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 > にじばぶ さん
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プロフィール
コメント数 3430
性別 男性
自己紹介 監督別鑑賞作品数

成瀨巳喜男 69
溝口健二 34
川島雄三 42
小津安二郎 37
豊田四郎 19
石井岳龍 18
矢崎仁司 12
西川美和 8
山下敦弘 18
今泉力哉 24
フェデリコ・フェリーニ 24
ミケランジェロ・アントニオーニ 16
ピエル・パオロ・パゾリーニ 16
ルキノ・ヴィスコンティ 18
ロベルト・ロッセリーニ 15
ジャン=リュック・ゴダール 38
フランソワ・トリュフォー 24
ルイ・マル 17
ジャン・ルノワール 19
ジャック・ベッケル 14
ジャン=ピエール・メルヴィル 11
ロベール・ブレッソン 12
イングマール・ベルイマン 28
アルフレッド・ヒッチコック 56
ジム・ジャームッシュ 16
ホウ・シャオシェン 19
ウォン・カーウァイ 14
ジャ・ジャンクー 9

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1541.  ブラック・ムーン 《ネタバレ》 
今まで観てきたルイ・マル作品のイメージとは毛色の異なる作品で、ファンタジー色が全開。 そこにチラリズム的エロスが散りばめられていて、大人のいたずら心が感じられる内容。  胸の開いた白いシャツに淡いピンク色のカーディガン。 そして赤いスカートを身に纏った“少女っぽい”大人の女性が主人公で、すごく美人というわけではないのに、妙にそそられる不思議な魅力を感じた。 26歳とは思えない雰囲気だが、よ~く見るとやっぱりそれなりの年齢も感じたりで、作品の内容と同様、幻惑させられた。  暖炉の前の椅子に寝そべり、スカートから脚が伸びている。 そこに男が近寄り、脚をなでまわす。 このシーンはこれ以上なくエロく、その後に出てくるパイオツ丸出しのシーンなんかより、ずっと興奮した。 それを見て怒り出す醜い老婆がまた余計で、とてもウザく、美と醜の対比を感じさせる。  舞台になっている世界全体が不条理な空気で包まれており、次に何が起こるか分からない面白さもありながら、一方で、ああだこうだ言いながら、そこに居続ける少女にイライラしたりもする。 あんな屋敷なんか抜け出せばいいのにとか、老婆の居る部屋に自ら何度も入るのがおかしいとか、その設定そのものが不条理だったりする。  結局、少女はその不条理で狭い世界にはまり込んでしまうわけだが、夢オチの方が良かったのではないかとも思う。 いや、むしろ夢オチにしてほしかった。 夢オチを嫌いな私が、初めて夢オチにしてもらいたいと思った、貴重な作品。  美しい世界でありながら、同時に不愉快な世界でもあり、何度も観たくなる不思議な魅力に満ち溢れた作品である。  (P.S.) むむ、そういえば肝心なことを書き忘れていた! 前半に登場した、巨大な節足動物。 ムカデのハサミがないヤツというか、なんというか。 あんな虫が本当に存在している(撮影したわけだから)こと自体が、マジでおぞましい。 あのムカデもどきはマジで怖い。 おそろしい。 ヘビなんかよりずっとキモい。 他にもキモい小動物が盛りだくさん。 これこそが、本作の隠れた見所!!
[DVD(字幕)] 7点(2010-11-18 23:54:18)
1542.  桃色 Colour Blossoms
映像と音楽は文句なし。 派手な色彩は観ているだけで楽しめる。  だがそれ以外の部分に不満が残る。 まず、この監督は女優選びのセンスがどうにもいかん。 そしてSMに興味がない私には、全くもってつまらない内容。  香港映画を観たくて本作を選んだのに、松坂慶子が日本語しゃべりまくりなのにもゲンナリした。 松坂慶子は、おっとりとした女性を演じれば素晴らしい女優さんだと思うが、本作のSM女王的な役回りはミスマッチだったように感じる。  映像と音楽に比類なきセンスを感じるだけに、内容と女優陣には残念さが際立った。
[DVD(字幕)] 5点(2010-11-16 22:42:27)
1543.  殺人の追憶
映画としての完成度と興行成績とを両立させるこのスタイル。 確かに、この監督は天才かもしれない。  だけど、やっぱりこの作品は大衆的な臭いが強すぎる。 犯人を追い詰めたかと思えば勘違い、そして次なる有力な手がかりが見つかるが、それもダメ・・・こうして、観客をひっぱっていくあざとい演出。 いかにも観客を飽きさせまいと、話を都合よく引き伸ばしていく、いかにもな展開には白けてしまった。 まるで、「次回をお楽しみに!」的なテレビドラマのようだ。  ただし、ラストシーンで排水溝を覗き込み、これがまさに“殺人の追憶”と提示する終わらせ方は素晴らしい。 こうした演出手腕を持っているのに、それだけで映画を創ろうとはせず、敢えて計算ずくで大衆受けする演出をしている。  映画監督として素晴らしい作品を創る能力は持っているのに、あまりに器用過ぎて、観客を動員することまで計算して作品を創っている嫌いがある。 とりあえず有名監督になり、観客を沢山動員できる監督して重宝されるかもしれないが、長い目でみたら、せっかくの才能を自ら捨てているかのようだ。 いわゆる「器用貧乏」で終わってしまう危惧すら感じる。  ところで、主演のソン・ガンホだが、実に味のある俳優だ。 当時36歳とは思えない貫禄。 誰もが親しみを持つであろう、ちょっと愛嬌のあるルックスと確かな演技力をさすがと言えよう。  総括としては、普通に楽しめるが、かといって大衆娯楽映画のようにバカらしい作品でもなく、どっちつかずの中途半端な作品と言わざるを得ない。 今後のこの監督の方向性が非常に気になった。
[DVD(字幕)] 5点(2010-11-15 00:23:54)
1544.  バーバレラ
ちょっとエッチな大人向けSF映画。 フランス・イタリア・アメリカ合作だからこその味わいアリ。 とにかくジェーン・フォンダが美しい。 ブロンドに長い足に白い肌。 当時30歳とは思えない魅力を発している。  下らないと言ってしまえばそれまでの内容だが、体の力を抜いて観られる娯楽作として十分楽しめる。 言わば、脱力系エッチSF映画の金字塔だ。 目の保養として、金髪のエッチなおねえちゃんのコスプレを観たいなら、ハズレのない作品。 監督のロジェ・ヴァディムは、相変わらずブロンド美人を選ぶセンス、そして演出がにくいほどに上手い。 というか、単なるスケベ(笑)。
[DVD(字幕)] 6点(2010-11-13 19:43:49)(良:1票)
1545.  紀子の食卓 《ネタバレ》 
いかにも幸せそうな家族を演出する父親。 それに嫌気がさして家出をし、商売として他人の家族を演ずる長女と次女。  結局、どちらも演じているわけだから、観ているうちに頭が混乱してくる。 っていうか、“演じている”と言っても、所詮は現実社会での出来事なわけだから、そう深刻に考えなくたって良い。 深刻に考える必要のないことを、本作は2時間半以上もかけてじっくり描く。 だからテーマとしては、特に興味を持てなかったが、話の展開がスリリングで、しかも刺激的なシーンが多いから、飽きさせない。  サスペンスとして観れば、満足に楽しめる力作。 だけど、何かを問題提起しているかと言えば、案外そんなでもなく、薄っぺらい印象はぬぐえない。  長女の吹石一恵が気色悪くて個人的に苦手だけに、次女の吉高由里子の存在が救いになった。 吉高由里子は、生意気な感じがハナにつくが、制服も似合っているし、腕はスベスベだし、何だかんだ言って好きになってしまった(笑)。  ラストの解釈はとても難しい。 結局、最初は地味な存在だった次女が、みんなを戒めて旅立っていくわけだが、そのほかの3人は、一体、最後にどこに辿り着いたのか。 なんか判然とせず、すっきりしないラストだった。
[DVD(邦画)] 7点(2010-11-08 02:08:32)(良:1票)
1546.  汚れなき悪戯
キリスト教信者でない者が本作を鑑賞した場合どうなるか。 それは観てのお楽しみ。  真面目一本槍の内容だが、不思議と飽きさせない何かがある。 寓話めいた雰囲気が、独特の世界へ観る者を誘う。  私はそうして誘われた結果、どうなったか。 それは観てのお楽しみ。
[ビデオ(字幕)] 5点(2010-11-07 02:13:08)
1547.  ハリウッド★ホンコン 《ネタバレ》 
ジョウ・シュンという女優さんは特別好みじゃないけど、この作品自体はかなり好み。  超高層マンションと対比される密集したバラック街の趣きが良い。 周囲は道路で包囲されていて、デルタ地帯の様な状態の集落が舞台だ。 家屋の屋根と屋根がつながっていて、屋根づたいに移動できたりするところなんか、まさに“汚い”香港の風物詩。 バラックからバラックへ鉄製の橋が架かっていたりして、日本ではおよそ見ることのできない建物だらけ。 そんなバラック街を舞台に、話は繰り広げられる。  デブ男3人家族と、その近隣に住む怪しいネット商売をする少年。 そんな男4人のところに、“大陸娘”がやってくる。 16歳という設定らしいが、どう見ても未成年には見えず。 それはそれとして、その少女と関係をもった彼らは、後からその少女が美人局であることに気付かされる。 そして恐喝され、金を払わなかったネット商売の少年は、少女の仲間たちに右腕を上腕から切り落とされてしまう。  とまあ、エログロな内容で全編押しまくってくる。 直接的な描写はないものの、かなりエロいシーンが多い。  それと、本作の冒頭で、デブ3人家族がブタの血を体に付けながら、トラックに揺られる様はインパクト大。 デブ親父が、過っておばさんを殺めてしまい、商売道具でバラバラにしてミンチにし、飼っているブタに餌として与えてしまうシーンなんか、妙にリアリティがあったりして、立派なホラー。  腕を切られたネット商売をする少年が、近所のオバサンに他人の手を移植されてしまう話なんかは、半ばギャグだったが。  映像的な美しさをもった香港映画で、かなり好きなタイプの作品だった。 気色の悪いシーンと、むやみに多いエロシーンが、むしろ邪魔と感じるくらいだ。  少なくとも爽やかな作品ではない。 だけど、怪しくて汚い香港が好きな人なら、確実に楽しめる内容で、香港風味が豊かに薫る作品だった。
[DVD(字幕)] 7点(2010-11-07 01:37:28)
1548.  パラダイス!(1997) 《ネタバレ》 
金城武が返還直前の香港を舞台に暴れ回るクライムサスペンスで、そこにロマンス風味が味付けされた逸品。  返還前の香港は興奮と喧騒の中にあったが、その一方で、一種のとまどいや彷徨い、そして退廃的なムードも漂っていたように思う。 行き場を見失った者たちが、当てもなくただ彷徨う。 特に、そんな雰囲気が出ていたのが香港の夜であり、場末のホテルでありバーである。  その頃の雰囲気を、まるでその場にいるかのような臨場感で撮ってみせたのが本作で、まだ若くてシャープだった頃の金城武が主演の男を演じている。 色々な時期の金城武を観てきたが、この頃の、というか本作の金城武は抜群にかっこよかった。 デビューしたての頃のあどけなさも抜け、かといって丸みを帯びたおっさん顔にもなっておらず、一番いい時期の金城武を観ることができる貴重な一本。  殺し屋稼業で、香港の夜をうろつき、時には喧嘩をふっかけ、ギャンブルに身を投じ、素性の分からない女と場末のホテルで一夜を共にする。  ウォン・カーウァイの『恋する惑星』や『欲望の翼』と似た風合いの作品で、世界広しと言えど、この頃の香港にしかなかった、妖しく退廃的な雰囲気に充ちている。  この頃の金城武と返還前の香港。 時間的に限定されたこの二つが融合することにより、今となっては再現不可能な作品に仕上がっている。  劇中では、とにかく金城武が走る!走る! それも物凄いスピードで走りまくる!! 若さ爆発の素早い動きも、観ていて爽快だった。   【以下、ラストねたばれ】 二人が結ばれないラストは、格別の趣き。 男は変わらぬその日暮らしを、女は夢だった場所へ飛行機で旅立つ。 お互いの人生が一時だけ交錯するが、それはあくまで二人それぞれにとってのほんの通過点であり、再び二人は別々の道を進んでいく。 今頃、相手は何をしているのかなぁ、と思いを馳せつつ。 何とも言えぬ余韻を残す美しいラストだ。
[ビデオ(字幕)] 8点(2010-11-06 15:50:26)
1549.  白い町で 《ネタバレ》 
船乗りが嫌になって逃げ出した男が、無職ライフを異国で楽しむといった内容。  女との出会いと別れあり、宿屋の主人との友情話あり、そして財布を取られナイフで刺されたり・・・ それらが淡々と語られる様は、異国の地を独りでさまよう無職の男の話としてはとてもリアルに感じられた。  特に刺激のないまま終わった感はあり、少し退屈はしたが、“放浪モノ”として無理矢理ジャンル分けすれば、 立派な代表作(?)になるであろう。
[ビデオ(字幕)] 5点(2010-11-06 15:49:03)
1550.  君さえいれば/金枝玉葉 《ネタバレ》 
徐々に忘れられつつある作品だけど、好きな人は好きな作品だけあって、素晴らしいラブストーリーだった。  ゲイを毛嫌いするサム(レスリー・チャン)が、ウィン(アニタ・ユン)のことを男と信じきっている。 だが、同居しているうちにやがて惹かれていく。 自分はゲイなんかでは決してないのに、男に惹かれてしまうレスリー・チャンの悩み。 燃える恋心とは別に、「男だから」と一歩ひいてしまう切ない心の迷いを描いた設定が秀逸である。  俳優であるレスリー・チャン自身が、ゲイであったことは周知の事実だが、その点を踏まえると、そのレスリー・チャンがこの様な複雑で難しい役柄を難なく演じきったことには合点がいく。 その、直接映画とは関係のない、俳優としてのレスリー・チャンを意識して観てみると、更に味わい深さも増してくる。  結果としては、悩みきった末に、「男でも女でもいいから、君を愛してる」と告白するレスリー・チャン。 これはとても解釈が難しくて、性別とは関係なく「人間として」君を愛してる、ということだから、平たく解釈してしまうと、まるで「友達として」みたいな気持ちなのではないかと思ってしまうが、そこには明確に「愛」というものが生まれており、やはり、同性愛的なものを肯定している気がする。  だけど、同性愛とは文字通り同性を愛することであって、「男でも女でもいいから愛してる」とは、また異なるわけで、よくよく考えていくと、やっぱりとても解釈の難しい作品だと思う。  「相手が男だから」という先入観を超えて、男と思い込んでいる相手に対して、はたして恋心のようなものが生まれるのだろうか? とても興味深いテーマだった。  あの時代の香港ファッションのダサさが出ていて、今観ると決してファッショナブルなラブストーリーには感じない。 しかし、それはうわべだけの問題であって、時代を超えて感動できるラブストーリーの傑作であることは間違いない。
[ビデオ(字幕)] 8点(2010-11-03 08:52:49)
1551.  青空のゆくえ
最近の日本映画には珍しい、真っ直ぐでピュアな青春ラブストーリー。  黒川芽以も可愛かったけど、やっぱり素朴な魅力爆発の多部未華子でしょう。 とにかく何てことのないスタイルと顔立ちなんだけど、何故だか魅力を強く感じる女優さん。 有名になる前から何度も彼女を起用し続けた、監督の長澤雅彦は偉い!  ストーリーとしては、中学のバスケ部をめぐる群像劇的なもので、色んな話がてんこ盛り。 その是非はともかく、最初から最後まで奇抜な演出を使うことなく、ピュアな青春ラブストーリーで押し通した内容は、清涼感たっぷりで、時折り挿入される青空の映像と相まって、見終えた後はとても気持ちがすっきりした。  中学生という、多感で異性に興味を持ち始める頃特有の、あのドキドキ感とワクワク感。 それが随所に散りばめられていて、自分も体験したあの頃の甘酸っぱい想い出を、追体験できるのが嬉しい。  流行りの青春映画にありがちな、派手すぎる演出もなく、安心して気持ちよく観られる作品で、地味ながら抜群の清涼感を持つ、隠れた青春映画の秀作。
[DVD(邦画)] 7点(2010-10-31 22:02:08)(良:1票)
1552.  好奇心
ルイ・マル作品らしく、無難に楽しめる内容。 扱っているテーマ自体は過激なものではあるが、それがいたって普通に淡々と流れる辺り、いかにもフランス映画、いかにもルイ・マル作品である。  我々、日本人が持つ欧州の国に対する開放的なイメージ。 そして、性にも開放的だというイメージ。 そういったイメージがあるので、際どい内容でも、日本映画みたいにジメジメした感じにならない。  過激な内容を、洒脱な音楽と共に軽くみせてくれる感じが、なんとも重くならず心地よい。
[DVD(字幕)] 6点(2010-10-28 23:42:38)
1553.  怖がる人々 《ネタバレ》 
基本的にオムニバス映画が好きなので、十分楽しめた。 どれもそれなりに面白かったが、個人的に一番楽しめたのは「乗越駅の刑罰」。 萩原流行が演じた駅員の、理屈と暴力の波状攻撃に、観ている私も圧倒された。 異常なほどの頭の回転の速さで、金持ち客を徐々に追い込んでいく様がとっても面白い。  黒木瞳の「火焔つづじ」もなかなか魅力的だった。 あんな色っぽい女性と偶然鉢合わせ、しかも旅館に泊まることになったら・・・と考えると、ワクワクもするが、結局、下心がバレて妙な罪悪感に囚われる。 なんだか、見に覚えがある(かも)しれない話のような気がして、どうも居心地が悪かった(苦笑)。  エレベーターが故障してとまり、密室の中で繰り広げられるサスペンスという、使い古された設定ながら、真田広之の「箱の中」も楽しかったなぁ。 狭いエレベーターの中で、少し頭がいってる感じの、あんな女性と二人きりになったら、間違いなく発狂しそう。 だけど、カバンの中身が子供のバラバラ死体というのは、やりすぎかな。
[ビデオ(邦画)] 7点(2010-10-25 23:39:13)
1554.  情婦マノン 《ネタバレ》 
喧嘩し、罵りあいながらも愛し合う二人の男女。 幾たびも、別れそうになるが、そこは運命のつながりか、地獄の果てまで二人一緒。 地獄の逃避行とも言えよう。 最後は一緒に死ぬという、これしかない終わらせ方だが、そこに持っていくまでの見せ方が巧い。  特に、終盤の砂漠を彷徨うシーンが素晴らしい。 そして怖い。 アンリ=ジョルジュ・クルーゾーが創る映画の凄さと面白さが、まさにこの砂漠のシーンに凝縮されている。  愛する人が銃に撃たれて、砂漠で死に、亡骸を運んでいるうちに、徐々に腐り始め、愛する女性が醜くなっていく。 それで仕方なしに砂の中に埋める。 顔だけには砂をかけずに。 なんと哀しく、そして美しいシーンなんだろう。  愛する男女の破滅的逃避行を描いた傑作サスペンスで、この時代のフランスにしか創れないであろう作品。
[ビデオ(字幕)] 7点(2010-10-24 01:36:33)
1555.  娘はかく抗議する
渋谷の「シネマヴェーラ」にて鑑賞。 客の入りは少なかったが、こうした“シブ筋”の川島雄三監督作品を上映しようとする、その気概が素晴らしいシアターだ。  話としては、まだ性というものがそれほど解放されていなかった時代のもので、女子高校生が性というものに対して、どのようなスタンスを取るべきかが話題の中心となっている。  現代から見れば、ものすごく時代を感じてしまう話で、苦笑せざるを得ない内容だが、その分、逆に言えばその時代を感じることのできる作品である。  川島雄三監督らしいユーモアはなく、至極まじめに話は進んでいく。 物足りなさはあったが、貴重な川島雄三作品を鑑賞できたことだけで満足かも。
[映画館(邦画)] 5点(2010-10-23 18:16:57)
1556.  犯罪河岸
謎解きサスペンスで、少々苦手なジャンルの作品だった。 ところどころよく理解できないところもあり、そういった意味でも消化不良だった。 話としてはテンポも良く、飽きさせないので、こういった謎解きモノが好きな人は楽しめるに違いない。
[ビデオ(字幕)] 5点(2010-10-23 00:39:54)
1557.  ブローニュの森の貴婦人たち 《ネタバレ》 
歪んだ嫉妬と復讐心。 女は男を嫌いになって別れたはずなのに、その男が新たに好きな女性を見つけたら、それが気に食わず嫉妬。 これは理屈的にはおかしな話なのだが、実際に有り得そうな話だ。 それが復讐にまで発展していくのだから、恐ろしい。 女性が内側にもつ、嫉妬心うずまく執念深さの前には、男はただただ圧倒されるのみ。  とは言っても、女性には色んなタイプの女性がいるわけで、女性の全部がこういう精神構造ではないであろうが。 だけど、もしこんなやっかいな女性につかまったら、別れるのには相当な覚悟に要るであろう。  ロベール・ブレッソンの後期作品のような、一切のムダを排除したストイックな作りは、本作には感じられない。 テンポの遅さも手伝って、むしろ冗長に感じたほどだ。  余談だが、私は渋谷のツタヤでビデオをレンタルして本作を鑑賞した。 ちなみに、DVDは発売されているものの、レンタルには出ていない。 本作のビデオが置いてあるレンタル屋は、日本広しと言えど、渋谷ツタヤだけかもしれない。
[ビデオ(字幕)] 5点(2010-10-22 00:52:48)
1558.  追跡者(1948) 《ネタバレ》 
川島雄三監督によるサスペンス映画で、上映時間は1時間と、かなり異質な作品。 登場人物も非常に少なく、コンパクトにまとまっている。  佐野周二が刑事を階段から突き落とそうと画策するシーンが秀逸。 それを未然に防ごうと佐野周二の女が間に入ってくる辺りの展開も面白かった。  気軽に楽しむにはうってつけのサスペンス邦画で、川島雄三ファンなら間違いなく観るべし!
[映画館(邦画)] 6点(2010-10-18 23:08:54)
1559.  鬼畜大宴会 《ネタバレ》 
こういう作品って、ほんと評価しにくい。 見終えた後の気持ちの悪さといったらないし、やっぱり見終えた後に爽快感が残る映画が好きだし、ブサイクよりかわいいコが出ている映画の方が良い。  だけど、最初から最後まで緊張感を持って、時間を忘れて没頭できる映画ってのも、そうはない。  本作は、その両方を満たしている。 だからこそ、評価するのが難しい。  「文化住宅」なる汚らしいアパートで、共同生活を営む左翼運動に傾倒する若者たち。 その汚らしさ、猥雑さ、密閉感などがとてもリアルで、臨場感たっぷり。 ここでの生活が地味に描かれる前半部分が、ある意味、一番面白かったかも。 高度成長期の若者たちが、同じ思想信念を持って共同生活する様。 これは観ているだけで興味をそそられる。 高度成長期だからこそ、こんな生活が成り立つのであって、沈没し始めた現代の日本経済下においては、こういったあらゆる意味で自由な生活を実践するのは、極めて困難である。  後半に怒涛のごとく押し寄せる残虐シーンの数々は、噂どおりの凄惨さだった。 中でも、個人的に一番キタのは、アソコを切られてずっと口から泡ぶく出している男のシーン。 しかもそれだけでは解放されず、廃墟にまで連れていかれ、流し台みたいなところで缶詰をむさぼり食うシーンなんかは、ほんとに気持ちが悪くなった。 しかも、最後もまた泡ぶくを口から出すし(苦笑)。  女が一人出てくるが、これまた生理的嫌悪感を刺激する、きわめて悪質なキャラと外見。 男なら、こんな女を見ているだけでも、ヘドが出るだろう。  卒業制作でここまでリアルに作ったのは見事である。 だけど、大学生活の最後に、こんな気分の悪い映画を作って卒業はしたくないもんだ。  いずれにしても、「日本映画史に残るグロ映画」であろうことだけは間違いない。    (P.S.) 昨日の土曜日に『女優霊』、そして本日、日曜日は『鬼畜大宴会』と、明日からの活力を見事に奪われた。なので、お口直しに、中野裕之監督の『SF Short Films』の中の一編、「Slow is Beautiful」を観てから床に着きました。
[ビデオ(邦画)] 5点(2010-10-18 00:42:22)
1560.  女優霊(1996) 《ネタバレ》 
1995年当時、WOWOWで見た予告編があまりに怖すぎて、封印すること15年。 絶対に観てやるものか!と気合いを入れて避け続けてきたホラーなのに、何故か観ることに・・・ いや、何故ってのもおかしいんだけど、要するに、嫌い嫌いと意識していると、ついには観たくなってしまったというオチ。 ガキの頃から、ブサイクでチョー嫌いな女のコがいても、嫌いすぎてかえって意識してしまい、そのコの方ばかり見てしまい、何度も目があってダメージ大という、苦い青春時代を思い出す。 まあ、自分の青春時代の話はどうでもいいとして・・・  先述したWOWOWでの本作の予告編がずっと脳裏に焼きついていた。 その予告編の中でも、特に怖かったのが、舞台のセットから落下して、足が不自然に曲がったまま、口をパクパクさせている少女が出てくるシーンだった。  この落下した少女は、鑑賞した結果、幽霊でなく、幽霊に突き落とされた普通の少女だったわけだが、最後に出てきた幽霊よりも、やはりよっぽど気持ちの悪いシーンだった。 足が曲がって口パクパクは、マジしんどい! このシーンで体が熱くなり、汗が出てきたので部屋の扇風機をつけたら、近くに置いてあった紙っぺらが“バサッ!”と動き、「ひぃぃぃーっ!」と、飛び上がってしまった。  結局、強がって観ていたものの、立派に怖がっていた私です(苦笑)。  どうやら私は、ホラーを観ても、寒くなるどころが、体が熱くなる体質みたい。
[ビデオ(邦画)] 6点(2010-10-16 23:55:56)(良:1票)
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21424.14%
32677.78%
43048.86%
568119.85%
689125.98%
773621.46%
82126.18%
9521.52%
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