1501. 五番町夕霧楼(1963)
《ネタバレ》 花街ってこんなにも人情あふれるところなんでしょうか・・夕子のことを心配する彼女たちの姿に、やはりどの職業も血が通ってんだなぁと思った。でもこういうとこに通ってる連中には血が通ってないのもわかるね。 [DVD(邦画)] 7点(2013-04-01 13:33:28) |
1502. 特攻サンダーボルト作戦<TVM>
《ネタバレ》 邦題が「特攻~」で、チャールズブロンソンが出てるので、てっきり派手な娯楽戦争映画だと思ってましたが、ウガンダ大統領の登場や同じ人質でもイスラエル人とパレスチナ人を分けたり、これはよく出来てる作品だなぁと思っていたら、実話がベースだったんですね。実話がべースの話って細かいところがよく出来てんですよね。人質で病状が悪くなったおばさんが消息不明というのが何とも・・・。国際情勢は大事ですね。この国がパレスチナの悲劇のようなことが起きないよう、切に思います。 [DVD(字幕)] 7点(2013-03-27 02:20:19) |
1503. マッチ工場の少女
《ネタバレ》 なに~!あれ、毒だったの!!笑顔でさりげなくついであげるアレが、幸せをもたらすエキスなのかな?などとカウリスマキ映画って良いね、なんて思ったら、やはり人間はこんなもんだっていうメッセージだったので、がっかりしちゃった。 [ビデオ(字幕)] 6点(2013-03-26 09:06:40) |
1504. 処女の泉
《ネタバレ》 自分にとってのベルイマン体験は「ファニーとアレクサンドル」からでした。そこから「第7の封印」ほか何作か観たのですが、何かしっくりこない。何だろう、この感覚。でも本作を観て、この監督の根本の問題意識が分かりました。人間は、「悪魔」にどこまでつけ入られてしまうのだろう?この作品は、女性を暴行する貧しい男たちの存在に、監督の怯えが素直に描かれた作品です。この事件にはもう一人キーパーソンがいます。父なし子を身ごもった薄幸の女性、インゲリです。彼女と交渉した男性が描かれてないのがこの作品の不完全なところです。言ってみれば、映画とは2時間くらいの世界の中でいかに落とし前をつけるのか?そういう芸術なのだと思います。見事な落とし前のついたとき、自分は良い映画だったと感動します。その意味でインゲリをここまで傷つけた男性に、どのような落とし前がつくのかまで、明確に描くべきでした。彼の人間不信はどこから来るのか?このような問題設定は暢気なのでしょうか?貧困を知らないから言うのでしょうか?インゲリのような絶望感にさいなまれてないからこう感じるのでしょうか?それとも監督がこのような事実を目の当たりにしたからでしょうか?それとも彼自身、自分を信じられないから、こんな作品ができたのでしょうか?答えは彼のその後の作品にあると思います。「ファニーとアレクサンドル」・・俗人が人生の問題にぶつかった時、それとなく解決に乗り出します。彼は俗人に希望を見出そうとしているような感じがします。彼の俗人への愛こそ、俗人である自分への愛ではないか?と思うのです。そこに至るまでに自分の俗人ぶりに驚愕している事実があったのかもしれない。それがこの本作の彼の怯えの答えではないか?しかし彼がここまでの事をしたと言っているのではありません。最後にこの作品を観て、落とし前をつけるための武装は必要なのではないか?などという問題意識も自分の中に芽生えました。本作で復讐を行ったお父さんは、教会を建てることで神に赦しをこうのですが、人間は、愛する者が殺められた時、落とし前をつけられなくて、それが人間か?とまで思いました。 [ビデオ(字幕)] 8点(2013-03-26 08:52:29) |
1505. カミュなんて知らない
《ネタバレ》 「ベニスに死す」「アデルの恋の物語」などの映画のエッセンスを取り入れた、映画ファンには劇中の会話も楽しい、とても面白い映画でした。教授が「映画的なあまりに映画的な」、出てくる学生は「人間的なあまりに人間的な」。最後はあの女っぽい男性が撮影とは別に、頭が映画的になりすぎて、本当に殺人を犯してるのではないか?ととても心配だった。だから最後までみて、ほっとしました。もちろん映画サークルの中での青春模様なのだが、やってる本人たちは楽しんでるので、こちらも悪い気しない。最近の「桐島、部活をやめるってよ」に描かれるような自虐的な映画愛好家の実際を描くよりは、僕は本作の方が映画愛に満ちてて、好きです。 [DVD(邦画)] 7点(2013-03-22 08:00:47) |
1506. 青春かけおち篇
《ネタバレ》 文句なく面白い!!あ~これならつかこうへいさんが人気あるのは分かる。超お嬢さんの身勝手なお見合いの決着を、かけおち、心中するほどの愛を捨てて、実業家への愛に身をまかせるという女性の身の立て方にはっとした。長年つきあった彼への愛も嘘じゃないし、自分を強く思ってくれる実業家に嫁ぐ自分にも美しい理由になる。女性ってたくましいのね。だけど、その心中につきあうのんびりしてる風間杜夫のことには考えが回らないんだね~なんて男の哀しさに共感しました。子どもが生まれると、あれほど風間を大事にしてた岸田今日子の態度がガラッと変わるとこも凄い。女性映画ってこういうのをいうのかもしれないね。宮崎駿、山田洋次、エリックロメールらには描けない女性映画だった。 [DVD(邦画)] 10点(2013-03-20 01:35:39) |
1507. 熱海殺人事件
《ネタバレ》 あ~これがつかこうへいか・・最初は情の薄い人たちのドタバタの笑いに、これって「笑い」なの?って思ってたけど、これが演劇の醍醐味なんだろうね。演劇の演出を映画に持ってきたから、演劇に不慣れな自分はついていけなかったんだろうと思う。観終わって、つかこうへいの愛も悪くないや!と思っちゃった。でも音楽で感情をたかぶらせたりする演出のできない演劇って愛を情感豊かに描くのは難しそうだね。ラストの「愛と青春の旅立ち」(ルイスゴセットジュニアを仲代さんがやるところ)は、微笑ましい。劇中にもあの映画のタイトルでてくるし・・好きなんだろうね、つかさん・・なんか可笑しいね。 [DVD(邦画)] 7点(2013-03-19 22:33:53) |
1508. 苦役列車
《ネタバレ》 いるよねぇ森山のようなの・・。いるよねぇ高良のようなの・・。いるよねぇ前田のようなの・・。わが身を振り返って、しみじみ・・。 [DVD(邦画)] 7点(2013-03-17 00:42:15) |
1509. 真夜中の虹
《ネタバレ》 アキカウリスマキの現代おとぎ話。内容は結構、現実的でドンドン容赦なく、社会的に抹殺される方に主人公は流れていくのだが、本人はきょとんとしていて、何も落ち込むことなく、淡々と時間は流れていく。それは彼を愛する人たちが見守っているから。愛があるから。カウリスマキはそれで十分じゃない、と言っているようだ。 [ビデオ(字幕)] 7点(2013-03-15 10:24:02) |
1510. プレイ-獲物-
《ネタバレ》 いや、こんなアクションもいいじゃない。ドヤ顔の親父が愛する者のために頑張るなんて、なかなか映画的に成立してたよ。でも奥さんがああなるなんて・・。あまりにも話の容赦のなさに鑑賞後の気分の良さが少ない。ラストって、生きてるなら、さっさとカッコつけないで娘のとこに帰りなよ!って感じ。 [DVD(字幕)] 6点(2013-03-10 00:36:21) |
1511. ヒューゴの不思議な発明
《ネタバレ》 マーチンスコセッシがこんな可愛い映画を撮るなんて!なんか彼の映画愛のキュートさにキュンときた。 [DVD(字幕)] 8点(2013-03-10 00:31:57) |
1512. ザ・レイド
《ネタバレ》 見ごたえある男たちが、無残にも敵にやられてしまう。昔、読んだ漫画の「ワイルド7」を思い出した。面白かったぞ!!!!でも続編なんか観たくない~!全編アクションなんて疲れてしまったがな! [DVD(字幕)] 7点(2013-03-10 00:29:24) |
1513. ガキ帝国
《ネタバレ》 井筒監督はお寿司だ!今、観ると、丁寧なありそうな話に仕上がってると思います。 [ビデオ(邦画)] 7点(2013-03-10 00:23:54) |
1514. ディック・トレイシー
《ネタバレ》 ウォーレンビューティーって才覚あると思います。スピルバーグなんて「しまった」なんて思ったんじゃないかなぁ。子役の使い方とかいいよね。この色彩感覚の舞台演出とか今でも斬新です。アメコミ風のセンスって「バッドマン」とかの暗い色調ばっかり映画化されてて、こういうのって今でも有効なんじゃないかな? [DVD(字幕)] 7点(2013-02-26 23:46:56) |
1515. 秒速5センチメートル(2007)
《ネタバレ》 良かったです。ただ最後、ちゃんと決着をつけたラストにして欲しかったです。中途半端な彼がたどりついたところとは・・・。そこまで描かなければ、お金をかけて、たくさんのクリエイターが汗を流した意味はないと思います。 [DVD(邦画)] 7点(2013-02-26 23:26:42) |
1516. 小川の辺
《ネタバレ》 静かな映画ですが、藤沢さんの原作と同じ時間の流れ方ではないでしょうか?骨太な小品です。自分的には9点!藤沢さんの映画は全部、観ましたが、この作品の殺陣が一番鳥肌が立ったです。山田洋次のは映画的で、「必殺剣」はアクションで、「花のあと」はスポーツで、「蝉しぐれ」はちょっとドタドタしすぎかな?東山君って武士やらせたら一番似合うアイドルのような気がしました。 [DVD(邦画)] 9点(2013-02-24 01:15:26) |
1517. ツレがうつになりまして。
《ネタバレ》 なんだかなぁ。ウツってもう珍しい素材じゃないですよね。だから暗くもない映画になるのかもしれないけど・・ちょっと暢気すぎるかな?あの若さであんな家に住んでるし、仕事辞めて、なんの切羽詰った状況にもなってないし・・佐々部監督は地味だけどいい作品創るとは思うけど、もうちょっとリアルで可笑しい話にしてほしかった。ちょっとのんびりすぎ・・見てて、あ~こりゃ漫画だ、と思った。あれ?原作、漫画だっけ? [DVD(邦画)] 7点(2013-02-22 03:05:51) |
1518. 桐島、部活やめるってよ
《ネタバレ》 う~ん、どうなんでしょう。この監督は結構ひねてるよね。素直にモテ組もいい人たちなんだよ、って描いてもらった方が気持ちいいんだけどね。面白い映画ではあるんだけどね。 [DVD(邦画)] 7点(2013-02-22 03:01:47) |
1519. おかあさん(1952)
《ネタバレ》 名作として、あちこちで紹介されてる映画ですよね。ついに観ました。う~ん、アメリカの「ファミリー」を思い出しました。子供たちが健気に引き取られていく。みんなが人のことを思いやり、自分は後回しにする。そんな中で、ささやかなことで笑いあう。 「ALWAYS3丁目の夕日」の世界よりずっと人情がきめ細かい。嫌らしい男のように見てた加東大介がさわやかに去っていく姿にとまどう香川京子。こういう場面を見ると、男ってがんばっちゃうんだよなぁ。 [DVD(字幕)] 7点(2013-02-22 02:58:37)(良:1票) |
1520. ル・アーヴルの靴みがき
《ネタバレ》 マンガちっくな展開、演出。それでも今の映画に欠けているものを見つけた気がする。漫画でいえば坂口尚の「12色物語」。こんな映画を観せられたら、アキカウリスマキをチェックせねば気が済まないではないか!? [DVD(字幕)] 8点(2013-02-14 05:32:01) |