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コメント数 1693
性別 男性
自己紹介 基本的に3~8点を付けます。それ以外は、個人的に特別な映画です。

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1441.  怪物の花嫁 《ネタバレ》 
ティム・バートン『エド・ウッド』を観る前に、この映画だけは絶対に観て欲しい。そうしないと、ランドー渾身の「ルゴシの名演技」シーンが理解できないからだ。実際、本作においても観るべきシーンは殆ど無いが(タコとかどーでもいいし)、件のルゴシのシーンは強烈に印象に残っている。個人的に、この手の大駄作を鑑賞する意味は反面教師、つまり良くない映画を観ることで良い映画の何が良いのかをより良く理解できるようになることだと思う。私はこの映画で、ダメなプロットにダメな演出、しかしそれさえも超越して画面を引き締め、観客の目を釘付けにする名演技・名優が存在することを大いに学んだのだ。若き日の私にとっては、生涯忘れられない作品となった。
[DVD(字幕)] 3点(2020-02-04 14:12:07)
1442.  ふたりの女王 メアリーとエリザベス 《ネタバレ》 
悲劇の女王メアリー・スチュアートの生涯を描く。ほぼ史実に忠実な映画化らしいが、人物関係や状況の説明はやや軽めで、歴史の前提知識が無いと少し辛いかも。メアリーは中々に「高貴」な女性だが、あまり有能な君主という感じはせず、どちらかというと(現実の政治的処理をテキパキこなす)エリザベスの方に感情移入してしまった。この女優2人はどちらも君主らしい威厳も然ることながら、苦悩に満ちた人生を生きる女性を非常に好演している。シアーシャちゃんはこんぐらい出来て当然だと思ってたが、マーゴットがこんなに優秀だとは思ってなかった(ゴメン)。実話ベースの話の内容自体はそこまで盛り上がる訳でも無く、よく言ってそこそこ程度。とは言え、前述のふたりの演技だけでも観る価値は十分。良作歴史映画。
[インターネット(字幕)] 7点(2020-02-03 23:10:15)(良:1票)
1443.  ザ・フォーリナー 復讐者 《ネタバレ》 
往年の二大スター競演作だが、ブロスナンの方はほぼアクションも無し、役柄的にも殆ど何もしない(何もできない)&身内も統制できずに裏切られまくるとイイとこ無しで、そこは少し残念。ただ、見た目のシブさは流石の素晴らしさで(ちょっとショーン・コネリーぽい)、もっと他の作品でも見たいと思った。  だから今作は言うてタイトルどおりの「復讐者」ジャッキーの物語で、冒頭、娘を亡くして落ち込む様子は観てるコッチが大丈夫か?と心配する程にヤバい老け込み方だが、それは擬態。爆弾は駆使するわ、カンフーは健在だわの大暴れ、観てるコッチが大丈夫か?と心配する程に体張りまくりのノリノリぶりで、アクション面は質・量ともに見事な出来映え。加えて、今作のジャッキーはとにかく顔が怖すぎる(仇を為そうもんなら一族郎党祟り殺すかの様な中華系ヤバい人な感じが炸裂している)。ラストも警察に任せりゃいいのに、犯人一味は皆殺し、一枚噛んでたブロスナンも破滅させるパーフェクトな仕事ぶりで、腹十二分目までオナカいっぱい。文句無しにオススメ。
[インターネット(字幕)] 8点(2020-02-02 17:20:25)(良:1票)
1444.  アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場 《ネタバレ》 
「継続戦争」を全期間にわたって、フィンランド兵士の視点でダイジェスト的に描く。明確なストーリーが有るというよりは、種々の戦闘・戦場描写の積み重ねを通して、この戦争の真実・実態を描き出そうというつくりだが、戦場描写は大半が寒そうな泥んこ森の中での歩兵戦に占められており、思ってたのよりもだいぶ地味(なんかこう、雪原でスナイパーが大活躍!みたいなの想像するジャン!)。  ただ、殊に戦況が悪化していく終盤は戦場の様相もだいぶ悲惨で、しかしそんな中でも(この手の戦争映画にしては珍しく)士気の高い愛国的な兵士達には、悲壮さと、そしてある種の気高さ・崇高さを大いに感じ取れるのである。フィンランド国民にとっては涙なくしては観れない作品だろうなあと思う。戦場描写は前述どおり結構に地味とは言え、かなりリアリティは高くつくり込まれており、見応えは中々。そして映画として観る価値も十二分。良作だと思う。
[インターネット(字幕)] 7点(2020-02-01 22:41:45)
1445.  AI崩壊 《ネタバレ》 
うーん…良かった点を挙げるとするなら、中盤以降のサスペンス展開は(内容はともかく)運び方自体はそこまで悪くなく、そこそこ緊迫感は維持されていたのと、同じ人工知能でも「コンピュータ」とか「スカイネット」とか言われるよりは「AI」って言われて舞台も2030年の日本としてみると、やっぱり身近さと真実味がだいぶん増すのは確かだと思ったし(AIも将来ホントにそういうの出来てきそうな感じな設定だし)、あと映画自体の質も予算が潤沢なようでかなり高いレベルにつくり込めているとは思った。  ただやっぱり、この色々とイマサラ感120%な題材の映画として、AI暴走の直接原因・その裏の黒幕とかにせよ(政府の陰謀とかやっぱり絡んでくるし)、中盤の追いかけっこにAI(というか実質監視カメラ)を絡めた描写にせよ、そしてラストの大オチなんかも含め、総じて肝心なトコロに大したアイデア・新機軸を感じない平凡な出来であったのはこれも確実で、何か一つでも目新しいものを、と思って観に行った期待は残念ながら裏切られたとしか言い様が無い。まあ別に大して期待はしてなかったけど(だってこんなダサい邦題正直見たこと無いし)。大甘に甘くつけてこの評価としたい。
[映画館(邦画)] 5点(2020-02-01 21:44:39)
1446.  ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密 《ネタバレ》 
かなり古風でオーソドックスなつくりの探偵もの。最終的にメインとなるトリックはそこまで奇抜という訳でもなくこれもオーソドックスだし(正直なんとなく途中で読めてしまうレベル)、探偵のキャラ、一同騒然な遺言状など、所々のつくりもまたかなりオーソドックスだとも言える。ただ、あくまで最初は普通だが途中から倒叙ものになりかかる(が、ラストにもう一枚ドンデン返しが有る)工夫を筆頭に、展開運びは全体的に比較的地味な割に最後までダレずに非常に面白く観れるし、何より「嘘がつけない」という推理ものでは正にジョーカーとも言える奇想天外な登場人物を、全体的にこれも非常に巧みに使っており(特にラストは素直にグッドだと思った)、その点は率直に優れたアイデア・良脚本だなと感じる。普通にオススメできる良作。
[映画館(字幕)] 7点(2020-02-01 01:12:58)
1447.  ターミネーター3 《ネタバレ》 
ジョンがノーカリスマなプータロー、ヒロインがクソブス、そしてアホみたいな大オチと、映画としての瑕疵を論えばキリが無い。がしかし、特に序盤のクレーン車シーンは、CGに頼らないアクションとしては確実に映画史に残る素晴らしい出来映え(もはや今後、これを超えるものもあんまり出てこないだろうと思うし)。その他のアクションも全体的に上々だし、ターミ姉ちゃんもセンス良いと思う(表情のつくり方とかの雰囲気もポイし、微かに笑ってる?とかの細かい所の演技も悪くなかったし、電磁砲も単純ながら良いアイデア)。また頗るテンポが良く、総じて意外と結構楽しかった。頭空っぽにして観る前提で、このジャンルでは十分に良作だと思う。
[DVD(字幕)] 7点(2020-01-30 01:09:25)
1448.  処刑山 -デッド・スノウ- 《ネタバレ》 
ガチの雪山で撮ってて頑張ってんな~とは思うが、中盤までは暗いシーンが多く、そこの照明の使い方に工夫が無くてただ暗いだけなので、単純によく見えなくて普通にイマイチ。終盤は一転して終始昼間のシーンになり、加えて矢鱈と血みどろな単なるスプラッタ合戦と化す。ここまで俳優の顔が血塗れな映画も珍しいが、白い雪原をバックに紅が映える様子は実に美しい(嘘)。チープだが結構好き。
[DVD(字幕)] 5点(2020-01-29 23:08:47)
1449.  夕陽のガンマン 《ネタバレ》 
男は黙ってリー・ヴァン・クリーフ。イーストウッドも決して悪くないが、今作のクリーフおじ様は控えめに言って格好良過ぎる(ハゲだけど)。冒頭とかマジヤバい(鷲の眼光、黒いインヴァネス、銃を勿体ぶってジックリゆっくり構えるトコとかもう最高)。イーストウッドとクリーフおじ様のタッグはあまりに負ける気がしなさ過ぎて少々反則気味だが、この点でも今作は貴重だと言える。二人のキャラ設定も、腕前はほぼ互角だが、若い分やや短慮なイーストウッドを、鷹揚に構えて見事にあしらうクリーフおじ様が半枚ほど上手、という描き方が非常に好み。レオーネ的なジックリとした撮り方は随所に見られるが(特に決闘シーン等の見せ場)、全体としては比較的テンポも良く、かなり観易い西部劇だと言える(まあ少ーし冗長な所もあるケド)。このジャンルでは屈指。
[DVD(字幕)] 8点(2020-01-28 00:38:41)(良:2票)
1450.  キラー・メイズ 《ネタバレ》 
肝心カナメの段ボール迷宮の種々のギミックは、チープながらも美術面で相当に面白くてセンスも感じる出来だと言える。が、話の方は全体にかなり意味不明で、それは終盤に近づくに連れどんどん酷くなってゆく。ギミックの出来もハッキリ、序盤の方が後半より面白い。  つまり映画としては率直にかなり尻すぼみで、文句無しに楽しみ切れたとは言えない感じ。非常にユニークな作品であることは確かだが。
[映画館(字幕)] 5点(2020-01-26 18:33:33)
1451.  his 《ネタバレ》 
本作に登場する二人は、見た目や口調その他の「外見」は男性だが男性愛者、という性的マイノリティである。この二人を主人公にして、LGBTをテーマとする種々のトピックス(社会啓発的な内容を多々含む)をかなり広範に取り扱ってゆくが、トピックスも多いぶん全体的な描かれ方はだいぶオーソドックスで分り易い「初学者向け」な風にも感じられるし、また率直に演出が少しクサいor大仰だと感じる場面が部分的にあったのも確かである。しかしそれは、このテーマに対する製作者のマジメさ・真剣さを表しているように思う。少なくとも、映画のコンテンツの一つとしてこのテーマを「消費」するような作品では確実になかった。  幾つかの社会的な、またはプライベートな困難を乗り越えて、物語は比較的穏やかに進行してゆきつつも、やがてそれは一人娘の親権を争う離婚調停へと収束してゆく。この場面は相当にシリアスであると同時に、一作品の枠を超えて非常に考えさせられる内容であった。つまりはそれが、性的マイノリティのカップルが母親と同じように社会で子どもを育てられるのかという答えの出ない問いに帰着してゆくからだ。例え社会的認識が確実に向上しつつある現在であっても、これも確実に差別意識も残存している中で、子どもが本当に幸せに為れるかどうかという冷徹な現実は理想論とはかけ離れた次元に存在すると思うし、作中でもそのことは(いくぶん差別意識への批判を交えつつも)明確に描かれていた様に思う。最終的な彼の決断は、恐らく自身の「唯一の子」となるだろう娘との生活を手放すという極めて重いもので、そこには、感動するとか泣けるとかそういう感覚を超えた(共感したくても出来ないという様な)筆舌にし難い感情を覚えた。  愚直な映画であると思う。クソマジメだし、重いし、それを飾らずそのままぶつけてくるかの様な作品だと感じる。でも、そこに感じる青臭い真摯さは個人的にとても好きだし、素直に観て良かったと思う。  そして、本作のテーマ面の出来からすれば些末なことではあるが、まず離婚調停での葛藤を最大化している緻密な人間関係の設定は、色々とかなり良く出来ていたと思う。演技面でも、宮沢氷魚と藤原季節の主演二人は自然な演技で違和感もなかったし、また、実は葛藤という意味では、主演二人よりも種々の場面でより複雑な演技を要求されているようにも思われる母親役の松本若菜も、二人以上に素晴らしかった。
[映画館(字幕)] 8点(2020-01-26 04:26:41)(良:1票)
1452.  アルキメデスの大戦 《ネタバレ》 
一人の天才の活躍を描く(ある種のよくある)ヒーロー映画だが、題材の着眼点は相当にユニーク。そして、頭脳明晰(決して頭でっかちという訳でなく、状況に応じて柔軟に行動できる本当に「頭の良い」タイプ)、愚直なまでに実直、かつ剛毅果断な主人公は、軍隊嫌いとか抜かしつつも非常に軍人向きなキャラクターで、話によく合っていた(もちろん菅田将暉の演技も、有能さ&変人ぶり&青臭さと熱さを兼ね備えた素晴らしい出来だった)。  ただ彼も、真にこの騒動の本質を最初から見抜いていた訳では無く、そのことを最終対決の真っ最中に(今まで尽力した見積の計算など無意味だったという衝撃的な事実という形で)思い知らされることになる。戦艦と空母のどちらがより国益に寄与するかが問題なのに、実は誰もそのことについて論じていないという意味不明な会議ではあるのだが、空母陣営も別に空母がより優れていると証明している訳ではないのは戦艦陣営と同じなのだよね。その意味では、実は戦艦の設計に欠陥がありましたという決着は「それを言っちゃあ始まらねーよ」なヒドい取って付けだとも言える。  しかし、だから逆に、ラストはとてもよく出来たドンデン返しだと思う。そりゃそうだ、空母にしとけば戦争を回避できるというのは、山本五十六の真っ赤な嘘だったのだから。  観終わってよく咀嚼すると、対決以降の展開は妙に複雑によく出来ているように感じる(「妙に」と言いたいのは、一見は大和建造の史実との整合性をとるためのコジツケにも見えるからだ)。加えて、観ている最中はそこら辺のイマイチ理解が追い付かない点を感じさせない程に、演技の出来の方が素晴らしい(大体みんな良いのだが、とにかく田中泯が圧巻)。前半の実は意味の無かった見積作業も、結構分かり易くテンポも良くまずまず面白く観れるのは確か(菅田くんと柄本佑の掛け合いも相性抜群)。  ちょっと主人公が万能すぎる点と、前述の取って付けな決着がやや残念だが、総合的にはかなり面白い映画だったと思う。
[インターネット(邦画)] 7点(2020-01-26 02:06:28)
1453.  テリー・ギリアムのドン・キホーテ 《ネタバレ》 
やたらと攻撃的な宣伝文句を並べ立てていた作品だが、観てみると存外に普通の映画でかなり拍子抜け。いや確かに、相当に変わった映画なのは間違いないのだが、もっとラディカルに妙ちきりんな作品を期待していた、というだけなんだけど。  だが、普通に映画として観たとすると、実は別に全然アリな作品だと思う。アダム・ドライバーはまたまたかなり頑張ってるし、コミカル面も(分量が少ないのは否めないが)決してそんなに悪くはないし、何よりどこで撮影したのか知らんが、荒れ地の情景にせよ時代を感じる街並みにせよ、また終盤の舞台になる城なんか特にスゴくイイ感じの雰囲気で、正直メチャクチャ行ってみたい。  とは言え、コンセプトが何なのか、という点では、ちょっと掴み切れなかった映画なのは確か。監督の過去作を研究して、そのうち再見したい。
[映画館(字幕)] 5点(2020-01-25 01:50:59)
1454.  キャッツ 《ネタバレ》 
舞台版は未見。流石に全く前評判を入れずに観るという訳にもいかず、やれホラーだのポルノだのという評判を散々小耳に挿みつつ鑑賞。率直な感想としては、「ここ10年で最悪」とかいう評価はいくら何でも大袈裟なようにも思う(修正差し替えの効果がそんなにあったとも思えないのだけど)。がしかし、この規模の大予算映画としては稀に見る低レベルな出来なのは厳然たる事実だと断言する。  話の内容が極めて希薄なのが原作準拠だとしても、キャラのつくり込み・印象の付け方等でいくらでもやり様があったハズ。なのにそこは全く手当てもせず、ひたすら全編に渡ってミュージカルシーンの大盤振る舞いで乗り切ろうとしているように見えるが、背景も無いので歌詞は全く響いて来ないし、特に中盤は曲も地味なのが続くのでメリハリも欠いて盛り上がらず、極めて退屈。終盤も一番力の有る歌曲でやっとテンション上がったと思ったら、オーラスのジュディ・デンチの歌はこれも何を言ってるのかサッパリ分からず、失望の内に終劇。序盤20分くらいが一番楽しかったかと(か、エンドロールの歌がまあまあ良かった)。  とは言え、全体として歌や踊りに全く見るものが無かったという訳ではなくて、個人的には特にバレエシーンなんかは少し幻想的な良い雰囲気だったとも感じる。更に言えば、バリエーションを付けるべく色々と工夫された猫の衣装?も個人的にはむしろ良く出来ていたと思った(一人だけ、コートを脱いだマキャヴィティは確かにかなりキモチ悪かったケド)。
[映画館(字幕)] 4点(2020-01-25 01:25:25)
1455.  メン・イン・ブラック:インターナショナル 《ネタバレ》 
本作も『3』に引き続きSFアクションとしての映画づくりがされているようで、コメディ要素は添え物程度な感じ。緊迫した場面も多いが、一方で完全にスリル&アクションという感じでもなく、なんか中途半端でどっちつかずな感がある。クリヘム君は筋肉は凄いが、俳優としては結構にポンコツなように思っている(テッサちゃんはそんなに悪いとは思わなかったが)。続編があるかどーかは極めて怪しい程度の出来映え(もしつくるんだったら、やっぱり『1』のコメディ全振り路線でお願いしやす)。
[映画館(字幕)] 5点(2020-01-24 01:13:40)
1456.  プールサイド・デイズ 《ネタバレ》 
超絶いい加減なサム・ロックウェルをはじめ、プールサイドの面々は実にコミカルで、主人公がこっちに居るときはこの映画はとても楽しい。その一方で、サイテー男スティーヴ・カレルと自分のことで手一杯な母ちゃんトニ・コレットが待ってるおうちの方は、実に陰湿で暗ーい何とも堪え難い空気(観てるこっちも実際に堪え難い)。雰囲気の両極端さそのままに、主人公はスティーヴ・カレルと完全に決別して映画は終了するが、こういうただ一方的な人間関係って個人的にはあんまり好きじゃない(一方が100%悪役というのは、少し単純すぎて映画として浅いようにも感じる)。  でも「反抗」できるようになるって思春期の一番最初の顕著な成長だとも思うのだよね。それを描きたかった映画なのだとも思うし、その意味では終盤の展開も、またその部分の子役の演技も決して悪くなかったと思う。重ねて、コメディ部分はとても面白かった。一番笑ったのはやっぱりしれっと戻って来てるルイス(実は演者は監督だそうで、お疲れ様です)。青春ものを観たい!ってときの選択肢としては、十分にアリかと。
[DVD(字幕)] 6点(2020-01-23 00:03:18)(良:1票)
1457.  フォードvsフェラーリ 《ネタバレ》 
MX4D・4DXは個人的に別に嫌いではないのだが、基本的に乗り物映画(特に航空機・航宙機の類い)の場合に選択肢になるかなという程度なのである。今作はクルマの話で、教習車しか運転したことのない私にとっては優先度が決して高くはないのだが、近場でイイ感じの時間にMX4Dの回が配されていたので、軽いノリで参上してきた。結果の方は、レースシーンの臨場感は否が応でも高まって良いが(特に急加速したりするシーンではこっちも加速度が感じられて良い)、割とどーでもいい場面でも車乗ってると必ず椅子が動くってのは(特にラスト付近の情感高まるシーンでは)ハッキリ言って邪魔なだけで、かなり興醒め。まだまだ発展途上の技術だと感じる。  映画の内容の方は、ひたすらレースで勝つのが目的な話で、この題材の映画としても結構単純な内容だとも感じる。とは言え、デイトナでの勝利と、それに引き続くル・マンでのフェラーリとの激戦・劇的な決着までは最高に盛り上がった。がしかし、個人的にはどうにもそこからのル・マンの結末にはただ盛り下がるしかなく、その一点のみで本作の個人的評価はかなり下がってしまったというのが正直なトコロ(ここの部分は完全に実話らしいので、何ともしょーがないのではあるが)。  ただ、更にそこからの哀愁漂うラストまでのつくりは決して悪くないし、つーか上記の場面以外は全体としても長尺ながら全くダレずにとても面白く観れたし、十分に良作と言ってよいクオリティは有る。加えて、C・ベールの眼光一閃で3人くらい殺せそうなレース中の鋭い目付きは超迫力で、あんまり観たことないくらい物凄かった。これのためだけに観る価値が有るレベルだと思う。
[映画館(字幕)] 6点(2020-01-21 23:31:05)
1458.  チャップリンの独裁者 《ネタバレ》 
本作の笑いは、スラップスティックな面を多分に含みながらも、大多数は本質的に「風刺」であり、抱腹絶倒と言えるとまではいかないのが正直な所である(ヒトラーのモノマネなどはかなり笑えるが、何回も登場するたびに爆笑できるとまではいくまい)。むしろ本筋は結構シリアスな物語であり、その意味でもコメディとして観ると少し違和感を感じるといって過言ではないと思う。  本作の真の価値は、映画でヒトラーに立ち向かったチャップリンの映画人としての「心意気」にある。同じことを成し遂げた人間は、現代に至るまで皆無なのだから。
[DVD(字幕)] 9点(2020-01-19 15:43:02)(良:2票)
1459.  八月の鯨 《ネタバレ》 
人生、必ずしも上手く生きてきた訳ではない。辛いことも多かった。悲しいことも多かった。掴んだと思った幸せは、指の間をすり落ちて二度と戻っては来なかった。  今、老いさらばえて病を得、体の自由も利かなくなり、遠からず訪れる死を待つのみとなった…  それでも、それでも前向きに、今を生きてゆこう。いつかまた、鯨がやって来ることを信じて…
[DVD(字幕)] 9点(2020-01-19 15:27:09)(良:1票)
1460.  ギャング・オブ・ニューヨーク 《ネタバレ》 
大乱闘で親父が殺された!→なんやかんやあったけど、デイ=ルイス格好好い!(この間120分)→再び大乱闘!ワチャワチャしたけど、なんかカタキは取れたぜ!  というだけの映画だが、色々と?な展開・演出の数々は正直意味不明なレベルまでに出来が良くない。一点だけ、非常に単純な敵討ちの物語で、要は二人だけの話(狙う方とカタキ)なのにも関わらず、その二人が種々の点で全く釣り合いが取れていないのが致命的に気になる。カタキの方は高潔で敏腕、加えて演技も超迫力なのに対し、ディカプリオの方はちょっと喧嘩強いだけの小物(手下に甘んじて裏で命を狙うというのは、どうしたって裏切り者の誹りは免れないだろう)、加えてバカ(ナイフで殺すことに拘って失敗し、失敗してから銃を取り出すもなんとナイフ投げで阻止されるという絵に描いたような間抜けぶり)、演技も平坦かつ平凡で、これではカタルシスも何もあったもんではない。何故にここまでシンプルな話がこんなにつまらなく(しかも長尺に)なったったのだろうか…  もう一点、C・ディアスは見た目あんまし「品」の有る方でもないと思うのだが(逆に近寄りがたくなくてコケティッシュな所が魅力だと思ってる)、それにセコいコソ泥を演らせてしまうと、ちょっと育ちが悪すぎるようにも思う(少し憎々しすぎるというか)。
[DVD(字幕)] 3点(2020-01-19 14:02:42)
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