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プロフィール
コメント数 2302
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 53歳
自己紹介 お世話になっております。
今年もよろしくお願いします。


※映画とは関係ない個人メモ
2025年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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1481.  映画ドラえもん のび太の恐竜2006 《ネタバレ》 
『ドラえもん』は、押しも押されもせぬ国民的アニメ。その事に誰も異論はないと思います。であるが故に重い十字架を背負っていると思う。マンネリ化を打破し、“末永く愛され続けるために”断行された声優陣及び作画の一新。10年先、20年先を見据えた大改革でした。その是非を問うたのが本作だったと思います。ココでオリジナル劇場第1作目のリメイクを持ってきた覚悟たるや凄まじいと思いました。旧作品との比較は避けて通れない。ならばいっそ、徹底して比べて欲しい。そんな製作者の意気込みが伝わってくるようです。賭けだったと思います。オリジナルと同等のクオリティならば、思い入れのある方が支持されて当たり前。オリジナルを超えて初めて評価される。そんな分の悪い賭け。果たしてその結果はどうか。自分は諸手を挙げて支持したいと思いました。いや両手じゃ足りない。両足も挙げちゃいましょう。オリジナルへのリスペクトを失わず、されど新作の色を出していく。これぞあるべきリメイクの形だと思いました。特に終盤の展開が素晴らしい。前作で物足りないと感じていた部分を大幅に変更。自力での問題解決にスッキリしました。ラストも注目。何故ボールを抱くのび太のシーンを削ったのか。そこに監督の意思を感じずにはいられない。のび太たちの成長も、ピー助との切ない別れも、それまでのシーンで十分描けたという自信があったのだと思う。だからラストカットは、成長した子供たちの笑顔で十分だった。どんなに名シーンだろうと、“本作では”必要がなかったのだと思います。新ドラシリーズは大丈夫。そう思わせるだけの覚悟と愛情が本作には詰っていました。自分も一ファンとして、旧シリーズ同様の愛情を新シリーズに注いでいきたいと思います。敬意を込めてオリジナルよりも上の点数を付けさせてください。
[DVD(邦画)] 9点(2008-07-22 20:15:02)(良:3票)
1482.  オープン・ウォーター2 《ネタバレ》 
みんなで海に飛び込んでしまうアクシデントは、アホだけど納得できる。ちょっとした不注意やおふざけで、命を落としてしまうことってあると思う。でもこの後の展開がいけません。6人もの大人が雁首そろえて、打開策ひとつ見つけられないなんて信じられない。『3人寄れば文殊の知恵』。言うならば文殊菩薩様2人分ですよ。しかもうち3人は男。パワープレーが可能です。もっといろいろ試さないと。でもコレが実話どおりの展開ならば、仕方ないですもんね。一応生き残りが出た、赤ちゃんが無事だったと判断し、「良し」とします。前作よりかなり満足。
[DVD(字幕)] 6点(2008-07-19 23:02:50)
1483.  キサラギ 《ネタバレ》 
アイドル如月ミキの一周忌に集まった5人の熱狂的ファンが導き出した『自殺事件』の真相に泣き笑い。心が温かくなりました。でもストレートに“良い話”と受け取るのは、もったいない気がします。劇中、小栗の台詞にもあったように、数多ある可能性の中のひとつに過ぎません。ここが最重要ポイントと考えます。その事を明確にするためにラストシーケンス(宍戸登場)があったのでしょうが、上手くない遣り方でした。直接的過ぎます。主役5人の背景を示唆することで伝えて欲しかった。オフ会はネット世界の延長。別人格を演じている可能性は否定できません。というか、“自称”マネージャーや恋人、父親の与太話を、額面どおりに受け取れというのが無理な話。エンドロールで一心不乱にオタ踊りをする姿にこそ真実がある気がしました。オタクたちが持ち寄った架空のキャラクターとエピソードが偶然“事故説”に辿り着いた。いや、アイドルを想う強い気持ちが“こうあって欲しい”という可能性を創造したと言うべきか。ファンタジーだと思います。ハッキリしたのは「如月ミキは愛されていた」ということだけだと思いました。“人を想う気持ちが産んだ良い話”でした。なお、如月ミキの顔出しについては艶消しもいいとこ。観客それぞれが心の中の如月ミキ(理想のアイドル)を思い描けばいい、そういう流れだったと思います。
[DVD(邦画)] 9点(2008-07-16 21:10:09)(良:5票)
1484.  パーフェクト・ストレンジャー(2007) 《ネタバレ》 
筋立ては至ってシンプルですし、真相へ繋がるヒントも数多く出されています。だのに、何となくごちゃごちゃしている印象。その結果、どんでん返しのカタルシスが目減りしていると感じました。もったいない。物語の主軸を明確にして、スッキリと見せる工夫が必要だと思います。もっとも本作最大の難点は、疑惑の男ヒルが全然悪そうに見えないこと。B・ウィリスの配役に難アリ。
[DVD(字幕)] 5点(2008-07-13 19:45:55)
1485.  腑抜けども、悲しみの愛を見せろ 《ネタバレ》 
劇場公開前日の某テレビ番組で披露されていたエピソードが思い出されます。監督から「(最初の演技よりも)2割気だるい感じで」と指示されて演技したサトエリ。少々やり過ぎだったらしく「今度は8割元気な感じで」と言われたところ、「じゃあ最初のでいいじゃん」と思ったそうです。サトエリがどういう女優なのかよく分かる。そもそも澄伽という役、よほど演技力に自信がないと務まらないと思う。というか恥ずかしくて出来ない。サトエリが自身を丸写しにしたような(大変失礼)この役を引き受けた時点で、本作の成功は約束されたと思います。人間の嫌な面全開のストーリー。みんな不器用なのでしょう。でも愛おしいと感じないのは、バカじゃないから。超自己中心主義、悲劇のヒロインからの開き直り、人生から目を逸らし続けること。どれも苦難を乗り越えるためのテクニックです。サトエリ、妹ちゃん、永作。タイプは違えど、みんな生きる術を心得ています。一人不器用なうえにバカだった永瀬が死んだのは、至極当然の結果。かくも人生は厳しい。傍からみたら惨めだろうと情けなかろうと、最終的に生き残った者が勝ち。泥だらけであどけなく眠るサトエリは、紛れもなく勝者だと思いました。でも共感はしませんが。追伸。サトエリ絡みの投稿はいつもこんな論調になってしまい、誠にすいません。もしかしたら、自分はサトエリが好きなのかもしれませんね。好きな子には意地悪する、みたいな。
[DVD(邦画)] 8点(2008-07-10 19:22:50)
1486.  インベージョン 《ネタバレ》 
(原作未読。過去の映画未見です。)聞けば本作で4度目の映画化とのこと。過去の作品を観ずに本作を評するのは、いささか躊躇いはあるものの、自分にとっては本作がオリジナル。割り切って感想を述べさせていただきます。率直に言って面白かった!“静かなる侵略者”の恐怖は凄まじく、身悶えしました。最初は多数派だったのに、気づくと少数派に追いやられている。これがマジで恐ろしい。多数派に属していることの恩恵(心の安らぎ)の大きさを改めて思い知りました。怯えて逃げ隠れするより、大勢側に身を委ねた方がどんなに楽か。もし守らなければならない者がいなかったら、自分なら心が折れていたかも知れません。ですから子供を守りきった時の安堵感は絶大でした。総じて緊張感を持って観ることが出来ました。ただ設定が秀逸なだけに、もっともっと面白く出来たのではないかとも思います。展開が淡白で、ご都合主義が多いのがもったいない。30分尺を伸ばして主人公を窮地に追い込んで欲しかった。それに侵略者の言い分(世界が平和になる云々)に、誰も反論しなかったのも残念。人間側の主張を聞きたかったです。またキャスティングに難あり。ニコール・キッドマンの母親役には違和感がありました。“強い母”というより“気の強い女”。これでは物語にコクが出ないと思います。前3作を是非観たい。
[DVD(字幕)] 7点(2008-07-07 19:34:57)(良:1票)
1487.  ダイ・ハード4.0
「突き出たお腹」「オヤジ臭」「寂しくなった頭髪」が中年男三種の神器。一定の年齢を越せば、大半の男性がこの項目を満たすようになる。自然の摂理の如し。しかし本当は違う。加齢臭は仕方がないにしても、メタボやバーコードヘアーは本人の意思でどうにでもなる。にもかかわらず男たちは太り続け、ハゲを晒し続ける。若い頃の自分には理解ができなかった。特にバーコード。必死に取り繕おうとするのが憐れに思えた。ヅラや植毛はNGでも、坊主にすればいい。いつか自分も禿げてきたらそうしよう。そう心に決めていた。そんな“いつか”が我が身に迫ってきた時、何故男たちはデブでハゲで居続けるのか分った気がする。当たり前だが、1日2日でデブでハゲになる訳ではない。数十年かけてデブでハゲになるのだ。それを否定することは今までの生き方を否定するようで忍びない。そして何より“まだ途中”との想いが強いことが分かった。ちょっと頑張ればお腹は引っ込む。育毛剤だって使っている。今の姿は最終形ではなく、またスマートとフサフサを取り戻せる。そんな夢物語を抱いている自分に気付いた。“ファッション”ではないスキンヘッドには、確かな現状認識力が在る。髪の毛だけでなく、その他のシガラミを捨て去ったようにも見える。枯れすすきよりスキンヘッドの方が間違いなくカッコイイ。潔い。でもバーコードだって悪くないと思えてきた。突き出たお腹と薄くなった髪は、今まで頑張ってきた証。それに“まだ途中”なのだから、現状を卑下する必要はない。そんな風にずっと自分を騙し続けて人生を終える。情けないけど、そんなんも悪くないかなと。だから、本作のマクレーンから髪の毛が消えたことは一大事だと思う。単に俳優ブルース・ウィリスの現行フォーマットが「スキンヘッドだから」では済まされない。中年男の悲哀を捨て去り、マクレーン刑事がスーパーマンに生まれ変わるには、薄くなった髪の毛を捨て去る必要があったのだと思う。アクションエンターテイメントとして8点。でも『ダイ・ハード』には中年男の悲哀というプラスαがあった。それが無くなったのは少し寂しい。
[DVD(字幕)] 8点(2008-07-04 21:55:30)
1488.  ダイ・ハード3
(『ダイハード3』『ダイハード4.0』を続けてDVD鑑賞。その感想です。)正統派の続編であった前作と比べると、本作はシリーズ作品という感じはしません。お馴染みのサブキャラは誰も出てこないし、お約束のアイテムや展開もまるでない。『男はつらいよ』シリーズでも観るような気持ちで本作に望むと、ガッカリする可能性は高いと思いました。ただ、ジョン・マクレーンはジョン・マクレーンだったと思います。随所で見せる特有の困った顔、苦難の中でもユーモアを忘れない姿は自分の心に在るマクレーン刑事でした。それに髪の毛があったのが嬉しい!(←この辺の想いは『ダイハード4.0』で詳しく)ストーリーの山場がラスト前に来ているので、クライマックスの盛り上がりがイマイチなのは残念ですが、“シリーズ作品として”というよりも、本作単独のアクション映画としてまずまずの出来だと思います。
[DVD(字幕)] 6点(2008-07-01 20:02:29)(良:1票)
1489.  秘密結社 鷹の爪 THE MOVIE ~総統は二度死ぬ~
私が鷹の爪から学んだこと。瓜にツメあり爪にツメなしということ。夜中を過ぎたら子供たちに甘いものをあげるのは非常識だということ。クマの容姿をしている生き物の本性は、やっぱりクマだということ。梅宮アンナ以外にも、父親のDNAの存在を感じさせない子供がいるのだということ。ベンチャー企業の経営は、どこも楽ではないということ。「お慈悲をください」や「キリングミーソフトリー」という言葉を今まで口にせず生きてきた自分は、とても恵まれているのだということ。いきなり必殺技を繰り出す正義の味方には、わびさびの精神を学んで欲しいということ。予算配分は慎重にすべきだということ。島根は結構良さそうな所だということ。恋をしたなら、それが恋の始まりだということ。大家さんの説教に感動してしまったこと。総統、吉田くん、フィリップ、博士や菩薩峠くんと一緒に「た~か~の~つ~め~」とやったら、いつでも笑顔になれるということ。そして一番大切なこと。ダメなヤツは何をやってもダメだということ。
[DVD(邦画)] 8点(2008-06-28 19:55:42)(良:1票)
1490.  エボリューション
これぞB級映画!脚本が粗いです。説明不足や強引な展開が散見されます。ただ、腹立たしい要素も無いので、リラックスして観るにはいい映画です。ところで本作のシンボル、三つ目のスマイルマークって何処かに出てきましたっけ?
[DVD(字幕)] 5点(2008-06-24 21:26:13)
1491.  図鑑に載ってない虫 《ネタバレ》 
いちいちギャグがグロいです。塩辛の人面疽風に、ゲロピッツァ、それに松尾スズキのキャラ。汚らしい。笑うに笑えない。この感覚は、三木監督の作品を初めて観たときと似ています。作風は分かっていたはずなのに、戸惑ってしまうから不思議。でもラストで全てがひっくり返りました。主人公が垣間見た死後の世界。現世と何ら変わりはありません。でもあいつらがいない。目玉のおっちゃん、チョロリ、マユ無しサヨコに、エセレゲエ・エンドー。うっとおしい奴らがいない。たったそれだけの違いなのに、心にぽっかり穴が開いたような。失って初めて大切なものに気付くなんて、ベタもいいところです。でも身に染みないと分からないのが人間だと思う。生きててバンザイ。お前ら居てくれてありがとう。今までの全てが、微笑ましく思えてきます。ダサくて、情けなくて、恥ずかしいことばかりの人生。でも、なんか有難いと思う。バカなお前らが好きだと叫びたい。三木聡流、人生賛歌のお話でした。難を言えば、目玉のおっちゃん側の流れ(新興宗教団体云々)が後半おざなりになったこと。でも、そんないい加減なところもまたいい。人生は、分からない事の方が圧倒的に多い。また一つ、三木監督が好きになりました。
[DVD(邦画)] 8点(2008-06-21 21:30:13)(良:1票)
1492.  それいけ!アンパンマン くろゆき姫とモテモテばいきんまん
お姫様に一緒に行かないかと誘われ、まんざらでも無いばいきんまん。そんなばいきんまんをジェラシーたっぷりで見つめるドキンちゃん。その悩ましげな表情が超キュート。全国のドキンちゃんファン必見の小悪魔ぶりです。
[DVD(邦画)] 6点(2008-06-18 22:38:12)
1493.  トランスモーファー -人類最終戦争-<OV>
「日本の配給会社も相当困ったんだろうなあ、この邦題」と思いきや、原題のままでしたか。確信犯ですね。予算が無いのは大変だと思いますが、なんの策も講じないと悲惨なことになってしまう典型例だと思いました。しょぼいCG。芳しくない演技。これで退屈しないはずがありません。予算が無いなら、それを逆手にとる強かさが欲しいです。いっそ密室劇にでもして、CGに頼らないヒューマンドラマ仕立てにしたら面白かったのではないかと。それでも役者の技量が絶対的に不足しているので厳しいか…。
[DVD(字幕)] 3点(2008-06-15 23:06:06)
1494.  デス・プルーフ in グラインドハウス
監督が愛情と郷愁を込めて作った“ザッツB級”映画。例えるなら駄菓子だと思いました。大人にとっては懐かしの味。駄菓子の特徴は、欠点がそのまま長所だということ。曰く、品質が悪い、安っぽい、栄養価が低い、子供騙し…。けなすことならいくらでも出来ます。でも好きな人にはソコがたまらないポイント。だから本作は批判を受け付けない作品だと思います。文句を言ったほうが負ける。でもあえて言いましょう。本作は『う○い棒』だと。その心は…味は濃いけど中はスカスカ。でも好きなんだよな、チーズ味。
[DVD(字幕)] 5点(2008-06-12 19:33:43)(笑:1票) (良:1票)
1495.  グリーンマイル 《ネタバレ》 
役者は芸達者揃いですが、中でも2人の俳優が抜群です。一人はマイケル・クラーク・ダンカン。心根のまっすぐな朴訥とした男を好演しています。ベストキャスティングでした。そして主演のトム・ハンクス。演技の上手さは折紙付きですが、それでも感服しました。トム演じる看守・ポールの人物造形がしっくりきます。看守としての職務を踏まえつつ、精一杯“人間として”正しい選択をしようとしている。その真摯な姿に心打たれます。神の与え給うた奇跡を、自らの手で殺めることの是非。彼が心を振り絞って出した答えが、コフィーへの“問いかけ”でした。「自分にして欲しいことは何かないか」。もしコフィーが命乞いをしたなら、迷わず逃がしたでしょう。その覚悟は出来ていたと思う。でも反面、コフィーが決してそれを望まないであろうことも承知していたと思います。本当にコフィーを助けたいなら、黙って逃がせばいい。でもそんなに簡単な問題じゃない。社会秩序を守ることの意義と、人としての良心。どちらが重いのか。どちらを優先されるべきか。それにコフィーを逃がすことは今まで自分が築いてきた全てを失うことでもある。主人公が守らなくてはいけないモノは何か。選択に正解があるとは限りません。それでも選ばなければならない時もある。自分の心に一番「言い訳」ができる選択。それがコフィーへの“問いかけ”だったのだと思います。カッコ悪いしズルイのかもしれない。でもそれが生きていくための知恵です。人はそうやって、なんとか生きている弱い生き物だと思います。結果、ポールはコフィーの命の十字架を背負う羽目になりました。いつ終えるとも分からない贖罪の日々が続く。彼は自分のグリーンマイルは長すぎると言います。それでも歩き続けるしかない。人生は理不尽なで儘ならぬ事ばかりです。だから価値がある。
[地上波(吹替)] 9点(2008-06-08 22:21:07)(良:1票)
1496.  伝染歌 《ネタバレ》 
(冒頭からネタバレあります。未見の方はご注意ください。)  不遇な死を遂げたシンガーソングライター五井道子。彼女が自作した「僕の花」という歌が歌われる度、まるで呪文のように彼女の霊魂は呼び寄せられた。そして彼女は歌った人間の自殺願望を叶えてあげたのです。これが「歌うと死ぬ伝染歌」の正体。あんずの台詞にあるとおり、伝染歌は“歌うと死ぬ”というより、“死にたい者が歌う”が正しい。でも、それは道子の本意ではなかったと考えます。彼女は一家心中を図った父親から、少女を救うためにその身を犠牲にした女性。誰かを呪う意図はありません。彼女に在ったのは絶望。作品(歌)を盗まれた事に対する深い悲しみだけでした。少女を助けるためとはいえ、結果的に自殺した道子。その魂は成仏出来ず、絶望を抱いたまま現世をさまようことに。歌に導かれた道子の魂が、自殺希望者の絶望に呼応した。彼女は乞われるまま、幾度となく自殺希望者の頭上にその身を投じ続けます。自殺幇助の無間地獄。歌った当人が自覚しない小さな自殺への欲求まで叶えてしまう、不幸な死の連鎖です。これを断ち切るには、道子の絶望を解く必要がありました。彼女に命を助けられた少女=夏野あんずが道子の死の真相と向き合い、生に感謝して「僕の花」を歌う事でやっと道子は救われました。これが本作の“あらまし”と解します。秋元康原作のホラーといえば『着信アリ』。本作も同じようなトホホなホラーを予想していたのですが、良い意味で裏切られました。トンデモ系雑誌『MASAKA』の編集長、堀部(元K2)と遊人(エロマンガ家と同名異人)の胡散臭さが、AKB48の素人臭さと絶妙にマッチ。時間を巻き戻したり、カメラアングルを切り替えたりする演出も凝っており、作品には独特の空気感がありました。現在の大ブレイクしたAKBでは、このアングラな雰囲気は作り出せないと思います。アイドル映画としては異色ですが、自分は気に入りました。意外な掘り出し物を見つけた気分です。
[DVD(邦画)] 7点(2008-06-05 21:38:36)
1497.  憑神 《ネタバレ》 
宿替えで他人に迷惑がかかることを嫌った主人公が、最期に死を選ぶのは当然の成り行きです。死神にも好かれていますし。でもあの選択は無いと思いました。将軍の影武者を代々務めてきた家の者が取る行動とは思えません。影武者は主君の身代わりとなるために在ります。でも、主が望んでもいない尻拭いを影武者の分際で買って出るのは、おこがましいと思いました。武士の本懐を履き違えていると感じます。主体的な選択を望むなら、来るべき新しい世のためにその命を捧げればいいのです。事実、それだけの能力と分別を主人公は備えています。去り行く時代と共にするほど年老いている訳でもありません。手ごろな「死に時」に身を任せただけのように見えました。こういうのは「滅びの美学」とは言わないのでは?『地下鉄に乗って』に続き、浅田次郎原作2連敗。映画の問題というよりも、原作者と相性が悪いのかもしれません。
[DVD(邦画)] 4点(2008-06-02 20:13:27)
1498.  それいけ!アンパンマン ゴミラの星 《ネタバレ》 
『ドラえもん』『クレヨンしんちゃん』の映画シリーズは、子供向けでありながら、大人の鑑賞にも堪え得るというコンセンサスを得ていると思います。自分も大ファンです。魅力的なキャラクターとブレのない世界観、それに優れた物語性が人気の秘密だと感じます。そこで『アンパンマン』。キャラクターの知名度や人気は先に挙げた2作品に劣るものではありませんが、映画としての評価はあくまで“幼児・子供向け”の範疇。でもそれは本シリーズのコンセプトを考えれば正しいですし、設定やストーリーの甘さが、逆に面白いと感じます。ハマるとちょっとクセになるかも。本作もまさしく、そういうアンパンマン映画には違いないのですが、少々路線を間違ったと思いました。大人に迎合するような安易な感動を追っているように見えました。ゴミラの選択した行動は自己犠牲。アンパンマンの精神に沿うものです。でも命を捨てる選択を簡単に是として欲しくない。子供向け映画だからこそ、そう思います。アンパンマンは、いつまでも「小さな子供に安心して見せられる」作品であって欲しいと思いました。(2009.8.8追記)ヤーダ姫…(泣)ダメ。ゼッタイ!
[DVD(邦画)] 5点(2008-05-29 19:23:30)(良:1票)
1499.  アフタースクール 《ネタバレ》 
「なんか理科室の匂いがするな」。大泉が佐々木の車に乗り込んだときの台詞です。この言葉が本作の構造を言い表しています。アフタースクール=放課後。学校をとうに卒業したはずなのに、今なおどっぷり“学校漬け”の大人たち。そんな図式が見えてきます。理科室の匂いとは、みなさんご存知のとおり酢酸臭です。佐々木が根城にするアダルトショップにもご存知…じゃないかもしれませんが、独特のニオイがある。何となく似ている。どちらも実験資材が揃っていますしね(笑)。大人の視聴覚室に、大人のクラブ活動。それに生徒会長選挙ですか。よくよく日本人は学校が好きなよう。というより、学校も一般社会も変わらないということなのかもしれません。世間の荒波に揉まれて人は変わる。広い世界を知る。でも井の中の蛙が公園の池を見て、全てを分かった気になっているだけかもしれない。大人になるとは、どういうこと?私達は一体何を知っている?内田けんじ監督のシニカルな視線がイタ気持ち良いです。でも決して嫌らしくないのは、監督が人間を根本的に信用しているからじゃないかと思いました。本作も今までの作品同様、監督の人柄が窺える映画でした。決してトリッキーな脚本だけがウリの作品ではありません。でも、やっぱり上手い。緻密な脚本には相変わらず唸らされますが、キャスティングセンスがまた抜群です。特に田畑智子。あの顔じゃなきゃ、この役は務まらなかった。子供の頃から変わってないと思うもの。反芻すればするほど、味わいが増す作品だと思います。あえて欠点を探すなら、上手すぎてインパクトに欠けることでしょうか。「器用貧乏」と呼ばれないための魅力的な画作りを要望します。 贅沢ですみません。
[映画館(邦画)] 8点(2008-05-26 21:26:19)(良:2票)
1500.  ドラえもん のび太の宇宙小戦争 《ネタバレ》 
本作最大の失策は、のび太たちの参戦理由が“お遊び気分”に見えることだと思います。不遇なパピに共感して(義憤に駆られて)一緒に戦ったという側面はあるものの、大半は“スターウォーズばりのカッコイイ宇宙戦争の世界に浸ってみたかった”ように見えます。じゃなきゃ、圧倒的体格の優位性を自ら放棄する必然性がありません。のび太たちからアドバンテージを嫌味なく奪う仕掛けが欲しいと思いました。また、少々悲壮感が強すぎたのも残念。スネ夫やしずかちゃんが泣き出してしまっては、観ているこっちが戸惑ってしまいます。このあたりのさじ加減は微妙ですが、子ども向け娯楽映画としてはやや行き過ぎた表現ではないかと。
[DVD(邦画)] 6点(2008-05-23 00:18:44)
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