1541. 奴らに深き眠りを
《ネタバレ》 マフィアものってそんなに好きなわけではないんですが、見てみると結構面白いものが多いです。最初の期待値が低いのが良いのかもしれないです。 本作も陰謀渦巻くマフィアの世界を堪能できます。スパイがいて、殺し屋もいる。突然の襲撃もある。こういったマフィア映画お約束のファクターが、作品に緊張感を生み出しています。 したがいまして、本作、1つ1つのシークエンスは間違いなく面白いです。マフィア好きな人には十分満足してもらえるのではないかと思います。ただ、そのプロセスは良いのですが、結末がかなり消化不良気味です。 賄賂を受け取っている検事デューイは血も流さず、手も汚さずおいしいとこどり。フランシーナとの関係も結局うやむやのまま自然消滅みたいな感じ。マダム・クイーンとの確執もほったらかし。それにダッチだって、あんな簡単に始末できるのであれば、もっと早くにやれたんじゃないでしょーか。 ハッピーエンドでもなく、バッドエンドでもない。『これがマフィア映画だ。』って言われちゃうと何も言えないんですけどね。なんかいろいろ決着を見ないまま唐突に終わりを迎えたので、個人的な好みの見解でいくと、あんま好きじゃないかな、こーゆー締めくくり。 [DVD(字幕)] 6点(2014-07-04 13:43:03) |
1542. シューティング・フィッシュ
《ネタバレ》 DVDで鑑賞です。画質があまりよくありません。映像にこだわる方はその時点で受け入れられないかもしれないです。 言っちゃなんですが、ストーリーはいたって普通です。ただし、ネタが多い上に、一つ一つが吟味されているかのような丁寧な作りなので、どのエピソードも楽しめるのが本作の最大の長所です。 更に、主演の三人が、なかなかに魅力のあるキャラクターに仕上がっているのが良いですね。ディランとジェズは、平気で不特定多数の人を騙すくせに、お金に困っている人にはやたら親切というお人好し加減が絶妙です。 ただし、二人がやっていることは結局のところ犯罪なんです。手放しで賛同しきれない部分はあります。ですから、パソコンを盗んだ奴への復讐、及び嫌な幼馴染みを騙しちゃうラストはまだ素直に喜べるんですが、それ以外は少々ひっかかるものがありますね。 特に、騙された人たちが復讐に来て、その後車で爆発しちゃうのはさすがにやりすぎ。コメディとは言え、騙された人たちが善人とは思えないとは言え、被害者であることには変わりないですからね。不可抗力とは言え爆弾で吹き飛ばして終わりってのはどうも・・。 [DVD(字幕)] 7点(2014-07-03 17:03:11) |
1543. 美術館の隣の動物園
《ネタバレ》 『あなたにも書ける恋愛小説』みたいなシチュエーションは結構好きです。面識の無かった二人がひとつの脚本を書き上げるっていう設定がなんか良いです。 ただそれ以外のエピソードが弱く、どのエピソードも軽い味付け程度の意味しかないのがもったいない。簡単に言えば、元カノのタヘもそうだし、議員秘書もそうだし、兵役中の有給休暇の残り日数もそうだし、べつになくても大差ないエピソードばかり。またそういった伏線が活かしきれていないためか、いたって平坦で平凡すぎるストーリーに終始しちゃっています。さすがに中盤、退屈しました。 もしくは平凡なストーリーにするのであれば、せめて主演の二人にはもう少し魅力を出してほしかったです。いや、魅力はあったのですが、チョルスの序盤のキャラ設定は酷いでしょう。ああまで自分勝手でデリカシーが無いと、もはや『なんだこいつ』という感想しか出てきません。中盤以降はベッドをさりげなくゆずったり、バスを車で停めてあげたり、それなりに粋な演出もあるんですが、必要以上にチンピラみたいに語気を荒げる台詞回しで帳消しです。 本作で一番良かったのはラストのシークエンス。二人で作る脚本と、二人が三叉路で出会うまでの映像がすれ違い、そして重なり合うシーンは理屈抜きで感動します。良い作品ではあると思うんですが、人に勧めるには今ひとつといったところでしょうか。 [DVD(字幕)] 6点(2014-07-01 04:31:30) |
1544. ロスト・イン・スペース
《ネタバレ》 どう点数をつけたら良いか非常に困る作品。なにせ後半からはストーリーがもうぐっちゃぐちゃ。明らかな子供目線の作品なのに、こんなぐっちゃぐちゃにする必要あったんでしょうか。中途半端にタイムトラベル設定つけちゃうからこんなことになるんじゃ。それがなければ、もっと本作に入り込めたと思うと残念です。 でもこの作品って、ぶっちゃけ映像だけでかなり楽しめちゃうんですよね。。それに、中盤までのノリとストーリーはわかりやすくて面白かったのです。ついでに言うと、クルーも良い。特にウィルは最高。こーゆー小さいけれど、腕や頭をもっているキャラクターって無条件で大好きなんですよ。 なのに、惑星に不時着してからがもうつまらない。何しろ、みんな手探りで何かやってるって感じだから、見ているほうは完全に置いてけぼりです。そしてたたみかけるかのような意味のわからないタイムマシンの登場。20年後のウィルとスミス登場。そもそも20年後のウィルはパラレルワールドとして処理されているのに、ラストで直前に宇宙船の中に父親が戻されたときはパラレルワールドになっていない。なんて節操のない。 タイムトラベルものでも、『バックトゥーザフューチャー』や『タイム・アフター・タイム』のように、その設定がわかりやすく活きているものもありますが、本作について言えば、タイムトラベルはからめるべきではありませんでしたね。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2014-07-01 00:11:39) |
1545. トイ・ストーリー2
《ネタバレ》 前作の良さを引き継ぎながら、本作ならではの面白さが追加された上質のエンターテイメント作品。楽しさ、面白さの中に、やはり胸を打つシーンが用意されているのも前作同様。言わずもがなそれはジェシーの回想シーンです。前作ではバズが自分がおもちゃだと気づいちゃうシーンで切なくなったものですが、よもやあの気持ちを上回るエピソードを用意してくるとは思いませんでした。まじで切ないです。 人間にとっても不老不死ってのは永遠のテーマであるような気がします。それがおもちゃにとっての博物館。ですが今作ではその博物館へ行くことが本当に究極の幸せの形なのかという問題提起を、ストーリーの中に自然に浮上させている点が素晴らしいと思います。そしてその選択に葛藤するウッディは、まさに不老不死を夢見る人間を鏡写しにした姿かもしれません。死とは誰にとっても恐ろしいものなんでしょう。かと言って『いつか来る死にびくびくしながら人生を台無しにしちゃっていいの?』っていう問いかけが劇中バズから投げかけられます。その問いかけに対するひとつの答えをウッディは悩みながらも答えます。でもそれが、このポップで暖かいアニメだからすんなり心に入ってくるのが 嬉しいです。 そういえば前作ではほとんど活躍の場がなかったポテトヘッド、スリンキー、レックス、ハムがメインのストーリーに進出してくれたのはかなり盛り上がりました。特にスリンキーはお気に入りです。レックスは邪魔しすぎ。全員で、せーので自動ドアを開けるシーンが最高に好きです。 ラストのNG集の遊び心には感動すら覚えます。いや、本当に凄いです。このディズニーの『サービス』にかける情熱は右にでるものはいないんじゃないかとすら思います。その根底にあるのは、ただただ見る人に楽しんで欲しいという真心なんでしょうか。心が洗われるようです。 [ブルーレイ(吹替)] 7点(2014-06-30 17:30:32)(良:1票) |
1546. ハロウィンH20
《ネタバレ》 前半から中盤にかけてはホラー、ただし終盤は完全にスリラーアクションとなってしまいましたね。それはそれで面白いんですが、これってハロウィンのテイストではないのでは?ハロウィンシリーズを見てきた観客が、本作に求めているものとは決定的に違う気がするんですけど。ローリーとマイケル・マイヤーズのがちんこタイマンを延々と見せ続けられてもね・・・。それこそ、ニューフェイスの息子ジョン率いる若者たちにもう少しスポットをあててほしかったです。 そもそもこのシリーズの美徳っていうのは、前作とのつながりを大切にしてきたところにあると思うんです。ところが本作は、1作、2作目との因果関係に重点を置き、4作目~6作目は完全に無視。いやいや、ジェイミーだってあんたの娘でしょ、ってつっこみたくなります。ましてや、レンタルされていなかったので6作目だけ見ていませんが、そこでは孫だって登場するわけでしょ?なのに息子ジョンに対する溺愛ぶりとの落差が凄いです。 ただし、シリーズものとしては残念でしたが、恐怖演出あり、アクションありで、映画単体で考えればそれなりに面白いエンタメ作品として仕上がっています。決して見て損するようなレベルの作品ではないと思います。 [DVD(字幕)] 6点(2014-06-30 04:46:07) |
1547. トイ・ストーリー
《ネタバレ》 『面白い』や『かわいい』だけでなく、感動があるのがディズニーですね。CGの技術に頼りきっていないストーリーの面白さが素晴らしいと思います。 特に今作は、あくまで子供向け子供目線で作られているのでしょうが、台詞の一つ一つを吟味すると、大人目線でも楽しめる妙があります。例えば、現在の職場、『飽きっぽいアンディ』。もっと良い職場があるのではと、再就職先に選んだシド。ところがこの再就職先はとんでもないブラック企業。結局アンディの良さを再認識することになるっていうのは、現実世界でも日常的にありそうです。まあ本作ではウッディ達は再就職したくてしたわけじゃないんですけど。 また、子供には良い教訓映画になりそうです。『物にも命があると思って大切にしましょう。』『一度失った信頼は簡単には取り戻せない。』子供達に、理屈ではなく感覚で学んで欲しいことを感じてもらえそうですね。 私は個人的に、バズがCMを見るシーンでアイデンティティーについて考えさせられました。ってゆーか、バズは一瞬落ち込みましたが、じゃあ私達人間のアイデンティティーっていったい?そう考えると人間もおもちゃも大差ないのかもしれないです。 それにしてもこのアニメとしての安定した面白さはいったい何なんでしょう。オープニングのプレゼント偵察をラストにもう一回もってくるところなんか、お約束中のお約束ですが、こんな演出がたまらなく楽しいです。 ウッディが前半ちょっと嫌な奴だったり、自分をスペースレンジャーだと信じきっているはずのバズがおもちゃのふりをしたり、まあ正直マイナスな部分もあるっちゃああるんですけど、それでもさすがディズニー、そしてピクサーのアニメは夢があって楽しいですね。 [ブルーレイ(吹替)] 7点(2014-06-30 01:13:45)(良:1票) |
1548. アンツ
《ネタバレ》 これは面白いです。映像も非常にクオリティが高い。何よりキャラクターに魅力があります。 確かに始めは無駄にリアルな虫の描写や窪んだ目に、愛らしさのかけらもないと思ったものですが、慣れてくると愛着がわいてきます。ひとりひとりの個性がはっきりしているため、感情移入もしやすいです。30分くらいする頃には、自分もすっかりこの世界の住人に。虫眼鏡のレーザー光線や蝿たたき、人間の足など、人間は恐ろしい存在ですね。 また、本作の特筆すべき点は、虫の視点で全ての物語を構築し、その上で、ラストに私たちの世界とリンクさせるそのセンスでしょう。素晴らしい世界観です。私たちにはただのゴミ箱でも、虫にとっては『インセクト・ピア』。ゴミ箱が伝説の桃源郷になるっていうその発想に感嘆します。 一つ苦言を呈するならば、自由賛歌が度を越している点でしょうか。 大人であれば分別があるので笑って見ていられるでしょうが、分別の無い子供がこれを見た場合、労働を軽視してしまわないか心配になります。 映画としてはほとんど満点の完成度でしょう。大変面白い作品です。 [DVD(吹替)] 8点(2014-06-26 06:04:32) |
1549. スモール・ソルジャーズ
《ネタバレ》 かなり好きです。何が良いのかと聞かれたら、『とにかくこんなんが好き』としか答えようがない面白さなんです。はっきり言っていろいろ考えずに、ただこのヴィジュアルとノリを楽しみました。 まあ、少し欲を言うならば、ゴーゴーナイトとコマンドー達の戦いをもう少し見てみたかったというのはあります。それぐらいゴーゴーナイトのキャラデザインと個性は光っています。もっと見せてほしかった。もちろん、『人間対おもちゃ』の図式も、それはそれで随分面白かったのですが。 それにしても、ゴーゴーナイトの『私達は負けるようにプログラムされている』という台詞がなんとも切ないですね。そしてすぐに隠れるゴーゴーナイト。いいなあ。 人間という立場から見ると、『コマンドー=悪』『ゴーゴーナイト=善』という図式がはっきり見てとれますが、本来のコンセプトは逆。そう考えると、主観的になった場合、なにが善で何が悪かってのは、誰にもわからないもんかもしれません。 ただのエンターテイメントに終わらない素晴らしいエンターテイメント作品ですね。 [DVD(字幕)] 8点(2014-06-24 15:19:58) |
1550. ハロウィン5/ブギーマン逆襲
《ネタバレ》 遂に失速したなーって感じです。 今までと比べると、ブギーマンがあっちに行ったりこっちに行ったり、行動に一貫性が感じられずどうしたいのかが伝わってこないです。それは他の登場人物についても同じ。特にルーミス医師は今回は完全に空回りです。今までが良かった分、今回のルーミス医師には随分イライラさせられちゃいました。 それに説明不足が多いうえに話を四方八方に広げすぎです。 今作はストーリー及び脚本に問題アリアリです。今までのように本筋のストーリーはもっと単純明快で良いと思います。単純な動機、単純なストーリーだからこそ、心理的な恐怖感を煽られるんです。 スピード感やテンポも前作に劣ります。小細工しすぎて、随分とつまらない作品に成り下がってしまいました。本当に残念です。 で、あからさまな『続編ありますよ。』ってな終わり方も嫌いです。 今まではそんなことを感じさせず、それでいて上手に続編とつなげていたから良かったんです。 [DVD(字幕)] 4点(2014-06-24 04:27:22) |
1551. ウェディング・シンガー
《ネタバレ》 主人公のロビーが、婚約者のリンダに結婚式をすっぽかされちゃって、その後荒れに荒れて、ウェディングシンガーでありながら人の結婚式をぶち壊す一連のシークエンスにドン引き。・・・ですが、そこにさえ思い切って目をつぶっちゃえば、かなり良質なラブコメなんですよね。 この作品、内容は結構普通だと思います。スタンダードでオーソドックスなありがちラブストーリー。なのに、それをこれだけ面白くできるっていうのは素晴らしいです。 本作の良さは主役の二人だけではなく、二人を盛り上げる脇役陣にもありそうです。サミーやジョージ、ホリーにロジー。その中でも、ロジーはかなり良い。ロジーの人生とジュリアの『一緒に老いていく姿を想像する』という台詞が重なるラスト直前の1シーンは感動的です。 また、ロビーが告白を決意してジュリアに会いに行くんですが、鏡の前でウェディングドレスを着たジュリアが幸せそうにしている様子を見て引き返しちゃうシーンが切ない。その幸せそうにしている姿が、実はロビーと結婚したときのことを想像しているっていうのが、またいっそう切ないです。 やはりラブコメにおいて、共感できる切なさが用意されているかどうかっていうのは大きなポイントかもしれません。それがあるかないかでは、ラストのハッピーエンドに対する印象は全然変わってくると思います。 その点において、本作の切なさを醸し出す演出ってのはピカイチです。 更に、シンガーソングライターとしての仕事が今後うまくいくことを予感させる伏線を劇中2箇所用意しているくれているので、後味最高の余韻が残ります。 傑作です。 [ブルーレイ(字幕)] 9点(2014-06-22 23:40:25) |
1552. ハロウィン4/ブギーマン復活
《ネタバレ》 このシリーズは回を追う毎に面白くなっていきます。1作目より2作目。2作目より4作目のほうが面白いです。あくまで個人的には、ですけど。 4作目ともなるとスプラッタ描写にも力が入りはじめて、なかなかの臨場感と迫力があります。これくらいのレベルになると、十分満足できます。ショットガンを撃たずに、突き刺しちゃうあたりが流石です。よくわかっていらっしゃる。 また、本作ではマイケルの仕事の手際の良さが際立ちます。開始10分もしないうちに救急車を惨劇の舞台に。このスピード感が良いですね。そして畳み掛けるように、ガソリンスタンド、発電所、警察本部と次々に血祭りにあげていくのがたまらないです。これこそホラー映画でしょう。 単純にホラー映画を楽しみたい方には十分満足できる内容だと思います。 ラストも素晴らしい。1作目のオープニングと視点がほぼ同じというところが感慨深い。 大変シリーズ色が強い作品ですから、連続で見たほうが良いかもしれないですね。 [DVD(字幕)] 7点(2014-06-22 02:33:19) |
1553. クロスゲージ
《ネタバレ》 手堅く、きれいにまとめた良作サスペンスアクション。正直欠点らしい欠点は見当たらないし、退屈することもないんですが、賞賛すべき点もあまり見当たらないという無難な作品です。 冒頭のビルからの脱出に始まり、検問の突破、街中からの脱出など、絶体絶命のピンチをきわどいバランスでくぐる抜ける様は面白いと思います。更には主人公のダンと、巻き込まれちゃったコンスタンティーニ医師とのやりとりも、ストーリーを間延びさせない程度のアクセントになっていて良かったです。 匠の技が随所に光る技あり的な作品だと思うんですが、なぜにこんなに盛り上がりに欠けるんでしょう。不思議です。言うなれば、1作品としての、そつの無い完成度の高さが、この作品から緊張感や不安感を奪ってしまったのかもしれませんね。 [DVD(字幕)] 7点(2014-06-20 16:17:48) |
1554. ナイス・ガイ
《ネタバレ》 ジャッキーが大好きなので、彼が出る映画はとりあえずどれも見るようにしているわけですが、やはりラストでアクションを封印されるのは辛いです。ラスト以外では、序盤でもデパート内でも工事現場でもアクションを頑張っているのに、最後の最後で重機使って破壊しまくって終わりってのは、ジャッキー映画としてどうなんでしょ?ファンを裏切る行為になるんじゃないですか? そんで、ジャッキー映画の悪いパターンっていうのはしっかりこの作品でも踏襲されてるんですよね。その一つがスローモーションの多用。そんで、同じシーンをアングル変えての複数回再生。『どう?これすごいでしょ?』っていうのをアピールされるのは好きじゃないです。ストーリー上必然性のあるアクションを準備し、それをさらっとやっちゃうほうが、個人的には感動します。『ああ、このアクションって大変なんだ。』っていうのを劇中内で見せるのってダメじゃないですか?せめてそれはメイキングのほうでやって欲しいです。 そしてもう一つがヒロイン複数制。今作でもヒロイン的なポジションの人物を3人も用意しちゃったことで、ウェイトが3等分されちゃって、どのヒロインも魅力が半減しちゃいました。個人的にはミキ一人で十分だったと思います。 [DVD(字幕)] 5点(2014-06-20 02:15:19)(良:1票) |
1555. ロミーとミッシェルの場合
《ネタバレ》 中身が全く無い主人公二人のからっぽの人生に付き合わされる90分で、全く努力のできない二人に『それって主役としてどうなん?』って気持ちでいっぱいでした。 いくらコメディとは言え、やはり夢や希望、もしくは友情や努力や思いやりの大切さってものを、もうちょっと見せてほしいものです。この作品には何もない。一見美しい友情のように見えなくもないですが、これってダメ人間同士が傷なめあってお互いを甘やかしているだけなんじゃない? ラストの成功だって、ただのラッキーに過ぎません。それも、高校の時に馬鹿にしていた男のクラスメートが事業に成功していて、それに乗っかるという節操の無さが信じられません。ってゆーか、それって主人公のモラルとしてどうなんでしょ? でっちあげトークは見ていて痛々しすぎます。 クラブでならしたとかいうダンスは目も当てられないくらい酷いもんです。 それに対する周りの拍手だって、予定調和どころの話じゃなくて、寒すぎです。 とは言え、全体的な流れや、ハッピーライフなテイストは嫌いではありません。 でもね。ここまで主役二人に魅力がないと、全然楽しめないもんですね。 [DVD(字幕)] 4点(2014-06-20 01:49:59) |
1556. マーダー・ライブ 殺人中継<TVM>
《ネタバレ》 いきなりテレビのトークショーを占拠し、女性司会者を処刑するという切り口が大変面白いです。冒頭から本題に入る潔さは嫌いじゃないです。 ただ本作においては、本題に入るのが早過ぎたためか、途中で若干の中だるみを起こしてしまったのが最大の難点。いや、リアリティを追求するために、それも計算に入れての演出だったのでしょうか。何にせよ、犯人のフランクが娘サリーの復讐のために番組ジャックをしたはずなのに、途中から趣旨がブレはじめたのが正直残念です。 本作の最大のポイントはきっとメディア批判でしょう。特に、視聴率重視で人を食い物にする娯楽番組に対する痛烈なバッシングが感じられます。女性司会者はわかりやすすぎるほどその典型のような存在。更に悪質なのが、その偽善ぶりで、フランクじゃなくても女性司会者にはイライラするばかりです。もうぶっちゃけ女性司会者が処刑されちゃうのを望んでしまうくらいです。 この映画は、リアリズムを大切にしているためか、中盤からのテンポとスピード感が悪く、盛り上がりに欠けるかもしれません。フランクが人質を必要とした理由もわからず、フランクという人物の掘り下げが足りません。フランクの妻とのやりとりも正直?です。 ですが、ラストで女性司会者の発言を聞き、野球中継が流れ、来週の番組の予告が流れたとき、人の命が犠牲になっても結局世界が何一つ変わらない事実は衝撃的です。いや、むしろこれは無力感や脱力感の類かもしれないです。 この作品の唯一の救いは、騒々しいバーでテレビを見ていた人達が、最後暗い表情でテレビを見たまま静まり返っていたシーンでしょうか。 面白い映画としてススメるのは気がひけますが、作品価値という観点からすると一度は見ても良い映画だと思います。 [DVD(字幕)] 6点(2014-06-17 12:58:36) |
1557. バベル 失われた地図と魔法の水晶
《ネタバレ》 B級かと思ったら、まさかのC級くらいの出来です。ストーリー及び脚本にまるでついていけません。つまらない上にお粗末の一言。ストーリーがあまりに杜撰なので、出演者の演技まで、まるで学芸会を見ているかのような気分になってきます。 それぞれの登場人物の性格、目的、行動規範に一貫性がないのも問題です。言っていることとやっていることが支離滅裂すぎます。アリス先生が、そもそも何の目的で石探しに参加していたのかがわかりません。少年とアリス先生を殺すという極端な結論にはまったく必然性がありません。アリス先生を追っかけていた大男も、殺そうとしたり助けようとしたり、キャラがブレブレです。極めつけはラストのなんとかってやつが、実は4人いる、バベル人のトップの最後の一人だったっていうとんでもないオチ。 一番最後の締めくくりだけ、まるでさも良い映画だったと言わんばかりのきれいな終わり方で、逆にちょっと腹立ってきます。とてもオススメできるような作品ではありませんでした。 登録するんじゃなかったな。 時間を無駄にしました。 [DVD(字幕)] 3点(2014-06-16 13:57:34) |
1558. シリアル・ラヴァー
《ネタバレ》 思わぬ拾いもの。シュールでブラックなコメディ作品。本来最も苦手とするこのジャンルなのに、これは面白かったです。 このタイプの作品にしては、ストーリーが破綻しすぎていないところは評価に値します。妹とその他大勢の友人が押しかけるところからはほとんどカオス状態になっちゃうにも関わらず、姉の意思と目的がはっきりしているので大変見やすくなっております。つまり、シュールな作風に見せかけて、きちんと一本筋の通ったストーリーコメディであることが、自分の好みと合っているみたいです。 それに、登場人物が一癖も二癖もある変な人達のようでいて、それなりに常識は持ち合わせているのも良かったのかもしれません。こんなはちゃめちゃな内容にも関わらず、イライラすることが無かったのは、この作品には常識と良識がきちんと存在していたからだと思います。 笑いのセンスもなかなか良かった気がします。必死なお姉さんだけでもそれなりに笑えるのですが、強盗二人組みが出てきてからは笑いのレベルが上がります。ジュークボックスのくだりなんか爆笑です。 ラストに妹に電話するオチまで完璧。短い時間でテンポ良くまとめたのも良い。 安上がりで楽しめる、ちょっと高尚なドリフ映画ってことで、オススメできる作品ですね。 [DVD(字幕)] 7点(2014-06-14 12:08:58) |
1559. 仮面の男(1998/ランドール・ウォレス監督)
《ネタバレ》 ディカプリオの演じ分けが見事です。ルイ14世とフィリップがちゃんと別人に見えます。ルイ14世の冷たい目、フィリップの頼りなさげで泳ぎがちなまなざし、二人分のギャラをもらってもいいんじゃないかっていうくらい良かったです。 『三銃士』+ダルタニアンの作品は大好きです。残念ながら原作を読んだことはないのですが、今まで見た映画はどれも面白かったと記憶にあります。タレント揃いの勇者たちが再び力を合わせるっていうストーリーがとにかく好きなんです。 本作も例にもれず、いったんは現役を退いた三銃士の面々が、それぞれの理由で再び力を合わせようとするのがたまりません。幽閉されている王の双子の弟を救出して、新たな王にしようというストーリーが、わかりやすく気分を盛り上げてくれます。フィリップがわかりやすすぎるほど善人なのも良かったと思います。 そして、「仮面の男はあなただった。」の一言で、本作の真の主人公が実は誰だったのかがわかるラストは本当に良かった。 本作は、ラウルとクリスティーヌが悲惨すぎる上に、ふたりの無念を置いてけぼりにしちゃったような感があるのがマイナス。アトスが王を殺しちゃうような内容だったらまだ溜飲を下げることもできます。ラウルとクリスティーヌが王の暴君ぶりを印象づけるためだけの使い捨てのような描き方だったのが本当に残念です。一見ハッピーエンドのような終わり方ですけど、実は全然ハッピーじゃない人達がいるんですよね。 それと、超個人的な意見ですが、クリスティーヌに王をとりこにするほどの魅力を感じなかったのもまずかったです。 [DVD(字幕)] 7点(2014-06-13 14:47:32) |
1560. スライディング・ドア
《ネタバレ》 アイデアが天才的に面白いです。アイデアを活かす演出も職人技。ただ悲しいかな、ストーリーがいかんせんつまらないです。せっかくのアイデアと演出が活かされるようなストーリーじゃないのが残念すぎます。 そもそも、ロマンチックでドラマチックでファンタジーなアイデアなのに、健気な女性が報われないような、そんな現実的なドラマにするなんてもったいないです。このアイデアありきであれば、2パターンのハッピーエンドを用意しても良かったんじゃないかな。例えば、『電車に乗り遅れるかどうかで運命の相手が変わってくる』なんていうオチでも、十分趣旨はつかめていると思うんです。そのほうが見ている人もハッピーな気分で終われると思うんですけどね。 二つのストーリーが平行して進む様子をこれだけわかりやすく表現するのは凄いです。二つの世界がリンクしそうな雰囲気をところどころで醸し出しちゃっているのは感動的ですらあります。絆創膏で区別。ヘアスタイルで区別。ちょっとした工夫、その工夫を使うための動機付け、鑑賞者へのそーゆーちょっとした心遣いが嬉しいですよね。 特に、ラストで目を覚ましたほうのヘレンが、もう一人のヘレンの人生とシンクロするシークエンスと、エレベーターのオチは素晴らしい。だけど、二人がそれぞれ事故にあっちゃって、身体が傷ついたことを考えれば、やはりハッピーエンドとは思えず、満たされる気分になれないのが残念です。 [DVD(字幕)] 6点(2014-06-12 14:39:57)(良:2票) |