141. I am Sam アイ・アム・サム
7歳程度の知能しかないけれど、その他では優しさや熱意や道徳心や協調性など大切なものを健常者以上にたくさん持っているから、サムの場合この先も子育てには何の心配も要らないでしょう。この映画は、子供を育てるのに知能(学歴)は必要ないということが言いたかったのかな。なんとかハッピーエンドで終わったようだが、世の中にはこういったケースで引き裂かれた親子がたくさんいるのだとしたらとても悲しい事です。どちらかと言えば不幸な別れを見せて問題提起されるともっと心に響いたかも知れない。ショーン・ペンの熱演が素晴らしい。 8点(2004-03-14 21:56:00) |
142. 海辺の家
一軒の家を建てることによって、父と息子の絆を再発見するヒューマンドラマ。始めは反抗的だった息子が次第に打ち解けていくが父親は実はガンで余命幾ばくもない状態だった。今までこんな映画がいくつ作られただろうか。それらのどれをも超えてはいない。安易にお涙頂戴映画を作ってはいけません。笑いとお色気は本当に必要だったのか。 これがあったから最後まで飽きずに見られたともいえるが、目指す方向が間違っているんじゃないですか。いい素材を無駄にしてしまっているのがとても残念です。 5点(2004-03-14 18:52:57) |
143. バウンティフルへの旅
特別何か大きな出来事があるわけではないけれど、しみじみと味わい深い作品。気持ちの合わない嫁と息の詰まるような生活から抜け出して、懐かしいふるさとへの逃避行をする主人公の気持ちがとてもよくわかります。バスが動き出した時の笑顔がとても生き生きしていました。出会う人が親切な人ばかりで自分も旅行に出たくなりますね。ふるさとには住む人もなく荒れた土地が残るだけのものでしたが、また戻る元の生活にも前向きに生きていける何かを新たに得た様でほっとします。この頃はまだアカデミー賞の選考にも納得出来ます。 8点(2004-03-13 08:47:17)(良:1票) |
144. スパイダーマン(2002)
あまりにもアメリカンコミックそのままなので少々落胆した。せめて「スーパーマン」くらいのレベルの出来ならもっと高評価を得たであろうに。このクモに咬まれた人間が他にいないのを不思議に思う。「大いなる力には大いなる責任が・・・」なんて無理やり深みを持たせようとしているところがこの作品を余計薄っぺらくしている。CGはグルグルと振り回しすぎで気持ち悪い。 5点(2004-03-08 23:11:59) |
145. 千と千尋の神隠し
技術に走りすぎて物語がお粗末になってしまったか。 5点(2004-03-08 22:38:53) |
146. ギター弾きの恋
本当に大切な物に気がついた時にはもう既に遅かった。自分のことを思ってくれる人を裏切るといけませんよと教えてくれる映画。ハッティが可愛くて純真で献身的なだけに、行き当たりばったりで自分勝手で気分屋さんの主人公に「そら見たことか」と言ってやりたい。こんな男とは友達になりたくないな。いつものウッディアレン流の撮り方はうっとうしいだけで普通に編集した方がこの映画には合っているのでは。 3点(2004-03-07 14:13:55) |
147. 恋におちたシェイクスピア
冒頭から難しくて物語になかなか入って行けなかったが、細かい設定や中心以外の人物名など気にせずにシェイクスピアの戯曲を基にしたラブロマンスだと思って観れば理解し易く、それで充分に楽しめる映画だと思う。男装、二つの劇場、女王陛下の挿話をロミオとジュリエットの物語とうまく絡めて進んでいくストーリーの出来栄えは秀逸。但し、ロミオとジュリエットが正統な純愛劇なのに対し、主人公の二人は会えばすぐに抱き合い愛欲に溺れた行動に少しも純愛の部分が感じられない事が不満なのと、物分りのいい陛下による遠山の金さんのような名裁きで簡単にすべてが一件落着となる様なまとめ方はこの作品にふさわしいとは思えない。 6点(2004-03-06 19:14:59) |
148. アニー・ホール
昔観た時は面白いと思った記憶があるのだが、今観返してみたらさっぱり。他にない仕掛けはアイディアいっぱいで興味深いが、男女のダラダラとしたアレン流恋愛論を見せる事に終始していて、とても退屈だった。 4点(2004-03-06 12:51:54) |
149. ジョーイ(1977)
今まで観た中で一番泣いた映画です。 10点(2004-02-29 22:40:38) |
150. ノー・マンズ・ランド(2001)
これほど余韻を残した映画は初めて観た。エンドロールを観ながらしばらく固まってしまった。地雷を背にしたまま助からない恐怖を突きつけて終わるラストシーンの出来の良さで評価が決まった感がある。決して反戦に重きを置いた映画とは言えないが、この戦争を始めたのはお前の国だ、と言い合う場面やお前が刺したから撃つんだというこの二人の人間の論理が、戦っている二つの国の縮図と交錯して見える。戦争状態でなければお互い隣町の住人同士であったのに。遠い国の戦争も生に近い映像を茶の間で見られる事に慣れつつある現在だが、放送局での指示が最前線まで飛び、カメラのレンズが苦悩する兵士の目の前まで迫る様な戦場での報道のあり方に問題提起もしている。観る者の心を揺さぶる素晴らしい映画。 9点(2004-02-29 21:58:36)(良:1票) |
151. おつむて・ん・て・ん・クリニック
物語の展開に意外性がなく想像通りに進んでいく。コメディなのにクスッとも笑えない。車にも乗らずに爆弾を盗みに町までどうやって行ったのだろう。ビル・マーレイの映画にはもう期待しないぞ。 4点(2004-02-29 11:17:02) |
152. いとこのビニー
法廷ものは、必ずある最後の逆転劇の出来具合いで作品の良し悪しが決まる。この作品の場合、誰にでも解かり易く綺麗にまとめられているので一応合格点に達しているのだが、目撃者がいい加減な供述をしていることが明らかなので反証も簡単過ぎた様だ。またビニーの弁護士としての技量が身につく期間の短さと、突然超人的な専門知識を披露するリサに幾らか疑問符をつけたくなるものの、作品としての評価を下げる程のものではない。随所に散りばめられた笑いの種はセンスも良く、よそ者に冷たいアメリカの田舎と、田舎者をバカにしている都会の人間との対比を嫌味なくコミカルに見せることに成功している。 7点(2004-02-22 20:44:31) |
153. 華氏451
映画、ラジオ、テレビ、コンピュータといろいろなメディアや情報源が進歩してきても何千年の間現在まですべての国の人々に手にされている本。本はそれだけで他に何の道具も必要とすることなく電車の中でもベッドの中もいつでも知識と情報を得られる素晴らしい道具。改めて感じることは多い。本が燃やされる場面の度にもったいないと感じた。もう二度と焼かれることが無いようにと口伝えで残していくラストに結びつくのだろうが、本という形で残す事こそこの映画の本意ではないのかと思う。 6点(2004-02-22 18:21:34) |
154. DRIVE
面白いといえば面白いし、つまらないといえばつまらない。いろんなものを欲張って詰め込みすぎたせいかも知れない。奥深さが全く無いのが唯一最大の難点。主役の堤真一は良くやっていると思う。クソまじめな営業マン役がハマっていた。気持ちが昂ぶった時、頭の中で相手を思い切り殴っている映像がリアルに浮かんでくる事って良くある。結局何も出来ないんだけどうまく表現できているなあと思った。ラストのデートで初めて笑い顔を見せましたね。なんで?と思うところはいっぱいあるけれど、何にも考えずにお気楽ポジションで鑑賞する分には一応楽しめる映画と呼べるのでは。 5点(2004-02-12 22:15:46) |
155. パパってなに?
ロシア語で原題はどんな意味なのでしょうか。パパってなに?この問いの答えが描かれていたかと言えばそうでもないし、これを考えさせようという風にも思えない。どちらかと言えば子供の目から見たおとなの世界の矛盾を描いた映画といえるかも知れない。母親のせいで仮の父親となった泥棒軍人に抵抗しながらもどこかで甘えたい気持ちを持つ主人公の少年が銃でいつかこの父親を撃つのは想像通り。銃を貨車に投げ込むのはなんて頭がいいことでしょう。これも今まで観たロシア映画と同じで暗くて冷たい全体の雰囲気が鑑賞後の疲れを誘います。 4点(2004-02-07 19:54:09) |
156. どつかれてアンダルシア(仮)
仕事上必要だから一緒にいるけれど、嫌な部分が増えてやがて憎くて仕方なくなるという感情の推移がうまく描けているが漫才コンビの話なのにぜんぜん笑えない。最後の病室の場面だけクスッと出来たのはこのギャグだけが他とは質の違う笑いだったからでしょう。最後まで観るのはかなり辛うございました。 4点(2004-02-01 12:46:39) |
157. チャンス!(1996)
別に必要ありませんが株や証券取引の知識が全く無いので、え?何でそんなにうまく成功するのかよく分からず、「摩天楼はバラ色に」のウーピー版かな、こりゃ早くも先が読めたな。と思っていたら中盤に変装バレバレだけどどこかユーモラスに動くカティ氏を登場させてから急に面白くなってきた。ラストの受賞場面では女性と黒人に対する差別に痛快なパンチを食らわしてスカッとさせてくれました。どの脇役たちも存在感たっぷり、空回りしていないコメディとしてよく出来た一本です。 7点(2004-01-31 21:20:43) |
158. タキシード(2002)
香港とは全く違う撮影方法に批判的でいながらも時々アメリカ映画に出るのはやっぱりお金なのですか。見せ場になるアクションシーンも添え物程度で、しかもCGを使うとはジャッキー・チェンが絶対出てはいけない映画のはず。生身の体を使って常人には出来ない「うわっ、すごいなあ。こんなことが良く出来るなあ」と驚くようなアクションや大道芸的小道具の使い方を見せてくれるのがジャッキーの魅力なのに、他の名ばかりのアクションスターと同じ事をやっていても観客が満足する事はありません。もうお疲れなのですか。 4点(2004-01-31 12:36:13) |
159. 月のひつじ
宇宙船を見失っちゃったよ。NASAにバレなくて良かったねってそんなことあるか!。風速25メートルだよ。アンテナが壊れなくて良かったねって平気じゃないか!。緊張の一世一代の大事業の現場でもどこか普段着の仕事ぶりはオーストラリア人もそうなのかい。本当にこれ実話なんですかぁ。私にはあまりいい映画とは思えませんでした。 5点(2004-01-28 21:54:54) |
160. ワンダーランド駅で
少しドキュメンタリーのような撮り方をしているせいか、登場人物の会話がとても自然な感じです。物語に退屈することなく最後まで心地よく観られました。運命に導かれた出会いなんてあるのかなと疑いながらもその人を捜し求め続けるエリンの気持ちがよく伝わってきました。アランといつ出会うのかが観ている者を惹きつけるわけですが、わたしはこの二人が出会って交際を始めても性格や暮らしぶりから見てうまくいくとは思えません。エリンにはブラジル男か他の誰かの方が良かったかも。エリンがカフェで突然息苦しくなったのとブラジル男と抱擁までするまでになった気持ちの変化の理由がやや描き足りなかったように思います。空港直前で偶然出会ったアランについていく、ここがいいところなんですがここも理由付けが弱かったかなあ。 6点(2004-01-18 12:44:37)(良:1票) |