何とゆーか、ウギャア!と驚く・慄く・慌てふためく、なんてコトとは真逆の方向性、正にあのジョージ・C・スコットをもが(例のボールの跳ねて来るのを見て)壁まで後ずさったかの如くに一瞬「身動き出来なくなる」という様な重くて冷たい恐怖の一撃が其処彼処に…て感じなのですね。うーん…ホラーを志す者ならば絶対に最初に観ておくべき、と言って好いレベルの傑作だと思います。未見の方は是非。 [インターネット(字幕)] 8点(2024-02-07 21:31:52) |
136. ラビッド・ドッグズ
《ネタバレ》 バーヴァ御大作のクライム・アクション・ロードムービー…みたいな異色作なのですが、製作当時にプロデューサーが破産して⇒権利関係がややこしくなって20年以上お蔵入りしてたって代物らしーのですね。また後に各国でビデオとして発売されたらしーのですが、本邦に入って来たのはつい最近…らしく、でも観てビックリ!スゴく好く出来てるんですよね~~~まるで御大の作品じゃねーみたいに!更に後にはどっかでリメイクもされてるみたいですし、某・他所のレビューサイトで調べても寧ろ御大の作品中で最高評価!になってたりもして(⇒まァ、流石に『モデル連続殺人!』とか『血ぬられた墓標』よりも多少上…て位ですケドね)。ぶっちゃけ、何かの拍子に劇場公開しても(宣伝次第では)ワリと話題になったんじゃねーか?てな気ィすらしてますですよ。今なら各所でロハで観れるので、お暇なら是非。 大枠としては比較的シンプルなクライム・ロードムービー(⇒人質を連れて犯人が逃げる逃げる!)ではあるのですが、その同乗者の人選+人数設定とかはまた好く出来てる・絶妙だったと思うのですよね。全員揃ってキャラも段々と見えてゆきますし(⇒だから行動に説得力・納得感も出て来る)結構続けザマにハプニングが起こり捲るのですケド、その部分にもヴァリエーション・彩りまでがチャンと在る様に思われたのですね。犯人連中は(3人揃って)極悪・下劣極まりなくて、だから凄惨なシーンが(また其処彼処に)在るのも+そいつ等にキレ味がしっかり在るのも、コレは御大らしくて再び好かったと思います。オチも最高ですね。サクッと観れて十二分に楽しめると思いますので、重ね重ね是非々々。 [インターネット(字幕)] 7点(2024-02-07 00:57:23) |
137. プー あくまのくまさん
《ネタバレ》 2点ダケ指摘するなら、まずは「原作再現度」とゆーか、プーさん(&ピグレット)が出て来るよ!とゆーて、着ぐるみは疎かそーいう「マスク」を被ってるダケじゃん!てコトっすよね。全体的な構成も然るコトながら(⇒まあコレは、全体的な構成があの有様であるコトの方が責任自体はやや重いかな~とも思いますが)結局一種の単なるマスクマンがブッ殺しまくるダケ…という意味では個人的には『ハロウィン』のバッタもんと何ら変わりは無い…としか言い様がありません。せめて言い加えるならまた最低限、着ぐるみ位は頑張ろーよ…としか。。(何故にプーさんが服着てんだよ…と。。) もう一つは前述どおり今作、結局のトコロ(ギリ)B級クオリティってコテコテ・スプラッタ作品でしかねーのです、ケド、にしても余りにも(=もはや時代錯誤にすら思えるホドにも)ひたすらに「羅列」過ぎるんですよね⇒唯々順繰りに女の子が嬲り殺しにされてゆく…ダケで抑揚や展開が無さ過ぎる。やってるスプラッタそのもののレベル自体は決してC級以下ってワケではない…とも思われるのでして、だから見せ方をもう少しダケ工夫すれば多少以上にマシになったかも知れませんよね⇒本当に本当のオーラスのみは、本当に少しダケそれが出来てた気もするから、ほんの少しはハラハラして観れた気もしなくもない…(まァその「終わらせ方自体」はまたかなり疑問符を付けざるを得ない様な代物ではありましたケド…) 結論、本当にマジで退屈すぎて心臓停まっちまうわ!てな晩に、偶々無料で観れるとかって奇跡的な状況であるのならば、ギリ使えなくはない…位に暇潰しには為るかもな、と思いますかね。該当する方は一考アレ。 [DVD(字幕)] 3点(2024-02-07 00:44:09) |
138. MEN 同じ顔の男たち
《ネタバレ》 コレも一種のフェミニズム映画だとゆーか、女性の嫌悪⇒恐怖の対象となる「男性の醜悪さ」とゆーのをドロドロと煮詰めたコトによって結晶化したホラー、とでも言えば好いでしょーかね。ただ第一に、それでも思ったよりはシンプルにしっかりホラーにも成ってた…とも思うのですよね。取りも直さず、女性が男性のナニを怖いと思っているのか(或いは呆れているのか)といったトコロは、ある意味適切にやや抽象化されてはいるモノの⇒個人的には十分に(否、十分すぎるホドに)伝わる程度には明白であったとは思いますし、ゆーてコッチも全く身に覚えが無いとは到底言い兼ねる様なコトでもありましたし。だから少なくとも、今作って女性にとっては大いに共感可能な立派なホラーなんだろーな…というコトについては、私でも十分に納得は出来た…と言いますかね。 マ~とは言え、ココまでやられちゃうとちょっと(コッチとしては)評価自体は難しくなって来るな…と思うトコロもあります。そもそも重ねて、コレは女性には確実にホラーたり得ると思うのですケド、例えば私には(率直に端的に)怖い!とかでは全くなかったですからね⇒強いてゆーなら「居心地が超悪い」です。だから根本的にホラーとしては「分らなくはないケド」でしかなかったのがまず一つと、加えて余りにも(特に終盤が)シンプルに醜悪・悪趣味すぎるとゆーのと、それとも関連して最後3つめ、言いたいコトは分かるケド⇒それでもこんなに露悪的に言う必要ある?(ココまで言われんとダメなの?)とだって頭によぎらなかったかと言えば嘘にはなりますね。でもまた、そーいう世の男共の「反省せずに差別を再生産してゆくサマ」てのが、あの「男が男を産む」シーンとして凝縮されていたのかな…なんて気もしますケドも。ゆーてでも、今作だって男が脚本書いて男が監督してますケド、じゃあそれはどーなの?(それをソッチはどー捉えてんの?)と思ったりもしますケド…(それ位は許して…) ただし、更に一点ダケ、コレはシンプルに物理的にホラーとして(或いは映画の描写として)少しイマイチだったのではねーか…と思われたのが、作中最大のトリックである「男が全員同じ顔」って仕掛けだったのですよ。コレって結局、非常に単純に「男なんて皆同じ様なクソ野郎」てコトなんでしょーケド+ラストでは肝心な元夫もそれに連なる一員だった、と描かれるには描かれるのですケド、ソコに関してはこーいう「雑な繋げ方」ではダメだったのではねーかな、と思ったってコトなのですね。話の構造上、主人公の女性が抱く恐怖の最大の根源とゆーのは元夫なのですから、片や中盤以降でホラー的な恐怖を担う(皆同じ顔だけど⇔元夫とは違う顔の)「村の男」と元夫の関係…てのがオーラスでチョロっと描かれるダケ(=ソコでリンクするダケ)てのは、端的にNGだったと思うのですよ⇒要は、実在する元夫に対して何故に村の男は「あの顔」なのか?てトコロに理屈が無いのが雑だ、と。その部分にトリックとして鮮やかさが無いから⇒言いたいコトも明白「すぎる」し+言い方も「雑&直接的すぎる」し⇒だからどーにも「深みが無い」という鑑賞後感になってしまってる…という気はしてます。 [DVD(字幕)] 6点(2024-02-05 23:30:38) |
139. ボディ・スナッチャー/恐怖の街
《ネタバレ》 まあ、根本的に「白黒」のホラーって、今今に観てもその怖さって残念ながらほぼほぼ伝わらないかな~と思ったりもするのですケド、その中じゃあ今作って相当に「怖い」方だったな~って感覚は確かに在るのですよね。ロメロの『ドーン・オブ・ザ・デッド』前(かつ『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』後の時期)て、その後のヤツと違って多少理性が残ってる系のそーいう作品も在った様に記憶してまして、他だとそれこそ(コレもその頃なら)『ウィッカーマン』とか、それより少し前だと『地球最後の男』とか、この手の「見た目フツーの人間だケド人間じゃない or 人間を人間とも思ってない程に悪意の凝り固まった狂気の集団」とゆーのが、やっぱイチバンに怖い&シンプルに厄介だ…と常々思ってるのですね。経緯を確認すると今作、映画としては『地球最後の男』よりは先行ですが、原作小説的にはコレがテレコになってるみたいすね(マシスンの原作は1954年出版で、今作の原作小説『盗まれた街』は単行本化が1955年なので)。あと、私は観てる間には気が付きませんでしたが今作はその点、当時の社会的な共産主義・全体主義への恐怖とゆーのがバックボーンに在る作品ってコトなのでして、その辺も含めてこーいうのの「根っこ」を辿りに辿るってーと、結局そーいったモノに(全部)辿り着く…みたいなコトが見えて来る様な気もしますかね。また結局、リアルでない恐怖など(そもそも)恐怖ではねーのだから、その根っことゆーのは総て現実社会に根差したモノのハズなのだ…みたいなコトかと。 あと、今作で「逆に」面白いと思ったのが、別にコレは単に時代的・技術的なコトだとも思うのですケド、全体の質感として「如何に普段周りに在るモノだけで恐怖SFを撮れるか」みたいなつくり方をしてる様にも見えたのが寧ろちょっと面白かったのですね。またまた結局、その意味からも本当に「見た目は人間にしか見えない」って今作のモンスターとゆーのが、それがやっぱ「逆に怖い」という意味でも作中最も優れた「アイデア」だったと思うのですよね⇒重ね重ね、コレって困難を乗り越える為の単なる「工夫」の一つだったとは思ってますが。この「不可能を可能にする」ってのが本来のアイデアなんだ!としたらば(⇒要は「ゼロイチ」のコトだ、と)キョウビCGやら何やらで・誰でも何でもカンでも可能になっちゃってるってこの状況だと、根本的に本来的な「アイデア」なんてモ~湧いて来なくなっちゃうんじゃねーか…な~んて思ったりもするのですよね(⇒こんなん素人の杞憂に過ぎないってコトであってほしいですケドね)。 [DVD(字幕)] 6点(2024-02-05 16:06:15) |
140. サイレント・ナイト(2021)
《ネタバレ》 思えば意外と、この手の「世界の終わり」系の映画って結構にぎょーさん在りはりますよね(ジャンルとしても色々在るし)。でも、個人的には今までも正直言って、ゾンビ映画を除いてはどれもあんまし面白く観れては来なかったな…て感覚もあるのでして、やっぱ基本はネガティブにしか為らない・終わらないですもんね、と………今作は、オーラスには何か少し解釈をブレさせたい様な「小細工」も仕込まれては居ましたケドも、でも根本的にはシンプルに唯バッド・エンドでしかなかったとも思いますし、私としては(重ねて)苦手なジャンルの苦手なヤツだったと言っちゃって好いだろうと思います。とは言え、この「原因」としていちばん好くあるのはゾンビ(感染症)か隕石だと思うのですケド今作は「雲(霧)」とゆーコトで、それこそ『ドント・ルック・アップ』みたいに降って来るよと言われてもイマイチピンと来ない隕石よりは「覚悟が出来る」or「覚悟をせざるを得ない」ってコトだとも思うので、結果として登場人物達も揃って結構落ち着いては居た様に見えてましたかね。でも多分、事象発生当時は(別の地域が全滅してゆくサマを目の当たりにして)もっと取り乱して+かつ絶望したんだろーなァ…と思うと、彼らは其処からチャンと立ち直ってるってコトにも見えたのは=自分なら絶望から立ち直れずにベッドから起き上がれないかもな…と思ったってコトも含め、皮肉で性悪な連中にも見えましたが・総じて結構大人な人達だよな…と思ったりもしましたかね。 それでも、最初に述べたこのジャンルの作品としても実に超・シンプルとゆーか「捻り」が全く無いって方の作品にも見えますよね。ハッキリゆーとジャンル不明にも近いですが(=実は、この題材の作品として根本的にナニが「差別化可能なコンセプト」だったのか…もイマイチよ~分からんのですわ)強いてゆーならシニカルなコメディなのかとは思います。でも、だとしても(やっぱし)イギリス人とは笑いのセンスがかけ離れてるな~という感覚にしかならねーのでして、結論はどーにも苦手で好みじゃない方の映画でしかなかったな~と。がしかし、特にそのシニカルな会話劇の部分は決して詰らないとまでは言えない程度に眺めてゆけたって感じでもあるので、迷いに迷ってこの評価としておきます。キーラ・ナイトレイって、前にもこのジャンルの映画出てませんでしたっけ?(エンド・オブ・ザ・何とか…みたいな…?) [DVD(字幕)] 5点(2024-02-03 13:43:42) |