141. オレゴン大森林/わが緑の大地
《ネタバレ》 言うことなすこと確かに頑固一徹な人々の物語だが、ポール・ニューマンはきっとこういう人たちが好きなのだろう。仲間の一人が倒れてきた大木の下敷きになって、徐々に溺れ死んでいくまでの間に交わされるニューマンとの会話が滑稽で何とも切ない。 8点(2002-12-13 19:44:40) |
142. サクリファイス
タルコフスキーの作る"水”と"火"のイメージは、以前にもましてすこぶる美しい。にも関わらず、またもや睡魔に襲われてつい夢の中へ。ふと目が醒めたら、スクリーン上では、たしか男が広場で焼身自殺するシーンがあり、まるで小栗康平監督の『泥の河』の蟹のようにゆっくりと炎に包まれていくその様子に訳もなく涙してしまったのだが、あれは本当に映画のワンシーンだったのか?それとも私はまだ眠っていたのか?誰か教えてください。 【ゆたKING様へ】そうですか、『ノスタルジア』↑でしたか。それは大変失礼をしました。でも、どちらも途中で寝てしまったのは確かなので、これ以上言い訳はしません。必ずやきっと再見してコメント書き直させていただきます。もちろん、今度は寝ずに観ます。 8点(2002-11-29 21:03:22) |
143. バンド・ワゴン(1953)
アステアの数々のダンス・シーンはどれも素晴らしく、特にシド・チャリスとのナンバーは最高で、アステアが相手にした中では最もエレガントに踊れる女優だったのではないか。ジャック・ブキャナンもいい味出してるし。確かに話は他愛ないかもしれない。でも、これこそが「ザッツ・エンタテインメント」! 10点(2002-11-29 20:48:08) |
144. バニシング・ポイント(1971)
ディズニー以外で初めて映画館で観たアメリカ映画がこれ。以来、破滅的な主人公たちを描くいわゆる「ニューシネマ」に嵌まる。でも、なぜだろう?本作もそうだが、彼らは最後の時が来ても不思議と笑っているんだよなあ。 8点(2002-11-29 20:36:40) |
145. アデルの恋の物語
《ネタバレ》 私のお気に入りである『アタラント号』(アトランタ号ではない)のテーマの作曲者モーリス・ジョベール(ジャールではない)の曲が本作でも使われ効果をあげている。しかし、どうして、だらしのない男に恋する女を描いた映画には、良いものが多いのだろうか?例えば『忘れじの面影』とか『秋津温泉』とか。みんな悲恋ものなんだよなあ。 9点(2002-11-29 20:20:48) |
146. 大丈夫日記
数十年の時を経て、往年のハリウッド・スクリューボール・コメディが香港で蘇る。プレイボーイの主人公があの手この手で、”ふたりの妻”の互いの存在を隠蔽しようとするが・・・。ジョイ・ウォンとサリー・イップという異なるタイプの当時の香港映画界2大美女をめぐって、タフガイで知られるチョウ・ユンファがスクリーン上を右往左往する、抱腹絶倒の快作。観てチョ! 【キノスケ様、ぐるぐる様】奥さんはひとりでたくさんです。ふたりもいたら命がいくつ有ってもたりんのよ。マジで! 10点(2002-11-27 21:24:10)(笑:1票) |
147. 華麗なるヒコーキ野郎
この間も衛星放送でやっていたのでつい観てしまったが、いいよねえ。特にドイツの撃墜王との一騎討ち。こんな夢のある男と男の戦いがかつてあっただろうか?宮崎駿の『紅の豚』は、もう少しこの作品を見習って欲しかった。 9点(2002-11-27 21:04:35) |
148. あなただけ今晩は
この映画のテーマ曲が、淀川長治氏がやっておられた『ラジオ名作劇場』のテーマ曲だということを本作を観た時(場所は、懐かしの大塚名画座)に初めて知った。いやあ、シャーリー・マクレーンのかわいいこと。『アパートの鍵貸します』もいいけど、こっちはカラーだし。たしか、ビリヤード台の上で、テーマ曲にあわせて踊るシーン(これもとてもチャーミングだ!)は、ゴダールが『女と男のいる舗道』でアンナ・カリーナに真似させていませんでしたっけ。 10点(2002-11-27 20:52:59) |
149. バイオレント・サタデー
公開当時『コナンPART2』と一緒に観た。併映の軽やかさと比べてペキンパーの遺作は、なんだかいつも以上に重苦しい感じがした。それでも、TVモニタ画面を多用し、複数の場所で同時に起きていることを巧みな編集で上手く見せていたと思う。当時流行っていたMTVのクリップ映像とは一線を画した本作では、いわばペキンパー最後の「意地」を見せてもらったような気がした。 8点(2002-11-26 21:28:45) |
150. キング・オブ・デストロイヤー/コナンPART2
当時、地方出身の友人の実家ではお正月映画としてペキンパーの遺作『バイオレント・サタデー』と一緒に封切られるというので、「こりゃ、おいしい」と遠くまでわざわざ出かけて観に行った。第1作と比べて重厚な史劇タッチはなく、むしろ(主演俳優の性格を生かした?)軽快なファンタジー・アクションに仕上がっていた。とにかく、この主人公は決して悩んだりはしない。「即断あるのみ!」って感じで、全てを解決に導いていくのだ。 8点(2002-11-26 21:19:46) |
151. フレンチ・カンカン
芸の厳しさも、恋の厳しさも、そして人生の厳しさも全て、ルノワールは、上質なエンタティメントを通して教えてくれる。観終わった後に思わず"ブラボー"と喝采をあげたくなる映画。 10点(2002-11-26 20:56:05)(良:2票) |
152. ピストルオペラ
もう映画を撮らないのでは、と清順ファンを不安がらせたが、10年ぶりの本作は、期待に違わぬ(というか、いつもこの監督はひとをくっている)美酒となった。見方を変えると、江角マキコを平成の映画女優の星とするための一大特訓映画ともいえるが、彼女の頑張りぶりを見るだけでも酔える。とかく監督のやりたい放題が一部批評家からやり玉に挙げられたりもするが、はっきり言って、これでいいのだ! 9点(2002-11-26 12:07:19) |
153. センチメンタル・アドベンチャー
《ネタバレ》 原題がいい。主題歌がいい(ひとり切なく酔っている時に思い出しては口ずさんでしまう)。話がいい。特にラストは、寂しいまま終わらないのがいい。ところで、気になることがひとつ。レコーディングのシーンは、あれはチャーリー・パーカーの有名なレコーディング・セッションを模したのではないか?現にそれをもとにした短編小説があり、その描写にそっくりなのだ。そう、すでに『バード』は、本作で映画化されていたのだ。 10点(2002-11-20 18:17:26) |
154. 父/パードレ・パドローネ
《ネタバレ》 確か?(オルガンではなくて)アコーディオンとフルートを使って山向こうの同じ羊飼いの友人と語り合うシーンが素晴らしい。「こうもり序曲」の使い方も絶妙。村の少年たちはどの子も個性的なのだが、成長して村を出て行く時の各人の容貌があまりにもそっくりなのが笑えました。 9点(2002-11-20 17:52:40) |
155. オズの魔法使
悪い魔女の魔法にかかって、お花畑で眠りこける主人公たちを救うもの、これぞ、ハリウッドの雪! 9点(2002-11-20 17:36:19) |
156. ニノチカ
ルビッチはどんな些細なことでも、映画となればいっさい手を抜かない人だ。今回は、笑わない銀幕の美女ガルボをいかに笑わせるかに心を砕く。それがこの映画の真の見どころだと思う。 9点(2002-11-20 17:31:58) |
157. 白雪姫
良い映画には、作者の「想い」を通り越した「祈り」が感じられるものだが、この作品が正にそう。冒頭からディズニーの祈りがひしひしと伝わってきて、それだけで涙してしまう。果たして、彼の祈りは結実して、大いなる賞賛とその後の数多くの名作が生まれることになるのだが。ちなみに、ラストシーンでは、3歳のわが娘も私の腕をぎゅっと握ったまま離さないほど感動してました。 10点(2002-11-20 17:21:34) |
158. 月世界旅行
ファンタジー=映画。全てはメリエスから始まる。SFはもちろん、ミュージカルもサスペンスもコメディもあらゆるジャンルがここに揃っている。百年立っても色褪せぬ、ってもちろん白黒だけど。 10点(2002-11-20 17:07:56) |
159. 大人の見る絵本 生れてはみたけれど
『麦秋』の鯉のぼりのカットのように、小津の作品では、一見何の変哲もない挿入カットにドキッとさせられる。ここでは、お兄ちゃんが医者を呼びに自転車を走らせるカット。しかも移動撮影。 10点(2002-11-20 16:57:07)(良:1票) |
160. 恋
《ネタバレ》 「あの時」から心を動かすことを一切やめてしまった老いた主人公の眼差しに、少年時代の彼を知るあの屋敷の姿が重なっていく。この映画は、このラストシーンに尽きる思う。 8点(2002-11-20 16:30:57) |