1501. 星に想いを
無難な出来のおなじみのメグ・ライアン映画ですが、アインシュタインが登場して、それがどこか庶民的なおじいちゃん風の設定が面白く、演じるウォルター・マッソーが絶品の演技と存在感を見せてくれます。また、見た目もちゃんとアインシュタインにみえます。マッソーは他にもメグの父親を演じている作品がありますが、きっと相性がいいのでしょう。今回のメグの恋のお相手はティム・ロビンス。「ショーシャンク」と同じ94年にこんなラブコメにも出ていたんですね。そして全盛期のメグ・ライアンは本作でもやっぱりかわいくて素敵でした。 [DVD(吹替)] 5点(2010-12-04 19:40:48) |
1502. ランボー
《ネタバレ》 昔の戦友を訪ねた帰りにたまたま通りかかった町。帰る途中にただ食事をして通過するだけだ。しかしこの町の保安官も連行された警察署の人間も、誰も自分を受け入れてくれない。ランボーがラストで大佐に「人殺しと罵られ駐車場係のクチも無い。みじめだ」と吐露するベトナム帰還兵の心情は、帰還兵が登場する他の映画でも見られます。ランボーとこの小さな町は、戦後のベトナム帰還兵と、彼らが受け入れられないアメリカ社会の関係でもあったのでしょう。保安官や警察の描き方、一人で戦争を始めて町を破壊してしまうという結末は極端ではあるのですが、映画としてはテンポの良さ、発するメッセージの分かりやすさもとてもよく出来ている作品だと思います。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-12-01 23:19:12) |
1503. フェリーニのアマルコルド
とても楽しい映画でした。イタリアの小さな港町の早春から始まる1年の様々なエピソードと町の人間模様が主人公の少年の目を通してノスタルジックに描かれるのですが、この雰囲気がたまらない作品です。僕の記憶の中にも少年時代のお祭りの楽しい記憶が確かに残っていますが、冒頭の春の訪れを告げる綿毛がふわふわと漂う町の風景に続くお祭りから映画は始まって、港にやって来た幻想的な豪華客船も大雪に見舞われた町も賑やかな人間模様も全編を通して描かれる小さな港町の風景はずっとお祭りのようです。タイトルからも分かりますが、フェリーニの記憶の中にある少年時代を映像化したフェリーニの自伝的作品なのでしょうが、どこかファンタジーの香りもします。特に一面雪景色の町に孔雀が舞い降りるシーンの美しさは忘れられないものとなりました。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2010-11-28 19:45:09) |
1504. 男はつらいよ 寅次郎春の夢
《ネタバレ》 冒頭でまずはブドウ騒動で笑わせてくれた後、英語塾から満男が帰ってくるのですが、英語が全く分からない寅さんの「おじさんのことは英語で何と言うんだ?」に満男が「タイガー!」と寅と虎をかける。寅さんはそれを「おじさんの事は英語でタイガーって言うのか」真に受けるという訳ですが・・・。ここはおかしいぞ!寅さんは虎=タイガーだと知っているはずですよ!寅さんは第4作で名古屋の競馬場で車寅次郎という自分の名前と同じだという理由でワゴンタイガーという人気薄の馬に大金を突っ込んでいましたよ!・・・と話がそれましたが、その後とらやには寅さんと同じような鞄1つで現れたアメリカ版寅さんとでも言うべきマイコさんが下宿するのですが、これが仕事にも恋にも不器用な男。恋愛の方は寅さんの恋が全く目立たず、むしろマイコさんの恋と、さくらが主役となっている作品。日米の愛情表現の違いと最後にはマイコさんのよき理解者となった寅さんが絡むのですが、そこにとらやの人々のあたたかさも上手く絡んでいつもとは一味違う味わいがある作品でした。 [DVD(邦画)] 6点(2010-11-27 23:10:38)(笑:1票) (良:1票) |
1505. タッチ・オブ・スパイス
《ネタバレ》 ギリシャとトルコ、隣接する2つの国。違う歴史を辿り宗教も言語も異なる人々が混在する事の難しさ。そして歴史の文献などでは「19××年に両国の関係が悪化した」などと数行でその事実が書かれるのみですが、その裏側では名も無き庶民の苦難や悲しみがあることを主人公の男が少年時代からを回想する形でノスタルジックに、時にはコミカルな人物描写を交えて描かれた作品です。 主人公一家がトルコから国外退去になる前の祖父が語る味わい深い人生の教訓と、初恋の女の子の存在が良かった。映画なんだから祖父とは生きて束の間でも再会を喜び合って欲しかったけど、作品のテーマ上仕方が無かったのかな・・・。 初恋の女の子とは祖父の死を機に再会しましたが、二人が英語で会話しているところに違和感を覚えると共に、現在の両国間の関係がどうなのかは僕には分かりませんが、今でも両国間に存在する大きな溝を感じさせられました。 [DVD(字幕)] 7点(2010-11-26 21:46:35) |
1506. ウィズ・ユー
結構色んな事が起こっている。そんな中ケビン・ベーコンとエヴァンの交流を軸に話が進んでいき、そこにメアリー・スチュワート・マスターソンが絡む。2人の交流は見ていて微笑ましいし、主要キャストの演技も良かったのですが・・・。色んな事が起こっている割には演技も含めずっと同じようなトーンで映画が進んでしまうので、いいシーンや台詞はあるのですが全体としては何か印象に残らない作品でした。 [DVD(字幕)] 4点(2010-11-25 23:40:38) |
1507. リトル・ランボーズ
共に父親がいない。一人は母親の宗教の厳しい戒律の下に子供らしい楽しみの無い家庭に育った、空想僻のある少しひ弱な感じのする少年。もう一人は母親が家に不在で気が荒い兄と暮らす不良少年が出会う。 この二人の繋げたのはスタローンの「ランボー」。本作の監督さん、お好きなんでしょうね。また、この二人の少年は「スタンド・バイ・ミー」のウィル・ウィートンとリバー・フェニックス演じる二人のようであり、特に不良少年役の男の子のくわえタバコのちょっといかつい風貌はリバーを髣髴とさせるものがありました。 映画の舞台は80年代前半のようでしたが、そこに巧く80年代の名作の世界観が重ね合わされているように感じられました。 大人に押し付けられた価値観に負けない元気一杯の子どもらしさや友情が微笑ましく、コンテストに出せなかった少年達の映画がどうなるのかな?と思っていたらラストはお見事!最後はまんまと感動させられました。 [映画館(字幕)] 7点(2010-11-22 20:50:26) |
1508. es[エス](2001)
実際に行われた実験に基づいているとのことですが、いくらなんでも誇張、脚色されすぎではないでしょうか。実験の責任者の教授が途中で居なくなって以降はついていけませんでした。多少エスカレートすることはあっても(恐らく実際の実験はこの多少の時点で中止されたのでしょう)姓名、職業、住所全て明かされている上で14日後には普通の生活に戻るという状況で、あそこまでの犯罪行為に走ったり、実験の助手への酷い扱いなどもあり得ないでしょう。特に総括も無く、主人公と恋人が海辺で佇むラストもよく分かりませんでした。 [DVD(字幕)] 2点(2010-11-21 18:05:23)(良:1票) |
1509. 日本のいちばん長い日(1967)
昭和20年8月15日。日本が忘れてはならない一番長い日にして大日本帝国最後の日。ポツダム宣言を受諾し天皇陛下の玉音放送があり、戦争が終わった日として日本史の授業で習った。しかしその前日から一刻を争うこんなドラマがあったとは。内閣、陸軍省、近衛師団、東部軍、宮内庁、NHK、児玉基地、厚木基地、横浜警備隊、前日からのこれだけの人間の数々のドラマを全く中だるみの無い緊迫感を持ってよくぞ熱く描き切られたことと感服します。立場や考え方、この一日に取った行動はそれぞれですが、その是非は別にしてそれぞれの根底にあった日本を思う熱き思いを演じた本作の全ての男達の熱き名演技に感動しました。これを機にぜひとも原作も読んでみたいと思います。 [DVD(邦画)] 9点(2010-11-20 17:37:43) |
1510. シーラ号の謎
かなり限られた登場人物の中での謎解きミステリーでしたが、まさかまさかの真相と犯人でした。映画の中で繰り広げられるゲームをリードしていくジェームズ・コバーンが中心になって話が進み、この先彼は何を仕掛けていくんだろう?と思っていたので途中の展開にはビックリ。でも、このあたりから面白くなってきて、ラストの真相解明のタネ明かしもなかなかお見事でした。 [DVD(字幕)] 6点(2010-11-19 23:08:06) |
1511. 恋はデジャ・ブ
神様がフィルにちょっとしたお灸をすえたのかな。結局は何が起こっていたのかな?それが最後まで分からないまま終わったのは残念でしたが、とても気分よく楽しめる映画でした。自分も毎日毎日大した変化の無い日常を生きている。でも、寝て目が覚めれば普通に次の日がやって来て、ひょっとしたら昨日よりいいコトがあるかもしれない。そんな風に考えられる、そんな当たり前のことに感謝しようか・・・。こんなことを考えさせてくれるいいお話でした。そして、やっぱりビル・マーレイはいいなあ。本作も飄々とした彼の持ち味がとてもよく出ていました。 [DVD(吹替)] 6点(2010-11-19 23:05:14) |
1512. 冒険者たち(1967)
《ネタバレ》 3人が夢を追いかけている前半が好きです。後半の船上のワンシーンもそうですが、3人が笑い合い、はしゃいでいる。その場面では必ずあの音楽が流れている。演じる3人と音楽の素晴らしさもあって、淡々と見せるそんな3人の日常が凄く良かった。それだけにその後、3人の内2人が銃弾に倒れるという非日常的展開になるよりは、前半のトーンで最後まで男二人と女一人の友情と夢を追いかける姿をずっと観ていたかった。でも、ラストシーンまで変わらぬ二人の男の友情に涙。 [DVD(字幕)] 7点(2010-11-15 22:02:22)(良:1票) |
1513. 引き裂かれたカーテン
《ネタバレ》 前半はスロースタートではありますが、東西冷戦下のベルリン、カーテンの向こうの体制側と反体制側それぞれの人間模様とその緊張感はよく伝わってきます。大学からの脱出以降はドキドキ感はさほどでは無いものの、大学、路線バス、郵便局、旅行代理店、劇場、船からの脱出と次々と二人を手引きする人間を変えながらテンポ良く見せる後半の脱出劇はなかなか楽しめます。ただし、「火事だ~!」の一言で劇場の全員があれ程のパニックに陥るかは疑問ですが。 [DVD(字幕)] 5点(2010-11-14 18:28:04) |
1514. 月曜日に乾杯!
なかなか観る機会が無いのでイオセリアーニ監督の作品はまだ2本しか見ていませんが、やはり独特の作風の監督さんです。台詞を極力排し、主人公さえもその作品の風景の一部であるかのようです。登場人物の台詞や喜怒哀楽ではなく、登場人物のいる風景全体が語る映画。音楽もほとんど使われていません。その代わりに登場人物が奏でる楽器や歌声が実に効果的で、延々と続く台詞の無い風景に小さく聞こえる鳥のさえずりに家畜の鳴き声や、映画の中の生活音や町の音がとても身近に感じられダイレクトに伝わってきます。映画のスピードも田舎町の風景も旅先のヴェニスの風景もとてものんびりとしていて、そんな映画の風景に挿入されるちょっとしたユーモアがとても微笑ましい作品です。 [DVD(字幕)] 7点(2010-11-13 22:55:23) |
1515. やじきた道中 てれすこ
弥次さん喜多さんの珍道中に落語の世界にちょっとしたファンタジー的要素も巧くミックスされ、笑いドコロも十分の人情喜劇。お喜乃の故郷までに通過してい各宿場町ごとに丁寧に、かつテンポ良く笑い話が配置され、弥次さん喜多さんの二人を演じる中村勘三郎と柄本明が絶妙の名コンビぶりを披露してくれます。この二人と一緒に旅に出るのがお喜乃を演じるのがキョンキョン。観る前は微妙に感じていたこのキャスティングですが、良かったですね。3人が一緒のシーンでは大いに楽しませてくれて、弥次さん喜多さんが個別にお喜乃と絡むシーンでは少しずつそれぞれの事情を明らかにしながらしんみりとさせてくれる。分かりやすく何も考える必要も無く安心して楽しめるコメディです。 [DVD(邦画)] 7点(2010-11-11 20:17:06) |
1516. 輝ける女たち
《ネタバレ》 キャバレー「青いオウム」の支配人が亡くなるところから話は始まる。その支配人を父親代わりにキャバレーで育った男を軸に、彼の周りにいるみんな家族のようで、家族でない?複雑な背景がある人間関係が交錯する、「青いオウム」をめぐる人々を描いた群像劇。主要登場人物の相関図がやや複雑なのですが、この複雑な関係がポイントでもあります。支配人の死をきっかけにバラバラに暮らしていた家族が集いそれぞれに家族や人生を見つめなおす、といった作品。皆が亡くなった支配人を愛しているという共通項が効いていて、かなり複雑な事情のある家族の人間ドラマで遺産相続なんかも絡む話ですが、いい意味でのユルさやユーモアが心地よく楽しめました。豪華女優陣が魅力的ないかにもフランス映画らしい作品でした。 [DVD(字幕)] 7点(2010-11-11 20:12:18)(良:1票) |
1517. 男はつらいよ 翔んでる寅次郎
シリーズの中期以降に度々見られた、寅さんと若い二人の恋が描かれた作品としては好きな作品です。最後は仲人まで引き受けますが、途中は寅さん自身もしっかり恋をしている。同じ若い二人の恋がメインの作品でも、ここは重要なポイントな訳で。序盤とラストの湯原昌幸演じる旅館の若旦那とのコントに、おばちゃんが上流階級言葉を度々噛む所、「田園地帯のお嬢さん」とか「寅様」とか、細かい笑いドコロもいい感じでした。また、若い二人の恋のシーンで流れるル~ララ~♪という優しい音楽も良かったです。 [ビデオ(邦画)] 6点(2010-11-07 15:50:15)(良:1票) |
1518. 男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋
《ネタバレ》 第17作の池ノ内青観、第19作の藤堂の殿様、そして本作の加納作次郎。いずれも寅さんとの出会いのシーンがいい。偉い人とは知らずに、小遣いにも不自由してるようなじいさんと勘違いして寅さんが安酒や茶を奢る。この偉い人を演じるのがいずれも大物で、寅さんと実にいい味の間を作り出します。 本作は風情のある京都や鎌倉が舞台ということもあり、落ち着いた雰囲気が魅力のシリーズ中期の良作だと思います。京都や鎌倉の風景とマドンナ役のいしだあゆみの醸し出す雰囲気もとてもよく合っています。 ですが実は本作はシリーズ中の苦手な作品の1つなんです。それは他の作品には無い寅さんとマドンナとの間なんだと思う。丹後のかがりの実家、後半のとらやでの再会に鎌倉デート。寅さんらしさは影を潜め、二人のシーンを観ていると息苦しくなってくる。どうも寅さんを見て味わいたい雰囲気ではないんですね。 ですが、加納作次郎作?の怪しげな焼き物を売る寅さんと「買った!」と手を挙げる加納。バイの最中に2人が再会するラストは何とも粋な終わり方でした。 [ビデオ(邦画)] 7点(2010-11-07 15:46:13)(良:1票) |
1519. 言えない秘密(2007)
《ネタバレ》 前半は良かった。演出も台詞もかなりベタだがピュアな青春ラブストーリーでした。ヒロインのグイ・ルンメイは期待通りの素晴らしい演技と存在感を見せてくれます。 少し前に見た「遠い道のり」でも感じたことですが、台詞が無い、表情で演じるシーンの彼女は本作でも素晴らしかったです。 突如ファンタジーに突入する後半はかなり違和感を覚えます。前後半のまとまりが無く、前半と比べるとジェイ・チョウの意気込みが空回りしている感じです。 前半が良かっただけに後半が惜しい映画ですが、音楽や映像は綺麗な映画です。そしてグイ・ルンメイの魅力がよく出ているので、グイ・ルンメイが好きな方は見て損は無いと思います。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2010-11-06 13:26:59)(良:1票) |
1520. ある日どこかで
《ネタバレ》 音楽も、儚げな映像も、登場人物の心も、ジェーン・シーモアも、とても美しい映画でした。特に音楽の使い方が素晴らしく、音楽が美しい映画として忘れられない映画となりました。 美しくも哀しいラブストーリーですが、ラブストーリーが始まる前の、今と1912年をつなぐグランド・ホテルや人の心の中に確かに残る記憶と、その記憶を辿りながらリチャードがその行動に出るまでの見せ方も素晴らしい。 特に印象に残るのは舞台で演じるエリーズが思いを打ち明けるシーンです。ここでも美しい音楽が控えめに流れ、実に効果的です。大勢の観客に向けて演じているのですが、そうではない。二人の気持ちがつながる実にいいシーンでした。 今は亡きクリストファー・リーブの若き日の素晴らしい演技も感動的です。クリストファー・リーブ演じるリチャードの運命は唐突に感じられましたが、それでも2人が再会するラストシーンは感動的でした。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2010-11-04 20:33:18)(良:3票) |